橋本環奈が56年ぶり女性単独起用で、前任がいしだあゆみだったと知ったら驚きませんか?
バーモントカレーのCMは1963年の発売と同時期から始まり、約60年にわたって時代の「旬な顔」を起用し続けてきました。その変遷を時系列で見ると、日本のエンタメ史がそのまま浮かび上がってきます。
まず、CMの先陣を切ったのは「ブルーライトヨコハマ」でおなじみのいしだあゆみ(1965〜1968年)です。
その後、「恋の季節」で人気を博したピンキーとキラーズ(1969〜1971年)が続き、特筆すべきは1970〜1971年のヤング・アメリカンズ起用で、歴代で唯一の外国人出演グループとなっています。意外なことに、昭和40年代は必ずしもジャニーズ一色ではなく、洋風の雰囲気も積極的に取り入れていたのです。
1972〜1973年には原田大二郎と鳥居恵子が共演し、その後いよいよ最長記録を打ち立てる人物が登場します。
| 期間 | 出演者 | 備考 |
|---|---|---|
| 1965〜1968年 | いしだあゆみ | 初の女性単独起用 |
| 1969〜1971年 | ピンキーとキラーズ | 「恋の季節」大ヒット時 |
| 1970〜1971年 | ヤング・アメリカンズ | 歴代唯一の外国人出演 |
| 1972〜1973年 | 原田大二郎・鳥居恵子 | 男女共演バージョン |
| 1973〜1985年 | 西城秀樹 | 歴代最長の12年間 |
| 1980〜1983年 | 河合奈保子 | 西城秀樹と一部共演 |
| 1985〜1986年 | 中村繁之 | ジャニーズ Jr.出身 |
| 1986〜1995年 | 東山紀之(少年隊) | 約9年のロング起用 |
| 1996〜1997年 | 長瀬智也(TOKIO) | スケボー演出が話題 |
| 1997〜1998年 | イチロー・三倉茉奈佳奈 | スポーツ選手初起用 |
| 1998〜2000年 | KinKi Kids(堂本光一・剛) | それぞれ単独年あり |
| 2000〜2002年 | V6(Coming Century) | サッカー選手とも共演 |
| 2006〜2013年 | 相葉雅紀(嵐) | 長期起用の人気キャラ |
| 2013〜2016年 | Hey! Say! JUMP(全員→知念侑李) | グループで10年以上 |
| 2024年〜 | 橋本環奈 | 56年ぶり女性単独起用 |
歴代の特徴として、1985年以降はほぼ旧ジャニーズ事務所のタレントが担い続けたことが挙げられます。西城秀樹→少年隊→TOKIO→KinKi Kids→V6→嵐→Hey! Say! JUMPという流れは、ジャニーズの系譜そのものでした。つまりジャニーズ勢が中心だったということですね。
しかし2023年の旧ジャニーズ事務所の問題を受け、ハウス食品は2024年から橋本環奈に切り替えを行いました。これは56年ぶりの女性単独起用という歴史的な転換でもあります。
参考:バーモントカレーのCM歴代キャラクターの詳細はWikipediaでも確認できます。
バーモントカレー - Wikipedia(歴代CMキャラクター一覧)
歴代の中で最も長くCMを担ったのが、西城秀樹(1973〜1985年)の12年間です。
「ヒデキ、感激!」という名ゼリフは、バーモントカレーを食べた時の感動を表現したもので、日本中に広まりました。これはCMのキャッチコピーとして誕生しましたが、のちに西城秀樹さんの代名詞的フレーズにもなっていきます。12年間という長期起用は、現在に至るまで歴代最長記録として残っています。
この時代のCMソングも特筆に値します。西城秀樹さんが歌った「ハウスバーモントカレーだよ♪」は、すぎやまこういち氏が作曲したオリジナルソングです。「ドラゴンクエスト」シリーズの作曲で世界的に知られるすぎやまさんが手がけた曲だというのは、カレー好きの主婦の方でもあまりご存知ないかもしれません。これは使えそうです。
西城秀樹さんのCM降板後も、ハウス食品との縁は続きました。1986年からは同社の「ジャワカレー」のCMキャラクターとして起用されており、その関係の深さがうかがえます。さらに2001年の結婚披露宴での引き出物や、2015年の還暦公演のお土産として特製バーモントカレーパッケージが配られるなど、晩年まで「バーモントカレーの顔」であり続けました。
西城さんは2018年に63歳でご逝去されましたが、ハウス食品は「バーモントカレーの顔として誠に感謝している」という特別コメントを発表しており、その関係性の深さを改めて感じさせてくれます。
