開封後のお茶を冷蔵庫に入れると、かえって味が落ちてしまいます。
「有機煎茶 黒山」は、宮崎県日南市北郷町黒山にある井ヶ田製茶北郷茶園の直営茶園で育てられたお茶です。「黒山」という地名がそのまま商品名になっており、その土地ならではの個性が詰まっています。
この茶園が位置するのは、標高350〜400メートルの霧深い斜面。スカイツリーの高さ(634m)の約6割ほどの高さに位置する高地です。昼夜の気温差が大きく、周囲を杉林に囲まれた独立した環境のなかで、上質な茶葉がゆっくりと育ちます。
茶園の地下にはすぐ広渡川が流れており、空中湿度が常に高い状態に保たれています。霧やかすみがかかりやすいこの環境が、お茶の香り成分を豊かに育てる大きな要因とされています。
土壌は中世層と第三紀成層という地層で構成されており、傾斜地のため霜害が起きにくいのも特徴のひとつ。これが安定した品質の茶葉生産につながっています。
北郷町が地元では古くからの茶どころとして知られていることも見逃せません。その伝統的な産地に井ヶ田製茶の初代社長が「これからの茶製造は九州だ」という信念を持って移り住み、有機栽培に取り組み始めたのが今の黒山茶園の起源です。2001年から有機JAS認証を取得し、現在に至るまで一貫して農薬・化学肥料を一切使用しないお茶づくりを続けています。
つまり、土地・気候・栽培方法の三つが揃ってこそ生まれるお茶ということですね。
「有機煎茶 黒山」は、日本茶AWARD2024において有機茶部門でプラチナ賞を受賞し、さらに「日本茶輸出組合理事長賞」という特別賞にも輝きました。受賞のニュースを聞いて「どんな賞なの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
日本茶AWARDとは、お茶の専門家だけでなく一般消費者も審査に参加する、国内では珍しい品評会です。一次審査・二次審査では専門家が評価しますが、最終の三次審査では全国の一般消費者が実際に試飲して投票します。つまり「飲む側の立場」で評価される、生活者の声が反映されやすいコンテストです。
プラチナ賞はその三次審査を経て選出された上位20点のみに与えられる賞で、選ばれること自体がすでに相当の品質を証明しています。
さらに「日本茶輸出組合理事長賞」は、そのプラチナ賞受賞茶の中から、有機栽培または輸出向きとして特に期待される1品のみに贈られる特別賞です。これは国際市場でも通用する品質として認められたことを意味します。世界でも有機栽培茶の需要が高まっているこの時代に、「黒山」はその代表格として選ばれたのです。
これは使えそうです。日常のお茶タイムが少し特別に感じられるほどの実績ですね。
日本茶AWARD2024で「日本茶輸出組合理事長賞」受賞 - 井ヶ田製茶北郷茶園(受賞内容の詳細や背景について記載)
日本茶AWARD 歴代受賞者一覧 - 日本茶AWARD公式サイト(審査方式や受賞区分の詳細を確認できる権威ある情報源)
「有機JAS認証」という言葉は知っていても、その具体的な意味や一般的なお茶との違いを説明できる人は意外と少ないものです。
有機JAS認証とは、日本農林規格(JAS規格)に基づいた公的な認証制度です。その取得には、農薬・化学肥料を3年以上使用していない農地で栽培すること、そして第三者機関の検査・認証を受けることが最低条件として定められています。
有機煎茶 黒山の場合、茶葉の栽培から加工・袋詰めまで、すべての工程が有機JAS認証を取得した自社工場内で行われています。栽培だけでなく製造段階まで認証の対象になっているため、原材料から製品まで一貫した安心を担保できています。
一般的なお茶と有機茶の大きな違いは、農薬残留の可能性にあります。茶葉は野菜などに比べて農薬の残留基準値が甘い設定になっている場合があり、「1日に何杯も飲む習慣のある方ほど農薬の摂取量が積み重なりやすい」と指摘する専門家もいます。お茶を毎日大量に飲む家庭では、有機茶を選ぶことに意味があるわけです。
また「無農薬」表示と「有機JAS認証」は別物です。無農薬はあくまで自己申告であり、第三者機関が確認した証明ではありません。有機JAS認証は客観的な基準をクリアしていることを公的に証明している点で、より信頼性が高いといえます。
