共創未来ファーマ薬局が地域医療と多職種連携を支える理由

共創未来ファーマ薬局(ファーマみらい)が取り組む地域医療・かかりつけ薬剤師・医療DXの全体像を解説。2026年調剤報酬改定の変更点や、医療従事者が連携を強化するためのポイントとは?

共創未来ファーマ薬局と地域医療・医療従事者連携の全貌

かかりつけ薬剤師への患者同意は、2026年6月改定から同意書なしでも成立します。


📋 この記事の3つのポイント
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共創未来ファーマ薬局とは

東邦ホールディングスグループのファーマみらいが運営。全国422店舗(2024年12月現在)を展開し、地域密着型かかりつけ薬局として医師・看護師・ケアマネなど医療従事者との多職種連携を推進。

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2026年改定で何が変わる?

かかりつけ薬剤師指導料が廃止され服薬管理指導料に統合。従来の紙の同意書が不要となり、お薬手帳への薬剤師氏名記載に切り替わる。医療従事者は業務フローの見直しが必要。

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医療DXと連携ツール

独自アプリ「共創未来薬局けんこうナビ」により処方せん送信・オンライン服薬指導・電子お薬手帳・血圧記録が一元管理可能。電子処方せんはモデル事業初期から参画し業界をリード。


共創未来ファーマ薬局の概要と東邦ホールディングスグループの全体像

共創未来ファーマ薬局(運営会社:株式会社ファーマみらい)は、医薬品卸売の大手である東邦ホールディングス株式会社を核とした「共創未来グループ」の調剤薬局事業部門です。グループ全体では医薬品卸売・調剤薬局・医薬品製造販売・顧客支援システム開発など、医療・健康・介護分野に幅広く事業を展開しています。


「全ては健康を願う人々のために」というコーポレートスローガンのもと、全国422店舗(株式会社ファーマみらいと株式会社ストレチアの合計、2024年12月現在)を展開しています。東京54店舗・神奈川57店舗・新潟81店舗・群馬50店舗など、首都圏から地方まで幅広く展開しており、北海道から沖縄まで多数の地域で「共創未来薬局」の名称で地域医療を支えています。


従業員数は2,388名(2025年3月末現在)で、うち薬剤師の平均年収は約520万円(400万〜700万円)です。グループ関連の卸売事業や製造販売事業と連携することにより、医薬品の品質管理や在庫管理システム、調剤機器の活用まで一気通貫で対応できる点が大手チェーン薬局との大きな差別化ポイントです。


グループ力が強みです。


また、独立経営の調剤薬局を支援する会員ネットワーク組織「薬局共創未来」(運営:ファーマクラスター株式会社)も展開しており、2020年時点で約2,900店舗の会員薬局を抱えるまでに成長。会員薬局に対しては講演会・セミナー・PB商品の販売促進支援・経営相談など多彩なサポートを提供しています。医療従事者として連携先の薬局を探す際には、この広いネットワークも念頭に置いておくと情報収集がしやすくなります。


参考:東邦ホールディングス「共創未来グループ各社」紹介ページ(グループの構成企業と事業内容を確認できます)
https://www.tohohd.co.jp/company/kyosomirai


共創未来ファーマ薬局のかかりつけ薬剤師制度と2026年調剤報酬改定の変更点

共創未来ファーマ薬局が最も力を入れている機能のひとつが「かかりつけ薬剤師」制度です。かかりつけ薬剤師とは、処方薬・市販薬・サプリメントを含む患者のすべての服薬情報を一元把握し、薬の重複・飲み合わせ・副作用を継続的にチェックする専任の薬剤師のことを指します。開局時間外でも電話相談に応じるなど、患者の身近な存在として機能することが求められます。


ここで医療従事者が見落としがちな変更があります。


2026年(令和8年)6月施行の調剤報酬改定により、かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料は廃止され、服薬管理指導料へ統合されます。そしてこれまで必須だった「患者同意書」の作成・保管が不要になり、代わりにお薬手帳へ担当薬剤師の氏名と「かかりつけ」の文字を記載する運用に切り替わります。薬局側はそのページのコピーを保管する形です。


同意書が不要になるということです。


これは手続きの簡素化であると同時に、「実際に対人業務を行った実績」を具体的に評価する方針への転換を意味します。また同改定では、かかりつけ薬剤師が継続的な服薬指導や患家訪問による残薬対策を実施した場合に加算できる「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点)」が新設されます。患者宅を定期的に訪問して服薬状況を確認・調整する業務が報酬として評価されるようになるため、医師・ケアマネジャーとの連携がこれまで以上に重要になります。


また、改定では薬局立地による「門前薬局等立地減算」の強化が示されており、特定の医療機関への依存度(処方箋集中率)が高い薬局には評価が引き下げられる傾向にあります。共創未来ファーマ薬局のように面的な地域展開・多診療科対応を進めることが、長期的な経営安定にも直結するといえます。


