口の中に残るガム状のものを吐き出すと、巣蜜の栄養の約3割を捨てていることになります。
巣蜜(コムハニー)とは、ミツバチが集めた蜜を巣房に貯め、熟成が完了したところで蜜蝋でふたをした状態のものを巣ごと切り取った食品です。通常のはちみつは遠心分離機で蜜だけを取り出しますが、巣蜜は巣の構造をそのまま残した"完熟はちみつ"と呼べる存在です。
巣蜜ならではの最大の特徴は、はちみつの栄養に加えて、巣(蜜蝋)由来の栄養素がプラスされる点にあります。韓国の国立済州大学の研究では、巣蜜はハチミツに比べてフラボノイド含有量が約1.23倍、フェノール化合物全体(フラボノイドとフェノール酸の両方)の含有量が約1.29倍も多いと報告されています。これは東京ドームに例えるなら、普通のはちみつがスタンド席まで栄養を詰め込んでいるとすれば、巣蜜はフィールドの隅々まで栄養が行き渡っているイメージです。
巣蜜に含まれる主な栄養素をまとめると下記のとおりです。
| 栄養素・成分 | 期待できる主な効果 |
|---|---|
| ブドウ糖・果糖 | 素早いエネルギー補給・疲労回復 |
| オリゴ糖 | 腸内の善玉菌を育てる・便秘予防 |
| ビタミンB2・B6・C・ナイアシン | 代謝サポート・美肌・ストレス軽減 |
| カリウム(ミネラル) | むくみ予防・高血圧予防 |
| ポリフェノール・フラボノイド | 強力な抗酸化作用・生活習慣病予防 |
| アミノ酸(プロリンなど) | コラーゲン生成サポート・肌のハリ |
| プロポリス | 抗菌・抗炎症・美肌・花粉症サポート |
| ローヤルゼリー | 更年期サポート・コレステロール改善 |
つまり巣蜜は、はちみつの栄養素に加えてプロポリスやローヤルゼリーまで自然な形で摂れる、まさに"完全栄養食"に近い食品です。これが重要です。
参考:巣蜜(コムハニー)の栄養・効果効能について管理栄養士が詳しく解説しています。
巣蜜の食べ方を解説!「まずい」「口に残る」のは食べ方が違う | みつばちのーと
巣蜜を食べたとき、口の中にガム状のものが残って困った経験がある方も多いはずです。実はその「ガム」こそが蜜蝋であり、巣蜜の栄養の核心部分が宿っている場所です。捨ててしまうのはもったいない部分ですね。
蜜蝋に含まれるプロポリスには、40種類以上のフラボノイドが含まれています。フラボノイドはポリフェノールの一種で、活性酸素を除去する強力な抗酸化作用を持ちます。活性酸素は加齢・紫外線・ストレス・過労などで体内に増え、肌のシミやシワ、さらには生活習慣病の原因ともなります。
食品医学研究所の解説によれば、巣蜜の抗酸化力は通常のはちみつと比べて20〜30%も高いと報告されています。もし毎朝ヨーグルトにはちみつをかけているとすれば、同じ量でも巣蜜に変えるだけで抗酸化力が2〜3割アップするわけです。これは使えそうです。
また、プロポリスは抗菌・抗炎症作用も持つことから、ニキビや肌荒れ予防にもつながります。毎日の食卓に巣蜜を加えるだけで、スキンケアを内側からサポートできるのが巣蜜の面白さです。
参考:巣蜜のフラボノイドとフェノール化合物の含有量に関する研究データを紹介しています。
巣蜜の栄養を最大限に活かすには、保存方法と食べ方に少し注意が必要です。はちみつの酵素は60℃以上に加熱されると失活(機能を失う)することが研究でわかっています。つまり、熱を加えすぎると巣蜜に含まれる繊細な酵素や熱に弱いビタミン類が失われてしまうのです。加熱には注意が原則です。
保存については、直射日光・高温多湿を避けた冷暗所での常温保存が基本です。冷蔵庫に入れると糖が結晶化して固まりやすくなるため、常温保存のほうが扱いやすいです。一度カットすると蜜があふれ出しやすくなるため、開封後は清潔な密閉容器に移し替えることをおすすめします。
食べ方で栄養を損なわないためのポイントは以下のとおりです。
蜜蝋が口に残って苦手な場合は、ヨーグルトや食感のあるクラッカーと一緒に食べると気になりにくくなります。蜜蝋を捨てずに食べることが、栄養をまるごと活かす最大のコツです。
巣蜜に含まれるアミノ酸「プロリン」は、コラーゲン生成に不可欠な栄養素です。コラーゲンは肌のハリや弾力を保つたんぱく質で、30代を過ぎると体内での合成量が減少し始めます。城西大学の栄養学資料でも、プロリンがコラーゲン構造の安定に深く関与していることが示されています。
さらに、巣蜜の蜜蝋部分に含まれるローヤルゼリーは、女性の更年期症状や高脂血症の改善に効果が期待できると、熊本大学の研究などで報告されています。40〜50代の女性にとっては特に注目したい栄養成分といえます。これが条件です。
腸活の観点でも巣蜜は優秀です。含まれるオリゴ糖は、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌の栄養源(エサ)となり、腸内環境を整える働きをサポートします。ヨーグルトに巣蜜を乗せるだけで、腸活効果が相乗的に高まる点は覚えておくと得する知識です。
毎日忙しい主婦が手間をかけずに続けるには、朝食のトースト・ヨーグルト・シリアルに乗せるだけという手軽さが大切です。巣蜜は1回の目安量が小さじ1〜2杯(約7〜14g)程度。砂糖の代わりとして普段の食事に取り入れるだけで、美肌・腸活・疲労回復・免疫サポートといった女性に嬉しい効果が期待できます。
参考:ローヤルゼリーの女性健康効果に関する詳しい解説はこちらです。
巣蜜は一般のスーパーではほとんど見かけない希少な食品です。カルディや成城石井、ドン・キホーテなど輸入食品を扱う店舗や、インターネット通販で入手できます。国産品の場合、生産の手間と希少性から300g程度で4,000〜5,000円前後が相場です。
実は、巣蜜の栄養価は産地や生産方法によって大きく異なります。これは意外ですね。ミツバチがどの花の蜜を集めているか(蜜源植物の種類)によって、含まれるフラボノイドやポリフェノールの量が変わるためです。たとえば、そば(ソバ)の花から集めたはちみつはポリフェノール含有量が200〜800mgと非常に高く、アカシアのはちみつ(20〜50mg)と比べると最大40倍の差があるとのデータもあります。
また、農薬や抗生物質の管理体制がしっかりした養蜂業者から直接購入することが品質の面で最も安心です。最近では農薬管理が比較的しっかりしており価格も手頃なハンガリー産が人気ですが、国産品は特に蜜源植物の多様性が高く、風味も豊かです。
購入前に確認しておきたいポイントをまとめます。
巣蜜を初めて試すなら、まず少量から試せるお試しサイズ(100〜150g程度)を購入するのがおすすめです。いきなり大容量を買って風味が合わなかった場合の損失を防げます。食べ方も少しずつ試しながら、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。
参考:はちみつの栄養成分・生産方法・品質について詳しくまとめられています。
健康維持につながるはちみつの栄養成分や健康成分とその効果を紹介 | 杉養蜂園