スチームオーブン オーブン 違いと選び方のポイント

スチームオーブンとオーブンの違いについて、加熱方式や調理の仕上がりまで詳しく解説します。あなたのキッチンに最適なのはどちら?

スチームオーブンとオーブンの違い

この記事の概要
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加熱方式の違い

スチームオーブンは蒸気を利用した加熱、オーブンはヒーター熱風による加熱が基本です

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調理の仕上がり

スチームならしっとりジューシー、オーブンはカリッと香ばしく仕上がります

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選び方のポイント

料理の種類や家族構成、予算に応じて最適な機種を選びましょう

スチームオーブンの加熱方式と仕組み

スチームオーブンは、蒸気を利用して食材を加熱する調理器具です。特に過熱水蒸気を使用するタイプでは、100℃以上の高温蒸気を発生させて調理します。水を沸騰させて100℃の水蒸気を作り、さらにそれを加熱することで過熱水蒸気が生まれます。この過熱水蒸気は200℃にも達し、目に見えないほど高温の気体となります。
参考)どっちを選ぶ?オーブンレンジとスチームオーブンレンジの違い

蒸気の力を活用することで、料理の水分を保ちながらふっくらと仕上げることができます。内部まで素早く熱が通りやすく、電子レンジと比べると乾燥しにくいという特徴があります。スチームオーブンには、ヒーターの熱と水蒸気を組み合わせて食材を温めるタイプもあり、過熱水蒸気とヒーターのダブルのパワーで素早く調理できます。
参考)https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/119

家庭用スチームオーブンレンジは2002年に初めて製品化され、「ラップ無しでも電子レンジで温め可能」という特徴が評判となりました。2004年には「水で焼く」というキャッチコピーでシャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」が発売され、その後多くのメーカーがスチーム機能を取り入れています。​

スチームオーブンとオーブンレンジの調理機能比較

オーブンレンジは、電子レンジ機能とオーブン機能を組み合わせた調理器具です。電子レンジ機能では食材の水分子を振動させることで加熱し、オーブン機能では対流熱や赤外線を利用して焼き上げます。オーブンレンジには庫内上下に設置されたヒーターで加熱するヒーター方式や、ファンによって熱を庫内全体に広げるコンベクション方式があります。
参考)オーブンレンジのおすすめ15選|加熱方式による違いや選び方も…

スチームオーブンレンジは、従来のオーブンレンジの機能に加えて蒸気を利用した調理が可能です。スチーム加熱は蒸気を利用して調理するため、食材の種類や調理法によってはしっとりと仕上げることができます。蒸気の影響で水分を保持しやすくなるため、肉はジューシーに、魚はふっくらと仕上がります。
参考)オーブンレンジにスチーム機能が必要か判断する参考基準一覧|注…

調理の幅が広がる点もスチームオーブンレンジの大きな魅力です。蒸し、焼き、グリルなどの多様な調理方法に対応しており、ヘルシーな蒸し料理や焼き料理が手軽に作れます。野菜を蒸すことで栄養素を保持しながら食感を楽しめるほか、余分な脂肪や塩分を落とすことができます。
参考)スチームオーブンレンジの種類やメリット・デメリットについて解…

スチームオーブンとオーブンの調理仕上がりと食感の違い

スチーム機能を使用すると、料理の仕上がりに大きな変化が生じます。スチームオーブンは蒸気の効果によりパンや肉料理がふっくらしやすく、冷凍食品の解凍や温め直しにおいてもしっとりした仕上がりが期待できます。食材が乾燥せずにジューシーに仕上がるため、特に肉や魚を調理する際に効果を発揮します。​
一方、普通のオーブン加熱では、どうしてもパサつきがちになります。オーブン機能はヒーターによって庫内全体を温め、熱風によって外側からじっくりと食材を焼き上げます。食材に厚みのある料理もムラなくこんがりと焼き上げ、焼き色をつけることが可能です。
参考)オーブンレンジの使い方!基本的な3つの機能とおすすめ料理を解…

ただし、揚げ物や焼き物のようにカリッとした食感を重視する料理では、スチーム機能が逆に不要になることもあります。スチームオーブンは過熱水蒸気とヒーターを組み合わせて強い火力で焼いていくため、カリッと香ばしい焼き料理も楽しめます。仕上がりの好みや作りたい料理との相性を考えて選ぶことが大切です。
参考)「ウォーターオーブン」と「スチームオーブン」の違いとは?分か…

スチームオーブンの電気代と価格の比較

スチームオーブンレンジの電気代は、一般的なオーブンレンジと比較してやや高めになります。スチームオーブンレンジの消費電力は約1,400Wで、1時間あたりの電気代は約43.4円、1カ月の電気代は約651円です。一方、オーブンレンジの消費電力は約1,300Wで、1時間あたりの電気代は約40.3円、1カ月の電気代は約604.5円となります。
参考)【種類別】オーブンの電気代はいくら?節約方法や選び方も紹介 …

オーブン機能を10分使用した場合、オーブンレンジは約6.30円、スチームオーブンは約7.23円の電気代がかかります。1年あたりの電気代では、オーブンレンジが約1万3,804円に対し、スチームオーブンは約1万5,841円となります。この差は主に蒸気を発生させるための追加エネルギーによるものです。
参考)オーブンの電気代はいくら?種類別や電子レンジと比較して解説|…

価格面では、スチームオーブンレンジは通常のオーブンレンジよりも高めの価格帯になります。スチーム機能は「美味しさ」や「健康効果」にもつながり、蒸し料理やグリル調理に強みがあるため、この価格差は機能の充実度を反映したものといえます。電気代と初期投資の両方を考慮して、自分の調理スタイルに合った選択をすることが重要です。
参考)スチームオーブンレンジとは何かを仕組みと機能で解説!違いやメ…

スチームオーブン選びで知っておきたい独自視点

スチームオーブンを選ぶ際には、庫内容量とスチーム方式の確認が重要です。一人暮らしや二人暮らしなら20L~25L、3~4人家族なら26L~30Lが目安になります。容量が大きいほど一度にたくさん調理できるため、作り置きして家事の時短をしたい方は容量が大きいものがおすすめです。
参考)スチームオーブンレンジのおすすめ|選び方・おすすめモデルを紹…

設置場所のサイズも重要なポイントです。庫内容量が大きいと本体サイズも大きくなりがちなので、設置スペースの確認が必要です。本体サイズに加えて、上部や背面、左右に熱を逃がすための放熱スペースが必要になるため、製品によって必要な放熱スペースを事前に確認しておきましょう。​
オートメニュー機能の充実度も選択の決め手になります。多くのスチームオーブンレンジは、ボタン一つで簡単に調理できるオートメニュー機能を搭載しており、料理が苦手な人でも美味しく仕上げることができます。加熱中に他の家事や作業を行える「ほったらかし調理」が可能で、忙しい家庭や働く人にとって非常に便利です。​
パナソニック公式サイトでは、電子レンジとオーブンレンジ、スチームオーブンレンジの基本的な違いが詳しく解説されています
TDKテクマグでは、スチームオーブンレンジの加熱の仕組みと過熱水蒸気の技術的な解説が掲載されています
シャープ公式サイトでは、ヘルシオと一般的な過熱水蒸気オーブンの違いについて具体的に説明されています