有精卵を孵化させて自宅でひよこを育てる全手順

有精卵を自宅で孵化させてひよこを育てたい方へ、孵卵器の選び方・温度・湿度管理・検卵のコツを詳しく解説。失敗しやすいポイントも押さえて成功率を高めませんか?

有精卵を自宅で孵化させてひよこを育てる全手順と必要なもの

購入した有精卵の孵化率は50%を下回ることがあります。


この記事でわかること
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有精卵の選び方・入手方法

孵化率を上げるために、どんな有精卵をどこで手に入れるべきかを解説します。

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孵卵器の温度・湿度・転卵の管理方法

21日間で孵化させるための温度37.5℃・湿度50〜70%のコントロール法を説明します。

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孵化後のひよこの飼育ポイント

生まれたばかりのひよこに必要な温度・餌・飼育環境を、失敗しないよう丁寧に解説します。


有精卵の孵化を自宅で始める前に知っておきたい基本知識


有精卵とは、オスとメスが交尾をして産まれた卵のことです。スーパーで一般的に売られている卵の大部分は無精卵ですが、「有精卵」と表示された商品や、産直市場・農家から直接入手できる卵はオスとの交配があるため、適切に温めることでひよこが生まれる可能性があります。


鶏の有精卵は、37.5℃の環境で21日間温め続けると孵化します。この数字はとても重要で、孵化のプロセス全体を通じて念頭に置いておきましょう。また、自宅孵化をスタートする前に把握しておくべき大事な数字が「21・30・150」の3つです。21日で孵化、生後30日で屋外飼育へ移行、そして孵化後150日前後でたまごを産み始めます。つまり孵化の計画を立てるとき、半年先の飼育環境まで見越しておく必要があるということですね。


有精卵をすべて孵化させるのは、実際のところかなり難しいことです。自家産の有精卵であれば孵化率90%以上になることもありますが、農家や通販から購入した有精卵では輸送中の振動や温度変化の影響を受け、孵化率50%を下回るケースも珍しくありません。はじめから「全部孵化させる」ではなく「半分孵化できたら上出来」くらいの気持ちで臨む方が、気持ちも楽に続けられます。


もうひとつ、先に確認しておきたいのが「雄が生まれる可能性」についてです。孵化した後、1ヶ月ほど経過しないと雄・雌の判別ができません。雄のニワトリは鳴き声が大きく、近隣への配慮が必要になります。集合住宅や住宅密集地での飼育は、鳴き声トラブルに発展する前に近隣住民への事前説明が不可欠です。これが基本です。


有精卵の自宅孵化に必要な孵卵器と道具の選び方

自宅で有精卵を孵化させるために、まず用意したいのが孵卵器(インキュベーター)です。孵卵器は温度と湿度を一定に保ちながら卵を温め続ける機器で、Amazonや楽天市場で7,000〜12,000円前後から購入できます。選ぶ際のポイントは「自動転卵機能の有無」と「容量」の2点です。


自動転卵機能付きの孵卵器は、1時間おきに自動でアームが動いて卵をゆっくり回してくれます。親鳥は1時間に1回程度のペースで転卵しているとされており、手動で転卵する場合は最低でも1日4回以上の対応が必要になります。転卵が少ないと孵化率が大きく下がる、というのは実験でも確認されている事実で、自動転卵機能は孵化率アップの核心といえます。自動転卵機能は必須です。


容量については、鶏卵10個前後が入るサイズが家庭向けにはちょうどよいでしょう。ただし注意点がひとつあります。中国製の低価格な孵卵器は、表示温度と実際の庫内温度が1〜2℃ズレている場合があります。これは特に冬場に影響が大きく、表示が37.5℃でも実際には35℃台ということも。対策として、SwitchBot温湿度計などのスマート温湿度計を庫内に入れてスマホで実温度をモニタリングするのがおすすめです。


そのほか用意しておくと便利なものをまとめると、懐中電灯(ペン型)、発泡スチロール箱(孵卵器の断熱用)、ぷちぷちシート(保温・断熱)、段ボール(孵化後の飼育箱)、保温電球、ひよこ用配合飼料があります。懐中電灯は「検卵」に使いますが、これについては次のセクションで詳しく説明します。


参考:孵卵器のおすすめ機種や選び方の詳細については、以下のページが参考になります。


孵卵器のおすすめ人気ランキング(マイベスト)


有精卵の孵化を成功させる温度・湿度・転卵の管理方法

孵化を成功させるカギは「温度・湿度・転卵」の3つの管理にあります。この3つが揃って初めて、21日後の孵化が現実になります。


温度管理について、鶏卵の孵化に適した孵卵器内の温度は37.5℃(±1℃)です。この温度から2℃以上外れると発育に支障が出ます。孵卵器は室温21〜25℃の環境に置くのが理想で、夏の直射日光が当たる場所や、冬の暖房が切れる夜の寒い部屋は避けましょう。気温が15℃を下回るような冷え込みの激しい日は、孵卵器周辺の室温を20℃以上に保つよう気をつけることが大切です。


