「国産牛肉」なのに、アメリカで育った牛の肉が混じっていても合法です。
スーパーの精肉コーナーで「国産牛」と書かれたラベルを見て、「安全だから買おう」と思う方は多いはずです。ところが、この「国産」という表示には、一般消費者がほとんど知らない"抜け穴"が存在します。
日本の食品表示法では、生鮮食品の原産地は「飼育期間が最も長い場所」を表示するルールになっています。これは業界内では「長いところルール」と呼ばれています。つまり、産地とは品種の出身国ではなく、単純に「どこで一番長く育ったか」を示しているに過ぎません。
具体的な例で考えてみましょう。アメリカで2年間、肥育ホルモン剤を投与されながら育ったホルスタイン牛が日本に輸入され、その後3年間日本の牧場で乳牛として過ごし、廃用牛として肉になったとします。この場合、日本での飼育期間(3年)がアメリカでの期間(2年)より長いため、そのお肉は正真正銘「国産」と表示できるのです。これは東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授の鈴木宣弘氏が指摘している実態です。
つまり国産とは安全とイコールではありません。
「和牛」と「国産牛」の違いも重要です。「和牛」は黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種(およびその交配種)のみを指す「品種」の表示です。一方「国産牛」は品種に関係なく、飼育期間が日本国内で最も長ければホルスタインでも乳牛の廃用牛でも名乗れます。スーパーで安価に売られている「国産牛」の多くは、この廃用牛や乳用種の肉であることが少なくありません。
ここが大切です。「国産」ラベルを確認するだけでなく、「品種は何か」「どの農場産か」まで確認する習慣をつけると、より安心して選べます。
参考:国産牛肉に潜むリスクと原産国表示の仕組みについて、女性セブン(2024年7月)が詳しく報じています。
「国産牛肉」の懸念点として指摘される"えさ"のリスク(NEWS ポストセブン)
「国産牛肉は国内の牧場で大切に育てられたもの」というイメージを持っていませんか?確かに育てる場所は国内ですが、問題は「何を食べて育ったか」です。
立命館大学生命科学部教授の久保幹氏によると、一部のブランド牛(松阪牛・神戸牛など)を除き、国産牛が食べているえさは「ほぼすべてがアメリカなど外国産トウモロコシをはじめとする輸入飼料」だといいます。濃厚飼料(エネルギー補給に使う配合飼料)の実に約90%が輸入品で、そのうちトウモロコシが約半分を占めます。
そして日本国内のトウモロコシ使用量のうち、約80%が遺伝子組み換え品種と推定されています(コープみらいデータ)。
🌽 イメージしてみてください。10kg分のえさがあるとしたら、そのうち8kgは遺伝子組み換えトウモロコシ由来ということになります。
遺伝子組み換え飼料について、農林水産省は「安全性評価に問題なし」という立場ですが、長期的なアレルギーリスクや生態系への影響については懸念を示す専門家もいます。また飼料の安全性とは別に、「はるばる赤道を超えて船で運ばれてくる間にカビが生えたり劣化した状態のえさを食べている」という久保氏の指摘も見過ごせません。
意外ですね。「国産」とラベルに書かれていても、牛が食べていたものは外国産の遺伝子組み換ええさだった、ということが普通にあるのです。
えさの産地や品質にまでこだわりたい場合、有機JAS認定を受けた牧場のお肉を選ぶか、生産者が飼料まで公開しているブランド牛を探してみるのが現実的な対策です。購入前に農林水産省の「牛のトレーサビリティ」サービスで個体識別番号を検索すれば、その牛の生産履歴を確認することもできます。
参考:農林水産省の牛トレーサビリティ制度について
牛・牛肉のトレーサビリティ(農林水産省)
国産牛の危険性として、意外に知られていないのが抗生物質の問題です。
日本では肥育ホルモン剤の使用は法律で禁止されています。しかし抗生物質(抗菌剤)の使用は認められており、狭い牛舎で密集して育てられる牛たちの感染症予防のために、実際に広く投与されているのが現状です。
基準値以下であれば、その肉をすぐ食べて健康被害が起きるわけではありません。しかし長い目で見たとき、より深刻な問題が浮かび上がります。それが「薬剤耐性菌(スーパーバグ)」です。
消費者問題研究所代表の垣田達哉氏は、「抗生物質を使い続けると、現在存在するあらゆる薬が効かない超多剤耐性菌が生まれる可能性がある」と警告しています。スーパーバグによる感染症は、治療手段がないため非常に危険です。WHOも「2050年までにスーパーバグによって年間最大1,000万人が死亡するリスクがある」と警告しています。
