かぼちゃプリンを作るとき、皮を丁寧に取り除いているとしたら、栄養の約3倍を捨てていることになります。
かぼちゃプリンを作るうえで、まず押さえておきたいのが「どの材料が本当に必要か」という点です。市販のレシピには生クリームや裏ごし器が登場することも多く、「準備が大変そう」と感じる方は少なくありません。ところが実際には、かぼちゃ・卵・牛乳・砂糖の4つさえあれば、十分においしいプリンができあがります。
材料の基本的な分量(プリン型5個分)は以下のとおりです。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| かぼちゃ(果肉のみ) | 150g |
| 卵(Lサイズ) | 2個 |
| 牛乳 | 180ml |
| 砂糖 | 50g |
| シナモンパウダー | 少々(お好みで) |
このレシピは管理栄養士監修のカゴメ「ベジデイ」でも紹介されている、生クリーム不要・オーブン不要のシンプル構成です。かぼちゃ自体に脂質と甘みがあるため、生クリームがなくても濃厚な仕上がりになります。これが基本です。
全体の作業の流れとしては、①かぼちゃを電子レンジで加熱してつぶす、②砂糖・卵・温めた牛乳を順に混ぜる、③カラメルを入れた型に流し込む、④蒸す、⑤冷やす、という5ステップになります。慣れてしまえば、手を動かす時間は20分程度です。意外ですね。
生クリームを加えたい場合は、牛乳の一部を生クリームに置き換えるとコクが増します。たとえば牛乳100ml+生クリーム80mlの組み合わせもおすすめです。かぼちゃの甘さが引き立ち、より濃厚な口当たりになります。
参考:管理栄養士が監修したオーブン・生クリーム不要のかぼちゃプリンレシピ詳細はこちら
濃厚かぼちゃプリンレシピ!生クリーム&オーブン不要のスイーツ|カゴメ ベジデイ
道具の準備が大変と感じる方に向けて、電子レンジとフライパンだけで完成する作り方を紹介します。オーブンがなくても、十分になめらかで濃厚なプリンが作れます。
【電子レンジ+フライパン蒸しの手順】
牛乳を必ず温めてから加えることが重要です。冷たいまま加えると、かぼちゃ層と水分層に分離してしまいます。カゴメの管理栄養士監修レシピにも「牛乳は温めて加えることで分離を防げる」と明記されています。つまり温めるだけで失敗の確率が大きく下がります。
フライパンで蒸す方法は、蒸し器やオーブンを持っていない家庭でも手軽に実践できる方法として、料理研究家・ゆかりさんが実際に動画でも紹介しています。フライパンに布巾を敷く理由は、型が直接フライパンに当たって揺れることで「す」が入るのを防ぐためです。布巾1枚で仕上がりが変わるということですね。
参考:料理研究家ゆかりさんによるフライパン蒸しのかぼちゃプリン詳細レシピ(「す」が入らない方法)
フライパンで簡単!濃厚かぼちゃプリンの作り方「す」が入らない方法|料理研究家ゆかりのおうちで簡単レシピ
手作りプリンの最大の失敗と言えば「す」です。プリンの断面にぽつぽつと穴が空き、スポンジのようにザラザラした食感になってしまう現象ですが、これは温度管理だけで防げます。
「す」が入る主な原因は3つあります。
対策はシンプルです。フライパンで蒸す場合は必ず弱火を徹底し、蒸し時間は30分を目安に、火を止めたあとはそのまま蓋をして15分の余熱で仕上げます。「余熱で仕上げる」という工程が、「す」を防ぐ最も効果的な手順です。
卵のタンパク質は約70℃以上で固まり始め、それを超えて激しく加熱されると気泡が発生します。弱火でじっくり蒸すことで、プリン内部の温度を65〜70℃の範囲に保つのが理想です。お湯が沸騰し続けないよう、フライパンの端に菜箸を挟んで蓋をずらすのも有効なテクニックです。温度管理が基本です。
なお、オーブンで焼く場合は150〜160℃の低温で湯煎焼きにするのが原則です。高温で一気に焼くと表面だけ固まり、内部が過加熱になってしまいます。湯煎のお湯はプリン液の高さに近いほど均一に火が入りやすいため、深めのバット型を使うのが理想です。
参考:「す」が入る原因と防止策をわかりやすく解説した記事