有機JAS認証が条件です。買う際にはマークを確認するのが基本です。
有機JAS認証とは?無農薬との違い - 知覧茶専門店 お茶の茶和樹(有機栽培と無農薬の違いをわかりやすく解説した参考記事)
せっかく品質の高いお茶を手に入れても、淹れ方が合っていなければ本来の味を引き出せません。深蒸し煎茶である「有機煎茶 黒山」には、その特性に合った淹れ方があります。
深蒸し煎茶とは、通常の蒸し時間(30〜40秒)の2倍にあたる60〜80秒ほど蒸して仕上げる煎茶のことです。蒸し時間が長い分、茶葉が柔らかく崩れやすくなるため、お湯の中に成分が溶け出しやすい性質があります。これが「トロッとまろやかな口当たり」の正体です。
美味しく淹れるための主なポイントをまとめると、以下のとおりです。
「熱いお湯で淹れた方がよく成分が出るのでは?」と思いがちですが、それは間違いです。深蒸し煎茶を高温で淹れると、旨み成分であるアミノ酸(テアニン)より先に苦味・渋みの元であるカテキンが溶け出してしまい、かえって味が荒くなります。旨みを活かすためには低めの温度が条件です。
また、二煎目は一煎目よりやや高い温度のお湯で、少し短めの時間で淹れると、香りがさらに立って楽しめます。深蒸し煎茶は茶葉の旨みが多く含まれているので、二煎・三煎まで美味しく飲めるのも魅力のひとつです。
深蒸し煎茶のいれ方(2人分)- お茶百科(温度・時間・茶葉量の基本をわかりやすく解説した参考ページ)
品質の高いお茶を購入しても、保存方法を誤ると風味が急速に落ちてしまいます。多くの方が「冷蔵庫に入れておけば安心」と思っていますが、開封後のお茶を冷蔵庫に入れるのは実は逆効果です。
お茶の葉は非常に吸湿性が高く、においも吸いやすい性質があります。冷蔵庫から取り出した際の急激な温度差によって表面に結露が発生し、茶葉がその水分を吸収してしまいます。また庫内の食材(肉・魚・野菜など)のにおいも吸着してしまうため、味と香りの両方を損なうリスクがあります。
開封後の正しい保存方法は次のとおりです。
「有機煎茶 黒山」は100g入りで、1回に使う茶葉が4g前後であれば、約25杯分にあたります。1日2杯飲む習慣をつければ、約2週間でちょうど飲み切れる計算です。夏場の保存期間を考えると、無理なく飲み切れる量です。
未開封のものは、冷凍保存も可能です。ただしその場合は、冷凍庫から取り出した後にすぐ開封するのは禁物。必ず常温に1〜2時間戻してから開封し、結露が落ち着いた状態にしてから使いましょう。
保存方法に注意すれば大丈夫です。正しく保管すれば、最後の一煎まで豊かな香りを楽しめます。
鮮度を保って美味しさキープ!茶葉の正しい保存方法 - 山本山(開封前後の保管方法と注意点を詳しく解説した参考記事)
「有機煎茶 黒山」は、そのまろやかな味わいから毎日のお茶として継続しやすいお茶です。毎日飲み続けることで期待できる健康面への影響についても整理しておきましょう。
深蒸し煎茶は、一般的な煎茶よりも蒸し時間が長い分、細かい茶葉成分がお湯に溶け出しやすくなっています。特に注目される成分が「カテキン」です。カテキンには抗酸化作用・血糖値上昇の抑制・コレステロール値の改善・口臭・虫歯予防など幅広い効果が研究によって報告されています。
一方で、飲み過ぎには注意も必要です。緑茶に含まれるカフェインは過剰に摂取すると不眠・動悸・胃腸への負担につながる可能性があります。1日の目安は5〜6杯程度(約500〜700ml)が一般的に推奨されており、それを超える量を毎日飲み続けることは避けるのが賢明です。
また妊娠中の方は、カフェイン摂取量の上限目安として「1日マグカップ5杯まで(1リットル相当)」とする考え方が示されています。有機煎茶は農薬の心配が少ない分、日常的に取り入れやすいですが、量の管理は変わらず大切です。
カフェインの量に注意すれば大丈夫です。有機栽培である黒山のお茶は、余計なものを含まない分、毎日の習慣茶として長く安心して取り入れられるでしょう。
緑茶を毎日飲むとどんな効果・効能があるの?- 山本山コラム(緑茶の健康効果を科学的根拠とともに詳しく解説した参考ページ)