追熟できると思って常温で置いておくと、どんどん味が落ちて損してしまいます。
スーパーに一年中並んでいるパイナップルを見ていると、「旬なんてあるの?」と感じるかもしれません。ところが実際には、あの黄色いパイナップルのほぼ95%は輸入品、とりわけフィリピン産です。日本国内では沖縄県と鹿児島県の一部でしか栽培できないため、出回る時期がはっきり決まっています。
国産パイナップルの旬は大きく2つのエリアで異なります。石垣島産は4月下旬〜7月下旬、沖縄本島(東村など)産は5月中旬〜8月初旬です。石垣島のほうが沖縄本島より約1か月早く旬を迎えるのは、石垣島が沖縄本島より南に位置し、平均気温が約2℃高いためです。
旬が早い分、石垣島産はゴールデンウィーク明けころから店頭やネット通販に登場します。沖縄本島産の品種は5月以降に続々と出始め、両エリアの品種が重なる6月〜7月が、最も選択肢の多い「パイナップルのベストシーズン」といえます。
つまり、旬を楽しめる期間は4〜8月が基本です。
輸入品と国産品の最大の違いは「収穫タイミング」にあります。輸入品は長い輸送期間を見越してやや未熟なうちに収穫されるのに対し、国産品は現地でほぼ完熟した状態で収穫・出荷されます。この差が、「国産を食べると甘さが全然違う」という声につながっています。
旬の時期が短いのは残念ですね。だからこそ、旬を知って確実に手に入れることが大切です。
沖縄パイナップルの品種・旬・栄養について詳しく解説(オリオンビール公式)
国産パイナップルは品種によって旬の時期も味わいもまったく異なります。代表的な品種を整理しておくと、買い時を逃しません。
まず最も有名なピーチパインは、石垣島・西表島産が中心で旬は5月上旬〜6月中旬ごろです。果肉が白っぽく、カットした瞬間にほんのり桃のような甘い香りが漂うのが特徴で、「ミルクパイン」とも呼ばれます。小ぶりで芯まで食べられるため、無駄なく使えるのも主婦にとってうれしいポイントです。糖度が高く、酸味は控えめ。初めて国産パイナップルを試すなら、まずはピーチパインがおすすめです。
スナックパイン(ポコットパイン)は、果肉を手でポコッともぎ取って食べられる品種で、旬は4月〜8月と幅広く楽しめます。包丁いらずで手軽に食べられるため、子どもがいる家庭にも人気です。糖度が高く、芯も柔らかくて甘いのが特徴です。
ゴールドバレルは、国内生産量がわずか1%以下という超希少な高級品種です。収穫まで通常の約3年かかり、重さは1.4〜2.8kgと通常のパイナップルの約2倍になります。形が黄金色の樽型をしていることが名前の由来で、旬は6〜7月ごろ。1玉5,000円〜1万円以上することも珍しくなく、贈り物にも重宝されます。
スムースカイエンは沖縄で最も広く栽培されている定番品種で、甘み・酸味・果汁のバランスが優れています。旬は6〜8月で、缶詰の原料としても使われます。
これが基本です。品種ごとの旬を把握しておけば、「今月はどの品種が美味しいか」を判断できるようになります。
| 品種 | 旬の時期 | 特徴 |
|------|----------|------|
| ピーチパイン | 5月上旬〜6月中旬 | 桃の香り・白い果肉・芯まで食べられる |
| スナックパイン | 4月〜8月 | 手でちぎれる・芯も甘い・手軽 |
| ゴールドバレル | 6〜7月 | 超希少・高糖度・1玉5,000円〜 |
| スムースカイエン | 6〜8月 | 甘み酸味のバランス◎・缶詰原料にも |
旬の時期に手に入れても、選び方を間違えると「思ったより甘くなかった…」という結果になることがあります。石垣島でパイナップルを数万玉育てている農家が伝える見分け方を参考にしながら、ポイントを整理します。
まず一番大切なのは「重さ」です。同じサイズのパイナップルが並んでいたら、手に持ってずっしりと重みを感じるものを選びましょう。重さは果汁の豊富さに直結します。軽すぎるものは水分が抜け始めている可能性があります。
次に確認したいのが底面の芯(軸の切り口)です。底の中心部分が白くみずみずしいものは鮮度が高く、黒ずんでいたりカサカサに乾燥していたりするものは収穫から日数が経っています。スーパーで実際に手に取って、底を見てみましょう。
指ではじいた音も参考になります。軽く「コンコン」とはじいて、詰まった「トントン」という音がすれば果汁がしっかり入っている証拠です。乾いたような鈍い音がするものは避けましょう。