1980〜1983年には西城秀樹と並行して河合奈保子も起用され、共演バージョンも制作されました。ファンの間では「秀樹&奈保子のバーモントカレーCM」として今も懐かしまれています。
西城秀樹の後を受けた東山紀之(少年隊)は1986年から1995年まで約9年間起用されました。
85年のレコードデビュー直後から起用されたため、人気絶頂の時期とCMがぴったり重なっています。東山さんの端正なルックスと爽やかなイメージが「家族みんなで食べるカレー」というブランドイメージにマッチしていたのでしょう。
その後は長瀬智也(TOKIO)→KinKi Kids→V6(Coming Century)→嵐(相葉雅紀、櫻井翔)→Hey! Say! JUMPと、まさにジャニーズの系譜がそのまま引き継がれます。
特にHey! Say! JUMPは2006年ごろからグループとして出演し始め、2016年4月以降は知念侑李が単独で継続。個人での出演が7年、グループを含めると10年以上という長期起用となりました。
30年以上にわたって旧ジャニーズ事務所のタレントが担い続けたというのは、業界でも非常に珍しい長期タイアップでした。ジャニーズ一辺倒だったということですね。
ジャニーズ中心の起用の中で異色の存在として目立つのが、イチロー(1997〜1998年)の起用です。
1997年は当時のオリックス在籍時で、イチローが7年連続首位打者という輝かしい実績を積み重ねていた時期でした。芸能人ではなくスポーツ選手が起用されたケースは歴代でも非常に珍しく、このCMは多くの視聴者の記憶に残っています。
イチローは実際に「毎朝カレーを食べる」という習慣で知られており、カレーを食べることが自身のルーティンになっていると広く知られていました。単なる起用ではなく、本当にカレー好きな人物としての起用でもあったわけです。これは印象的なエピソードですね。
イチローと同時期には三倉茉奈・佳奈(マナカナ)も起用され、共演バージョンが制作されました。当時「ふたりっ子(NHK朝の連続テレビ小説)」で大人気だったマナカナとイチローの組み合わせは、「パパとその家族」的な温かさを演出していました。
その後2000〜2002年には、V6の一部メンバーとともにサッカー元日本代表の小野伸二・平瀬智行も起用されています。2002年のワールドカップ日本開催を意識した起用で、スポーツ選手とジャニーズのコラボという斬新な組み合わせが話題を集めました。
参考:イチローをはじめとするスポーツ選手起用のCMについての詳細はこちら。
バーモントカレーのCMを語る上で欠かせないのがCMソングの歴史です。
最初の歌は1963年の発売当初から制作された「バーモントカレーの唄」で、作詞が野坂昭如氏、作曲がいずみたく氏というゴールデンコンビによるものです。
♪ハウス・バーモントカレー 味はピリッと本場のカレー
♪ハウス・バーモントカレー とろりとけてるリンゴとハチミツ
この歌詞は60年経った今も基本形として受け継がれており、出演するタレントが「歌い継ぐ」スタイルが伝統となっています。
西城秀樹時代には、すぎやまこういち氏が新バージョンを作曲。「ドラゴンクエスト」で世界的に知られる作曲家がCMソングを担当していたというのは、多くの人が知らない驚きの事実です。
2024年から始まった橋本環奈のCMでは、「バーモントさん」というオリジナルキャラクターを設定し、カレーが好きすぎる女性を熱演するという新路線に転換しました。
2025年7月から8月にかけては、期間限定でMrs. GREEN APPLEが「楽しみ無限大 ミセス∞ハウスキャンペーン」に参加。「ライラック」がCMで流れたことで若い世代にも話題となりました。
橋本環奈の起用は、1965〜1968年の初代キャラクター・いしだあゆみさん以来、実に56年ぶりとなる女性芸能人の単独起用でした。それほど長い間、バーモントカレーのCMは男性タレント(またはグループ)が中心だったということになります。女性単独起用がこれほど珍しかったとは意外ですね。
ハウス食品の公式サイトでは、現在放映中のCMを確認できます。
ハウス食品 公式TVCM一覧ページ(現在放映中のバーモントカレーCMを確認できます)
また、バーモントカレーの誕生物語や初代CMソングの歌詞はハウス食品の公式ヒストリーページで詳しく読めます。
ハウス食品 バーモントカレー開発ものがたり(公式・商品誕生の背景が詳しく掲載)