スーパーで買っている「上級品」が、実は7ランク中の下から2番目だと知ったら損した気分になりませんか?
揖保乃糸には現在7つの等級があり、それぞれ帯の色で見分けられます。「名前が上級だから一番いいのかな」と思っている人も多いですが、実際には上級品は7ランク中の下から2番目です。つまり「上級」という名前は一番上ではなく、あくまでそのラインの代表的なグレードを指しているにすぎません。
下の表で、ランクを低い方から確認しましょう。
| ランク | 帯の色 | 麺の太さ | 1束あたりの価格目安 |
|---|---|---|---|
| 太づくり | 暗い紫帯 | 1.10〜1.50mm | 約120円 |
| 上級品 | 🔴 赤帯 | 0.70〜0.90mm | 約123円 |
| 熟成麺 | 🟡 金帯 | 0.70〜0.90mm | 約133円 |
| 播州小麦 | 🟢 緑帯 | 0.90〜1.10mm | 約142円 |
| 縒つむぎ | 🟣 紫帯 | 0.70〜0.80mm | 約142円 |
| 特級品 | ⚫ 黒帯 | 0.65〜0.70mm | 約154円 |
| 三神 | ⚫ 黒帯(最高級) | 0.55〜0.60mm | 約270円 |
ランクの違いは主に「使用する小麦粉の品質」「麺の細さ」「製造時期」「製造者の技術レベル」の4点で決まっています。細い麺ほどつくるのが難しく、寒い時期に限定してつくるほど品質が高くなる仕組みです。赤帯が基本と覚えておけばOKです。
スーパーで流通しているほとんどが上級品(赤帯)であり、全生産量のおよそ80%がこの赤帯です。金曜日夕方のスーパーそうめんコーナーでほぼ確実に見かけるのも、この赤帯だということですね。
兵庫県手延素麺協同組合 公式ページ:揖保乃糸の帯の種類と各ランクの詳細スペック一覧
揖保乃糸でとくに知っておくと役に立つのが、家庭用でも手に入りやすい「上級品(赤帯)」と「特級品(黒帯)」、そして最高級の「三神(さんしん)」の3種類の違いです。
上級品(赤帯) は揖保乃糸の代名詞ともいえる商品で、1964年の発売から60年以上の歴史があります。麺の太さは0.70〜0.90mm、1束(50g)にはおよそ400本の麺が入っています。希望小売価格は300g(6束)で税抜380円前後、1束あたり約63円ほどが目安です。一方、通販やスーパーでは1束あたり約123円前後で販売されていることが多く、購入場所によって幅があります。スーパーでよく見かける「定番そうめん」の価格帯です。
特級品(黒帯) になると、製造時期が12月から翌2月の厳寒期だけに限定されます。製造を担えるのも、組合が選抜した熟練製造者のみです。麺の太さは0.65〜0.70mmと赤帯より細くなり、1束あたりの価格は約154円前後と上級品の約1.2倍。400g入り(8束)の定価が税抜1,500円(約188円/束)という商品も展開されています。
三神(さんしん) は揖保乃糸の最高峰です。兵庫県たつの市にある「大神神社(素麺神社)」に祀られる3柱の神様にちなんで命名されました。製造できるのは組合員400軒のうちわずか数軒のみで、全生産量に占める割合は非常にわずかです。麺の太さは0.55〜0.60mmと極細で、1束に約550本もの麺が詰め込まれています。1束あたりの価格は約270円で、上級品の赤帯と比べると2倍以上の値段になります。スーパーではほぼ見かけず、百貨店や産地直送通販での入手が一般的です。
数字で整理するとイメージしやすいですね。上級品が1束63円、三神が1束270円とすれば、その差は4倍以上にもなります。
揖保乃糸をより深く知りたい人が必ず出会うのが「ひね(古)」という言葉です。意外ですね。
「ひね(古)」とは、製造後に管理の行き届いた専用倉庫でさらに1年間熟成させたそうめんのことです。反対に、製造した年のうちに出荷されるものは「しん(新)」と呼ばれます。一般的に乾麺は時間が経つと品質が落ちるイメージを持っている方も多いですが、揖保乃糸の場合は逆です。熟成することでコシが増し、舌触りやのど越しが格段によくなるとされています。
