中華鍋を洗剤でしっかり洗うと、次の調理で食材が全部くっついてしまいます。
中華鍋と聞いてイメージするのは、どんな形でしょうか。実は「中華鍋」という一般名称の中に、大きく分けて2種類のタイプが存在します。それが「北京鍋」と「広東鍋」です。
北京鍋はフライパンと同じように片手で持てる長い柄が一本ついた片手鍋です。鍋底のアール(曲線の深さ)が大きく、底が深めになっているのが特徴で、鍋を振っても食材がこぼれにくい設計になっています。
広東鍋は両端に短いコの字型の取っ手が付いた両手鍋です。鍋底のアールが浅く、調理面が広いため食材に均一に熱が入りやすいという利点があります。その分、鍋を傾けたり振ったりする操作には中華五徳(リング状の補助具)が必要になることも多いです。
形の違いだけでなく、鍋の深さも異なります。北京鍋のほうが底が深く、広東鍋のほうが浅く広い作りになっています。つまり形だけでなく、得意な調理法そのものが違うということです。
| 項目 | 北京鍋 | 広東鍋 |
|---|---|---|
| 取っ手 | 片手(長い柄) | 両手(コの字型) |
| 鍋底の深さ | 深め | 浅め・広め |
| 使う場所 | 家庭向き | 主にお店・業務用 |
| 扱いやすさ | 初心者◎ | 慣れが必要 |
| 得意料理 | 炒め物・チャーハン | 揚げ物・蒸し料理 |
形の違いが用途の違いに直結している、というのが基本です。
家庭でチャーハンや炒め物をよく作るなら、北京鍋を選ぶのが正解です。理由はシンプルで、片手で鍋を持ち上げて振る動作がフライパンと同じ感覚でできるからです。家庭のガスコンロに置いたまま使えますし、長い柄のおかげで鍋を自在に操れます。
一方、広東鍋で炒め物をする場合は注意が必要です。両手で持つ構造上、鍋を片手でさっと振ることができません。食材をへらで混ぜながら調理する必要があり、慣れないうちは食材が均一に炒められなかったり、蒸れて水っぽくなってしまうこともあります。
これは使えそうですね。北京鍋なら、鍋振りをしながら空気を含ませて仕上げるパラパラチャーハンが、家庭でも再現しやすくなります。
広東鍋が本領を発揮するのは、揚げ物と蒸し料理です。鍋底が浅く広いため油の広がりが均一になり、食材全体に熱が通りやすくなります。揚げ物で底が浅い分、少量の油でも揚げられるという利点もあります。また、鍋の上に蒸し台や蒸篭(セイロ)を乗せる蒸し料理にも向いており、中華料理店では広東鍋が活躍しています。
結論は、家庭での炒め物・チャーハンは北京鍋が適しています。揚げ物や蒸し料理もこなしたいなら広東鍋という選択もありますが、初めて中華鍋を選ぶ主婦の方には北京鍋が断然おすすめです。
参考:広東鍋・北京鍋それぞれの特徴と選び方の解説(食器と料理道具の専門店「プロキッチン」)
https://www.prokitchen.co.jp/user_data/chukanabe
中華鍋を選ぶ際に見落としがちなのが、サイズと板厚です。どちらも料理の仕上がりに直結するため、きちんと理解しておくことをおすすめします。
まずサイズについては、家族の人数を目安に選びます。一人〜二人暮らしなら直径24〜27cm程度、2〜3人家族なら28〜30cm、4人以上の家庭なら30〜33cmが適切です。2〜3人家族で28cmの北京鍋を選んだ場合、チャーハン2〜3人前をまとめて作れるサイズ感になります(はがきの横幅は約15cmなので、28cmはおよそはがき2枚分弱の直径です)。
大きすぎると重くて扱いにくくなりますし、小さすぎると一度に作れる量が減ります。勢いよく鍋を振っても具材がこぼれない程度のゆとりがあるサイズを選ぶのが基本です。
次に板厚ですが、これがチャーハンの仕上がりを左右します。一般的な板厚の選び方は以下のとおりです。
