このイベントは「業界専用」と思ったら、あなたの食費が年間1万円以上変わる情報を逃します。
2026年2月18日(水)から20日(金)の3日間、千葉市・幕張メッセ全館を会場に「第60回スーパーマーケット・トレードショー2026(SMTS2026)」が開催されました。今回で記念すべき60回目の節目を迎えた本展示会は、食品流通業界における国内最大級の商談展示会として知られています。
気になる来場者数の合計は、3日間で8万922人。前回(2025年)の約7万7,305人から約3,600人以上の増加となりました。日別の登録入場者数を見ると、初日2月18日(水)が26,876名(前回初日23,753名)、2日目2月19日(木)が29,260名、最終日2月20日(金)が24,786名という内訳です。
つまり、毎日約渋谷駅利用者数の1割弱にあたる人が、たった1か所の展示会に集まった計算になります。これは単なる見本市ではありません。
出展規模もそれに見合ったスケールで、国内外の合計2,151社・団体・3,671小間が出展。海外からは17カ国・99社・団体の132小間が参加しており、地域色と国際色の双方が際立ちました。国内の地方メーカーも都道府県ブースを通じて1,400社超が参加しており、日本全国の食の最前線が一堂に会した展示会といえます。
開催概要についてはこちらの公式ページでも詳しく確認できます。
一般社団法人全国スーパーマーケット協会「第60回スーパーマーケット・トレードショー2026 ご来場御礼」(来場者数・開催規模の公式発表)
今回のSMTS2026最大のトピックのひとつが、冷凍食品ゾーンの「昇格」です。これまで冷凍食品は「食のトレンドゾーン 冷凍×食」という扱いで、あくまでトレンドの一角に過ぎませんでした。しかし2026年は独立した「冷凍ゾーン」として4ホール・5ホールに55社・129小間が集積。これは業界全体が冷凍食品を「流行」ではなく「定番インフラ」として位置づけた象徴的な出来事です。
この変化は、主婦の日常とダイレクトに連動します。日本の冷凍食品市場はすでに2025年時点で約161億米ドル規模に達しており、2034年には221億米ドルに達する見込みとされています(年平均成長率3.59%)。いま家庭の冷凍庫がかつてないほど活用されている理由が、ここにあります。
会場で特に注目を集めたのが、初企画「ご当地冷凍食品ピックアップ展示コーナー」です。全国65品がピックアップ展示され、バイヤーが殺到したと報告されています。宮城の牡蠣や地方産食材を使った冷凍商品が並ぶ様子は、地方の食文化が「冷凍」という形で全国のスーパーへと届く流れを示すものでした。
これは使えそうです。地元のスーパーで見かける冷凍食品が増えていると感じたら、それはSMTSで商談が成立した商品かもしれません。
さらに、急速冷凍技術「凍眠(とうみん)」を活用した「凍眠フルーツ」や、JALUXが開発した「巻き寿司用冷凍シャリシート(海苔付き)」など、食卓に革命をもたらしそうな新商品も多数展示されました。日清食品の『冷凍 完全メシ』は昨年秋のリニューアル以降急伸中であり、スーパーでの取り扱い拡大が今後見込まれます。
冷凍食品の最新トレンドを詳しく知りたい方は、こちらの専門メディアが参考になります。
冷凍食品新聞「SMTS2026、冷凍は『トレンド』から『ゾーン』に昇格」(冷凍ゾーン各社ブース詳細レポート)
SMTS2026と同時開催された「デリカテッセン・トレードショー2026(DTS2026)」では、毎年恒例の「お弁当・お惣菜大賞2026」表彰式が2月18日に行われました。この賞は、全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、専門店で実際に販売されているお弁当・お惣菜の中から、食の専門家による審査で選ばれるものです。応募総数1万5,489件から計230品(受賞66品・最優秀賞16品)が選ばれました。
最優秀賞のひとつには、サミットの「店内焼上げ穴子重(あさり・店内手作り玉子焼入)」が輝きました(丼部門)。サミットはこれで4年連続最優秀賞という快挙です。受賞商品は2月18日より期間限定販売も行われ、一部は今も店頭で確認できます。
