健康ジュースのつもりで毎日飲んでいるそのしそジュース、実は果汁100%オレンジジュースと同じくらいの糖質量が入っています。
赤しそジュースの鮮やかな赤い色の正体は、「アントシアニン」というポリフェノールの一種です。ブルーベリーにも含まれることで知られるこの成分が、実は赤しそにもたっぷり含まれています。
アントシアニンのもっとも注目される働きは、目の健康維持です。眼球の中で光を感知する「ロドプシン」という物質の再生を助ける働きがあり、スマホやパソコンの使いすぎによる疲れ目の改善、視力の低下予防、老眼の進行を緩やかにする効果が期待されています。画面を見る時間が増えがちな現代の生活では、毎日少量継続して飲むことで目の疲れをケアするサポートになります。
また、アントシアニンは強い抗酸化作用を持ち、体の老化の原因となる活性酸素のはたらきを抑えます。これが高血圧の一因とされる動脈硬化の進行を抑制することにつながるとも言われています。抗酸化作用が高い、ということですね。
さらに赤しそにはカリウムが100gあたり500mgと豊富に含まれています。カリウムは体内のナトリウム(塩分)を尿と一緒に体外へ排出する役割を持っているため、塩分の摂りすぎで起こるむくみの改善や、血圧の上昇を抑える効果が期待できます。濃い味付けの料理が続いた翌日などに赤しそジュースを飲む習慣は、理にかなった選択と言えるでしょう。
アントシアニンもカリウムもどちらも水に溶けやすい性質を持つため、煮出して作るしそジュースには効率よくこれらの成分が溶け込みます。つまり赤しそジュースが効能を最大化できる形、と言えます。
参考:赤しそに含まれる栄養成分の詳細については文部科学省の食品成分データベースで確認できます。
花粉症に悩む方にとって、赤しそジュースは特に注目したい飲み物です。その理由は「ロスマリン酸」という成分にあります。
ロスマリン酸はシソ科の植物に豊富なポリフェノールの一種で、ローズマリーから最初に発見されたためこの名がつきました。このロスマリン酸には、アレルギー反応を引き起こす「ヒスタミン」の放出を抑える働きがあることが研究で確認されています。つまり、花粉症や鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすメカニズムそのものに作用するということです。これは使えそうです。
実際に、国内の研究ではスギ花粉症の患者に対して赤しそ由来のロスマリン酸を経口摂取させた結果、目鼻の症状スコアが改善されたという報告もあります。生の赤しそをそのまま食べてアレルギー症状を改善しようとするのは量的に難しいですが、ジュースにすることで手軽に必要量を摂れる点が大きなメリットです。
さらにロスマリン酸には、脂肪や糖のエネルギー消費を促進する作用があることも近年の研究でわかってきました。農研機構の研究によれば、シソ科植物に含まれるロスマリン酸が筋細胞のエネルギー消費を促進することが確認されています。ダイエットに赤しそジュースがすすめられる背景には、こうした科学的な根拠があるわけです。
ただし、人体での効果はまだ研究途上の部分も多く、しそジュースだけでやせる・花粉症が完治するということはありません。あくまでも食生活を整えるサポートとして取り入れることが大切です。
参考:ロスマリン酸の抗アレルギー作用についての研究情報はこちら。
農研機構|シソ科植物に含まれるロスマリン酸は筋細胞のエネルギー消費を促進する
赤しそジュースが夏バテ解消ドリンクとして長年親しまれてきた理由には、しっかりとした栄養学的な根拠があります。
まずひとつ目が「クエン酸」です。お酢やレモンにも含まれるクエン酸は、体内でのエネルギー産生に欠かせない「クエン酸回路(TCA回路)」を動かす鍵となる成分です。体が疲れているとき、筋肉に溜まっている疲労物質である乳酸を分解する働きがあり、疲れをすっきりリセットする効果が期待できます。しそジュースを作る際に加えるお酢やクエン酸が、この働きを担っています。
ふたつ目が「ビタミンB群」です。赤しそにはビタミンB1・B2・B6が豊富に含まれており、これらは食事から摂った糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変換するための「代謝の触媒」として働きます。代謝がスムーズに進めば、疲れにくい体作りにつながるということですね。クエン酸とビタミンB群を同時に摂れるしそジュースは、疲労回復の観点からとても効率的な飲み物と言えます。