参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」(かかりつけ薬剤師の変更点の詳細が確認できます)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001667206.pdf


共創未来ファーマ薬局における地域連携薬局の認定取得と多職種連携のしくみ

共創未来ファーマ薬局では、グループ内で「地域連携薬局」の認定取得を積極的に推進しています。直近の例を挙げると、2026年1月14日付で「共創未来 東根薬局」(山形県)、2025年12月3日付で「共創未来 伊勢崎中央薬局」(群馬県)、2025年9月25日付で「共創未来 黒磯薬局」(栃木県)が相次いで地域連携薬局の認定を取得しています。


地域連携薬局とは、何でしょうか?


地域連携薬局とは、在宅医療の推進を背景に2021年8月に施行された認定制度で、一定の条件を満たした薬局だけが厚生労働省の認定を受けることができます。主な条件として、常勤薬剤師の半数以上が「健康サポート薬局研修」を修了していること、全常勤薬剤師が地域包括ケアシステムに関する研修を毎年受講していることなどが挙げられます。医師・看護師・ケアマネジャーと密接に連携し、退院した患者が安心して在宅療養できるよう薬の情報共有・服薬管理・訪問指導を行うことが求められます。


医療従事者が連携先の薬局を選定する際、地域連携薬局の認定を取得しているかどうかは重要な基準です。退院調整や在宅移行支援のプロセスで、連携先薬局が地域連携薬局であれば、カンファレンスへの参加体制・情報共有の手順が整備されているため、スムーズに協力関係を築けます。


認定の有無が連携精度を左右します。


さらに共創未来グループ内には、調剤薬局・訪問看護事業所・居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)の3機能を備えた体制をもつ拠点があります。これにより「薬局→訪問看護→ケアマネ」という三者間の情報連携が一つのグループ内で完結できるケースがあり、多職種連携の効率が大きく高まります。地域の医師や病院の地域医療連携室から見ても、このような多機能連携体制は在宅移行時のパートナーとして利便性が高いといえます。


参考:ファーマみらい公式サイト「地域活動・介護ケア事業について」(各事業の詳細な説明が確認できます)
https://phmirai.co.jp/company/


共創未来ファーマ薬局の医療DX推進と「けんこうナビ」アプリの活用

共創未来ファーマ薬局は医療DXの分野においても業界内で先進的な取り組みを続けています。最大の特徴は、グループ独自開発のアプリ「共創未来薬局けんこうナビ」の提供です。このアプリは処方せんの事前送信・オンライン服薬指導・電子お薬手帳・日々の血圧記録が一つにまとめられており、患者が自分の健康情報をスマートフォンで一元管理できる仕様です。


これは使えそうです。


特にオンライン服薬指導の機能は、移動が困難な高齢者や在宅療養患者にとって大きなメリットです。薬局への来局なしにビデオ通話で薬剤師から服薬指導を受け、自宅でお薬を受け取ることができます。待ち時間がゼロになるため、患者の身体的・時間的負担を大幅に軽減できます。また、ご家族の情報をまとめて登録できるほか、データはクラウドで安全に保管されるため、紙の手帳と異なり災害時にも情報が失われません。


電子処方せんについても、共創未来ファーマ薬局はモデル事業の初期段階から参画しています。グループのレセプトコンピューター開発会社と連携してシステム開発を推進し、厚生労働省とのミーティングにも積極的に参加するなど、制度の整備・普及そのものに貢献してきました。処方せんの電子化は現在、薬局の8割超がオンライン資格確認システムに接続済みとなっており(2025年時点)、電子処方せんとオンライン服薬指導の組み合わせは今後の標準的な医療提供モデルになっていきます。


医療従事者の立場から見ると、電子処方せんの活用により異なる医療機関・薬局間でのお薬情報の共有が可能になります。これによって、ポリファーマシー対策・重複投薬防止・相互作用チェックの精度が飛躍的に向上します。特に複数の診療科を受診している患者や多剤併用の高齢患者においては、薬剤師がリアルタイムで服薬状況を把握できることが、医療安全の観点からも非常に重要です。


また同薬局では、服薬フォローにLINEと電話を組み合わせた独自の仕組みを導入しています。患者からの返信はレセコンで確認し、自動化機能も取り入れることで服薬指導では発見しにくい潜在的リスクを持つ患者の早期発見に努めています。こうした取り組みは学会発表にもつながっており、薬局ならではの問題意識を医療全体へ発信する仕組みも整っています。


参考:共創未来ファーマ薬局「医療DXによる患者様の利便性・医療安全活動」ページ(電子処方せんの取り組みの詳細が確認できます)
https://phmirai.co.jp/company/dx_and_safety/


