コープおきなわ ファミリーピースウォーク 沖縄戦から学ぶ平和への思い

コープおきなわが毎年開催するファミリーピースウォークは、糸満市米須周辺を歩きながら沖縄戦の記憶を次世代へ継承する平和活動です。家族で参加できるこのイベントで、あなたも平和の大切さを考えてみませんか?

コープおきなわ ファミリーピースウォーク 沖縄戦から学ぶ

コープおきなわ ファミリーピースウォークの魅力
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沖縄慰霊の日に開催される平和イベント

毎年6月23日の沖縄慰霊の日に合わせて開催され、戦跡を歩きながら平和について考える取り組みです

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家族で参加できる体験型学習

組合員とその家族が参加でき、糸満市米須周辺の激戦地を約5km歩く追体験プログラムです

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27回以上続く伝統ある平和活動

長年にわたり継続されている平和のとりくみで、多くの参加者に支えられてきました

コープおきなわ ファミリーピースウォークとは何か

コープおきなわが主催する「6.23ファミリーピースウォーク」は、沖縄戦の激戦地であった糸満市米須周辺を歩きながら、平和の尊さを実感する年次行事です。このイベントは沖縄慰霊の日である6月23日に合わせて開催され、当時戦火の中を逃げ惑った人々に思いを寄せながら歩くという追体験を通じて、戦争の悲惨さと平和の大切さを学びます。参加者は糸満市米須周辺地域の約5kmをみんなで歩き、平和創造の森公園を拠点に活動します。
参考)【中止】「ピースウォークinおきなわ」(コープおきなわ主催「…

このウォークは27回以上の開催実績を持ち、だれでも参加できる平和のとりくみとして組合員や参加者に支えられて継続してきました。コープおきなわの組合員とその家族が中心となって参加しますが、県外の生協からも多数参加者が訪れます。開会式では大型絵本の読み聞かせが行われ、子どもたちにも戦争の悲惨さが伝わる内容となっています。
参考)職員による沖縄視察・『ファミリーピースウォーク』参加報告

イベント当日は組合員から事前に寄せられた「平和への想い」を共有しながら、約100分かけて3kmのコースを歩きます。参加費用は過去の例では1泊2日の日程で28,500円程度で、朝食と昼食の2食付きとなっており、福岡空港からの往復航空券も含まれています。このように家族で気軽に参加できる仕組みが整えられているのが特徴です。​

コープおきなわ ファミリーピースウォークの沖縄戦の歴史的背景

沖縄戦は太平洋戦争末期の1945年に、日本軍とアメリカ軍を主体とする連合国軍との間で行われた激しい地上戦です。この戦いでは連合国軍と日本軍を合わせて20万人以上の犠牲者が出たといわれており、そのうち一般の犠牲者は推計で約10万人に達しました。特に注目すべきは、沖縄県民の4人に1人が命を落としたという壮絶な被害状況です。
参考)6月23日「慰霊の日」は沖縄にとって特別な日。知っておきたい…

6月23日が「沖縄慰霊の日」として定められているのは、1945年6月23日に沖縄戦での日本軍の組織的な戦闘が終わったとされるためです。この日に当時沖縄の防衛に当たっていた日本軍司令官の牛島満中将やその部下が自決しました。戦後、米国統治下にあった1961年に琉球政府が法で「慰霊の日」を休日と定め、当初は6月22日でしたが1965年から6月23日に改められました。
参考)なぜ6月23日が「沖縄慰霊の日」になったのか

糸満市米須周辺は沖縄戦における特に激しい戦闘地域の一つで、多くの住民が戦火に巻き込まれました。日本軍は沖縄を本土防衛の最後の拠点とし、持久作戦を採用したため、沖縄の住民は根こそぎ動員され、辛酸を極めることになりました。ファミリーピースウォークで歩く地域は、まさにこうした悲劇の舞台となった場所であり、歩くことで当時の状況を追体験できます。
参考)https://www.city.naha.okinawa.jp/kurasitetuduki/collabo/heiwa/heiwahasshintosi/onlinetaiken/index.files/kakazukouchi.pdf

コープおきなわ ファミリーピースウォークの参加方法と注意点

ファミリーピースウォークへの参加は、コープおきなわの組合員とその家族が対象となります。募集人員は過去の例では13人程度で、最少催行人員は8人と設定されており、応募者多数の場合は抽選となります。18歳未満の方は保護者同伴での参加が必須となっているため、家族単位での参加が推奨されます。​
申し込み方法としては、代表者の氏名・組合員番号・住所・連絡先、参加者全員の氏名(漢字・よみがな)・年齢・性別・住所・連絡先を提出する必要があります。旅行代金の支払いは生協登録の精算方法となり、お申し込み金として1人様1万円以上が必要です。応募締め切り後、応募者全員にメールまたは郵送で結果や詳細が連絡されます。​
旅行の行程は通常1泊2日で、1日目は福岡空港を出発して那覇空港に到着後、戦跡・基地学習ツアー(宜野湾市嘉数高台公園や辺野古テント村など)を訪問し、那覇市内で宿泊します。2日目は沖縄県庁前からバスで平和創造の森公園に移動し、ファミリーピースウォークに参加して糸満市米須周辺地域を歩き、昼食後に那覇空港から福岡空港へ戻ります。なお、交通機関の都合や天候・道路状況等によって、旅程・見学箇所・訪問順序が変更になる場合があります。​