実際にアメリカでは2015年、ロナルド・レーガンUCLA医療センターで179人がスーパーバグに感染したとみられる事例が起き、うち2人が死亡したという報告があります。
これは他人事ではありません。
では、完全にリスクを避ける方法はあるのでしょうか?残念ながら100%ではありません。ただし、「JAS認定牧場」が生産した牛肉であれば、出荷6か月前からは抗生物質を使用しないという安全基準が設けられており、認定を受けていない牧場のものよりは安心です。スーパーで購入する際に「有機JASマーク」のついた製品や、牧場の認証情報が明示されている商品を選ぶことが、現時点でできる現実的な対策といえます。
抗生物質の問題が気になる方は、「ナチュラルハーモニー」などの自然農法系の食材宅配サービスや、直売牧場からの購入も選択肢に入れてみましょう。
参考:抗生物質と薬剤耐性菌のリスクについて詳しく解説されています。
国産牛肉の危険性を考えるとき、もう一歩踏み込んで知っておきたいのが「肥育ホルモン剤」の問題です。
日本では肥育ホルモン剤の使用は禁止されていますが、アメリカ・カナダ・オーストラリアでは現在も合成ホルモン剤の投与が認められています。「長いところルール」によって、これらの国で育ったあと日本に輸入された牛が「国産」として売られる可能性が排除できない、と東大の鈴木宣弘教授は指摘しています。
肥育ホルモン剤の多くは、牛の体内にある女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)を化学的に合成したものです。国産牛の肉と比較した研究では、アメリカ産牛肉からは赤身で600倍、脂身で140倍もの女性ホルモン(エストロゲン)が検出されたという報告があります(マネーポスト)。
⚠️ 600倍というのは、牛ひとかたまりではなく、赤身100gあたりで600倍の濃度差があるということです。
EUは1988年にすべての肥育ホルモン剤の使用を禁止し、翌1989年からアメリカ産牛肉の輸入も禁止しました。その後わずか7年で、EU諸国の多くで乳がん死亡率が約20%減少し、中には45%減少した国もあったとされています。直接因果関係は証明されていませんが、無視できない数字です。
これが重要です。「日本は肥育ホルモン剤の使用を禁止している」は事実ですが、「国産表示の牛がホルモン剤を投与されていない」とは言い切れないのが現実です。
完全に避けたいなら、「和牛(黒毛和種など4品種)」かつ「国内一貫生産」の明記があるものを選びましょう。個体識別番号をトレーサビリティシステムで検索すれば、出生地・移動履歴まで調べることができます。
参考:肥育ホルモン剤の危険性と国産牛肉の関係を詳しく解説。
発がんリスク指摘の米国産牛肉、無邪気に食べるのは日本人だけ(マネーポストWEB)
ここまで国産牛肉の危険性について解説しましたが、「じゃあ何も食べられないの?」と思った方も多いはずです。だいじょうぶです。ポイントを押さえれば、安全性の高いお肉を選ぶことはできます。
まず確認しておきたい前提があります。国産牛のすべてが危険というわけではありません。リスクの高い選択と低い選択があるだけです。
以下は、スーパーや食材宅配で実際に使えるチェックポイントです。
| 確認ポイント | 安心度高い🟢 | 注意が必要🔴 |
|---|---|---|
| 表示の種類 | 「和牛」+品種名(黒毛和種など) | 「国産牛」のみ |
| 個体識別番号 | 10桁の番号が明記されている | 番号の記載がない |
| 認証・認定 | 有機JASマーク、JAS認定牧場 | 認証なし |
| えさの情報 | 「国産飼料使用」などの記載あり | 飼料の記載なし |
| 生産履歴 | 牧場名・都道府県まで明記 | 「国産」だけで詳細なし |
個体識別番号は10桁の数字で、農林水産省の「牛の個体識別情報検索サービス」に入力するだけで、その牛の生まれた場所・移動の記録・と畜場まで無料で確認できます。スマートフォン1台でできる作業なので、ぜひ一度試してみてください。
これだけ覚えておけばOKです。「国産=安心」ではなく、「個体識別番号で生産履歴を確認する」が現代の正しい選び方です。
特にお子さんや妊娠中の方がいる家庭では、できる範囲で有機JAS認定牧場のお肉や、産直サービスを利用して顔の見える牧場からの購入を検討してみるのも選択肢です。コストはやや上がりますが、1食あたり数十円〜100円程度の差で安全性を大きく引き上げることができます。
参考:農林水産省の牛個体識別情報検索サービス(無料)
牛・牛肉のトレーサビリティ制度(農林水産省)

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