アッサムのミルクティーを毎日飲んでいる人ほど、骨密度が上がりやすいというデータがあります。
アッサムとは、インド北東部に位置するアッサム州で生産される紅茶のことを指します。世界最大級の紅茶産地として知られており、ブラマプトラ川流域に広がる広大な茶園は、その面積が約3万平方キロメートル(九州とほぼ同じ広さ)にもおよびます。
この地域で紅茶の栽培が始まったのは1823年のことで、イギリス人の探検家ロバート・ブルースがアッサム地方の原住民が茶葉を使っているのを発見したのがきっかけです。その後、イギリス東インド会社によって本格的に茶園開発が進み、19世紀後半にはインド紅茶産業の中心地として確立されました。
アッサム州は熱帯性モンスーン気候で、年間降水量が3,000ミリメートルを超えることもある多雨地帯です。この豊富な雨量と高温多湿な環境が、アッサムティー特有の濃くてコクのある味わいを生み出します。つまり、土地の気候が味を作るということです。
アッサム種(カメリアシネンシス・アッサミカ)という品種は、中国種と比べて葉が大きく、カフェイン含有量も高いのが特徴です。一般的な中国種の茶葉のカフェイン含有量が乾燥重量の約2〜3%であるのに対し、アッサム種は約3〜4%含まれており、しっかりとした刺激感のある味わいに直結しています。
現在、アッサム州では約850か所もの登録茶園があり、年間生産量はインド全体の約50〜55%を占めています。これは世界の紅茶生産量の約15〜17%に相当し、日本に輸入される紅茶のブレンド原料としても非常に多く使われています。
アッサムの最大の特徴は、「モルティ(Malty)」と呼ばれる麦芽のような甘い香りです。これは紅茶の発酵過程で生まれる独特の香気成分によるもので、他の産地の紅茶には見られないアッサムだけの個性です。この香りが基本です。
味わいの面では、次の3つの要素が複合的に絡み合っています。
渋みについて、もう少し詳しく説明します。アッサムのタンニン(ポリフェノールの一種)は、茶葉100グラムあたり約11〜15グラム含まれているとされており、ダージリンの約7〜9グラムと比較すると明らかに高めです。渋みが強い分、ストレートで飲むよりもミルクを加えたほうが口当たりが格段になめらかになります。
また、アッサムには「テアフラビン」と呼ばれる赤橙色の色素成分が豊富に含まれています。これが水色を鮮やかな赤褐色にする正体であり、同時に独特のコクを生み出す成分でもあります。これは意外ですね。
ダージリンが「紅茶のシャンパン」と呼ばれるのに対し、アッサムは「紅茶のビール」と例えられることがあります。香りの繊細さよりも、ずっしりとしたコクと満足感を重視した個性を持つ紅茶、それがアッサムです。
同じアッサム産の茶葉でも、製法によって味わいが大きく異なります。これを知らずに購入すると「なんか思っていたのと違う」となりがちなので、ぜひ覚えておいてほしい知識です。
アッサムの製法は大きく2種類に分かれます。
スーパーや市販のティーバッグに入っているアッサムのほとんどはCTC製法です。抽出時間が約2〜3分と短く、忙しい主婦の方でも手軽に濃いミルクティーを作れるのが魅力です。
一方、専門店や通販で購入できるオーソドックス製法のアッサムは、茶葉の形状がBOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)やFTGFOP(ファイネスト・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)などのグレードで分類されています。これらは茶葉の品質を示す記号で、Tが多いほど金色の芯芽(ゴールデンチップ)が多く含まれており、甘みと香りが豊かです。
CTC製法の場合の1杯あたりの茶葉の量は約2〜3グラム(小さじ1杯程度)が目安ですが、オーソドックス製法では同じ濃さを出すのに約3〜4グラム必要になることもあります。製法によって、適切な量も変わるということです。
家庭でまずアッサムを試してみたい場合は、コスパの良いCTC製法のティーバッグから始め、気に入ったらオーソドックス製法のリーフティーに移行するのがおすすめの順番です。
アッサムがミルクティーに最も向いている紅茶のひとつと言われる理由は、タンニンとミルクタンパク質の化学反応にあります。アッサムのタンニンがミルクのカゼインタンパク質と結びつくことで渋みが和らぎ、コクだけが口に残る、理想的な味わいになるのです。これが基本の仕組みです。