また、全体的な黄色の色合いは熟度の目安にはなりますが、それだけでは不十分です。追熟しないパイナップルは、収穫後に時間が経つにつれ劣化の過程で黄色く変色することがあります。黄色くても鮮度が落ちている場合があるため、色だけで判断しないことが大切です。意外ですね。
葉(クラウン)の色も確認します。緑色が濃くてしっかりしたものが新鮮な証拠です。葉が枯れ始めていたり茶色くなっていたりするものは、収穫から時間が経っています。
選び方さえ覚えれば失敗は減ります。
「せっかく買ったから少し置いてから食べよう」と考えていませんか。パイナップルに関しては、この判断が美味しさの大きな損失につながります。
パイナップルは追熟しない果物です。バナナやキウイのように、常温で置いておくほど甘くなるわけではありません。収穫した時点で甘さがほぼ確定しており、その後は時間とともに味が落ちるだけです。これはドール社をはじめ多くの専門家も公式に説明しています。
国産パイナップルは完熟で収穫・出荷されているため、手元に届いた日が「最もおいしい状態」です。すぐ食べられない場合は、丸ごと新聞紙で包んで冷蔵庫の野菜室に入れましょう。保存期間の目安は2〜3日です。冷凍保存する場合はカットしてジップロックに入れ、空気を抜いて保存すれば10〜14日ほど持ちます。
カットしたパイナップルは常温保存ができません。必ず冷蔵庫に入れ、2〜3日以内に食べきるのが基本です。
一つ知っておきたいのが、「逆さまに保存する」テクニックです。パイナップルの糖分は下部(底側)に溜まりやすい性質があります。葉を下にして逆さまにして1〜2日置いておくと、果汁が全体に行き渡り、甘さが均一になって食べやすくなります。完全に甘くなるわけではありませんが、上下の甘さのムラをある程度解消できます。
冷蔵庫に入れる前に少し逆さにしておくと、より美味しく食べられますね。
「パイナップルは缶詰でも同じ」と思っているとしたら、健康面で損をしているかもしれません。これが国産の旬の生パイナップルを選ぶ、もう一つの大きな理由です。
生のパイナップルに含まれるブロメラインは、たんぱく質を分解する酵素で、消化を助け、胃腸の炎症を鎮め、疲労回復にも効果が期待できます。肉料理の下ごしらえにパイナップルを使うと肉が柔らかくなるのは、このブロメラインのはたらきによるものです。
ところが、このブロメラインは約60℃以上で活性を失います。缶詰やジュースは製造工程で加熱処理されるため、ブロメラインはほぼ完全に失われています。栄養価を活かしたいなら生食が必須です。
また、生のパイナップル100gあたりのカロリーは約53kcalとフルーツの中では平均的。ビタミンC、ビタミンB1、カリウム、不溶性食物繊維も豊富に含まれています。ビタミンCはシミ予防や肌のハリを保つ働きがあり、カリウムはむくみの予防・解消に役立ちます。食物繊維は便秘改善にも効果的です。
酵素が必要なら生食が条件です。
ただし食べ過ぎには注意が必要な点も。ブロメラインは口の中の粘膜も分解するため、大量に食べると舌や口内がピリピリすることがあります。1日の目安は200g(約4切れ分)程度が適量とされています。旬の国産パイナップルは糖度も高めなため、糖質が気になる方は量に注意しながら楽しみましょう。
パイナップルの栄養成分・ブロメラインと缶詰との違いについて(ふるなび)
国産パイナップルは、旬の時期(4月〜8月)でも一般のスーパーには並びにくい希少品です。流通量が全体のわずか数%にとどまるため、地方の小売店では入手が難しいのが現実です。そこで活用したいのが産地直送の通販です。
石垣島や東村の農家が直接出荷している通販サービスでは、旬のピーク時期に合わせて完熟のまま発送してくれます。注文してから届くまでの日数がほぼゼロに近い完熟品を届けてもらえるのが最大のメリットです。
通販で購入する際に注意したい点が3つあります。
ふるさと納税を活用する方法も賢い手段の一つです。沖縄県石垣市や東村などの自治体では、旬の時期に合わせて国産パイナップルをふるさと納税の返礼品として取り扱っています。実質2,000円の自己負担で数キロの国産パイナップルを手に入れられるため、費用対効果が高い方法です。旬の4〜5月頃に申し込むと、入手しやすくなります。
通販なら旬のタイミングで自宅に届けてもらえるのが一番のメリットです。
石垣島の農家が直伝するパイナップルの選び方と保存方法(ひらくぼパイナップル農園)