焼きそば専用の麺がなくても、十分に美味しいものが作れます。
マルタイ棒ラーメンは、1959年(昭和34年)に福岡県のマルタイが世に送り出した即席棒状めんのパイオニア商品です。2024年で発売65周年を迎えたロングセラーで、九州の家庭では今も冷蔵庫の定番ストックとして親しまれています。
この麺の最大の特徴は「ノンフライ・ノンスチーム製法」で作られている点です。一般的なインスタントラーメンの麺は油で揚げるフライ製法が多いですが、マルタイ棒ラーメンは揚げていない乾燥ストレート麺。そのため、生麺に近いツルッとした食感とコシが生まれます。
この「ノンフライ麺」という特性こそが、焼きそば向きの理由です。
フライ麺だと、茹でて炒める際に油っぽくなりすぎる傾向があります。一方、ノンフライのマルタイ棒ラーメンは茹でた後も麺が引き締まり、フライパンで炒めても油を吸いすぎません。結果として、屋台風のパリッとした仕上がりになるのです。
さらに、1袋(164g)に麺2食分が入っており、スーパーで税込200円前後で購入できます。1食あたり約100円という計算になり、市販の焼きそば麺(1食分)と同等かそれ以下のコスパです。これは使えそうです。
カロリーも注目ポイントで、麺とスープ込みで1食280kcal、脂質はわずか2.6gとインスタント麺の中でも群を抜いて低め。健康を気にする方にとっても嬉しい数字です。
| 項目 | マルタイ棒ラーメン(1食) |
|---|---|
| エネルギー | 280kcal |
| 脂質 | 2.6g |
| たんぱく質 | 10.9g |
| 炭水化物 | 53.2g |
| 食塩相当量 | 4.2g |
マルタイ公式サイトでも詳しい商品情報が確認できます。
マルタイ公式:商品情報ページ(栄養成分・原材料の詳細が確認できます)
料理研究家のリュウジさんがマルタイ本社で披露し話題になった、基本の焼きそばレシピを軸に手順をご紹介します。材料は2人前です。
① 具材を炒める
フライパンにごま油をひいて中火で温め、豚こま肉を炒めます。肉の色が変わったら、キャベツと小松菜を加えてさらに炒めます。塩胡椒は不要です。付属スープで十分な味が出ます。
② 麺を茹でる(ここが最重要ポイント!)
別の鍋でお湯を沸騰させ、マルタイ棒ラーメン1袋の麺を入れて2分茹でます。通常の作り方(3分)より1分短いのがポイントです。短く茹でることで芯がわずかに残り、炒めた後もプリッとした食感をキープできます。
③ 麺を水で締める
茹で上がった麺はざるに上げ、流水で洗います。ここで水で締めることで食感がプリッとします。しっかり水気を切るのを忘れずに。水気が残ると炒めるときにベタつきます。
④ 麺と具材を合わせて味付け
水気を切った麺を炒めた具材のフライパンに加えます。付属の粉末スープと調味油を全量投入し、ガーリックパウダーとコショーを振ります。全体をしっかり混ぜながら炒め合わせたら完成です。
⑤ 仕上げと盛り付け
皿に盛り付け、紅しょうがと小ネギをトッピングします。目玉焼きをのせて黄身を絡めると味がまろやかになり、さらに美味しくなります。
つまり「2分茹で→水締め→付属スープで炒める」が基本です。
リュウジさんのレシピ動画はマルタイ公式Xでも確認できます。
「マルタイ棒ラーメンで焼きそばを作ったら麺がベタベタになった」という失敗は多くの方が経験しています。これは茹で方と水切りに原因があります。麺がくっつく問題は、3つの工程で防げます。
コツ① 茹ですぎない
前述のとおり、茹で時間は2分が目安です。袋の指示(3分)より1分短めにすることで、麺が柔らかくなりすぎず、炒めている間のベタつきを防げます。「少し固いかも?」と感じるくらいのほうが、炒めた後にちょうどいい食感になります。
コツ② 冷水でしっかり締める