おいしいアッサムのミルクティーを家庭で作るための手順を整理します。
「ロイヤルミルクティー」は日本独自の呼び方で、鍋でミルクと茶葉を一緒に煮出す方法を指します。インドの「チャイ」はスパイスを加えてさらに煮立てるスタイルです。アッサムはどちらの方法にも対応できる懐の深い茶葉です。
ロイヤルミルクティーを作る場合は、水50mlにCTCアッサム茶葉3〜4グラムを入れて中火で30秒ほど煮出した後、牛乳150mlを加えて弱火でゆっくり温めるだけです。砂糖はお好みで、はちみつを少量加えると香りが引き立ちます。これは使えそうです。
なお、アッサムのタンニンは鉄分の吸収を阻害する働きがあるため、食事中や食直後に飲む場合は注意が必要です。特に鉄欠乏性貧血が気になる方は、食間(食後1〜2時間後)に飲むのがよいとされています。飲むタイミングも大切ということですね。
アッサムを日常的に飲むことで期待できる健康効果は、近年の研究によって少しずつ明らかになってきています。ただし、過剰摂取には注意が必要なため、正しい知識を持って取り入れることが大切です。
まず、アッサムに豊富に含まれる「テアフラビン」と「テアルビジン」というポリフェノールには、強い抗酸化作用があります。2019年に発表されたインドの研究では、アッサムティーの定期摂取がLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値を平均約11%低下させる効果が観察されたと報告されています。
また、カテキンの一種であるEGCG(エピガロカテキンガレート)も含まれており、免疫機能のサポートや抗炎症作用との関連が注目されています。カテキンが基本の有効成分です。
一方で、注意が必要な点もあります。
骨の健康との関係については興味深い調査結果もあります。英国で行われた調査(サンプル数約1,100名)では、紅茶(主にアッサムブレンド)を1日3杯以上飲む女性は骨密度が飲まない女性より平均約5%高かったという報告があります。ミルクを加えて飲む習慣がカルシウム摂取を自然に増やしていることが一因と考えられています。
紅茶の健康効果についてさらに詳しく知りたい方には、農林水産省が公開している食品成分データベースや、日本紅茶協会の公式情報が参考になります。
日本紅茶協会 公式サイト(紅茶の成分・産地・品質に関する信頼性の高い情報が掲載されています)
紅茶専門店で高品質なアッサムを購入しても、保存方法を間違えると購入後わずか2〜3週間で香りが半減してしまうことがあります。せっかくの茶葉を無駄にしないために、正しい保存と選び方を押さえておきましょう。
紅茶の天敵は「湿気」「光」「においの強いもの」「酸素」の4つです。これだけ覚えておけばOKです。
購入時の選び方については、パッケージに「アッサム産」と記載されていても、他産地の茶葉とのブレンドである場合が多くあります。純粋なアッサム産の茶葉を選びたいなら、「100% Assam」または「Single Origin Assam」と明記された商品を選ぶのがポイントです。
また、季節によって品質が大きく変わるのも、アッサムの特徴のひとつです。アッサムのベストシーズンは「セカンドフラッシュ(二番摘み)」と呼ばれる6〜7月の摘み取り時期で、この時期の茶葉はモルティな香りと深いコクが最も強く出ます。高品質なアッサムを探す際は「Second Flush」の記載があるものを選ぶと、ワンランク上の味わいを楽しめます。
日常使いのミルクティー用であればCTC製法のティーバッグを箱買いするのが経済的(1杯あたり約20〜40円)で、ちょっと贅沢に楽しみたいときはオーソドックス製法のリーフティーを少量購入して使い分けるのがおすすめです。
アッサムの茶葉選びに迷ったら、日本紅茶協会が毎年実施している「おいしい紅茶の店」認定店のリストや、楽天市場・Amazonの紅茶カテゴリでレビュー数が多い商品を参考にするのも一つの方法です。選ぶ基準が明確になれば、失敗が減ります。
![]()
アンビカトレーディング アンビカ プレミアム アッサムティー 250g×3個セット インドのお茶 茶葉 インド紅茶 ティー類 インスタント チャイスパイス アジアン食品 エスニック食材 食材 K19