しっかり研いで炊くほど、香り米の香りは半分以上消えてしまいます。
香り米をおいしく炊くうえで、最初にして最大のポイントが「洗い方」です。多くの方が日本米と同じようにゴシゴシと研いでしまいますが、これが香りを大きく損なう原因になっています。
香り米特有のあの香ばしい香りは、「2-アセチル-1-ピロリン(2-AP)」という香気成分によるものです。この成分は揮発性が高く、米粒の外側(表層部)に多く分布しています。精白の度合いが高くなるほど、あるいは洗米のしすぎによって表層が削られるほど、香りは急激に弱くなります。
つまり正解は「研がない・さっとすすぐだけ」です。
日本の白米は、精米時に残ったぬかのニオイや汚れを取るために研ぐ必要があります。しかし香り米(特にジャスミンライス)はヌカのニオイが弱く、むしろお米の表面に香り成分が凝縮されています。ゴシゴシ研ぐことは、わざわざ香りを洗い流している行為と同じなのです。
日本産の香り米(さわかおり・ヒエリ・プリンセスかおりなど)も同様です。香りの強いタイプほど、洗いすぎには注意が必要です。これだけ覚えておけばOKです。
参考:香り成分2-アセチル-1-ピロリンの分布と洗米の関係について
香り米って何?ジャスミンライスとバスマティライスの違いは?(SMART AGRI)
洗い方の次に重要なのが、浸水・水加減・蒸らしの3つです。ここを間違えると、せっかくの香り米がべちゃっとしたり、逆にパサパサになったりします。
浸水は「不要」が基本です。
日本米は一般的に夏30〜60分、冬60〜120分の浸水が推奨されます。しかし香り米(特にジャスミンライスやプリンセスかおりなどの長粒系品種)は吸水性が非常に高く、浸水しなくてもしっかり水を吸ってくれます。むしろ長時間水に浸けてしまうと、米粒が柔らかくなって割れたり、パラパラの食感が失われたりします。最悪の場合、炊き上がりがお餅のようにくっついてしまうこともあります。
水加減は「米:水=1:1」を基準にしましょう。
| 種類 | 水の量(米1カップに対して) | 特徴 |
|---|---|---|
| ジャスミンライス(タイ産) | 水1〜1.1カップ | パラパラ仕上げ |
| プリンセスかおり(日本産) | 水1〜1.2カップ(お好みで調整) | もちっと感もあり |
| 日本米(参考) | 水1.1〜1.2カップ | もちもち・ふっくら |
日本米に慣れていると「少なすぎる?」と不安になる量ですが、これが正解です。香り米は水をよく吸う性質があるため、日本米と同じ水加減で炊くと仕上がりが水っぽくなりやすいのです。
炊き上がり後の蒸らし時間も大切です。
炊飯器で炊いた場合は、スイッチが切れてから5〜10分ほどそのまま蒸らすことで、しっとりした食感になります。特にジャスミンライスは蒸らすことで日本人にも食べやすい口当たりになります。蒸らしが条件です。
参考:炊飯器での正しい炊き方・水加減について
ジャスミンライスの炊き方・保存方法・美味しい食べ方(TIRAKITA)
炊飯器に慣れてきたら、ぜひ試してほしいのが「湯取り法(ゆとりほう)」です。これはジャスミンライスをはじめとする香り米の本場・タイやインドで古くから行われてきた伝統的な炊き方で、パスタを茹でるイメージに近い方法です。
湯取り法は「炊く」のではなく「茹でて水気を切る」炊き方です。
この方法の最大の魅力は、炊きムラが出にくく、香り米特有のパラパラした食感が格段に引き出される点です。炊飯器では再現しにくい「本場の食感」が自宅で楽しめます。
湯取り法の手順(2合分)
「芯が残る」うちにお湯を切るのがコツです。その後の蒸らしでちょうどよい固さに仕上がります。茹ですぎるとべちゃべちゃになるので注意しましょう。また湯取り法は一度に大量のお湯で茹でるため、余分なでんぷん質がお湯に溶け出し、パサつきを防ぎつつパラパラに仕上がるという利点があります。