板厚が増すほど重くなります。鍋振りをしながら炒め物をメインに使いたい方は1.2mmがベストな選択です。重さと調理のバランスが条件です。
参考:中華鍋の板厚・サイズ別選び方の詳細解説(有限会社 和泉屋)
https://izumiya-inc.co.jp/kitchenware/1691.html
鉄製の中華鍋を買ったら、いきなり料理を始めることはできません。まず必要なのが「空焼き」と「油ならし」というふたつの初期処理です。この作業を省いてしまうと、食材がくっついたり、金属臭が料理に移ったりする原因になります。
空焼きとは、鍋を何も入れずに強火にかけ、製造時に塗られた錆止め塗装を焼き切る作業です。鍋全体が青黒く変色するまで加熱します。煙がかなり出るので、必ず換気扇を全開にして行いましょう。目安は鍋全体が均一に色が変わるまで、だいたい5〜10分程度です。
空焼きが終わったら次は油ならしです。
この油ならしで鍋肌に油の膜が形成され、食材がくっつきにくくなります。使い始めは揚げ物を多めにすることで、油膜がより定着しやすくなります。これが基本です。
ただし、「空焼き不要・油ならし不要」の表記がある加工済みの中華鍋(窒化鉄処理・ハードテンパー加工など)も市販されています。鉄製ではあっても手間を減らした設計になっており、忙しい方や初心者には検討の価値があります。
鉄製の中華鍋を長持ちさせるかどうかは、毎日の手入れ方法にかかっています。正しくケアすれば何十年も使い続けられますが、間違った洗い方をすると数ヶ月で錆びが浮いてくることもあります。
最大の注意点は、洗剤を使わないことです。洗剤を使うと、油ならしで作り上げた油膜が落ちてしまいます。油膜が失われると次の調理で食材がくっつき、そこから錆びへとつながっていきます。痛いですね。
正しい洗い方の手順は以下のとおりです。
乾燥させてから油を塗るこのひと手間が、錆びを防ぐ最大のポイントです。面倒に感じるかもしれませんが、作業自体は1〜2分で終わります。
保管するときも注意が必要です。中華鍋に料理を入れっぱなしにするのはNGです。塩分や酸性の食材(トマトや酢を使った料理など)が鍋に残ると、油膜を溶かして錆びの原因になります。調理後はすぐに移し替えるのが原則です。
もし錆びが出てしまったときは、サンドペーパーで錆びた部分を削り、クレンザーで磨いてから再度空焼きと油ならしをやり直せば復活できます。錆びが出ても捨てなくて大丈夫です。これは意外ですね。
参考:中華鍋の素材別お手入れ・錆び予防方法の詳細(食器と料理道具の専門店「プロキッチン」)
https://www.prokitchen.co.jp/user_data/chukanabe
中華鍋の素材は主に鉄・チタン・アルミ・ステンレスの4種類があり、それぞれ特性がまったく違います。また、家庭のコンロがガスかIHかによって選べる中華鍋も変わってきます。
素材別の特徴まとめ
次は熱源についてです。家のコンロがIHの場合、通常の丸底中華鍋はそのまま使えません。IHは鍋底に磁気を当てて加熱する仕組みなので、底が平らで磁性素材の鍋でないと反応しないからです。IHコンロをお使いの方が丸底の中華鍋を購入してしまうのは、よくある失敗パターンです。
IHコンロで中華鍋を使いたい場合は「IH対応」の表記があり、底が平らになったタイプを選ぶ必要があります。リバーライトの「極 JAPAN 炒め鍋28cm」(実売価格約6,500円〜)はガス・IH・電気コンロのすべてに対応しており、初心者にも扱いやすい窒化鉄処理で錆びにくい設計です。1,130g(ペットボトル約1本分の重さ)で、2〜3人分の調理にちょうど良いサイズです。
熱源確認は購入前に必ず行いましょう。IH対応かどうかを確認するだけで、買い直しのムダ出費を防げます。
参考:中華鍋の熱源・素材の選び方について(LASISA編集部)
https://lasisa.net/post/35878