テフロン加工の型を使うと、シフォンがしぼんで出費が無駄になります。
「ニトリでシフォンケーキ型を買おう」と思って店舗や公式通販を検索した経験がある方は少なくないはずです。結論からお伝えすると、ニトリの公式通販ニトリネットには、シフォンケーキ専用型は現時点で販売されていません。これは知らないと、せっかく買い物に出かけても空振りになってしまう情報です。
ただし、ニトリには耐熱ガラス製のパウンドケーキ型や丸型のケーキ型が販売されています。これらは「シフォンケーキ専用型」ではありませんが、代用品として一時的に使うことはできます。とはいえ、注意が必要です。
シフォンケーキには「煙突」と呼ばれる真ん中の筒状の空洞が必要です。この構造がないと、厚みのある生地の中心部まで熱が伝わらず、生焼けや焼き縮みの原因になります。つまり、ニトリのケーキ型では代用できても、出来上がりの品質に大きな差が出る可能性があります。
シフォンケーキ専用型の購入先として主に選ばれているのは、製菓材料の専門店(富澤商店・cotta・浅井商店など)、ネット通販(Amazon・楽天市場)、ホームセンター(カインズなど)です。価格帯は1,500円〜3,000円前後が多く、アルミ製の17cm型であれば2,000円前後で購入できるものが多い印象です。
「わざわざネットで買わなくても」と思う気持ちはわかります。ただ、シフォンケーキは型によって仕上がりが大きく変わるため、最初から正しい型を選ぶほうが失敗も減り、結果的に材料費の節約にもなります。正しい型が条件です。
馬嶋屋菓子道具店「おすすめシフォンケーキ型の選び方」:アルミ型が最適な理由を焼き上がりの仕組みから解説
シフォンケーキ型の素材は、仕上がりに直結します。これが一番大事なポイントです。
シフォンケーキがふわふわに焼き上がる仕組みは、大きく分けて2段階あります。まず、よく泡立てたメレンゲに含まれる空気が熱で膨張して生地が膨らみます。次に、膨らんだ生地が型の側面にぴったりと貼り付き、その支えによって形を維持します。この2つが揃ってはじめて、ふわふわのシフォンができ上がります。
ここで問題になるのがテフロン加工(フッ素樹脂加工)やシリコン加工の型です。これらの加工は「くっつきにくい」を売りにしているため、逆に言えば生地も型の側面に貼り付かなくなります。生地が側面で支えを得られないまま冷めていくと、重力によって生地がつぶれ、焼き縮みが起きてしまいます。これは痛いですね。
100均やホームセンターで売られているシリコン製のシフォンケーキ型も同じ理由でおすすめできません。購入時点では「お得」に見えても、3〜4回失敗する材料費(卵4個・砂糖・薄力粉など)を計算すると、1,000円以上の無駄出費になるケースも珍しくありません。
これに対してアルミ製(無加工)の型は、熱伝導率が高く生地に均一に火が通るほか、側面に生地がしっかり貼り付くため膨らみをキープできます。アルミなら問題ありません。
なお、アルミ製の型には「継ぎ目あり」と「継ぎ目なし」があります。継ぎ目があると洗いにくく、そこに生地が詰まって雑菌の温床になるリスクもあります。できれば継ぎ目のないタイプを選ぶのが衛生面でも安心です。
| 素材 | 熱伝導率 | 生地の貼り付き | 仕上がり | 初心者向け |
|---|---|---|---|---|
| アルミ(無加工) | ◎ 高い | ◎ よく貼り付く | ふわふわ | ◎ |
| テフロン加工(鉄) | ○ 普通 | △ 貼り付きにくい | やや縮みやすい | △ |
| シリコン製 | △ 低い | ✕ ほぼ貼り付かない | 失敗しやすい | ✕ |
| 紙型 | ○ 普通 | ○ 貼り付く | やや乾燥しやすい | ○ |
17cmという数字だけ見ても、実際どのくらいの大きさかピンとこない方も多いはずです。少し具体的に説明します。
17cmのシフォンケーキ型で焼いたケーキは、デコレーションケーキの「6号サイズ」とほぼ同じボリュームです。一般的なホールケーキの箱で「6号用」と書かれているものに、そのまま収まるサイズ感と思ってください。馬嶋屋菓子道具店によると、17cm型は3〜4人分が目安とされています。
