実は、あなたが毎日飲んでいるサプリが「国の審査ゼロ」の食品です。
スーパーやドラッグストアで「脂肪の吸収を抑える」「血圧が高めの方に」といった文言が書かれた食品を見たことがあるはずです。それが機能性表示食品です。この食品には、消費者庁が運営する「機能性表示食品制度届出データベース」と呼ばれる公開情報システムが存在します。
機能性表示食品制度とは、食品メーカーなどの事業者が「この食品にはこういう健康効果があります」という科学的根拠を消費者庁に届け出ることで、商品パッケージにその機能を表示できる制度のことです。2015年にスタートし、2025年12月時点でその累計届出数はなんと1万215件を超えています。東京都内に存在するコンビニの数(約7,000店舗と言われる)より多い届出数というイメージです。それだけ市場に流通している機能性表示食品は多いということですね。
ここで多くの主婦が誤解しがちなのが、「データベースを見るにはログインが必要」という思い込みです。これは半分正解で半分間違いです。ログインが必要なのは、食品メーカーなどの事業者が届出を行う際に使う「機能性表示食品制度届出データベース(届出システム)」の話です。消費者が届出内容を閲覧する「届出情報検索サイト」は、アカウント登録もログインも一切不要で、完全無料で使えます。
つまり消費者に必要なのは、閲覧専用の検索サイトだけです。
消費者庁の届出情報検索サイト(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/)にアクセスすれば、パッケージに書かれた届出番号・商品名・成分名などで検索でき、安全性や機能性の根拠要約、摂取上の注意事項まで無料で確認できます。知っておくと、何千円もするサプリを買う前の「根拠チェック」に活用できます。これは使えそうです。
消費者庁公式|機能性表示食品の届出情報検索(ログイン不要・無料)
では実際に、消費者が届出情報を調べる流れを確認してみましょう。操作自体はとても簡単で、スマートフォンでも問題なく使えます。
まず、消費者庁の届出情報検索サイト(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/)にアクセスします。画面上部にキーワード検索のボックスがあり、ここに調べたい情報を入力して「検索」ボタンを押すだけです。ログインやアカウント登録は一切不要です。
検索できる項目は非常に幅広く、届出番号・届出者名(企業名)・商品名・食品の区分・機能性関与成分名・機能性表示の内容・摂取上の注意事項などが対象です。たとえば「乳酸菌」と入力すれば、乳酸菌を機能性関与成分とする全届出食品の一覧が表示されます。
検索結果の一覧から気になる届出番号のリンクをクリックすると、詳細ページ(様式I)に移動します。詳細ページで確認できる主な情報は以下の通りです。
| 確認できる情報 | 内容の例 |
|---|---|
| 機能性関与成分名 | GABA・DHA・難消化性デキストリンなど |
| 機能性表示(届出表示) | 「本品にはGABAが含まれます。GABAには…」 |
| 1日当たりの摂取目安量 | 「1日2粒を目安にお召し上がりください」 |
| 摂取上の注意事項 | 「妊娠中・授乳中の方は担当の医師にご相談ください」 |
| 安全性・機能性の根拠要約 | 届出者が一般消費者向けにまとめた要約文 |
| 商品パッケージ画像 | 実際の容器包装が確認できる |
一点注意があります。検索は1回につき1つのキーワードしか入力できません。「乳酸菌 血圧」のように2つの単語を同時に入れても、複合検索にはなりません。複数商品を同時に比較したい場合は、民間の比較サービス(例:https://functionalfood-db.jp/ など)を併用するのが便利です。
2025年4月のシステム更改後は、スマートフォンのブラウザにも対応し、外出先でも快適に調べられるようになりました。
消費者庁データベースの読み方を画像付きで解説したサイト(functionalfood-db.jp)
実際に機能性表示食品を購入する際、最も役立つのが「届出番号」を使った検索です。意外と知られていない便利な使い方ですね。
商品パッケージには「届出番号:K1234」のようなアルファベットと数字の組み合わせが必ず表示されています。2025年4月以降、消費者庁はパッケージ上部の見やすい位置に「機能性表示食品」の文字と届出番号を枠で囲んで表示するよう義務付けています。見つけやすくなりました。
この届出番号を消費者庁の届出情報検索サイトのキーワードボックスに入力して検索すると、その商品専用の詳細ページにたどり着けます。ここで特に確認してほしいのが「摂取をする上での注意事項」です。
