年収の高い製薬会社に転職したつもりが、実は1年目の新入社員より自分の給与が低くなっていた先輩がいる会社です。
東亜薬品株式会社は、1940年創立の富山市に本社を構える総合医薬品メーカーです。資本金5億6,100万円、売上高245億円(2025年5月決算)、従業員584名(2026年1月時点)という規模を持ちます。
主な事業内容は、医療用医薬品・一般用医薬品(OTC)・配置薬の研究開発・製造・販売・受託製造です。製品ラインナップは内服固形剤、DPI製剤(吸入薬)、内服液剤、外用液剤、軟膏剤、点眼剤、眼軟膏剤と幅広く、多剤型を扱える技術力が強みです。
特に注目すべきは、2007年に国内で初めてDPI(ドライパウダー吸入器)製剤専用工場を完成させた点です。この先進的な設備と技術が評価され、アステラス製薬をはじめとする大手製薬会社との取引実績が多数あります。受託製造という形で大手製薬会社の薬を製造する"縁の下の力持ち"的な企業であることが、東亜薬品の事業の核心です。
つまり、知名度は高くないが技術力のある企業ということですね。
関連会社として日東メディック株式会社、リードケミカル株式会社を持ち、配置薬事業や化学品事業にも展開しています。医療従事者にとっては、処方する薬や医療機関に流通する薬を製造している直接的な接点のある企業といえます。
東亜薬品株式会社 公式サイト 会社概要(資本金・従業員数・事業所など公式基本情報を確認できます)
複数の口コミサイトを集計すると、東亜薬品の正社員の平均年収は約359万円〜380万円の範囲に集中しています。年収範囲は300万円〜450万円が大半で、これが正社員の標準的な水準です。
富山県内の企業179社と比較すると、東亜薬品の平均年収380万円は県内平均442万円を約62万円下回り、順位は136位です。これは、製薬会社というと高収入のイメージを持つ方にとって意外な数字かもしれません。
💡 ちなみに「62万円の差」を月換算すると約5万円以上になります。
では全国の製薬・医薬業界と比較するとどうでしょうか? 医薬品業界の平均年収は一般的に600万円台に乗ることも多く、日用品・化粧品業界の集計では業界平均612万円に対して東亜薬品は380万円と、230万円以上の開きが出ています。この差は主に、東亜薬品がジェネリック・受託製造の中堅メーカーであることに起因します。大手新薬メーカーと異なり、利益率が抑えられる受託ビジネスを主体とするため、給与水準が抑えられやすい構造にあります。
年代別では20代の平均年収が約311万円、30代になると400万円台前後へ上昇していく傾向があります。上限は社員の口コミによると450万〜500万円台で頭打ちになるケースが多く報告されています。医療従事者として製薬業界への転職を検討する際は、この「天井」をあらかじめ把握しておくことが重要です。
Yahoo!しごとカタログ 東亜薬品年収データ(富山県内企業との平均年収比較・年代別データが確認できます)
職種によって年収が大きく変わるのが東亜薬品の特徴です。Indeedのデータによると、最も低い人事・総務系が約382万円であるのに対し、生産技術職は約653万円と270万円以上の開きがあります。
| 職種 | 平均年収(目安) |
|------|----------------|
| 人事・総務 | 約382万円 |
| 品質管理 | 約383万円 |
| 製造オペレーター | 約400万円台 |
| 研究開発 | 約400〜500万円台 |
| 生産技術 | 約653万円 |
| 製造責任者 | 月額41.6万円相当 |
生産技術職が高年収を得られる背景には、医薬品の工業化検討・製造設計・品質構築という専門性の高さがあります。GMP(医薬品製造管理基準)への対応や、設備投資・バリデーション業務を担う人材は市場でも希少であり、社内評価も必然的に高くなります。
これは使えそうですね。
医療従事者が製薬会社へのキャリアチェンジを考えるなら、「どの職種を目指すか」で入社後の年収が100万〜200万円単位で変わることを認識しておく必要があります。たとえば薬剤師資格を持つ方であれば、品質保証・総括製造販売責任者を目指すルートがあり、専門職としての手当(薬剤師手当3万円/月)が加算されます。さらに将来的に製造管理者・総責クラスになると、年収の大幅アップが期待できます。
