スーパーで買うと1袋100円以上するベビーリーフ、実は自分で育てると種代だけで何度も収穫できます。
ベビーリーフとは、特定の野菜の名前ではなく「発芽後30日ほどで収穫する若い葉っぱの総称」です。レタス、水菜、ルッコラ、ケール、ターサイ、小松菜、スイスチャード、マスタードなど、食べられる葉であれば基本的に何でもベビーリーフになります。
農家が実際によく使う品種はルッコラ・ターサイ・水菜・小松菜・マスタードの5種類で、これらをミックスして栽培するのがプロの基本スタイルです。クセがなく食べやすいターサイやレタス系はサラダ向き、ぴりっと辛みのあるルッコラやマスタードは大人向けのアクセントになります。
家庭菜園レベルであれば、品種を個別に購入して自分でミックスするより、市販の「ベビーリーフミックス種」を使うほうが断然お得です。種苗会社によって配合が異なるため、気に入ったミックスを見つける楽しみもあります。
種はダイソーなどの100均でも手に入りますが、発芽率や品種の充実度を考えると、ホームセンターや種苗会社の製品がより安定しています。プランター1つ分の種代は数百円程度なので、スーパーで1袋買う値段で何週間も食べ続けられる計算になります。これはお得ですね。
| 品種 | 味・特徴 | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| ターサイ | クセがなく食べやすい | 子どもや苦手な方向け |
| 水菜 | シャキシャキした食感 | サラダ・鍋のトッピング |
| ルッコラ | ぴりっとした辛みと香り | パスタ・ピザのトッピング |
| 小松菜 | 栄養豊富・苦みが少ない | 炒め物・スムージー |
| マスタード | 辛みが強くアクセントになる | 大人向けサラダ |
農林水産省の農畜産業振興機構によれば、ベビーリーフに使える野菜の品種は100種類以上あるとされています。つまり、発想次第でオリジナルのミックスが無限に作れるということですね。
農畜産業振興機構:ベビーリーフの需要特性と周年供給ニーズへの対応(大規模農家の生産・販売システムの実態が詳しく解説されています)
農家がもっとも重視するのが「土づくり」です。熊本県で有機ベビーリーフを周年出荷している農家・林千寿さんは「農業の基本は土づくり」と語っており、牛糞堆肥と原野草を5:4の割合で混合・再発酵させた堆肥を使用しています。家庭菜園でそこまでする必要はありませんが、土の準備を丁寧にするだけで発芽率が大きく変わります。
プランターで育てる場合は、普通の野菜用培養土でも十分ですが、初めてチャレンジする方には「種まき専用の土」を強くおすすめします。種まき用の土は発芽に最適化された細かい粒子と水はけ・保水性を兼ね備えているため、確実に芽を出せます。価格は通常の土より少し高めですが、失敗ゼロを目指すなら必須です。
種まき前のひと手間が成功の鍵になります。
露地(畑)での種まきは「すじまき」が農家の定番です。ばらまきにすると雑草と見分けがつかなくなってしまうため、約1cmの深さのまき溝をつけて、1cm間隔で1粒ずつ丁寧に並べていきます。プランター栽培のほうが泥はねや虫のリスクを抑えやすいので、主婦の方には管理しやすいプランター栽培が基本です。
マイナビ農業:農家が教えるベビーリーフの栽培方法(種まきから収穫まで農家目線でわかりやすく解説されています)
ベビーリーフ栽培において農薬はほぼ使えません。なぜなら、種まきから収穫まで30日ほどしかなく、農薬の使用基準(収穫前の使用制限日数)を守ると散布できるタイミングがほとんどないからです。農家のプロですら「農薬がほとんど使用できないので、病害虫を発生させないように気をつけることが最重要」と位置づけています。農薬に頼れないということですね。
つまり、防虫の主役は「防虫ネット」一択です。
種まきが終わったらすぐに防虫ネットをかけることが農家の鉄則です。水菜・ターサイ・小松菜などアブラナ科のベビーリーフは、コナガ・モンシロチョウの幼虫・キスジノミハムシが大好物で、あっという間に食い荒らされてしまいます。ルッコラなどにはアブラムシも大量発生します。
プランター栽培で室内や風が少ないベランダで育てる場合は、外来の虫のリスクが低下します。ただし、4月〜10月は窓の開閉のたびにアブラムシが侵入する可能性があるため、ネットをかけておくのが安心です。防虫ネットはホームセンターで500〜1000円程度から手に入ります。一度買えば何シーズンも使えるので、初期投資として損はありません。これは使えそうです。
北海道立農業試験場:ベビーリーフ栽培マニュアルPDF(農薬使用の制限や病害虫対策が詳細に解説されています)
ベビーリーフの収穫は「食べたいと思ったとき」が正解です。葉の大きさが5cmでも10cmでも、見た目と食感が好みであれば問題ありません。農家では草丈10cm程度、アブラナ科野菜は種まきから約2週間、キク科野菜(レタス系)は約1ヶ月をめどに収穫タイミングを見定めています。
繰り返し収穫するための切り方が重要です。
「株元を根本からすべて刈り取ってしまう」と再生しません。正しい切り方は、地面から3〜5cm上(双葉の上・枝分かれ部分を残す位置)でハサミを入れることです。こうすることで数日後には新芽が伸び始め、3〜4回は繰り返し収穫できます。英語では「cut and come again salads(切ってもまたくる サラダ)」と呼ばれるほど、再生収穫がベビーリーフの魅力です。
収穫後は追肥も忘れずに行いましょう。葉の色が薄くなったり黄みがかってきたりしたら肥料不足のサインです。プランターの場合は液体肥料(液肥)が手軽で便利です。規定量の液肥を水に溶かして週1回程度与えれば、成長スピードが維持されます。液肥はハイポネックスなどの製品がホームセンターやネットで数百円から購入できます。追肥が条件です。
公益財団法人 自然農法国際研究開発センター:ベビーリーフの栽培(再生収穫の方法と双葉の切り方について写真付きで解説されています)
「ベビーリーフはサラダのかさ増しに使うもの」と思っていたとしたら、その認識は大きく間違っています。βカロテン含有量を比べると、ベビーリーフ100gあたり約3,600μgに対して、サニーレタスは100gあたり約240μgです。つまりベビーリーフはレタスの約15倍ものβカロテンを含んでいます。意外ですね。
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、目や皮膚の健康維持、免疫力アップに働きます。毎日サラダに少量加えるだけで、家族の栄養補給に大きく貢献できるということです。
主婦に特に嬉しい栄養素を整理すると、以下のとおりです。
ただし注意点もあります。ベビーリーフ1袋に含まれる他のビタミン・ミネラルは1日必要量の0〜20%程度にとどまるため、これ1品だけで栄養を全部まかなうことはできません。サラダのベースにしつつ、他の野菜と組み合わせることで理想的な栄養バランスが整います。つまり「主役」ではなく「毎日の栄養底上げ役」として活用するのが正解です。
自家栽培のベビーリーフは収穫したてを食べられるため、栄養素の損失も最小限に抑えられます。市販のベビーリーフは収穫から流通・店頭販売まで数日かかりますが、ベランダや室内で育てれば「収穫5分後に食卓へ」が可能です。これが家庭栽培の最大のメリットといえるでしょう。
ヨガジャーナルジャパン:βカロテンはレタスの約15倍!ベビーリーフの驚くべき栄養価(各栄養素の具体的な比較データが紹介されています)
はーとふる農園:じつは栄養価が高い「ベビーリーフ」(ビタミンCがレタスの8倍という詳細なデータが掲載されています)