機能性関与成分の人気ランキング上位を見ると、1位のGABAは届出数1,428件、2位の乳酸菌は651件、3位の難消化性デキストリンは531件となっています。同じ「GABA」が入っていても、商品によって含有量や根拠となった研究が全く異なります。パッケージの表示文言だけ見て「効果が同じ」と判断するのは早計です。
届出番号で調べることで、ほぼ同じ見た目の2商品でも、科学的根拠の質や摂取量の違いを確認できます。値段が高い商品が必ずしも根拠が厚いわけではありません。根拠が条件です。
また、詳細ページには商品のパッケージ画像も掲載されているため、購入前にオンラインで現物を確認することも可能です。通販サイトの商品説明ページだけを鵜呑みにせず、消費者庁のデータベースを「もう一つの情報源」として活用しましょう。
ここからは、食品関連の仕事をしている方やこれから機能性表示食品の届出を検討している方向けの情報です。2025年4月1日以降、事業者が届出を行う「機能性表示食品制度届出データベース」のログイン方法が大きく変わりました。
それまでは消費者庁から発行されたユーザーIDとパスワードを使ってログインする方式でしたが、新システムへの移行に伴い、行政の共通認証システム「GビズID」を使ったログインが基本となりました。GビズIDとは、経済産業省が運営する行政サービス共通の認証システムで、法人や個人事業主が様々な行政手続きをオンラインで行うために使うIDです。
事業者向けの届出データベースへのログイン方法は、主に2種類あります。
なお、2025年4月1日以前にすでにユーザーIDを取得していた事業者については、当分の間は旧来のID・パスワード方式でも引き続きログインできます。ただし、新規に届出をする事業者は原則GビズIDが必要です。
ログインの際には6桁のワンタイムパスワード(SMS認証)を使った2段階認証が求められる点も覚えておきましょう。パスワード入力を6回連続で誤るとアカウントがロックされる仕組みです。これは必須です。
届出を行った後の流れとしては、新規届出→消費者庁による確認(60営業日が目安。内容によっては120営業日に延長される場合もあり)→届出番号の発行→販売開始という順番になります。
消費者庁公式|機能性表示食品の届出マニュアル・手引き(事業者向け)
「機能性表示食品」と「トクホ(特定保健用食品)」はよく混同されますが、消費者にとって非常に重要な違いがあります。データベースを使いこなすためにも、この違いは押さえておきましょう。
最も大きな違いは「国が審査するかどうか」という点です。トクホは、消費者庁長官が有効性と安全性を個別に審査し、許可を与えた食品です。一方、機能性表示食品は事業者が科学的根拠を消費者庁に届け出るだけで、消費者庁は書類の形式を確認するにとどまり、効果そのものを審査しません。
厳しいところですね。
| 比較項目 | 機能性表示食品 | トクホ(特定保健用食品) |
|---|---|---|
| 国の審査 | ❌ なし(届出制) | ✅ あり(許可制) |
| 科学的根拠の主体 | 事業者が自主的に評価 | 国が個別に評価 |
| 対象食品 | 加工食品・生鮮食品・サプリなど幅広い | 許可を受けた加工食品のみ |
| パッケージ | 届出番号と機能性表示が記載 | 消費者庁の許可マーク(トクホマーク)が付く |
| データベース閲覧 | 無料・ログイン不要で全情報公開 | 許可品の情報は消費者庁ウェブサイトで確認可能 |
ただし「国の審査がない=危険」というわけではありません。機能性表示食品の制度では、事業者は安全性の根拠・機能性の根拠・製造・品質管理に関するすべての情報を消費者庁のデータベースに提出し、それが一般公開されます。誰でも確認できるという透明性が担保されています。
消費者庁のデータベースで詳細ページを開いたとき、「様式I:届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)」という項目を確認しましょう。ここに書かれた内容が、事業者が主張する根拠の要約です。「研究レビュー(文献調査)」によるものか、「臨床試験(ヒト試験)」によるものかも記載されています。臨床試験を行っている商品のほうが、より直接的なエビデンスがあると言えます。
2024年から問題になった小林製薬の紅麹サプリ問題を受け、2025年4月以降の制度改正では事後チェックの強化や自己点検報告の義務化が新たに追加されました。消費者にとって「買う前に調べる」という習慣がより重要になっています。
消費者庁公式PDF|「機能性表示食品」って何?(一般消費者向け解説)