エルダーベリーシロップは「免疫力を高める飲み物」として有名ですが、実はブルーベリーよりも約8倍ものアントシアニンが含まれており、その効能の幅は想像以上に広いです。
エルダーベリーシロップが「風邪の季節の強い味方」として世界中で親しまれているのには、きちんとした理由があります。エルダーベリーにはビタミンCが豊富に含まれており、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退する白血球の働きを強化する効果が期待できます。さらに、フラボノイドという植物色素が粘膜の炎症を抑え、のどの痛みや鼻水などの症状を緩和する作用があります。
またエルダーベリーに含まれるアントシアニンは、インフルエンザウイルスが細胞に侵入する際に使う「ヘマグルチニン」という突起状のタンパク質を無力化する働きがあることも、研究によって確認されています。つまり、ウイルスが細胞にくっつくことを防ぐ仕組みが備わっているということですね。
エルダーベリーシロップを予防目的で飲む場合は、大人は大さじ1杯(約15mL)を1日1回、体調が崩れ始めたと感じたときは1日2〜3回に増やすのが一般的な目安とされています。飲み始めるタイミングが早いほど効果が出やすいと考えられますので、季節の変わり目には常備しておくと安心です。
参考:厚生労働省eJIM「インフルエンザと風邪 - 各種疾患」
https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c05/09.html
「抗酸化作用」という言葉はよく聞きますが、エルダーベリーのそれは他の果物と比べてかなり高いレベルにあります。米国農務省(USDA)が発表したデータによると、エルダーベリーの活性酸素を除去する能力(ORAC値)はドラゴンフルーツの約49倍、フラボノイドの濃度はぶどうの約16倍という結果が出ています。意外ですね。
活性酸素は体内でどんな悪さをするかというと、まるで鉄くぎが空気に触れてサビるように、細胞を少しずつ酸化させて老化や生活習慣病の原因をつくります。エルダーベリーに含まれるイソケルセチン・ルチン・アントシアニンの3種類のポリフェノールが、これを強力にブロックします。
特にルチンは血管を強化して血流をスムーズにし、血圧を下げる作用があります。また、血液をサラサラにする効果や脂肪の吸収を抑える効果もイソケルセチンによって期待できます。つまり、動脈硬化・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病の予防に効果が期待できるということです。
アントシアニンはもうひとつ見逃せない働きがあります。目の網膜に存在する「ロドプシン」という視覚に必要な色素の再合成を助ける作用があります。スマートフォンやパソコンの使い過ぎで目が疲れがちな方には、まさに注目したい成分です。エルダーベリーはブルーベリーの約8倍ものアントシアニンを含んでいます。アントシアニンが基本です。
家庭での生活習慣病対策として、エルダーベリーシロップをヨーグルトに大さじ1杯混ぜて毎朝食べる方法は、続けやすくておすすめです。砂糖代わりに使えるので、余計なカロリーの追加にもなりません。
エルダーベリーシロップを飲み続けると肌が変わると感じる方が多い理由は、成分を見れば納得できます。紫外線を浴びると体内では「チロシン」というアミノ酸からメラニン色素が作られ、シミやそばかすの原因になります。エルダーベリーに豊富なポリフェノールとビタミンCは、このチロシンの働きを抑えてメラニン色素の沈着を防ぐ効果があります。
さらに、ビタミンCにはすでに作られてしまったメラニン色素を早く分解する働きもあります。日焼け後の肌の回復を早める効果も期待できるということですね。18世紀のヨーロッパでは、エルダーフラワーを入れた水が美白・そばかす除去に効果的とされて流行したという記録が残っているほど、美肌への効能は歴史があります。
ビタミンCはコラーゲンの合成にも必要不可欠な栄養素です。コラーゲンは体の組織や細胞をつなぐ接着剤のような役割を果たしており、肌にハリを与え、骨や血管を丈夫に保ちます。エルダーベリーシロップを継続して摂取することで、肌の内側からの若々しさを保つサポートが期待できます。