湿度管理については、孵化前半(1〜17日目)は40〜55%、後半の孵化直前3日間(18〜21日目)は60〜70%に上げることが推奨されています。湿度が低すぎると卵内の水分が蒸発しすぎて殻の中でひよこが干からびやすく、逆に高すぎても発育に影響します。孵卵器に付属の水タンクに水を補充しながら調整しましょう。


転卵は孵化率に直結するとても重要な作業です。転卵の角度は90度を目安とし、1日最低4回が手動での目安です。転卵の開始は孵化器に卵を入れてすぐから行い、孵化3日前(18日目)に転卵をストップします。これが原則です。18日目以降にひよこが殻の中で孵化体勢に入るため、このタイミングで卵を動かすと孵化率が落ちてしまいます。


参考:転卵と孵化率の関係については、専門的な解説が以下のページにあります。


有精卵の孵化途中にやる検卵のコツと中止卵の見分け方

検卵とは、孵卵中に懐中電灯などの光を卵に当てて内部の状態を透かして確認する作業のことです。有精卵が正しく発育しているか、または無精卵・途中で発育が止まってしまった「中止卵」が混ざっていないかを判断できます。中止卵をそのまま放置しておくと腐敗が進み、場合によっては爆発して他の卵を汚染するリスクがあるため、早期発見が重要です。これは見逃せないポイントです。


検卵のタイミングは孵化開始から6日目・12日目・18日目の3回を目安に行うのがおすすめです。6日目には卵の中に血管のネットワークが広がって見え、正常に発育していることが確認できます。12日目には胚がさらに成長して卵内の大部分が暗く見え、18日目には気室(空気の部屋)以外がほぼ真っ黒に見えれば、孵化まであと少しのサインです。


検卵時の注意点として、卵を孵卵器から出している時間はできるだけ短くしましょう。長時間外に出すと庫内温度が下がり、孵化率に悪影響が出ます。暗い部屋でペン型の懐中電灯を卵の丸い端(鈍端)に当てると内部がよく透けて見えます。懐中電灯はスマートフォンのライト機能でも代用可能です。


発育が止まった中止卵の見分け方として、6〜12日目の検卵で卵の中が透き通っていて血管のネットワークが見えない場合は無精卵か中止卵の可能性が高いです。確信が持てない場合は、次の検卵日まで様子を見ながら慎重に判断しましょう。


参考:検卵の具体的な方法については以下のページが参考になります。


孵卵中の検卵方法(紫雲古津日記・実践記録)


有精卵が孵化した後のひよこの飼育で絶対に外せない温度管理と餌の与え方

いよいよひよこが生まれた後の管理も、孵化と同じくらい重要です。孵化直後のひよこは体温調節機能がほぼ働いておらず、環境温度に完全に依存して生きています。生まれたてのひよこには33〜35℃前後の温かい環境が必要です。人間にとって快適に感じる室温25℃程度でも、ひよこにとっては寒すぎて体力を消耗し、最悪の場合は命に関わります。


飼育箱には段ボールや衣装ケースが使えます。底には新聞紙を敷き、その上に籾殻や小動物用の床材(木材チップ系)を入れると糞の水分を吸収してくれるため清潔を保ちやすくなります。保温には保温電球(ひよこ電球)を使い、温湿度計でこまめにチェックするのが基本です。ペットボトルにお湯を入れてタオルを巻いたものを飼育箱に入れる方法も、夜間の保温として有効です。


餌については、成鶏用の配合飼料は粒が大きくひよこが食べられないため、必ず「ひよこ用配合飼料」を使用してください。ホームセンターやネット通販で購入できます。餌皿と水飲み皿は、ひよこが容器の中に入って溺れないよう、浅く安定感のあるものを選びましょう。


生後約1ヶ月までは段ボールなどの屋内飼育箱でOKですが、日齢15〜21日頃から元気よく飛び跳ねるようになり、脱走のリスクが出てきます。飼育箱の高さや蓋のチェックを忘れずに。その後は屋外飼育に移行し、草や虫を食べながら元気に育っていきます。孵化後150日ほどでたまごを産み始めるので、長い目で楽しみながら育ててみてください。


参考:ひよこの育て方・温度管理の詳細については、以下のページが参考になります。


ヒヨコの飼い方・育て方(家畜改良センター)




[うずらや]【有精卵】豊橋産 うずら 有精卵 30個入り (uzr001)