薬局共創未来人財育成機構による医療従事者向け研修プログラムの全容

医療従事者にとって見落とされがちなのが、「一般社団法人 薬局共創未来人財育成機構(PFPD)」の存在です。この機構は薬剤師を中心にあらゆる医療従事者に「学びの場と交流の場」を提供することを目的として設立されており、地域で暮らす全ての人々がより良く暮らせるよう、病気の予防から医療支援まで幅広い研修プログラムを提供しています。


📚 提供されている主な研修プログラムは以下の通りです。


研修名 対象 形式 時間
健康サポート薬局研修 薬剤師 eラーニング+集合研修 規定時間あり
地域連携薬剤師研修 薬剤師(地域連携薬局認定向け) eラーニング(PC・スマホ対応) 2時間
在宅薬学総合体制加算研修 薬剤師 eラーニング 別途規定
現場で差がつく研修プラン 薬局スタッフ全般 eラーニング 複数コース
薬剤師 Mobile Seminar 薬剤師・医療従事者 動画配信(スマホ対応) 随時配信


地域連携薬剤師研修は、地域連携薬局の認定に直結する内容として設計されています。研修テーマは「地域包括ケアシステムにおける多職種連携と薬剤師の対応」で、eラーニング形式のため自分のペースで受講できます。この研修は日本薬剤師研修センターの「認定薬剤師研修手帳」対応プロバイダーとして登録されており、薬剤師の認定単位取得にも活用できます。


認定単位も取得できます。


また「薬剤師 Mobile Seminar」は2026年4月上旬より同機構の「薬剤師生涯研修センター」から新たに配信される予定です。スマートフォンで通勤中や休憩時間に視聴できるため、忙しい医療従事者にとって利便性が高い研修形式です。医師・看護師・ケアマネジャーなど薬剤師以外の職種も参加可能な研修がある点も見逃せません。


チームとして薬局と学ぶことが、多職種連携の質を高める近道です。退院調整や在宅医療の現場で共通言語を持つことが、患者安全と服薬アドヒアランスの向上に直結します。連携先の薬局スタッフがどのような研修を受けているかを把握することは、医師・看護師にとっても有益な情報です。


参考:一般社団法人 薬局共創未来人財育成機構(PFPD)公式サイト(研修プログラムの詳細・申込方法が確認できます)
https://pfpd.or.jp/


共創未来ファーマ薬局が取り組む在宅医療・セルフメディケーション支援の独自モデル

共創未来ファーマ薬局が他の調剤薬局チェーンと一線を画す点として、「調剤だけで終わらない地域医療支援」の実践が挙げられます。その柱のひとつが在宅訪問サービスです。薬剤師が患者の自宅を訪れてお薬の管理・服薬指導・残薬確認・副作用チェックを行い、問題があれば医師へ即座にフィードバックする体制をとっています。


在宅訪問で薬剤師ができることは、大きく分けて6点あります。①服薬状況の確認と飲み忘れ・重複の防止、②体調・副作用チェックと医師への早期連携、③複数薬剤のカレンダー・ケース分けによる家族負担軽減、④気軽な相談窓口の確保、⑤外出困難な患者への対応、⑥医師・看護師とのチーム医療です。


訪問薬剤師がチームの一員です。


特に注目されるのが認知症ケアへの取り組みです。共創未来ファーマ薬局では、認知症疾患医療センター・行政・薬局が三者連携して月1回の「みらいカフェ(認知症カフェ)」を開催しています。認知症サポーター養成講座・疾患に関する講座・薬や食事についてのセミナーなど多彩なプログラムを展開しており、早期発見・早期受診の啓発活動を地域ぐるみで実施しています。


医療従事者の視点でこれを評価すると、認知症の疑いがある患者を発見した際に薬局から受診勧奨→かかりつけ医・専門医療機関への繋ぎを薬剤師が担うルートが確立されていることになります。地域の薬局が単なる「薬を渡す場所」ではなく、医療・福祉の入り口として機能している好例です。


セルフメディケーション推進の面では、薬剤師が患者の症状・既往歴・生活習慣をヒアリングしたうえでOTC医薬品・健康食品を提案するコンサルティング型のサービスを実施しています。「セルフメディケーション税制」(特定OTC医薬品の年間購入額が一定額を超えた超過分が所得控除の対象)についても患者への情報提供を積極的に行っており、患者が経済的メリットを享受しながら健康管理できる仕組みを整えています。


医師・看護師など医療従事者が共創未来ファーマ薬局と連携を深めることで、在宅・外来を問わず患者の生活の場に近い場所でのフォローアップ体制を強化できます。薬局を「処方箋を出す先」ではなく「地域医療チームの一員」として位置づけることが、患者の治療アウトカム改善につながる第一歩です。


参考:厚生労働省「地域包括ケアシステムにおける薬剤師・薬局の役割」(薬局が担うべき地域医療の全体像が整理されています)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000983097.pdf