冬キャベツの種まき時期は7月下旬から8月中旬が基本です。この時期に播種することで、10月から11月以降に収穫できる冬どりキャベツを育てることができます。夏まき冬どり栽培では、8月下旬から9月上旬に定植を行い、約3ヶ月から4ヶ月の栽培期間を経て収穫を迎えます。
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地域による播種時期の調整も重要で、暖地では種まきを遅らせ、寒冷地では早めに播種する必要があります。愛知県などの主産地では、収穫までの期間が短く、耐病性と耐暑性を持つ品種が推奨されています。種まき後は発芽まで土表面が乾燥しすぎないよう、朝に水やりをすることがポイントです。
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育苗期間は夏まきで約35日、春まきや秋まきでは40〜45日程度必要です。セルトレイを使用する場合は、30cm×60cmの大きさで128本の苗を育苗でき、種まき後25日程度で本葉2.5〜3枚になったら移植適期となります。
参考)キャベツができるまで href="https://www.tokoharu10586.com/cultivation" target="_blank">https://www.tokoharu10586.com/cultivationamp;#8211; JA愛知みなみ常春部会
冬どりキャベツには耐寒性と耐病性に優れた品種を選ぶことが成功の鍵です。人気品種として「彩音」は耐病性・耐寒性にすぐれ、甘みが強く食味抜群で、晩抽で裂球が遅く収穫期の幅が広い特徴があります。「湖月SP」は根張りが強く生育旺盛で作りやすく、裂球が遅いため加工用としても適しています。
参考)02 キャベツ|野菜種(タネ)・苗の専門店 高木農園
「夢舞台」は低温に強く晩抽性にすぐれた中晩生種で、冬季に球内色と食味がよい濃緑球ができます。夏秋どり品種としては「おきな」が収穫までの期間が短く耐病性と耐暑性を持ち育てやすいと評価されています。品種選びでは栽培地域の気候条件に合わせ、耐寒性や在圃性の高い品種を選ぶことで安定した収穫が期待できます。
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寒冷地では「北ひかり」など高温期の栽培に適した品種も選択肢となります。各品種の特性を理解し、自分の栽培環境に最適な品種を選定することが大切です。
参考)https://www.takii.co.jp/CGI/tsk/shohin/shohin.cgi?breed_seq=00000054
タキイ種苗の野菜栽培マニュアル - キャベツの品種選定と栽培方法の詳細情報
育苗管理では健康な苗を育てることが最重要です。定植する苗の大きさは本葉5〜6枚程度がベストですが、秋まき春どり栽培の場合は冬越し時の苗の大きさで結球するか否かが決まるため、大きすぎる苗を植えつけないこと、早植えしないことがポイントです。
参考)キャベツ【地植え】の育て方|KINCHO園芸
セルトレイやペーパーポットを使用する場合、1カ所に種を1〜2粒まき、軽く用土をかけます。キャベツは3〜5日程度で発芽し、発芽後は1カ所につき株が1本になるように間引きをします。育苗期間中は夏まきの場合、寒冷紗で日差しを和らげ高温になりすぎないよう注意が必要です。
定植は育苗日数30〜40日の本葉4〜6枚の苗を使用し、活着を良くするために苗床は定植前に十分かん水します。畑が乾燥している場合は、ひと雨待って植付けることで初期の生育を進めることができます。定植後7日程度は十分かん水し、植え傷みを防ぐことが重要です。
参考)https://www.yanmar.com/jp/agri/agrilife/kitchen_garden/field/cabbage/
土づくりは植えつけの2週間前から開始します。1m²当たり100gの苦土石灰を散布し、よく耕しておきます。1週間前には1m²当たり堆肥2kgと粒状肥料を200g散布し、よく土に混ぜ込みます。キャベツは肥沃で水はけの良い土壌を好むため、植え付け前に堆肥や腐葉土を混ぜ込んで土づくりをしておくことが大切です。
参考)【キャベツの育て方】種まき方法と苗の植え付け時期は?収穫時期…
連作障害対策として、2〜3年アブラナ科野菜を栽培していない場所を選ぶことが必須です。根こぶ病にかかると収穫が期待できないため、連作している畑では堆肥を多めに施し、土壌殺菌剤を処理することが推奨されます。
追肥管理ではキャベツの生育に応じて収穫までに2〜4回程度追肥を行います。追肥と土寄せをしっかり行うことで外葉が大きく育ち、結球を促進できます。ただし結球開始期以後の施肥は裂球や腐敗の原因になるので注意が必要です。
参考)キャベツが裂球してしまいます。どうしてでしょうか?
収穫時期の見極めは固さで判断します。秋冬キャベツの栽培期間は約5カ月程度ですが、実際に触って確認することが重要です。収穫適期にないものは柔らかく、収穫適期のものはしっかり詰まっている感覚があり固くなります。大きさでの判断はできず、小さくても葉が詰まって固いものはそれ以上成長しないため収穫します。
参考)キャベツの育て方ー収穫
裂球対策は冬どりキャベツの栽培で重要な課題です。キャベツの裂球は内部からの成長に外形が追いつかないとき、せっかく結球しても割れてしまいます。対処方法として耐裂球性や収穫期の幅が広い品種を選ぶこと、ある程度結球したころ株の周辺の根をスコップで切って成長を緩めること、外葉を何枚か取り除くことなどが効果的です。
参考)生育途中のキャベツが割れる!?裂球する原因と対処方法
真冬のキャベツは成長が遅く収穫間隔が2週間を要するため、サイズと合わせて相場を見ながらの収穫日設定が行われます。在圃性の高いキャベツは畑に長く置いておけますが、裂球が始まったらできるだけ早く収穫することが大切です。
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ハイポネックスジャパン - キャベツの育て方完全ガイド(種まき・育苗・収穫の詳細手順)
地域による栽培方法の違いは重要な考慮点です。寒冷地では春まきや夏まきが推奨され、北海道上川郡和寒町が発祥の「越冬キャベツ」は上級者向けの難しい栽培方法とされています。寒冷地では霜対策として不織布などをかけることが効果的で、冬を越して生長させる必要があります。
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暖地の九州南部などでは種まき時期を10月〜11月上旬を目安とし、より遅い時期の播種が可能です。秋まきキャベツは9月下旬から10月上旬の種まきがおすすめで、暖地では10月下旬まで播種できます。
嬬恋村のような高原地帯では、標高が高く朝と夜の気温差が大きいためキャベツづくりに向いており、火山灰を含む排水の良い黒ボク土が畑に多いことも栽培に適しています。嬬恋村では約35品種のキャベツが作られ、農地の標高差に応じて場所と季節に合った品種が育てられています。
参考)嬬恋高原キャベツ
生育適温は平均気温20℃くらいで、最低5℃以上まで微弱な成長をします。0℃以下では成長しませんが最低-15℃でも越冬可能で、30℃以上の高温になると生育は衰えます。地域の気候特性を理解した栽培計画が成功の鍵となります。
参考)嬬恋高原キャベツとは|JA嬬恋村ホームページ