さらに赤しそには葉酸も含まれています。葉酸はDNAの生合成や赤血球の形成に関わる栄養素で、特に妊娠中の方には積極的に摂ってほしい成分です。とはいえ、妊娠中の方は砂糖の量が多い市販品や手作りジュースの飲みすぎには注意が必要です。1日1杯程度が基本です。
夏バテで食欲が落ちているときに少量のしそジュースを飲むと、クエン酸が唾液や胃液の分泌を刺激して食欲が回復しやすくなるという効果もあります。赤しそ特有の爽やかな香り成分「ペリルアルデヒド」が嗅覚を刺激し、胃液の分泌を促すことも食欲増進に一役買っています。食欲がない日の食前に、少量のしそジュースを飲むのが効果的です。
赤しそジュースは美容面でも注目されています。「健康ドリンク」というより「美容ドリンク」としての側面も持ち合わせているのです。
まずβ-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や目・鼻・のどの粘膜を健康に保つ働きをします。乾燥肌、荒れやすい肌、季節の変わり目に体調を崩しやすい方に特に意識してほしい栄養素です。紫外線の強い夏に赤しそが旬を迎えることも、体を守るタイミングとして理にかなっています。
重要なのが、β-カロテンは「脂溶性」という性質を持つことです。脂溶性とは、水ではなく油に溶けやすいということ。そのため、油を含む料理と一緒に赤しそジュースを飲むと吸収率が大幅に高まります。炒め物・から揚げ・天ぷらのような料理との相性が抜群です。単体でジュースだけ飲むより、食事のお供として飲む方が効率的に美肌成分を摂れるということですね。
赤しそにはビタミンCも含まれており、コラーゲンの生成を助けてシミ・シワの予防をサポートします。ビタミンCとクエン酸を一緒に摂ることでビタミンCの吸収率がさらに高まるとも言われており、しそジュースはこれらを同時に摂れる優秀なドリンクです。
お肌の乾燥が気になる秋冬にも、旬の時期に手作りして冷凍保存したシロップを活用することで、一年を通じて赤しそジュースの美肌効果を取り入れることができます。まとめて作って小分け冷凍しておくのが便利です。
参考:赤しその美容・健康成分について詳しくまとめた記事はこちら。
東京ガス ウチコト|赤しそジュースの作り方と効能を解説!夏バテ解消&アンチエイジングに
赤しそジュースは体によい成分が豊富ですが、飲み方を間違えると逆効果になることがあります。ここは重要なポイントです。
まず最大の注意点が「砂糖の量」です。長期保存できるしそジュースのシロップを作るには、水1000mlに対して砂糖を250g以上入れる必要があります。これを計算すると、シロップ100mlに砂糖が約25g含まれることになります。これを水や炭酸で割って飲んだとしても、加糖炭酸飲料(200mlあたり糖質12g前後)の2倍以上の糖質が含まれているのです。カロリーで言えばシロップ100mlあたり約100kcal。ダイエット目的や血糖値が気になる方が「健康のため」と何杯も飲み続けると、むしろ肥満や血糖値上昇につながる危険があります。厳しいところですね。
次に「飲むタイミング」にも気をつけましょう。クエン酸は強い酸性のため、空腹のまま飲むと胃の粘膜を刺激して胃痛や胃もたれを起こすことがあります。食後や食事中に飲むのが基本です。また、夜間は活動量が少ないため、砂糖によるエネルギーが消費されずに脂肪として蓄積されやすくなります。飲むなら朝〜夕方の活動量の多い時間帯に限定することをおすすめします。
砂糖の摂取量を減らしたい方には、てんさい糖・ラカント・はちみつへの置き換えが有効です。てんさい糖は血糖値の上昇がゆるやかで、オリゴ糖が含まれるため腸内環境の改善も期待できます。ラカントはカロリーゼロで血糖値に影響しないため、糖質制限中の方にも向いています。砂糖の代替品を選ぶだけで、しそジュースが体にやさしいドリンクに変わります。
| 砂糖の種類 | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 上白糖 | 保存性◎・コスパ○ | 長期保存を優先したい方 |
| てんさい糖 | 血糖値上昇ゆるやか・オリゴ糖含む | 腸活・血糖値が気になる方 |
| ラカント | カロリーゼロ・血糖値に影響なし | 糖質制限中・ダイエット中の方 |
| はちみつ | 栄養豊富・自然な甘み | 自然派志向の方 |
1日の適量の目安はコップ1杯(希釈後150〜200ml程度)です。毎日継続して飲むことが大切です。量より継続が原則です。
参考:しそジュースの副作用・注意点について詳しくはこちら。
macaroni|しそジュースの効能を管理栄養士が解説!おすすめのレシピ付き