東京にあるハンガリー料理レストランは、全国でも10軒に満たないほど希少で、知らずに通り過ぎると一生出会えないお店がある。
ハンガリーは人口約1,000万人のヨーロッパ内陸国ですが、その料理は日本ではまだまだ知られていません。食べログで「ハンガリー料理」を検索すると、東京都内でヒットする件数は5〜6件程度。イタリアンやフレンチが数千件単位で存在するのと比べると、圧倒的に少ない数字です。
希少なだけに、知っていると得をするお店ばかりです。
東京でハンガリー料理を楽しめる代表的な3軒として、まず「アズ フィノム(外苑前)」が挙げられます。ハンガリー政府からの依頼を受けて2001年に誕生した由緒ある一軒で、ハンガリー大使もおすすめする本格店です。現地から仕入れた食材を使い、ハンガリーの名窯「ジョルナイ磁器」で料理を提供するこだわりは、都内唯一といっていいレベルです。
次に「ドブロギ ハンガリアン バー&ダイニング(溜池山王)」。ハンガリー出身のシェフ、ラスロー・コタセック氏が「母国の味を広めたい」という思いで2018年に開いたお店です。テーブルとカウンター合わせて20席という小さな空間は、まさに隠れ家の雰囲気。駐日ハンガリー大使も通う本格派です。
そして「キッチンカントリー(自由が丘)」は昭和34年創業の老舗で、自由が丘デパートの3Fに今も健在。創業65年以上の歴史を持ちながら、ハンガリーのアラカルト料理を豊富に揃えているのは都内でも希少な存在です。
つまり、本格的なハンガリー料理を求めるなら、この3軒を押さえておけばOKです。
タイムアウト東京「東京、本格ハンガリー料理店&バー4選」(駐日大使おすすめ店の詳細情報あり)
ハンガリー料理の最大の特徴は、唐辛子を品種改良した「パプリカ」を大量に使う点です。日本人がイメージするパプリカ(野菜)とは別に、粉末にした赤いパプリカパウダーがスープや煮込み料理の色と風味を決定づけます。初めてハンガリー料理レストランを訪れる方が迷わないよう、代表的なメニューを5つ整理しておきます。
| メニュー名 | 特徴 | 一言コメント |
|---|---|---|
| グヤーシュ | 牛肉・じゃがいも・パプリカのスープ | ハンガリーの国民食・味噌汁的存在 |
| チキンパプリカ | 鶏肉をパプリカソースとサワークリームで煮込む | 甘みと酸味のバランスが絶妙 |
| ロールキャベツ(トルトット・カーポスタ) | 豚ひき肉入りロールキャベツをトマトソースで煮込む | 家庭的でほっとする味わい |
| ランゴシュ | チーズとサワークリームをのせた揚げパン | ハンガリー屋台の定番・クセになる味 |
| クルトシュ(チムニーケーキ) | 棒に生地を巻いて焼いた筒状のスイーツ | 外はカリッ、中はふかっとした食感 |
グヤーシュは「ハンガリー版お味噌汁」とも言われ、家庭でも日常的に作られる料理です。日本の味噌汁が家庭によって風味が違うように、グヤーシュもお店ごとに個性が出ます。これが基本です。
チキンパプリカ(パプリカーシュ・チルケ)は、レストランによって「チキンのパプリカ煮込み」「パプリカシチュルケ」などの名称で掲載されていることもあります。ぷりっと柔らかい鶏肉に染み込んだパプリカの甘みとサワークリームの酸味は、初めてでも食べやすく、主婦層にも評判の一品です。
ランゴシュは油で揚げた生地にサワークリームとチーズをたっぷりのせたもので、1個900円前後から注文できます。ドブロギでも人気のメニューで、外のカリカリと中のもっちりが見事なコントラストを生み出しています。これは使えそうです。
ハンガリーは実はワインの名産地で、世界三大貴腐ワインの一つ「トカイワイン」の産地として知られています。フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼと並ぶ貴腐ワインで、琥珀色の深みとトロッとした甘みが特徴です。意外ですね。
ハンガリー料理レストランの多くは、このトカイワインを含めたハンガリー産ワインを常時提供しています。アズ フィノムでは常時80種以上のハンガリーワインを用意しており、ドブロギでも約20種のハンガリー産ワインが楽しめます。
料理との組み合わせを考えるなら、以下のような基本が参考になります。
- 🥩 グヤーシュ・チキンパプリカ → 果実味豊かなハンガリー産赤ワイン(例:ヴィリアン・マチカ 3,800円前後)