また製造職では2交替・3交替勤務があり、交替勤務手当が加算されることで日勤のみの社員と比べて年収が数十万円上乗せされます。交替勤務を厭わなければ稼ぎやすい環境です。
Indeed 東亜薬品職種別給与データ(職種ごとの平均年収・平均月給の最新データが確認できます)
公式の募集要項(2025年4月実績)によると、新卒初任給は以下の通りです。
| 学歴 | 月額給与 |
|------|---------|
| 修士・学士(6年制) | 250,000円 |
| 学士(4年制)・高専専攻科 | 230,000円 |
| 高専本科 | 210,000円 |
| 高卒 | 190,000円 |
薬剤師資格保有者には月額30,000円の薬剤師手当が加算されるため、6年制薬学部卒(薬剤師取得)の場合は月額280,000円からのスタートになります。
昇給は年1回(4月)で、社員の口コミによると年間5,000円〜数千円程度のアップが基本ラインとされています。頑張っても頑張らなくても横並びになりやすい傾向があるという声も複数見られます。昇給が緩やかなのが実態です。
賞与は年2回(7月・12月)が基本ですが、業績が良い年には4月に臨時ボーナスが支給されます。口コミ上は「年3回」という記述もあり、実質的に3回支給された実績があるようです。支給月数は4〜5ヶ月相当との情報があり、前年度実績では4.99ヶ月という記載も確認できます。
注意点が一つあります。過去の口コミには「2007年頃に新入社員の基本給が引き上げられた際、当時の在籍社員より後輩の初任給が高くなる"給与逆転"が発生した」という情報があります。現在も制度変更によって類似の事態が起きる可能性はゼロではないため、在籍年数と給与の関係を面接時に確認することをおすすめします。
東亜薬品 新卒採用募集要項ページ(初任給・福利厚生・採用データが公式に掲載されています)
年収水準だけを見ると控えめな印象ですが、東亜薬品の福利厚生や働き方の面では注目すべき点が複数あります。
まず休日休暇について、年間休日は120日(土日・祝祭日・年末年始・お盆)が確保されており、有給休暇の平均取得日数は14.7日(2024年実績)と比較的高い水準です。毎週水曜日はノー残業デーが設定されており、月平均所定外労働時間は10.6時間(2024年実績)と残業は少ない部類に入ります。
育休取得率は際立っています。男性の育休取得率は2022〜2024年度で89〜92%を推移しており、女性は3年連続で100%です。これはくるみん認定企業としての実績に裏づけられており、医療従事者がライフイベントを意識して職場選びをする際に大きなプラス材料となります。
平均勤続年数は11.7年(2025年1月時点)・平均年齢38.4歳で、社員が長く働き続けている職場環境といえます。
家賃補助は月30,000円(県外出身者または遠距離通勤解消のための賃貸入居者が対象)が支給され、薬剤師手当(30,000円/月)と合わせると県外から転職する薬剤師には月6万円の上乗せが可能です。確定給付企業年金・財形貯蓄・社員持株会なども整備されています。
年収の「数字」だけで判断しないことが大切です。
また、2024年度・2023年度の新卒採用者の離職率は0%(各年17人・12人採用でゼロ退職)という実績があります。入社後に「こんなはずじゃなかった」という早期離職が起きにくい環境である証左といえるでしょう。医療現場で激務に消耗している医療従事者にとって、残業が少なく有給も取りやすい職場環境は、転職先として検討する価値があります。
転職に際して年収・福利厚生を総合比較したい場合は、dodaやマイナビ転職のような転職支援サービスを活用し、東亜薬品以外の富山県の製薬・医療系企業との条件比較を行うと判断材料が増えます。
エン カイシャの評判 東亜薬品の働き方ページ(残業時間・休日休暇・多様な働き方支援に関する社員口コミが確認できます)