冷蔵庫にそのまま入れると、デコポンの甘さが損なわれることがあります。
デコポンの旬は、2月中旬から4月上旬にかけてです。ハウス栽培のものは12月頃から店頭に並び始めますが、露地栽培で自然にじっくり育ったものが出回る3月〜4月が「最高の食べごろ」とされています。
そもそも「デコポン」と「不知火(しらぬい)」は同じ品種です。清見オレンジとポンカンを掛け合わせて1972年に誕生した柑橘なのですが、そのうち糖度13度以上・酸度1.0%以下という厳しい基準をクリアし、JAを通じて出荷されたものだけが「デコポン」を名乗れます。つまり、デコポンは不知火の"優等生"です。
甘くて美味しいデコポンを選ぶには、3つのポイントに注目しましょう。
産地は熊本県が生産量トップで、愛媛県や広島県なども主要産地です。お中元やギフト用に選ぶ際は、熊本産をひとつの基準にするのもよいでしょう。
皮が少しゴツゴツして、デコ(頭のコブ)がしっかり盛り上がっているものは成熟のサインで、見た目が少々不揃いでも甘みが強い傾向があります。見た目で選ぶよりも、手で持ったときの重さとハリが大事です。
参考:美味しいデコポンの選び方について詳しく解説されています。
デコポンは皮が厚そうな見た目なのに、実はみかんのように手で簡単に剥けます。基本の食べ方はシンプルです。まずデコ(頭のコブ)部分に親指を押し込み、そのまま下に向かって皮を引き剥がすだけ。あとはみかんと同様に房ごとに分けて食べられます。
薄皮ごと食べるのが基本です。
デコポンの薄皮はやわらかく、口に入れても気にならない程度の薄さです。さらに、薄皮には食物繊維が含まれているため、剥かずに食べることで栄養をより多く摂れます。スムージーにする場合は薄皮を取り除いた方がなめらかな口当たりになりますが、そのまま食べるときは薄皮ごとが正解です。
包丁で切る場合は、まず上下を水平にカットし、次に果皮に沿って縦に削ぎ落とすようにして剥きます。このとき外皮だけでなく白い薄皮(ワタ)部分も一緒に削ぐと、果肉のきれいなスライスが作れます。サラダやデザートのトッピングにしたいときは包丁カットが見映えしますよ。
栄養面でもデコポンは優秀です。デコポン200g(約1個半)には、成人が1日に必要なビタミンC摂取量(100mg)をほぼ満たす量が含まれています。みかんのビタミンC量と比較すると約1.6倍という数字です。美肌効果・免疫力アップが期待できる果物として、毎日の生活に取り入れやすい存在です。
また、デコポンにはβ-クリプトキサンチンという成分も豊富に含まれています。これはがん予防の効果が期待されている色素成分で、温州みかんにも含まれますがデコポンはその含有量が特に高いことが知られています。
参考:デコポンの栄養成分と健康効果についての解説記事です。
スーパーで買ったデコポンが思ったより酸っぱい、という経験をお持ちの方は少なくないはずです。これは収穫後に十分に追熟が進んでいないことが原因です。追熟とは、収穫後も果実が熟成を続けて甘みが増す現象のことです。
追熟の方法は簡単です。
クエン酸(酸っぱさの成分)は、果実が呼吸する際にエネルギーとして消費されます。つまり常温に置いておくことで酸っぱさが自然に消えるのです。これが基本です。
今すぐ食べたい場合は、他にも即席の対処法があります。デコポンの皮の上からモミモミと軽く揉むと、刺激によってクエン酸が分泌されてその後消費が早まり、甘みを感じやすくなります(揉みすぎると食感が悪くなるので注意)。また、剥いた果肉にはちみつや砂糖を少量振りかけ、5分ほど置いてからいただく方法も効果的です。
「電子レンジで30秒ほど温める」という方法も知られています。温めることで糖度の感じ方がアップし、酸味がやわらぐ効果が期待できます。
注意が必要なのが冷蔵庫での追熟です。冷蔵保存すると果実の呼吸が抑えられるため、追熟がほぼ進まなくなります。酸っぱさを感じたデコポンは、まず常温で数日追熟させてから冷蔵庫に移すのがベストな順番です。
参考:追熟の方法と酸っぱいデコポンの対処法が詳しく紹介されています。