抗ストレス効果も見逃せません。ビタミンCは抗ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)の合成を助ける働きがあります。育児や家事でストレスが蓄積しやすい主婦の方にとって、この点は健康と美容の両面からメリットが大きいといえます。
参考:わかさの秘密「エルダーベリー|成分情報」(成分の研究情報が詳しくまとめられています)
https://himitsu.wakasa.jp/contents/elder-berry/
ヨーロッパでは昔から各家庭で手作りされてきたエルダーベリーシロップ。作り方はシンプルで、材料もオーガニック・自然食品店やハーブショップで揃えることができます。手作りシロップは4〜5ヶ月間保存でき、冬の間中使えます。
材料と手順をまとめました。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ドライのエルダーベリー | 10g |
| シナモン(1本) | 3g |
| クローブ | 2g |
| 生姜スライス | 2枚 |
| 水 | 800mL |
| 砂糖 | 200g(煮詰め後の液量に合わせる) |
手順は次のとおりです。まず、砂糖以外の材料をすべて鍋に入れて弱火にかけ、液量が1/3〜1/4になるまでじっくり煮詰めます。煮詰まったらザルで濾して抽出液だけを小鍋に移し、砂糖を加えて5分ほどかき混ぜながら溶かせば完成です。
保存は煮沸済みの瓶に詰め、日の当たらない涼しい場所で保管します。完成したシロップを毎日の紅茶やハーブティーに砂糖代わりとして使ったり、ヨーグルトに垂らして食べる方法がおすすめです。
シナモンとクローブ、生姜には体を温める作用と胃腸を整える作用があります。これらが合わさることで、免疫力のアップと消化機能の改善の相乗効果も期待できます。いいことですね。
砂糖の代わりに黒砂糖を使うと、精製されていないぶんミネラルも摂取でき、風味も豊かになります。はちみつで作る場合は、加熱後に少し冷ましてから加えるとはちみつの酵素が生きたまま活かせます。子ども(1歳以上)にも安心して飲ませやすい甘さに仕上がります。
参考:北欧、暮らしの道具店「免疫力をあげる!エルダーベリーのシロップの作り方」(英国メディカルハーバリスト監修のレシピが詳しく掲載)
https://hokuohkurashi.com/note/194919
「自然由来だから何でも安心」と思い込んでいる方は多いですが、エルダーベリーには注意すべき点がいくつかあります。正しく理解して使えば安全性の高い食品ですが、部位や状態によって大きく話が変わってきます。
まず覚えておきたい重要なポイントは、生や未熟なエルダーベリーの果実・葉・幹・種子には「サンブニグリン」という毒性物質が含まれているということです。これらを口にすると嘔吐・下痢・頭痛・痙攣などの症状が現れる可能性があります。ただし、加熱処理をすれば毒素は除去されます。市販の製品や手作りシロップのように十分に加熱されたものであれば問題ありません。
次に知っておくべきこととして、妊娠中・授乳中の方は摂取を控えるか、必ず医師に相談することが必要です。この時期の安全性を確認した研究がまだ十分ではないためです。また、何らかの薬物治療を受けている方も、薬との相互作用が懸念されるため、医師や薬剤師への確認が推奨されています。
子ども(1歳未満)に与える場合は、はちみつを使ったシロップはボツリヌス菌のリスクがあるため与えないでください。1歳を過ぎていれば基本的には問題ありませんが、5歳未満の子どもには半量が目安です。
| 対象 | 1回の摂取量の目安 | 摂取頻度 |
|---|---|---|
| 大人(予防時) | 大さじ1杯(約15mL) | 1日1回 |
| 大人(症状あり) | 大さじ1杯(約15mL) | 1日2〜3回 |
| 子ども(5歳以上) | 小さじ1杯(約5mL) | 1日1〜2回 |
| 妊娠中・授乳中 | 医師に相談の上で判断 | |
エルダーベリーシロップは「飲みすぎれば効果が増す」というものではなく、適切な量を継続することが大切です。量さえ守れば問題ありません。
参考:大研ショップ「エルダーベリーとは?栄養成分・効能・副作用の徹底解説」(副作用と注意点が詳しく記載されています)
https://www.daikenshop.co.jp/healthblog/elderberry