離乳食の小麦 いつから?食べ始める時期や注意点

離乳食の小麦 いつから与えるか

離乳食の小麦 いつから?
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開始時期

離乳食開始後1ヶ月程度が目安

🍜
最初の食材

うどんやそうめんから少量ずつ

⚠️
注意点

アレルギー症状に注意しながら進める

 

離乳食の小麦を始める時期

離乳食における小麦の導入時期については、明確な決まりはありません。しかし、一般的には離乳食開始後1ヶ月程度が目安とされています。この時期は、赤ちゃんが米や野菜、豆腐などの基本的な食材に慣れてきた頃であり、新しい食材を試す良いタイミングです。

 

小麦の導入を検討する際は、以下の点を考慮することが重要です:

 

• 赤ちゃんの発達状況
• 離乳食の進み具合
• 家族のアレルギー歴

 

小麦は食物アレルギーの原因となりやすい食材の一つですが、近年の研究では、離乳食の開始を遅らせても食物アレルギーの予防効果はないことが分かっています。むしろ、適切な時期に少量から始めることが推奨されています。

 

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳食の進め方や食物アレルギーに関する最新の知見が紹介されています。

 

離乳食の小麦のアレルギーリスク

小麦は卵や牛乳と並んで、乳幼児期の食物アレルギーの主要な原因食材の一つです。しかし、アレルギーのリスクを過度に恐れて小麦の導入を遅らせる必要はありません。

 

小麦アレルギーの症状は個人差が大きく、軽度なものから重度なものまで様々です。一般的な症状には以下のようなものがあります:

 

• じんましん
• 皮膚の発赤
• かゆみ
• 咳
• くしゃみ
• 嘔吐
• 下痢

 

重要なのは、これらの症状が食べてから2時間以内に現れることが多いという点です。特に注意が必要なのは、呼吸困難やアナフィラキシーショックなどの重篤な症状です。

 

小麦アレルギーのリスクを最小限に抑えるためには、以下の点に注意しましょう:

 

• 少量から始める
• 新しい食材は1日1種類ずつ試す
• 食べさせた後は2時間程度様子を見る
• 症状が出た場合はすぐに医師に相談する

 

日本アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2021」では、食物アレルギーの診断や管理に関する詳細な情報が提供されています。

 

離乳食の小麦の進め方

小麦の離乳食への導入は、慎重に進める必要があります。以下のステップを参考に、赤ちゃんの様子を見ながら進めていきましょう。

  1. うどんやそうめんから始める
    小麦製品の中でも、うどんやそうめんは小麦タンパクの含有量が比較的少ないため、最初の食材として適しています。
  2. 少量から始める
    最初はゆでたうどんを赤ちゃんスプーン1/2杯程度から始めます。
  3. 徐々に量を増やす
    アレルギー症状がないことを確認しながら、4〜5回同じ量を試した後、少しずつ量を増やしていきます。
  4. パンの導入
    うどんが問題なく食べられるようになったら、パンの導入を検討します。パンはうどんよりも小麦タンパクの含有量が多いため、うどんの5分の1程度の量から始めるのが安全です。
  5. その他の小麦製品へ
    うどんやパンが問題なく食べられるようになったら、他の小麦製品(ビスケット、クッキーなど)も少しずつ試していきます。

 

注意点:
• 新しい小麦製品を試す際は、必ず少量から始めること
• パンには卵や乳が含まれていることがあるので、それらのアレルギーにも注意すること
• 調味料(醤油、味噌など)に含まれる小麦は量が少ないため、通常はアレルギー症状を引き起こしにくいですが、個人差があるので注意が必要です

 

日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2022」では、食物アレルギーの予防や管理に関する最新の知見が提供されています。

 

離乳食の小麦を使ったレシピ

小麦を使った離乳食レシピは、赤ちゃんの月齢や食べる能力に合わせて選びましょう。以下に、月齢別のおすすめレシピをいくつか紹介します。

 

【7〜8ヶ月頃】

  1. うどんのつぶし煮
    • ゆでたうどんをフォークでつぶし、野菜スープで煮る
    • 柔らかく煮た野菜(にんじん、かぼちゃなど)を混ぜる
  2. パン粥
    • 食パンを小さくちぎり、ミルクや野菜スープで煮る
    • なめらかになるまで煮込む

 

【9〜11ヶ月頃】

  1. うどんのくたくた煮
    • うどんを野菜(ほうれん草、にんじんなど)と一緒に柔らかく煮る
    • だし汁で味付けする
  2. パンがゆ
    • 食パンを小さく切り、おかゆと混ぜる
    • 野菜ペーストを加えて栄養バランスを整える

 

【1歳〜1歳6ヶ月頃】

  1. うどんのそぼろあんかけ
    • ゆでたうどんに、鶏ひき肉と野菜のあんをかける
    • 片栗粉でとろみをつける
  2. フレンチトースト風
    • 食パンを牛乳と卵液に浸し、フライパンで焼く
    • 砂糖は控えめに

 

レシピのポイント:
• 初めは柔らかく調理し、月齢が上がるにつれて徐々に固さを増やす
• 野菜や肉、魚などを組み合わせて栄養バランスを整える
• 調味料は控えめにし、素材の味を生かす
• アレルギー症状に注意しながら進める

 

農林水産省の「食育ナビ」では、子どもの発達段階に応じた食事の進め方や、離乳食レシピの情報が提供されています。

 

離乳食の小麦の選び方と注意点

離乳食に使用する小麦製品を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう:

  1. 加工度の低いものを選ぶ
    • うどん、そうめんなどのシンプルな麺類から始める
    • 添加物の少ない製品を選ぶ
  2. 有機や無農薬のものを検討する
    • 化学物質への暴露を最小限に抑えられる可能性がある
    • ただし、必ずしも安全性が高いわけではないので過信は禁物
  3. アレルゲン表示を確認する
    • パッケージの原材料表示を必ず確認する
    • 「小麦」以外にも、卵や乳などのアレルゲンが含まれていないか注意する
  4. 保存方法に気をつける
    • 開封後は密閉容器に入れて冷蔵庫で保存する
    • カビや虫が発生しやすいので、保存状態には特に注意が必要
  5. 調理方法を工夫する
    • 最初は十分に加熱し、柔らかく調理する
    • 月齢が上がるにつれて、徐々に固さを調整する

 

注意点:
• 市販のベビーフードを利用する場合も、原材料や栄養成分をしっかりチェックする
• 家族に小麦アレルギーがある場合は、交差汚染に注意する
• 小麦アレルギーの症状は個人差が大きいため、少量から始め、慎重に進める
• アレルギー症状が出た場合は、すぐに摂取を中止し、医師に相談する

 

意外と知られていない情報:
• 小麦アレルギーがある場合でも、醤油や味噌などの発酵食品は比較的安全に摂取できることが多い
• これは発酵過程で小麦タンパクが分解されるためですが、個人差があるので注意が必要です

 

消費者庁の「食品表示」ページでは、アレルギー表示を含む食品表示に関する詳細な情報が提供されています。

 

離乳食における小麦の導入は、赤ちゃんの成長にとって重要なステップです。アレルギーのリスクを意識しつつ、慎重に、そして楽しみながら進めていくことが大切です。赤ちゃんの様子をよく観察し、疑問や不安がある場合は、必ず小児科医や栄養士に相談しましょう。小麦を含む多様な食材を適切に取り入れることで、赤ちゃんの健やかな成長と、将来的な食の幅の広がりにつながります。