デコポンの食べ方と追熟方法 — HANKYU FOOD おいしい読み物(阪急百貨店)
正しい保存方法を選ぶことが、デコポンの甘さをキープする最大のポイントです。保存期間の目安は保存場所によって大きく異なります。
| 保存方法 | 日持ちの目安 | 向いているシーン |
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| 常温 | 約5〜7日 | 気温が15℃以下の冬場・追熟させたいとき |
| 冷蔵(野菜室) | 約2〜3週間 | 春先以降・まとめて保存したいとき |
| 冷凍 | 約1か月 | 食べきれないとき・アレンジに使いたいとき |
常温保存は気温が15℃以下の時期に限った方法です。直射日光を避け、風通しの良い冷暗所に重ならないように並べます。新聞紙に1個ずつ包んでおくと湿度を適度に保てて、さらに長持ちします。15℃を超える春先以降は劣化が早まるため、冷蔵保存に切り替えましょう。
冷蔵保存では、「野菜室」に入れることが必須です。ここが非常に重要なポイントです。冷蔵室(通常2〜4℃)に入れてしまうと、デコポンは5℃以下になると低温障害を起こすため、果肉がスカスカになったり風味が落ちたりする原因になります。野菜室(5〜8℃前後)がちょうどよい温度帯です。冷蔵庫内は乾燥しやすいので、1個ずつキッチンペーパーに包んでからポリ袋に入れて保存してください。口は軽く閉じる程度にして、完全密封は避けましょう。
冷凍保存の手順はこちらです。
冷凍すると食感は変わりますが、シャーベット感覚で楽しめます。これは使えそうです。半解凍状態でそのまま食べると、シャリシャリとした食感が夏でも人気です。スムージーやジャムの材料としても便利に使えます。
箱買いした場合の注意点も一つあります。届いたらすぐに箱から全部出し、傷みかけているものを仕分けましょう。1つカビが出ると一気に周りに広がります。週に1回はチェックする習慣をつけると、ムダなく食べ切れます。
参考:デコポンの常温・冷蔵・冷凍保存について農家視点から詳しく解説されています。
デコポンがたくさんあって食べきれない、という場面は箱買いしたときによくある悩みです。そのまま食べる以外に、調理・加工して保存することで無駄なく楽しめます。
シャーベット(冷凍活用)は最もシンプルな方法です。外皮を剥いて房に分け、ジップロックに平らに並べて冷凍するだけです。半解凍の状態がシャリシャリとした食感で絶品です。砂糖不使用でもデコポン本来の甘みがあるので、子どものおやつにも安心して出せます。
自家製ジャムもおすすめです。薄皮を剥いた果肉にデコポン重量の40〜60%の砂糖とレモン汁少々を加え、弱火でアクを取りながら煮詰めるだけです。煮沸消毒した瓶に詰めれば冷蔵で2〜3週間保存できます。ヨーグルトに混ぜたり、トーストに塗ったりと使い道も広がります。
マーマレード(皮も活用)は少し手間がかかりますが、皮も丸ごと使えてコスパ抜群です。皮の白い内側部分をスプーンで削ぎ、千切りにして一度茹でこぼしてから果肉と一緒に煮詰めます。デコポン特有のほどよい苦みが大人の味になり、紅茶に溶かしても美味しくいただけます。
デコポンサラダは、包丁で薄くスライスしたデコポンをベビーリーフやミニトマトと合わせるだけです。オリーブオイルとレモン汁でシンプルに仕上げると、塩分控えめでも爽やかなサラダになります。お客様へのおもてなしにも映える一皿です。
デコポンを無駄なく使うなら「スムージー」も便利です。薄皮を剥いてから牛乳やヨーグルトとミキサーにかけるだけで完成します。バナナと組み合わせると甘みが増してお子さんにも飲みやすくなります。冷凍したデコポンをそのままミキサーに入れれば、フローズンスムージーにもなります。
食べきれない量のデコポンが手に入ったときは、まず状態が良いうちに加工するのが原則です。果肉が柔らかくなってきたら、ジャムやジュースへの加工に回すと風味を最後まで生かせます。「少し傷んできた」と感じたらすぐ加工のサインです。