ツナ缶の油をそのまま捨てると、仕上がりがパサついて旨みが半分以下になります。
メスティンでツナの炊き込みご飯を作るとき、最初に迷うのがツナ缶の種類ではないでしょうか。スーパーでよく見かけるツナ缶には大きく分けて「油漬け」と「水煮」の2種類があり、仕上がりの風味がまったく異なります。
油漬けタイプを使うと、コクと旨みが強い炊き込みご飯になります。水煮タイプはあっさりした仕上がりになり、カロリーを気にする方にも向いています。どちらを選ぶかは好みで構いませんが、初めて作る場合は油漬けタイプのほうが風味豊かで失敗しにくいのでおすすめです。
ここが重要なポイントです。油漬けツナ缶の「油」は捨てないでください。缶の中の油には旨みがたっぷり溶け込んでおり、これを計量カップに加えることで水加減の一部として活用できます。たとえば70gのツナ缶1つには大さじ1〜2杯ほどの油が含まれているため、その分だけ加える水の量を減らすのが基本です。
つまり「油の量も水分量のうち」ということですね。
下準備として、米1合(180ml)を研いでから30分間水に浸します。浸水は地味に見えて実は非常に重要な工程で、浸水ゼロで炊いた場合と比べると芯残りのリスクが格段に上がります。特にメスティンはIHや炊飯器と違って火加減が一定ではないため、浸水で米に十分に水を吸わせておくことがふっくら仕上げの前提条件になります。
| ツナ缶の種類 | 仕上がりの特徴 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| 油漬け(ノーマル) | コクがあり旨みが強い | 食べ応えを重視したい方 |
| 油漬け(ライト) | 柔らかくマイルドな風味 | 子どもと一緒に食べる方 |
| 水煮 | あっさりでヘルシー | カロリーを抑えたい方 |
水加減はメスティンレシピで最も失敗しやすいポイントです。炊き込みご飯は白米と違い、醤油や酒などの調味料を加えるため、それらも水分量としてカウントしなければなりません。計算を間違えると、べちゃべちゃになったり、逆に硬すぎる仕上がりになります。
米1合に対する基本の水加減は約200mlです。通常の白米と比べて少し多めに見えますが、調味料を加えると実際の水分量が変わるので注意が必要です。
黄金比率はこちらです。
水+醤油+みりん+油の合計がおよそ200mlになるよう調整するのが基本です。ツナ缶の油の量は缶によって多少異なるため、最初に油だけ小さじで計っておくと調整しやすくなります。
水分が多すぎると感じたら、炊いた後にフタを少し開けて余分な蒸気を逃がすことで対処できます。これは使えそうです。
また、醤油は濃い口・薄口どちらでも使えますが、薄口醤油を使うと色が薄く仕上がり、素材の色が映えやすくなります。見た目にこだわりたい場合は薄口醤油がおすすめです。
メスティンでご飯を炊く際、火加減は3つのフェーズに分けて管理するのが基本です。これを守るだけで、焦げつき・生煮え・べちゃつきの三大失敗をまとめて防げます。
フェーズ1:中火で沸騰させる(約5〜7分)
米・水・調味料・ツナをメスティンに入れ、フタをして中火にかけます。フタから蒸気が勢いよく出てきたら沸騰のサインです。ここで火を弱めます。沸騰前にフタを開けると熱が逃げて炊きムラが出るので、フタは開けないでください。
フェーズ2:弱火でじっくり炊く(約10〜12分)
弱火にしてから10〜12分炊きます。この時間で米の中心まで火が通ります。火が強すぎると底が焦げ、弱すぎると芯残りになるため、「弱火」の中でも少し火を絞るくらいの感覚がちょうど良いです。
弱火が基本です。
フェーズ3:蒸らし(10分)
火を止めてからメスティンをひっくり返し、布巾やタオルの上に置いて10分間蒸らします。この「逆さ蒸らし」が炊きムラをなくし、底のご飯がふっくらする効果を生みます。メスティン特有の技法として多くのキャンパーに知られており、特にキャンプ場でこの方法を試した場合の仕上がりの差は歴然です。
蒸らしが終わったらフタを開けて軽く混ぜ、完成です。ツナの旨みが全体に広がった炊き込みご飯が出来上がります。
基本のツナ炊き込みご飯をマスターしたら、次は少し手を加えたアレンジを楽しんでみましょう。食材を1〜2種類プラスするだけで、毎回違う味わいが楽しめます。
アレンジ①:ツナとコーンの甘み炊き込みご飯
ツナ缶に加えて缶詰のコーン(ホール)を大さじ2〜3杯加えるだけのシンプルアレンジです。コーンの甘みがツナの旨みと絶妙に合い、子どもにも大人気のメニューになります。コーン缶の汁も少量(大さじ1程度)加えると甘みが増します。水分量の調整をお忘れなく。
アレンジ②:ツナと生姜の和風炊き込みご飯
生姜のすりおろし(チューブで小さじ1程度)を一緒に炊き込むアレンジです。生姜の風味がツナの魚臭さを和らげ、より上品な和風の仕上がりになります。冬場にとくに食べたくなる、体が温まる一品です。
アレンジ③:ツナとめかぶの旨み炊き込みご飯
市販のめかぶ(パック1個)を調味料と一緒に加えるアレンジです。めかぶのとろみが米全体に絡み、もちっとした独特の食感が生まれます。めかぶにはすでに味がついているため、醤油の量を通常より大さじ1/2ほど減らして調整するのがコツです。
つまりアレンジは「液体食材は水分量を調整する」が条件です。
どのアレンジも追加食材の費用は100〜150円以内に収まります。節約献立としても優秀なレシピ群です。
メスティンはキャンプ道具のイメージが強いため、「自宅で使うのは大げさ」と感じる方も多いかもしれません。ただ、実際に自宅のガスコンロやIHで使っている主婦は少なくなく、その理由が「少量炊きの便利さ」にあります。
一般的な炊飯器の最小炊飯量は0.5合(約90ml)ですが、実際には1合未満での炊飯はムラが出やすいという声も多いです。一方メスティンは1合を基準に設計されており、1〜1.5合の少量炊きに非常に向いています。
これは使えそうです。
一人ランチや子どものお昼ご飯用に少量だけ炊き込みご飯を作りたいとき、わざわざ大きな炊飯器を使わずに済む点が大きなメリットです。メスティンのサイズは約17cm×9.5cmで、一般的なA5用紙の半分ほどの大きさです。収納場所も取らず、洗い物も少なく済みます。
また、メスティンはアルミ製のため熱伝導率が高く、火にかけてから短時間で沸騰します。炊飯器で炊くと40〜60分かかるところを、メスティンなら準備から仕上がりまでトータル50分前後で完了します(浸水30分を含む)。浸水を前夜から冷蔵庫でしておけば、翌日の調理時間は20分程度まで短縮できます。
ただし、IHで使う場合はIH対応のメスティンを選ぶ必要があります。一般的なアルミ製メスティンはIH非対応のものが多いため、購入時に「IH対応」の記載を確認するのが重要です。代表的なIH対応製品としてはトランギア社の「メスティン TR-210」などがありますが、必ず商品ページでIH対応かどうかを確認してから購入してください。
メスティンのキャンプでの使い方や基本レシピについては、アウトドアメーカーやレシピサイトにも多くの情報があります。気になる方はトランギア公式サイトや大手レシピサイトで「メスティン 炊き込みご飯」と検索してみてください。