価格面でいうと、ひねは同じランクの新物より1割〜2割ほど高くなります。たとえば特級品(黒帯)の場合、新物が1束あたり約70〜87円(大容量木箱)なのに対し、ひねは約80〜87円前後と、少し高くなる傾向があります。
注意が必要なのは賞味期限です。通常の揖保乃糸の賞味期限は約3年半と長めですが、「ひね」はすでに熟成が進んでいるため、商品によっては賞味期限が1年〜1年半と短くなっている場合があります。購入前に確認するのが原則です。
また、「三神ひね」ともなると、上級品の赤帯と比べて約5.5倍の値段になるという情報もあります。最高峰の麺を最高の状態でいただける特別品として、ファンや贈答目的の購入者に人気があります。
ひねを試してみたい場合は、産地公式の通販サイトや百貨店のギフト売り場で確認するのが確実です。スーパーには流通量がほとんどないため、近所のお店だけで探すのは難しい商品です。
揖保乃糸公式ホームページ:よくある質問「ひね(古)」の意味と賞味期限・保存方法の詳細
お中元やお歳暮、内祝いなど贈り物に揖保乃糸を選ぶ主婦の方はとても多いです。ただ、スーパーで見かけた上級品の赤帯を贈答用に選んでしまうと、相手にとって「普段スーパーで買えるもの」という印象になってしまうことがあります。これは、もったいないですね。
贈答用として最もよく選ばれているのは特級品(黒帯)です。化粧木箱入りのセットで、2〜3kgで3,000円〜6,000円台の商品が中心になります。「特級品 黒帯 14束入り」で2,500円前後〜という価格帯は、お中元・お歳暮の一般的な相場(3,000〜5,000円)にもおさまりやすく、包装やのし対応もしてくれるショップが多いです。
もっと高額で特別感のある贈り物をしたい場合は、三神を検討する価値があります。50g×14束入りで6,000〜7,000円程度が相場ですが、百貨店やこだわりの食品店でないと入手しにくく、「どこでも買えないもの」という希少性が贈り物としての価値を高めてくれます。
目安をまとめると以下の通りです。
贈答目的の場合は、通販の公式サイトや楽天の産地直送ショップを使うと、木箱・熨斗(のし)対応・送料無料がセットになったギフトセットを選びやすいです。購入前に「熨斗(のし)対応可否」を確認する、それだけ覚えておけばOKです。
揖保乃糸のランクを語るうえで外せないのが「麺の細さ」の違いです。最高級の三神が0.55〜0.60mmであるのに対し、上級品は0.70〜0.90mm。この差は最大0.35mm程度ですが、食べた印象は大きく変わります。
0.35mmの違いがどのくらいかというと、名刺1枚の厚さが約0.22〜0.28mmなので、それよりもほんのわずかな差です。それでも、細くなるほど麺の中心まで素早く均一に熱が入り、茹で上がりのコシが安定して出やすくなります。また、めんつゆが絡む量が増えるため、1口ごとに感じる風味が濃くなるというメリットもあります。
さらに、細い麺ほど製造に職人技が求められます。三神の場合、麺を引き延ばしながら0.55〜0.60mmの太さに仕上げる工程を、12月下旬から2月の厳寒期のみに集中して行います。この時期は気温・湿度が安定しているため麺が均一に乾燥しやすく、品質が揃いやすいという理由があります。
つまりランクが上の揖保乃糸ほど、細さ・品質の均一さ・のど越し・職人技のレベルがすべて上がるということです。
また、家庭用途での選び方としては、普段の食事には上級品(赤帯)で十分な品質があります。自分へのちょっとしたご褒美や、来客時のおもてなしには特級品(黒帯)を使うと、食べた瞬間の「いつもと違う」感が出やすいです。これは使えそうです。
個人ブログ(食べ比べレポート):上級品と特級品を同条件で茹でて食べた正直な感想と比較