カヴァを「フィジーのお土産のハーブ茶」だと思って毎日飲んでいると、肝臓の数値が悪化することがあります。
カヴァ(Kava)とは、学名「ピパー・メチスティカム(Piper methysticum)」というコショウ科の植物の根から作られる伝統的な飲料です。フィジーをはじめ、バヌアツ・トンガ・サモアといった南太平洋の島々で数千年にわたって飲み継がれてきました。
カヴァの見た目は、薄い茶色や灰色がかった泥水のようなもので、においもやや土っぽい独特のものです。初めて目にした旅行者が「これ、本当に飲んでいいの?」と戸惑うのもうなずけます。
飲んだときの感覚が特徴的です。アルコールは一切含まれていないのに、口の中がしびれ、体がじんわりとリラックスする感覚があります。これはカヴァに含まれる「カバラクトン(kavalactones)」という化合物によるもので、神経系に作用してリラックス・鎮静効果をもたらします。つまり、ノンアルコールなのに「ほろ酔い感」が得られるということですね。
カバラクトンの種類は18種類以上確認されており、その配合比率によって効き方が異なります。フィジー産のカヴァはその中でも「穏やかで心地よいリラックス感」をもたらすものとして国際的に評価が高く、バヌアツ産と並んで品質の高さで知られています。
フィジーでカヴァは単なる飲み物ではありません。「ヤコナ(Yaqona)」とも呼ばれ、宗教儀式・歓迎の挨拶・村の重要な意思決定の場など、社会のあらゆる場面に欠かせない存在です。
フィジーの伝統的な歓迎セレモニーでは、ゲストに最初にカヴァが振る舞われます。これは「あなたを仲間として迎える」という意味を持つ、最高の敬意の表現です。観光客がリゾートや村を訪問した際にも、このセレモニーが行われることがあります。
セレモニーには細かいマナーがあります。
- 🪣 カヴァは「タノア(tanoa)」と呼ばれる大きな木製の器で作られ、ひしゃく状の「ビロ(bilo)」と呼ばれるヤシの実の器で提供される
- 👐 受け取る際は両手を軽く叩いて「ブラ(Bula)」と言う
- 🥣 器は一息で飲み干すのが作法で、飲んだ後にもう一度手を叩く
- 🚫 器を受け取ることを断るのは非礼にあたるが、軽く断るサインとして指で器の縁を軽く叩くこともある
マナーを知っておくと安心です。セレモニーは観光の一環として体験できる場所も多いですが、これが本来の「歓迎の儀式」であることを理解しておくと、フィジーの人々との交流がより深いものになります。
フィジーの村では、毎晩のようにカヴァを飲みながら男性たちが語り合う文化があり、日本でいえば「居酒屋でのコミュニケーション」に相当する社交の場としての機能を果たしています。意外ですね。
フィジー旅行でカヴァセレモニーに参加する機会があった場合、事前に知識を持っておくことで安心して楽しめます。
まず量の目安を把握しましょう。観光客向けのセレモニーで出されるカヴァの量は、一般的に「ビロ(器)1〜2杯」程度です。この量であれば、口や舌にわずかな麻痺感(ピリピリ感)を感じる程度で、日常生活に支障をきたすほどの効果はほとんどありません。これなら問題ありません。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 💊 薬を服用中の方:カバラクトンは一部の薬(特に睡眠薬・抗不安薬・肝臓で代謝される薬)と相互作用を起こす可能性があります。薬を飲んでいる場合は参加を控えるか、医師に相談してください。
- 🤰 妊娠中・授乳中の方:安全性が確認されていないため、飲用は推奨されていません。
- 🚗 その後の運転:カヴァは神経系に作用するため、飲用後に車を運転するのは避けてください。リゾート内の移動でも同様です。
- 🍺 アルコールとの併用:アルコールとカヴァを一緒に飲むと、鎮静作用が増幅されて気分が悪くなるリスクがあります。
