実は、スーパーの「中トロ」表示は法的な基準がなく、店によって赤身に近いものが中トロとして売られていることがあります。
中トロとは、マグロの腹部(腹身)を中心とした、脂肪分がほどよく乗った部位のことを指します。マグロの身は大きく「大トロ」「中トロ」「赤身」の3つに分けられますが、この中で中トロは脂と赤身のバランスが最もよいとされています。
マグロ1尾のうち、中トロとして取れる部分は全体の約20〜30%程度です。大トロほどではないものの、赤身よりはるかに脂が乗っており、口に入れたときのなめらかなとろける感覚が特徴です。
具体的には、腹の前側から中央にかけての「腹上(はらかみ)」「腹中(はらなか)」と呼ばれるブロック、さらに背側の一部も中トロに分類されることがあります。つまり場所によって脂の乗り方が変わるということです。
スーパーなどで「中トロ」として販売されているものは、この腹中や腹下(はらしも)の部分が多く使われています。背側の中トロは「背トロ(せトロ)」と呼ばれ、腹トロよりやや淡泊な脂の甘みが楽しめます。これは意外と知られていません。
また、マグロの大きさによって中トロの量も異なり、体重200kg以上の本マグロ(クロマグロ)では中トロの面積も大きくなるため、1枚のサクで脂の乗り方のムラが生まれやすくなります。中トロを選ぶ際には、部位の名称だけでなく「腹側か背側か」を確認するのが基本です。
中トロ・大トロ・赤身の最大の違いは、脂肪含有量です。農林水産省の食品成分データによると、クロマグロの赤身の脂質は100gあたり約1.4g、中トロは約16.5g、大トロは約27.5gとなっています。
中トロは大トロの約6割の脂肪量と考えるとイメージしやすいです。
カロリーで比較すると、赤身が100gあたり約125kcalなのに対し、中トロは約172kcal、大トロは約344kcalです。ダイエット中であっても、中トロなら赤身と大きくかけ離れたカロリーではないため、適量であれば取り入れやすい選択肢になります。
脂肪の種類にも注目が必要です。マグロの脂肪にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。中トロはこのDHA・EPAが赤身より多く、大トロより控えめな量で摂取できます。健康を気にしながらもおいしく食べたいという場合に、バランスのいい選択肢です。
食感の違いも明確です。赤身はさっぱりとしたしっかりした歯応えがあり、大トロは口に入れた瞬間から脂でとろけるような濃厚さがあります。中トロはその中間で、最初はしっかりした歯応えがありつつ、後から脂の甘みが広がります。「脂っぽすぎず、物足りなくもない」というのが中トロの魅力です。
赤身が基本です。中トロは赤身の上位版ではなく、まったく異なる味わいのものとして捉えると選びやすくなります。
一口に「中トロ」と言っても、使われるマグロの種類によって味・脂の質・価格は大きく異なります。日本の食卓でよく見かけるマグロは主に5種類で、それぞれに中トロとしての特徴があります。
まず、最も高級とされるのが本マグロ(クロマグロ)です。太平洋産の本マグロは体長3mを超えることもあり、中トロの脂は甘みが濃く、旬は日本近海では12月〜2月の冬場です。この時期の中トロが最もおいしいとされます。
次に多いのがミナミマグロ(インドマグロ)です。本マグロに次ぐ高級品で、脂の甘みとまろやかさが特徴です。旬は5月〜8月で、本マグロの旬とずれているため、通年で高品質な中トロを楽しめます。これは使えそうです。
メバチマグロは目が大きいのが特徴で、赤身が濃く旨味が強いマグロです。中トロとして流通することもありますが、本マグロやミナミマグロと比べると脂の甘みはやや控えめです。価格が比較的手ごろなため、回転寿司などでよく使われます。
キハダマグロは淡泊でさっぱりした味わいが特徴で、一般的に中トロ・大トロとして流通することは少ないですが、一部地域では腹側の脂身を中トロとして扱う場合もあります。価格は5種の中で最も手ごろです。
ビンチョウマグロ(ビンナガマグロ)は白い身が特徴で、「シーチキン」の原料としても知られます。脂が少なく、中トロとして販売されることはほぼありません。
まとめると、スーパーで中トロを選ぶ際には産地と種類を確認するのが原則です。「本マグロ」「インドマグロ(ミナミマグロ)」と書かれているものが、品質の目安になります。
農林水産省「マグロについて教えてください」(子ども農林水産省相談室)
※マグロの種類や漁獲に関する基本情報が確認できます。マグロの種類を調べる際の参考にしてください。
実は「中トロ」「大トロ」という表示に、法的な定義や基準はありません。農林水産省の食品表示に関するルールでは、マグロの部位表示について「赤身」「トロ」の区分も任意表示とされており、店舗ごとの判断に委ねられています。
つまり、同じ「中トロ」でも店によって基準が違うということです。
あるスーパーでは赤身に近い部分を中トロと表示し、別の店では脂が十分乗った腹中を中トロとして売っている、という状況が普通に起きています。価格が安い「中トロ」は、実際には脂の少ない部位である可能性もあります。これは痛いですね。
実際に目で見て確認する方法として、以下のポイントが役立ちます。
鮮度の確認も大切です。表面が乾燥していたり、赤黒く変色しているものは鮮度が落ちています。ツヤがあり、しっとりとした表面のものを選ぶのがコツです。
また、柵(サク)で買う場合は、断面の脂の分布を確認できる点でスライス済みより有利です。一枚一枚の切り身パックよりも、柵を買って自分でカットする方が、脂の入り具合を確認しやすく、コストパフォーマンスも高いことが多いです。
消費者庁「食品表示法」関連ページ
※食品の表示に関するルールや基準について確認できます。トロ・赤身の表示基準を調べる際の参考にしてください。
スーパーで売られている中トロの多くは、一度冷凍されたものを解凍して販売しています。マグロは漁獲後すぐに船上で急速冷凍(−60℃以下)されることが多く、適切に解凍すれば冷凍前とほぼ変わらない品質で食べられます。解凍方法が肝心です。
最もおすすめの解凍方法は「塩水解凍」です。3%の食塩水(水1Lに塩30g)に中トロのサクを入れ、冷蔵庫で2〜3時間かけてゆっくり解凍します。この方法により、旨味成分の流出を最小限に抑えながら均一に解凍でき、切った際に水分が染み出しにくくなります。
急いでいる場合は、ラップで包んだまま流水に10〜15分あてる方法も有効です。ただし、電子レンジ解凍は絶対に避けてください。表面だけが熱くなり、内部との温度差で食感が著しく損なわれます。これが原則です。
保存については、購入当日に食べない場合は冷凍保存が適切です。スーパーで「解凍」と表示されたものは再冷凍を避けるのが基本ですが、翌日以降も食べる場合は当日中に適切にラップして冷凍し、できれば2週間以内に使い切るのが理想です。
食べ方についても、刺身・寿司以外にも中トロの活用方法は広がります。
中トロは加熱すると脂が溶け出して硬くなるため、火を通す場合は炙り程度の短時間加熱が限界です。煮物や炒め物には向きません。これだけ覚えておけばOKです。
解凍後の中トロは、2時間以内に食べるのが風味・衛生面の両方から理想的です。食卓に出す直前に解凍・カットする段取りを組むと、最高の状態で楽しめます。
大日本水産会(おさかなマイスター協会)
※魚介類の正しい取り扱いや保存に関する情報が確認できます。中トロの保存・解凍方法を調べる際の参考にしてください。
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