受賞商品が気になるところですね。
今回の「定番商品部門」は「コロッケ」に特化したフォーカスが当てられており、「島原芳寿豚使用 ヘルシーおからコロッケ(株式会社かとり)」などが選ばれています。コロッケは一見地味に見えますが、スーパーの惣菜売場においては売上の大きな柱であり、その品質向上の取り組みがこの賞を通じて可視化されます。
DTS2026の出展規模は56社・団体・271小間。中食市場の高度化を示す商材が並び、受賞商品のパネル展示や試食企画が多くの来場者を集めました。惣菜関連情報をまとめた冊子の配布なども行われ、情報発信機能が一段と強化された印象です。
受賞商品一覧はこちらから確認できます。近所のスーパーで見かけたときのヒントになります。
お弁当・お惣菜大賞2026公式サイト(受賞商品の詳細・地域・販売店舗情報)
今回の来場者数8万922人は、前年比で約3,600人以上増という結果です。なぜこれほど多くの業界関係者がこの展示会に集まるのでしょうか。背景を整理すると、いくつかの構造変化が見えてきます。
まず、消費者物価の上昇と食品値上げの続く環境下で、スーパーマーケットは差別化戦略を急いでいます。バイヤーにとっては「どこにもない商品」を仕入れることが来店動機につながるため、新商品・地方産品・海外食品を探す活動が活発化しています。SMTS2026には17カ国99社の海外出展者が参加しており、韓国メーカー「Daesang(ダエサン)」がキムチや一品調味料を引っ提げて登場したことも話題となりました。
つまり、来場者数の増加は単純な盛況ではなく、業界全体が情報戦を激化させているサインです。
次に、地方メーカーの積極的な進出があります。1,400社超の地方メーカーが都道府県ブースを通じて出展しており、全38都道府県ブースが設けられました。地方の味をスーパーに届けるルートが、この展示会を通じて形成されつつあります。地元のスーパーに「見たことのない地方産品」が並ぶようになったとしたら、SMTSの商談成立がきっかけである可能性が高いです。
また、60回記念として設けられた「SMTS60回の歴史と未来展」では、1964年の初開催からの歩みが展示され、業界の先人たちが作り上げた商談文化の厚みが改めて実感できる内容となっていました。来年2027年からは年2回開催という新体制へ移行することも発表されており、業界全体に緊張感と期待感が漂っています。
フードウイークリーWEB「来場者数8万人超え/スーパーマーケットトレードショー2026」(来場者数・会場規模・地方メーカー参加状況の詳細)
SMTS2026では、次回以降の開催に関する重大発表がありました。2027年から、スーパーマーケット・トレードショーは年2回開催に移行します。従来の2月開催(総合展)に加え、7月にも新たな専門展が開かれる予定です。
7月開催の新展示会は「生鮮特化展」として位置づけられており、青果・水産・畜産など生鮮3部門を中心に、産地連携や鮮度管理、売場づくりの提案が強化される計画です。これは主婦の食卓に直接影響する情報です。
生鮮食品は、鮮度と産地が価格に直結します。SMTS2027の7月展でバイヤーが産地直送ルートを開拓すれば、秋から冬のスーパー棚に新たな産地品が並ぶ可能性があります。「見慣れない産地の魚が安かった」「このお肉、初めて見るブランドだ」と感じたとき、その背景には夏のトレードショーが関係しているかもしれません。
2027年2月17日〜19日の第61回総合展(幕張メッセ全館)、続いて7月28〜30日の生鮮特化展という二本立ての体制が発表されています。主婦の立場から見ると、トレードショーが年2回になることは、スーパーの棚が年に2回以上リニューアルされやすくなることを意味します。新商品をいち早くチェックするチャンスが増えるという点で、食費の賢い使い方にもつながるはずです。
次回のSMTS情報は公式サイトで随時更新されています。
スーパーマーケット・トレードショー公式サイト「SMTSについて」(2027年2回開催の詳細と開催概要)