- 🧀 ランゴシュ・前菜系 → 白ワインやさっぱりした辛口ハンガリー白(フルミント種など)
- 🍯 デザート・クルトシュ → 甘口トカイワイン(ハチミツや貴腐果のアロマと相性◎)
ワインの費用感として、ドブロギでグラスワイン1杯は1,000〜2,000円前後が目安です。フルボトルなら3,000〜6,000円台で楽しめるものも多く、フレンチレストランと比べるとリーズナブルに本格ワインが楽しめます。
また、ハンガリーには蒸留酒「パーリンカ」という国民酒もあります。果物を原料にした蒸留酒で、500mlを作るのに10kg以上もの果物を使う非常に濃縮された香りが特徴です。東京・飯田橋にある「バー パーリンカ」では1杯1,500円〜、100種類以上のパーリンカを飲み比べできます。料理とセットで楽しむというよりも、食後酒やバー使いに向いています。
「ヨーロッパ料理のレストランって、ランチでも1人3,000円以上かかりそう」と思いがちですが、ハンガリー料理レストランは意外とコストパフォーマンスが高いです。具体的な費用感を確認しておきましょう。
ランチ利用の目安:
- アズ フィノム:ランチコース(スープ+メイン)2,000円〜
- ドブロギ:平日ランチのみ営業(月〜金 11:30〜14:30)、1,500〜2,500円前後
- キッチンカントリー:11:30〜14:00のランチタイムあり、アラカルト中心
ドブロギは土日祝が定休日なので注意が必要です。
友人との平日ランチや記念日のちょっとした贅沢にちょうどいい価格帯です。わかりやすい基準として、ファミリーレストランのランチより少し高い程度。それでいて、日本では数軒しかない本場ハンガリー料理が楽しめるわけですから、コスパは高いと言えます。
予約については、アズ フィノム・ドブロギ・キッチンカントリーはいずれも予約可能です。席数が少ないお店が多く(ドブロギは20席)、特にディナーの週末前後は満席になりやすいため、食べログや公式HPから事前に予約しておくことを強くおすすめします。
予約するなら一休.com・食べログ・各店舗の公式サイトを確認するのが確実です。
新大久保の「トルドロ」や表参道の「バラトンカフェ」はカフェ・スイーツ業態のため予約不要ですが、クルトシュやラーンゴシュなど軽食系が中心です。本格的な食事を楽しみたい場合は前述の3軒を選びましょう。
一休.com「東京のハンガリー料理が味わえるレストラン」(予約可能な東京のハンガリー料理店一覧)
ここからは、検索してもあまり出てこない視点をお伝えします。
ハンガリー料理は実は「家庭料理」が強みの料理文化です。グヤーシュは日本の味噌汁に相当する存在で、ロールキャベツや煮込み料理は毎日の食卓に登場するものばかり。つまり、ハンガリー料理レストランで食べた料理は、自分で再現しやすいという側面があります。
メニューを食べながら「なぜこの酸味がでるんだろう?」と感じたら、それはサワークリーム(テイフェル)の仕業です。日本のサワークリームとほぼ同じもので、スーパーでも手に入ります。
また、パプリカパウダーもカルディや大型スーパーで300〜500円で購入できます。ハンガリー産のパプリカパウダーは甘みが強く、日本のものとは別格の香りです。レストランで料理の深みを感じたら、ぜひ一度自宅でも試してみてください。
「ハンガリー料理は辛いの?」と心配する方も多いですが、実はほとんどの料理は辛くありません。パプリカパウダーには「甘口(エーデシュ)」と「辛口(チェメゲ)」があり、家庭料理や一般的なレストランでは甘口を使うことがほとんどです。お子さん連れでも安心して食べられます。
子連れで行く場合は、席数が比較的多く昼間から営業しているキッチンカントリー(自由が丘)が使いやすいです。カフェ形式で入りやすいバラトンカフェ(表参道)でクルトシュを食べながらハンガリー料理の世界に入門する、というルートも主婦の友人グループやお子さん連れの初訪問にぴったりです。
💡 まとめとして覚えておきたい3点:
- 🏪 東京のハンガリー料理レストランは全国でも5〜6軒と希少。早めに予約が正解
- 🍽️ 初めてなら「グヤーシュ」と「チキンパプリカ」を頼むのが王道
- 🍷 ランチなら2,000円前後から本場の味が楽しめる。ワインを足しても4,000〜5,000円台に収まる
日本ハンガリー友好協会「ハンガリー料理を食べに行ってみませんか?」(東京のハンガリー料理店リストと各店の特徴まとめ)