タイカレーやガパオライス、チャーハンを作るときにこの方法で炊くと、料理のクオリティが一段上がります。これは使えそうです。
参考:湯取り法の詳しいレシピ
料理の基本!タイ米の炊き方(湯取り法)(DELISH KITCHEN)
「香り米」と一口に言っても、実は大きく2種類に分かれます。それぞれに特徴があり、向いている料理や炊き方も異なります。
① タイ産・輸入香り米(ジャスミンライス)
正式名称は「カオ・ホーム・マリ(Khao Hom Mali)」。インディカ米(長粒米)の最高級品種で、GI値は約50と日本米(約84)に比べて大幅に低く、食後の血糖値が上がりにくい特性があります。パラパラした食感でタイカレーやカオマンガイ、チャーハンとの相性が抜群です。カルディや輸入食材店、ネット通販などで手軽に入手できます。
② 日本産香り米(さわかおり・ヒエリ・プリンセスかおりなど)
日本産の香り米は日本最大の産地・高知県を中心に栽培されており、「かまどで炊いたような懐かしい香ばしい香り」が特徴です。形状は日本米と同じ短粒・丸みのあるものが多く、炊き方も基本的に普通の炊飯器でOKです。
日本産香り米を普通の白米にブレンドする場合の目安は「白米9:香り米1〜3」です。ブレンドが基本です。ブレンド比を増やすほど香りは強まりますが、初めての方は少量から試してみることをおすすめします。3合炊きなら香り米を0.3〜1合ほど加えるだけで、食卓に豊かな香りが生まれます。
参考:日本産香り米の品種と特徴について
香り米って何?ジャスミンライスとバスマティライスの違いは?(SMART AGRI)
香り米のあまり知られていない魅力のひとつが、「冷めても香りと風味が持続する」という点です。日本米は冷えると硬くなりやすく、香りもほとんど感じられなくなりますが、香り米(特にジャスミンライス)は冷めた状態でもほのかな香りが残ります。お弁当やおにぎりにも向いているのです。
炊いたご飯の保存方法
炊いた香り米は冷凍保存が可能で、解凍後も香りや風味を十分に楽しめます。高知の香り米メーカーが検証した情報でも「冷凍・解凍しても香りや風味は楽しめる」とされています。保存する際は1食分ずつラップで包み、粗熱が取れてから冷凍庫に入れましょう。電子レンジで温め直してもふっくらと戻ります。
一方、生米(精米後)の保存には注意が必要です。特にタイ産のジャスミンライスは常温での長期保存に弱く、カビや虫が発生しやすいという側面があります。保存は密閉容器に入れて冷蔵庫(野菜室)で行うのがベストで、冷蔵保存なら約半年が目安です。
また、香り米の香り成分「2-アセチル-1-ピロリン」は揮発性が高く、収穫から時間が経つにつれて飛んでしまいます。そのため、購入したらなるべく早めに使い切ることが美味しさを保つコツです。新米に近いほど香り高いとされています。鮮度が条件です。
翌日の香り米活用レシピ
翌日に余った香り米をおいしく食べたいなら、チャーハンへのアレンジがおすすめです。パラパラの食感がもともとある香り米は、チャーハンにすると絶品に仕上がります。冷蔵庫で一晩置いた米はさらに水分が飛んでパラパラになるため、むしろ翌日のチャーハンのほうが食感がよくなることもあります。カレーライスの残りをかけてかき込むだけでも、いつもと違う特別な一皿になります。
参考:香り米の保存方法と活用例について
香り米の美味しい炊き方・おすすめ活用例(高知食糧)
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【2個セット】ジャスミン米 香り米 タイ産 450g(3合分)×2個 タイの台所 精米時期25.3.4タイ料理 食材 調味料 エスニック料理 チャーハン お米