一味唐辛子と七味唐辛子の違い|辛さ・使い分け・成分を解説

一味唐辛子と七味唐辛子、どちらを選ぶべきか迷ったことはありませんか?それぞれの辛さ、配合成分、料理への使い分けまで徹底解説します。あなたの料理にぴったりの唐辛子はどっち?

一味唐辛子と七味唐辛子の違い

この記事のポイント
🌶️
辛さの違い

一味唐辛子は唐辛子のみで辛さがストレート、七味唐辛子は複数の香辛料をブレンドした複雑な風味

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使い分け

一味は麻婆豆腐やカレーなど辛さ重視の料理に、七味はうどんや牛丼など風味を加えたい和食に最適

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健康効果

一味のカプサイシンが脂肪燃焼を促進、七味は山椒・陳皮など多様な成分で消化促進や血行改善をサポート

一味唐辛子の特徴と成分

一味唐辛子は、赤唐辛子のみを乾燥させて粉末にしたシンプルな調味料です。唐辛子本来の辛さをダイレクトに感じることができ、辛味の主成分であるカプサイシンが豊富に含まれています。カプサイシンは脂肪燃焼効果や食欲増進効果があり、新陳代謝を上げて血液中の中性脂肪を低下させる働きも期待できます。唐辛子の辛さは品種によって異なり、同じメーカーの製品でも辛さに違いが出ることがあります。一味唐辛子は料理の味を邪魔しないため、どんな料理にも合わせやすく、辛さの調整がしやすいという特徴があります。
参考)一味唐辛子と七味唐辛子の違いとは?使い分けてもっとおいしいピ…

七味唐辛子の配合と歴史

七味唐辛子は、一味唐辛子をベースに6種類の香辛料をブレンドした調味料で、江戸時代初期の1625年頃に東京・日本橋で誕生しました。当時「からしや徳右衛門」という薬種商が漢方薬をベースに生薬を組み合わせて開発し、最初は薬効を期待して寺社の門前で販売されていました。一般的な配合成分は、唐辛子、山椒、ごま、陳皮(みかんの皮)、麻の実、けしの実、青のりの7種類です。ただし、生産者によって配合する香辛料は異なり、中には6種類や8種類の原料で作られるものもありますが、縁起がよいという理由で「七味」という名称に統一されています。
参考)一味唐辛子と七味唐辛子の違いって?使い分けは?|HALMEK…

一味唐辛子と七味唐辛子の辛さ比較

辛さを比較すると、一味唐辛子の方が七味唐辛子よりも辛いといえます。一味は唐辛子のみで構成されているため、カプサイシンの含有量が高く、ストレートな辛さを感じます。一方、七味唐辛子は唐辛子以外の香辛料が混ざっているため、辛さは緩和され、辛味よりも風味を重視した調味料となっています。七味に使用される山椒は「サンショオール」という辛味成分を含んでおり、唐辛子とは異なるしびれるような辛さと爽やかな香りが特徴です。カプサイシン含有量は唐辛子の品種によっても大きく異なり、例えば一般的な天鷹唐辛子は0.28~0.4%、最も辛いジョロキアは5.0%以上の含有量を持ちます。
参考)一味唐辛子と七味唐辛子の違いと歴史、メリットについて

一味唐辛子と七味唐辛子の料理への使い分け

一味唐辛子はシンプルに辛さを楽しむ料理に最適です。麻婆豆腐やエビチリ、唐揚げ、カレー、ピザなど、料理に辛味をプラスしたいときに使うのがおすすめです。香りに際立った特徴がないため、どんな料理と合わせても味そのものの邪魔をしません。また、マヨネーズと組み合わせて唐揚げにつけると、まろやかな味と一味のピリリ感が最高にマッチします。
参考)一味と七味どっちがいい?調査・比較してみた

七味唐辛子は料理に風味をつける使い方が向いています。蕎麦やうどん、牛丼、豚汁、煮物、天ぷらなどの和食に特に合い、程よい香りがプラスされて食欲増進につながります。日本料理は味付けが控えめなので、風味を加えるのにぴったりで、焼き鳥や漬物との相性も良好です。一振りするだけで料理がぐっと引き立ち、香ばしさや爽やかさが楽しめます。
参考)楽天市場

七味唐辛子の成分別健康効果

七味唐辛子は「食べる漢方薬」とも呼ばれ、配合されている各成分に健康効果があります。唐辛子のカプサイシンは胃液の分泌を促して消化吸収を助け、血行を促進して身体を温める効能があります。山椒のサンショオールは内臓の働きを助け、消化を促進して胃腸を整える効果があり、新陳代謝を活発にして血行改善や発汗作用にもつながります。
参考)https://allabout.co.jp/gm/gc/453946/

陳皮は熟した温州ミカンの皮を乾燥させたもので、食欲不振や吐き気に効果的とされ、利尿作用や健胃作用が期待できます。けしの実は鉄分が多く含まれており貧血予防に役立ち、カルシウムも豊富なので骨粗鬆症予防にも有効です。麻の実はたんぱく質や亜鉛が多く、食欲増進、成長障害や皮膚炎予防が期待できます。青のりや海苔には体の調子を整えるカルシウムやマグネシウム、貧血を防止する鉄分が多く、血栓防止や高血圧予防に役立ちます。​

一味唐辛子と七味唐辛子の保存方法と賞味期限

乾燥唐辛子である一味や七味は腐りにくい食材ですが、腐らないわけではありません。未開封の賞味期限は36ヶ月(3年)と長期保存が可能ですが、保存状況によってはカビが生えることがあります。保存方法として適しているのは、湿気ができるだけ少ない乾燥した場所で、日光が当たらない暗い場所が理想的です。
参考)唐辛子は腐るの?一味や七味の賞味期限や保存方法は?

冷蔵庫での保存はあまりおすすめされません。冷蔵庫の中は意外と湿気がある場合が多く、むしろ常温保存のほうが適しているためです。賞味期限が切れていても、カビが生えていないか虫が湧いていなければ食べても問題ありませんが、真っ赤だった色がオレンジ色っぽくなると風味が損なわれ、辛味も少なく感じます。生の赤唐辛子は冷蔵保存で1週間以内が目安で、すぐに使う予定がない場合はフリーザー袋に入れて冷凍保存することができます。
参考)唐辛子 乾燥