カラメルソースは「難しい」「焦がしすぎた」「固まってしまった」と敬遠されがちですが、ポイントは2つだけです。かき混ぜない、と温度を見逃さない、の2点に尽きます。
【カラメルソース材料(型5個分)】
【作り方の流れ】
かき混ぜてはいけない理由は、砂糖の再結晶化(グラニュー糖が白く固まる「砂糖返り」)を防ぐためです。かき混ぜると砂糖の結晶が衝撃を受けて固まってしまい、液体に戻らなくなります。これは使えそうです。
熱湯を加えるときは必ず「火を止めてから」が鉄則です。沸騰中のカラメルに水を加えると激しく跳ねて、やけどの危険があります。顔を鍋から遠ざけて、ゆっくりと注ぎましょう。安全が条件です。
カラメルソースを型に入れた後は、すぐにプリン液を注がず、カラメルが少し落ち着いてから使うと型の内側にきれいに広がります。急いで注ぎすぎるとカラメルが飛び散り、仕上がりの見栄えが悪くなります。30秒ほど待てば問題ありません。
かぼちゃプリンの味を左右するのは、実はかぼちゃ選びです。甘みが強くホクホクした食感のかぼちゃを選ぶことで、砂糖の量を減らしても十分においしく仕上がります。
日本で最もよく流通しているのは「栗かぼちゃ(西洋かぼちゃ)」と呼ばれる品種で、黄色みが強く甘みが際立っています。プリンに使うなら、果肉の色が濃いオレンジ色のものを選ぶのがポイントです。色が濃いほどβ-カロテンが豊富な証拠でもあります。
ここで見落としがちな知識として、かぼちゃの皮にはβ-カロテンが果肉の約3倍含まれているという点があります。農林水産省および栄養情報サイトでも紹介されているデータです。多くの方はプリンを作る際に皮をすべて取り除いてしまいますが、少し皮を残してレンジで蒸してからつぶすことで、栄養価をぐっと高められます。皮ごと使う場合は、ミキサーやブレンダーを使ってなめらかにすると仕上がりが変わりません。
また、かぼちゃに含まれるβ-カロテンとビタミンEは「脂溶性ビタミン」のため、油脂と一緒に摂ることで吸収率が高まります。プリンに牛乳や生クリームを合わせるのは、単純な味のためだけでなく、栄養面でも理にかなった組み合わせということです。
参考:農林水産省が配布するかぼちゃの栄養に関する資料(β-カロテンと各部位の栄養量を解説)
四季の野菜の健康と栄養(かぼちゃ編)|農畜産業振興機構
冷凍かぼちゃを使う場合は、解凍後に水気をしっかり拭き取ることが大切です。水分が多いままだとプリン液がゆるくなり、固まりにくくなります。冷凍かぼちゃは特売のときにまとめ買いしておくと、100〜150g単位で使えて便利です。家計の節約にもつながります。
基本のレシピを覚えたら、アレンジの幅がぐっと広がります。かぼちゃプリンは素材の甘みが強いため、少し手を加えるだけでまったく違う表情になります。
よく試される人気アレンジ3選
次に保存方法ですが、手作りかぼちゃプリンの日持ちは冷蔵保存で3〜4日が目安です。ラップをしっかりかけるか、蓋付きの容器に入れて保存してください。型から出さないまま保存しておくと、形が崩れず取り出すときもきれいに盛り付けできます。
冷凍保存についても知っておきましょう。卵を使ったプリンは基本的に冷凍すると食感が変わり(離水してジャリっとした感触になりやすい)、もとのなめらかさが失われます。ゼラチンを使ったタイプも冷凍後の解凍で離水が起きやすいため、冷凍はあまりおすすめできません。作ったら3〜4日以内に食べきるのが理想です。
たくさん作って余った場合は、カップやラメキンに小分けして冷蔵保存しておくと、朝食やおやつに1つずつ取り出して食べられて便利です。子どもにとっても野菜の栄養が自然に摂れるおやつになるため、とくに野菜嫌いのお子さんがいる家庭では活用しやすい一品です。
最後にひとつ、かぼちゃプリンがほかのプリンより手軽に感じられる理由として、かぼちゃ自体の水分量が少ないという特性があります。卵とかぼちゃペーストが主体になるため、液体の割合が通常のカスタードプリンより低く、蒸し上げたときに崩れにくいという性質があります。初めて作る場合でも、比較的形が安定しやすい点が初心者にもやさしいポイントです。かぼちゃプリンが簡単と言われる理由はそこにあります。