キッチンペーパー ペーパータオル 違い 使い分け 吸水性

キッチンペーパーとペーパータオルは見た目が似ていますが、実は食品衛生法の基準や吸水性、用途が異なります。正しく使い分けることで、調理も掃除も効率的になります。あなたは両者の違いを正しく理解していますか?

キッチンペーパー ペーパータオル 違い

この記事で分かること
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分類の違い

キッチンペーパーは台所用品、ペーパータオルは衛生紙用品という異なる分類

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用途の違い

食品に触れられるかどうかが最大の違い

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特性の違い

吸水性・吸油性・素材・加工方法の違いを詳しく解説

キッチンペーパーとペーパータオルの基本的な違い

キッチンペーパーとペーパータオルは、一見似ているようで実は全く異なる分類の製品です。キッチンペーパーは「台所用品」、ペーパータオルは「衛生紙用品」という別々のカテゴリーに属しています。
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この2つの最も重要な違いは、食品に触れることができるかどうかという点にあります。キッチンペーパーは食品に直接触れる用途を想定して作られているため、食品衛生法をはじめとする様々な基準を満たす必要があります。そのため、基本的にパルプ100%で作られており、古紙は使用していません。
参考)https://shop.tsc-clean.com/blogs/cleaning-blog/%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84

一方、ペーパータオルは手を拭いたり、テーブルを拭いたりといった対人・対物への使用を想定して作られています。食品に触れることを前提としていないため、古紙などを原材料に使用したものも多く存在します。ただし、業務用のパルプ100%ペーパータオル商品の一部については、食品衛生法に準じた検査を行った上で食品用途に使用できることを表示した商品もあります。​

キッチンペーパーの素材と吸水性の特徴

キッチンペーパーの優れた吸水性と吸油性は、その素材と加工方法によって実現されています。一般的なティッシュペーパーに比べて丈夫に作られており、水や油を吸っても破れにくい構造になっています。
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キッチンペーパーの吸水力を高めているのがエンボス加工と呼ばれる技術です。エンボス加工とは、型押しした凸部が向かい合わせになるように重ねて貼り合わせることで、のりがスポンジの役割を果たし水や油を吸収しやすくなります。さらに表面の凹凸によって、重なったペーパーの間に隙間ができるため、そこに水や油を閉じ込めやすくなるのです。
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メーカーによってエンボス加工の方式は異なり、例えば「Tip to Tipエンボス加工」では2枚のペーパーの凸と凸、凹と凹が重なり合うように貼り合わせることで、ペーパーの間の空間を大きくして水や油をたっぷり吸収できるようにしています。一方、「ネステッドエンボス加工」では凸部分が互い違いになるように貼り合わせることで、吸収した水や油が表面に戻りにくい特性を持たせています。​
キッチンペーパーは柔らかさと吸水性を重視し、複数層を重ねて水分や油を素早く吸収できるよう設計されています。料理用として食品に触れる機会が多いため、漂白剤や添加物を控えたタイプや無漂白のナチュラルタイプも人気があります。​

ペーパータオルの素材と耐久性の特徴

ペーパータオルは、キッチンペーパーとは異なる特性を持つよう設計されています。主な素材はパルプですが、加工方法や構造には大きな差があり、耐久性と強度を優先して作られているのが特徴です。​
ペーパータオル(ハンドタオル・ハンドペーパーとも呼ばれる)は、厚みのあるしっかりとした構造が特徴で、手拭きや掃除など、日常的に繰り返し使うシーンで破れにくいのがメリットです。ティッシュペーパーと比較すると、水に濡れたときの破れにくさは約3倍にも達する製品もあります。​
興味深いことに、ペーパータオルには古紙を利用したものもありますが、古紙を再利用した紙には色みをよく見せるため蛍光染料が使われていることが多いのです。こうした染料が含まれた紙は食品衛生上適していないため、ペーパータオルを選ぶ際は「蛍光染料使用」の表記がないものを選ぶことが推奨されています。​
ペーパータオルの中には、パルプ100%に再生紙を加えることで吸水性を高めた製品もあります。さらに、特殊機械でしわをつけてふんわりと仕上げることで、吸水力を向上させている製品も存在します。このふんわり感により、他社製品と比較して1回当たりの使用枚数を減らすことができ、結果的にコストパフォーマンスが向上するケースもあります。
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キッチンペーパーとペーパータオルの使い分け方法

キッチンペーパーとペーパータオルは、それぞれの特性を理解して適切に使い分けることが重要です。正しい使い分けにより、家事の効率が向上し、衛生面でも安心して使用できます。​
キッチンペーパーの主な用途は以下の通りです。

ペーパータオルの主な用途は以下の通りです。

使い分けのポイントとしては、油っこいフライパンをさっと拭くのにキッチンペーパーを使い、手や食器を拭くなどの用途にはペーパータオルを使うなど、役割を分けて使うと良いでしょう。キッチンペーパーは一度使ったら捨てることを念頭に置いて、油や水の「急な」汚れや雑菌を取るのに最適です。​
また、キッチンペーパーは食品に触れることができるため、野菜を拭くなど食品に直接触れる用途に使用する際は、必ずキッチンペーパーを選ぶべきです。一方、ペーパータオルは食品に触れることを想定していないため、調理以外の拭き取りに使用することが推奨されています。​

キッチンペーパーのロールタイプとシートタイプの選び方

キッチンペーパーには、ロールタイプとシートタイプの2種類の形状があり、それぞれ使い勝手が異なります。用途や使用場面に応じて適切なタイプを選ぶことで、より便利に活用できます。​
ロールタイプの特徴

  • トイレットペーパーのように巻かれたペーパーをロール状にしたもの​
  • 必要な量を素早く取ることができる​
  • 調理中に水や油を大量に吸わせたいときに便利​
  • たくさんこぼしてしまった液体を拭き取る際に最適​
  • 2倍巻きなど巻き量の多いタイプなら、交換の手間を減らせる​
  • 大量にこぼした液体を拭き取る際は便利​

シートタイプの特徴

  • フィルム包装で1枚ずつペーパーを取り出せるもの​
  • フィルム包装が水をはじくので、水まわりに置いても安心​
  • 片手でサッと1枚ずつ取り出しやすい​
  • ちょっとこぼした水や調味料を拭き取るのに便利​
  • 調理中で片手がふさがっているときに便利​
  • 通常のロールタイプ4本分と同じ枚数が2パックに収められているため、コンパクトに収納できる製品もある​

ロールタイプは素早くたくさん巻き取れるため、大量にこぼした液体を拭き取る際に便利です。一方、シートタイプは料理の合間でも片手でサッと取り出しやすいため、調理中の使用に適しています。このようにシチュエーションに合わせて使い分けると、より効率的に家事をこなすことができるでしょう。​