一方で家族4〜5人でたっぷり食べたいなら、17cm型よりもひとまわり大きい20cm型(7号サイズ相当)のほうが向いています。逆に、1〜2人暮らしや子どもへのおやつ用なら15cmや14cm型のほうが食べきりやすいです。
17cmは「家族3〜4人分にちょうどいい」という標準的なサイズです。市販のレシピ本やネットのレシピでも「17cm型」を基準にしているものが非常に多く、材料をそのまま使えるので初心者にも扱いやすいという利点があります。これは使えそうです。
カット数の目安は8分割が一般的で、1切れあたりの厚みがちょうどよく食べごたえがあります。プレゼントや手土産用に包む場合は6分割にするとボリューム感が出ます。
また、17cm型には「通常タイプ」と「トールタイプ」があります。トールタイプは高さが通常より2〜3cm高く、カットしたときの断面がスリムでスタイリッシュに見えます。SNSやインスタ映えを意識するなら、浅井商店の「つなぎ目のないアルミトールシフォン型 17cm」が人気です。
型を正しく選んでも、冷まし方を間違えると台無しになります。失敗する原因として意外と多いのが「型外しのタイミング」です。
焼き上がったシフォンケーキは、必ず型ごと逆さにして冷まします。これには明確な理由があります。シフォンケーキは卵白が多く粉が少ない、非常にやわらかい生地です。正立のまま冷ますと、生地自体の重みで下に沈み、形が崩れてしまいます。逆さにすることで重力に逆らいながら形を保てるわけです。
逆さにして冷ます時間は、最低でも4時間が目安とされています。できればひと晩(6〜8時間)置いておくと、生地が完全に安定してから型外しができるため、きれいな断面に仕上がります。
型から外すタイミングは「完全に冷えてから」が鉄則です。少し冷えたらすぐ外したくなるのはわかりますが、急いで外すと生地が崩れたり、側面に張り付いた部分がちぎれてしまったりします。冷蔵庫で1時間ほど冷やしてから外すと、生地が引き締まって外しやすくなるのでおすすめです。
型外しの際は、シフォンケーキ専用のナイフやパレットナイフを型の側面に沿わせてぐるっと1周させます。底板がある型の場合は、底板と生地の間にナイフを水平に差し込んで丁寧にはがします。市販のシフォンナイフは1,000円前後で購入でき、失敗のリスクを大幅に減らしてくれます。
シフォンケーキ教室主宰の先生による「型だしで失敗しない!冷ます時間ときれいに外す3つのテクニック」:逆さ冷ましの正しい手順と型外しのタイミングを詳しく解説
アルミ製の型は、正しく洗えば何年も使える道具です。ただし、いくつかの落とし穴があります。
まず、アルミ製の型には食器洗い乾燥機の使用はNGです。高温・強いアルカリ性洗剤による変色・腐食の原因になります。また、金属製のタワシやスチールウールで擦るのも禁止です。アルミの表面を傷つけてしまい、そこから腐食が進みます。
正しい洗い方の手順は以下の通りです。
継ぎ目のない型は洗いやすいというメリットが改めて実感できるポイントです。継ぎ目があると、その隙間に生地が入り込み、竹串でも取り出せないことがあります。衛生面を重視するなら、最初から継ぎ目なしタイプを選ぶのが原則です。
なお、アルミ製の型は酸(酢・レモン汁など)に弱い特性があります。レモンシフォンや酢を使うお菓子のあとは、できるだけ早く洗い、長時間酸性のものが型に触れた状態を避けましょう。お手入れに注意すれば大丈夫です。
富澤商店「お菓子型・パン型の材質別お手入れ方法」:アルミ製を含む型の正しい洗い方・保管方法を素材別に詳しく解説
ここまでの内容を踏まえて、実際に購入するときのチェックポイントを整理します。これだけ覚えておけばOKです。
ニトリにシフォンケーキ型がない事実は、最初は少し残念に感じるかもしれません。しかし、専用の型はネット通販で2,000円前後から購入でき、一度買えば何年にもわたって使い続けられる道具です。100均の型で何度も失敗して材料を無駄にするよりも、最初からきちんとした型に投資するほうが、長い目で見れば節約になります。
また、購入前にレシピを確認して「17cm型」指定のものを選んでおくと、そのまま分量を変えずに作れて便利です。17cmを基準にしたレシピが圧倒的に多いため、最初の1本は17cmを選ぶのがおすすめです。

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