茹で上げたら必ず冷水で洗います。麺の表面についたぬめりを落とすことで、くっつきを防止できます。インスタント麺のぬめりは焼きそばの大敵。厳しいところですが、この手間が仕上がりを大きく左右します。
コツ③ 付属の調味油を先に絡める
麺の水気を切った後、フライパンに入れる前に付属の調味油を少量だけ麺に絡ませておくと、麺同士がくっつきにくくなります。油が麺の表面をコーティングしてくれる効果があります。
また、フライパンは十分に熱してから麺を投入するのも重要です。温度が低いと麺が鍋底にくっつきやすくなります。強火で手早く炒めることが、パリッとした食感を生む条件です。
麺がくっつかない対策を詳しく解説しているページはこちらも参考になります。
うどん処くらじ:茹でた後に麺がくっつく理由と対策4選(中華麺にも応用できます)
基本の作り方をマスターしたら、アレンジで楽しみましょう。マルタイ棒ラーメンの細麺はどんな味付けとも相性がよく、アレンジの幅が広いのが魅力です。
① 本格香港風焼きそば(オイスターソースアレンジ)
付属スープを使わず、ソース系の調味料で本格的な中華風焼きそばに仕上げます。
材料(2人前):マルタイ棒ラーメン麺1束・豚こま肉100g・ニラ1束・もやし250g
調味料:オイスターソース小さじ1・醤油小さじ1・ごま油少量
麺を2分茹でて水で締め、具材と一緒に炒めたら調味料を加えて絡めるだけです。もやしとニラのシャキシャキ食感が細麺によく絡み、本格的な香港の屋台風に仕上がります。コクが出ます。
② ペヤング風ソース焼きそばアレンジ
2026年2月ごろSNSで話題になったアレンジです。カップ焼きそばのあの味をマルタイ棒ラーメンで再現します。
材料(1人前):マルタイ棒ラーメン麺100g・キャベツ40〜50g・鶏ひき肉50g・卵1個
Aの調味料:鶏がらスープの素小さじ1・オイスターソース小さじ2・ウスターソース小さじ2
麺はフライパンで2分茹で、湯切り後にフライパンへ戻して調味料を加えます。溶き卵に潜らせて食べると濃厚さが増して絶品です。これは使えそうです。
③ 付属スープのしょうゆ風味・シンプル焼きそば
付属のスープと調味油だけで味が決まる最もシンプルなアレンジです。「余分な調味料を買い足したくない」というときに最適です。
材料(1人前):マルタイ棒ラーメン1袋(スープ・調味油も使用)・好みの野菜(キャベツ・玉ねぎ・にんじんなど)・豚肉・万能ねぎ
作り方は基本レシピと同じです。付属スープを全量使うと塩気が強くなる場合もあるので、半量から試して調整するのがおすすめです。目玉焼きをのせて黄身を絡めると味がまろやかになります。
2025年ごろからSNSでバズった、マルタイ棒ラーメンを生麺に変える裏ワザがあります。この方法を焼きそばに応用すると、食感が格段に変わります。
方法は非常にシンプルで、麺をバットや平らな皿に並べて水に30分浸すだけです。乾麺が水分を吸って柔らかくなり、茹でる時間を大幅に短縮できます。水浸しにした後は、沸騰したお湯で20〜45秒茹でるだけで完成します。
なぜこれが効くかというと、水に浸すことで麺の中にあるかんすい(アルカリ塩)が反応し、生麺特有のツルシコ食感が引き出されるからです。かんすいは中華麺独特のコシや風味を生み出す成分なので、水に浸す時間によってその反応が進むと考えられています。
焼きそばに応用する場合は次のようにします。
短時間茹でなので麺に芯が残りやすく、炒め工程でちょうどいい食感に仕上がります。普通の茹で方より断然もっちり感が増します。意外ですね。
ただし、時間がないときには向きません。朝食や昼食の「急ぎたい」場面では通常の茹で方(2分)で十分美味しく作れます。場面によって使い分けるのがベストです。
この裏ワザの詳細はこちらが参考になります。
しらべえ:リュウジ絶賛「マルタイ棒ラーメンを生麺にする方法」の詳細記事(2026年3月掲載)