また、フィジーのリゾートや市場では「カヴァパウダー」をお土産として販売しています。日本への持ち込みについては、現状(2025年8月時点の情報)では食品として少量の個人使用目的であれば持ち込み自体は可能とされていますが、大量持ち込みや販売目的は別の話になります。税関申告が必要な場合もあるため、帰国前に確認することをお勧めします。
カヴァは「天然の抗不安薬」として欧米の研究者から注目されてきた植物です。科学的に確認されている主な効果を整理すると、次のようなものがあります。
不安軽減効果については、複数の臨床試験でプラセボ(偽薬)と比較して有意な不安軽減効果が確認されています。2013年にオーストラリアのメルボルン大学が発表した研究では、カバラクトンを含むカヴァサプリメントを6週間摂取したグループで、不安スコアが有意に低下したことが報告されています。
睡眠への効果については、カバラクトンの鎮静作用が入眠を助けるとする研究もあります。ただし、睡眠薬の代替として使用できるレベルかどうかは、まだ研究段階です。これは使えそうです。
一方で、健康リスクの話も欠かせません。2000年代初頭、ヨーロッパで流通していたカヴァのサプリメントを服用した複数の消費者に肝機能障害(肝炎・肝不全)が発生し、ドイツ・フランス・カナダなどで一時的に販売が禁止されました。
この問題の原因として指摘されているのは次の点です。
- 🌿 根茎(ルート)だけでなく、葉や茎など本来使わない部位を混入させた粗悪品が使われた
- 💊 エタノールやアセトン抽出のサプリメントが使われた(伝統的な水抽出とは異なる)
- 🔄 アルコールや他の薬と併用したケースが多かった
つまり、「伝統的な水抽出の高品質なカヴァを適量飲む」という条件下では、肝障害リスクは大幅に低いと考えられています。とはいえ、日常的に大量摂取することは推奨されていません。健康効果に興味がある場合は、必ず専門家に相談することが条件です。
国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報:カヴァ(外部リンク)
フィジー旅行を計画している方、またはご家族がフィジーからカヴァをお土産に持ち帰るケースを想定して、主婦として押さえておきたいポイントを整理します。
お土産としてのカヴァパウダーを受け取る場合、まず「すぐ毎日飲もう」と思うのは待ったほうがいいです。前述のとおり、飲み方・量・体質によっては肝臓への負担になる可能性があるためです。パッケージに英語で記載がある場合が多いですが、成分や産地(どの部位を使っているか)を確認するようにしましょう。
子どもへの影響については明確にしておく必要があります。カヴァは18歳未満への提供がフィジー国内でも禁止されており、子どもには絶対に飲ませないでください。子どもにはNGです。
家族でフィジーに旅行する場合、カヴァセレモニー体験は大人にとって貴重な文化体験です。子どもは飲む代わりに、器を受け取って「ブラ!」と元気よく挨拶するだけでもセレモニーに参加できます。フィジーの村人たちも子どもには温かく接してくれることがほとんどで、文化体験として家族の思い出になるでしょう。
フィジー旅行の計画段階で役立つのが、現地の文化体験ツアーを手配できる旅行会社の利用です。一般的なパックツアーでは体験できないカヴァセレモニーや村訪問プログラムを、現地の事情に詳しいガイド付きで手配してもらえるサービスがあります。フィジー専門の旅行会社やOTA(オンライン旅行代理店)で「フィジー 村体験 カヴァセレモニー」と検索してみてください。一度調べてみるだけで選択肢が広がります。
また、フィジー旅行後にカヴァについてもっと知りたくなった場合、日本国内でも一部のエスニック食材店やオーガニックショップで「カヴァティー」や「カヴァパウダー」が購入可能です。ただし、あくまで「文化体験の延長として、適量を楽しむ」というスタンスが大切です。毎日の健康習慣として頼りすぎるのは避けましょう。
JETRO フィジー共和国の基本情報・文化・投資環境(外部リンク)
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