コープおきなわ ファミリーピースウォークで訪れる戦跡と基地

ファミリーピースウォークの日程には、沖縄戦の重要な戦跡や現在の米軍基地を訪問する学習プログラムが含まれています。1日目には宜野湾市の嘉数高台公園を訪れ、普天間基地を一望できる展望台から在日米軍基地の現状について学びます。嘉数高台公園は沖縄戦時の激戦地でもあり、今でも日本軍が使用した「トーチカ(防御の中心となる陣地)」が残っており、無数の弾痕が激しい戦闘を物語っています。
参考)https://z1.plala.jp/~hod/trip/home/47/0202.html

嘉数高地では1945年4月、米軍が上陸後に最初の日本軍の猛反撃に遭い、16日間に及ぶ激しい戦闘が行われました。米軍は1日間に22台の戦車を失うなど、爆雷を抱えて体当たりするような戦法で日本軍が抵抗した場所です。現在では展望台が整備され、普天間基地の滑走路が眼下に眺められ、報道などで使用される映像の多くはここから撮影されています。​
さらに辺野古の新基地埋め立て現場も視察対象となっています。普天間基地は市街地にあり、住宅や学校に囲まれているため「世界で最も危険な飛行場」と言われており、その移設先として辺野古が選ばれましたが、軟弱地盤など問題がある中で作業が進められています。参加者はオスプレイなど米軍機の飛行音を実際に聞き、騒音問題を肌で感じることができます。​

コープおきなわ ファミリーピースウォークの独自視点:組合員による平和継承活動

コープおきなわのファミリーピースウォークの特徴は、単なる観光ツアーではなく、組合員が主体となって平和の大切さを次世代に伝える継承活動である点です。参加者の中には県外の生協職員も含まれ、よどがわ市民生協やエフコープなど複数の生協から職員が訪れて沖縄の現状を学び、自分たちの地域に持ち帰って伝える活動を行っています。​
コープおきなわでは年間を通じて様々な平和活動を実施しており、ファミリーピースウォークはその中心的な取り組みとなっています。組合員からは事前に「平和への想い」を寄せてもらい、それをウォーク中に共有することで、参加者全員が平和について深く考える機会を得ています。元コープおきなわ副理事長の横田眞利子さんは「戦争を実際に体験したことのない人が戦争なんて体験したことないから知らないで終わるのか、戦争はあってはならないと思い勉強して、始まらないためにはどうしたらいいのか考えるか、自分はどっちになるべきか考えてほしい」と子どもたちに伝えています。
参考)いろいろな活動

ひめゆり平和祈念資料館の訪問も重要なプログラムの一つで、戦争前のキラキラした生徒の笑顔から、直ぐに帰れると思いながら戦場に動員され過酷な日々を過ごした実態、そして友人や家族に会えないまま悲惨な亡くなり方をされた事実を学びます。参加した職員からは「実際に経験していないことを、いかに自分事のように想い続けられるか、行動に移し続けられるかを考えていく必要がある」との感想が寄せられています。​
コープおきなわは1976年設立の歴史ある生活協同組合で、2024年3月末現在で組合員数240,064人、供給高214.4億円を誇る沖縄県最大の生協です。週1回の宅配サービスでは約5万人が利用しており、安全・安心に配慮した商品を提供するだけでなく、こうした平和活動を通じて地域社会に貢献しています。無農薬や減農薬の野菜、有機農産物など厳選された食材を扱い、放射能検査や農薬残留検査も徹底して行われており、家族全員が安心して消費できる食品を取り扱っています。
参考)https://kidstakeasa.hateblo.jp/entry/2024/04/16/160516

ファミリーピースウォークは単なるイベントではなく、コープおきなわの理念である「ともに創る くらしと未来」を体現する活動として位置づけられています。妊娠中から小学校入学前のお子さんがいらっしゃるご家庭にはキッズ割などの宅配料金割引制度もあり、子育て世代を支援する取り組みと平和教育を組み合わせることで、若い世代への平和意識の浸透を図っています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/2eec6bc48caf865651dd7297a1c5a2b4fac03d19

参加者の声からは「近年平和への関心が薄れてきている」「痛みを知らないから知ろうとしない」という危機感が語られています。戦後78年が経過し、戦争体験者が高齢化する中で、沖縄戦を忘れることなく誰かが後世へと繋げることが大切であるという認識が共有されています。コープおきなわでは、こうした平和継承の取り組みを組合員活動の柱の一つとして今後も継続していく方針です。​
ファミリーピースウォークに参加することで、沖縄戦の激戦地を実際に歩き、当時の人々が感じた恐怖や苦しみを追体験できます。家族で参加することで、子どもたちに戦争の悲惨さと平和の尊さを直接伝えることができ、世代を超えた平和教育の場となっています。コープおきなわの組合員でなくても、県外の生協組合員であれば参加できる機会もあるため、平和について学びたい方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

エフコープ生活協同組合のファミリーピースウォーク募集ページ
県外生協からの参加方法や詳細な行程が掲載されています。

 

よどがわ市民生協の沖縄視察・ファミリーピースウォーク参加報告
実際に参加した職員による詳細なレポートと参加者の感想が記載されています。