水溶き片栗粉を加える最適なタイミングは、料理がほぼ完成している状態、つまり具材に火が通り、味付けがすべて決まった後です。なぜなら、水溶き片栗粉を入れてしまうと味の修正がきかなくなるため、入れる前によく味見をする必要があります。最後に味を足すとしても、ごま油などを使った香りづけだけにとどめるのが基本です。
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調理中の具材を炒めたり、煮たり、味付けをしたりしている段階では、まだ水溶き片栗粉を入れてはいけません。あんかけや中華丼、麻婆豆腐などのとろみをつける料理でも、調味料をすべて加え終わり、全体の味が整ってから初めて水溶き片栗粉の出番となります。このタイミングを守ることで、料理の味を損なうことなく、理想的なとろみをつけることができます。
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また、水溶き片栗粉を鍋に加える直前には必ず再度よく混ぜておくことが重要です。片栗粉は重さがあるため時間が経つと沈殿しやすく、そのまま加えると上澄みの水分だけが入ってしまい、とろみがつかない失敗につながります。
参考)https://yurutokuchou.com/katakuriko-dama/
水溶き片栗粉の基本的な割合は、片栗粉と水が1:1です。しかし、慣れないうちや失敗が心配な方は、片栗粉と水を1:2の割合で混ぜるのがおすすめです。例えば、片栗粉大さじ1に対して水大さじ2を混ぜることで、とろみがつくまでの時間がゆっくりになり、慌てずに調理ができます。
参考)https://help.delishkitchen.tv/hc/ja/articles/7586280708761-%E6%B0%B4%E6%BA%B6%E3%81%8D%E7%89%87%E6%A0%97%E7%B2%89%E3%81%AE%E4%B8%8A%E6%89%8B%E3%81%AA%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9
水溶き片栗粉を作るタイミングについては、使う直前に作るべきだという意見と、30分以上前に作るべきだという意見があります。直前派の理由は、時間が経つと分離するためです。一方、30分以上前派の理由は、デンプンの粒子全体に水分が行き渡り、加熱した時に無駄のない均一なとろみになるためです。どちらの方法でも、使う直前に必ずもう一度よくかき混ぜることが大切です。
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必ず水で溶くことも重要なポイントです。お湯で片栗粉を溶いてしまうと、その場でデンプンが糊化して固まり、ダマになってしまいます。アツアツのところには水溶き片栗粉は入れず、必ず水を使って準備しましょう。
参考)片栗粉のとろみがなくなる原因と防ぐ方法を徹底解説
水溶き片栗粉を加える際の火加減は非常に重要です。火をいったん止めてから水溶き片栗粉を入れるのが基本で、ぐつぐつ煮えているところに入れるとすぐに塊になり、ダマになってしまいます。水溶き片栗粉は60〜65℃前後で粘度を増し、のり状になる性質があるため、煮立っているところは落ち着いてから入れましょう。
入れ方も重要なポイントで、糸を引くように回し入れ、素早くかき混ぜます。このとき箸よりもお玉やヘラを使うのがおすすめです。そうすることで、鍋の中で上下左右に液体が循環する「対流」が起きやすくなり、片栗粉が均一に広がってきれいなとろみができます。
一部分にドバッと入れてしまうと、片栗粉は60℃以上で糊化してしまう性質があるため、その部分だけダマになってしまいます。全体に分散させることを意識し、少しずつ加えながら絶えずかき混ぜることでダマの防止につながります。
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水溶き片栗粉を加えた後の加熱は、とろみを安定させるために非常に重要です。入れたらすぐに火を止めなくてはと思う方もいますが、加熱が不十分だと糊化しない、つまりとろみがつかなくなってしまいます。混ぜながら火加減を強くし、フツフツと煮立たせることが大切です。
片栗粉を加えてから、弱火でふつふつした状態を保ちながら絶えず混ぜ、1分以上加熱するのが目安です。1分以上加熱しないと、片栗粉の粉っぽい感じが残ります。とろみが出てきても、すぐに火は止めず、ツヤと透明感が出るまで加熱を続けることで、とろみが戻らず安定した状態になります。
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とろみ具合は一度で決めようとしなくて大丈夫です。とろみの状態を確認しながら、足りなければ水溶き片栗粉を追加しましょう。ただし、追加で加える時は必ず火を止めてから加えます。温度が高くなっている状態で加熱しながら入れると固まりやすく、ダマになりやすいため、火を止めて温度を少し下げることによって、鍋にまんべんなく行き渡るようにします。
水溶き片栗粉の適量は、料理の種類によって異なります。スープなど汁物の場合は、液体全体量の1〜2%が目安です。例えば300mlの水に対して3〜6gの片栗粉を使用します。一方、うま煮など炒め物の場合は3%を目安に調整し、水・しょうゆ・酒などの液体を合わせた300mlに対して9gが目安となります。
スープやあんかけはサラッとした口当たりを残すためにも片栗粉は1〜2%と抑えめにします。対照的に、炒め物やうま煮は酢やしょうゆといった調味料が片栗粉の糊化に影響し、粘度を下げる作用があるため、3%程度の量を目安にするほうがうまくいきます。
とろみ具合は好みもあるので、目安から増減させて調整していくつもりでいましょう。液体量の1%で入れた場合と3%で入れた場合では、見た目も食感も大きく異なり、3%の方は白濁し、表面に泡がしっかりと形を保って浮かぶほどとろみがあります。料理の種類や好みに合わせて、適切な量を見極めることが大切です。
水溶き片栗粉がダマになる主な原因は、高温の液体に一気に加えることです。片栗粉は60℃以上で糊化する性質があるため、ぐつぐつ煮えているところに入れるとすぐに塊になってしまいます。また、水溶き片栗粉の水分が少ないのも、ダマになりやすくなる原因の一つです。
参考)あんかけの水溶き片栗粉がダマになりにくいコツ【美味しく「手抜…
溶かし方が不十分だった場合もダマの原因となります。片栗粉と水を合わせた後、時間が経つと粉が底に沈殿してしまい、そのまま加えると均一に溶けていない状態で投入することになります。こうなると、沈んでいた粉が塊のまま高温の液体に触れ、あっという間に固まってしまうのです。
ダマを防ぐための対処法として、まず片栗粉と水の割合を1:2または1:3にして水分を多めにすることが効果的です。これにより、ゆっくりととろみがつくためダマになりにくくなります。次に、火を止めるか弱火にしてから水溶き片栗粉を加え、全体をよく混ぜた後に中火で1分以上しっかり加熱します。この手順を守るだけで、慌てずにきれいなとろみがつけられます。
参考リンク:水溶き片栗粉の詳しい使い方については、味の素パークの調理科学記事が役立ちます。
調理科学で解決!「水溶き片栗粉」で失敗しないための5つのコツ
参考リンク:ダマにならないための具体的な手順を知りたい方は、こちらも参考になります。