ジェネリックに変えれば必ず安くなると思っていたら、メーカーによって薬価が3倍以上違うので患者さんの自己負担が大きく変わります。
ミカムロ(先発品:日本ベーリンガーインゲルハイム)のジェネリック医薬品は、総称名「テラムロ配合錠」として複数のメーカーから発売されています。 一般名はテルミサルタン・アムロジピンベシル酸塩であり、高血圧治療に用いるARBとCCBの配合剤です。 配合剤のジェネリックは命名規則が特殊で、「テラムロ+メーカー略称」という形式が採用されています。kegg+2
これが基本です。
主な後発品メーカーは下記の通りです。
AG(オーソライズド・ジェネリック)である「DSEP」は、先発品のミカムロと原薬・添加物・製造方法・製造場所がすべて同一です。 品質面で不安を感じる患者さんへの説明に活用できる情報ですね。
ミカムロにはAP(低用量)とBP(高用量)の2規格があります。 APはテルミサルタン40mg+アムロジピン5mg、BPはテルミサルタン80mg+アムロジピン5mgです。 先発品同士でさえ薬価がAP34.1円・BP46.8円と差があり、規格を取り違えた処方はそのまま降圧不足または過降圧につながります。okusuri110+2
規格の確認は必須です。
切り替えの原則として、テルミサルタン40mgとアムロジピン5mgを併用中、またはいずれかで血圧コントロールが不十分な場合にミカムロAP(テルミサルタン/アムロジピン 40mg/5mg)への変更を検討します。 テルミサルタンの最大用量80mgまで増量が必要な場合はBP規格の適応となります。prtimes+1
なお、肝障害のある患者さんへはテルミサルタン/アムロジピン 40mg/5mgを超えない、つまりBPは使用禁忌に準じた扱いが必要です。 「APで安定していたからBPに切り替えても大丈夫」という思い込みは危険ですね。
参考)https://www.bij-kusuri.jp/information/files/mca_t_ap_info_20100921.pdf
| 規格 | テルミサルタン量 | アムロジピン量 | 先発品薬価(1錠) |
|---|---|---|---|
| AP | 40mg | 5mg | 34.1円 |
| BP | 80mg | 5mg | 46.8円 |
参考)http://www.okusuri110.jp/cgi-bin/yaka_search_p2.cgi?2149117
CareNet:ミカムロ配合錠APの効能・副作用・添付文書情報(医師向け)
後発品の中でも薬価には大きな差があります。 AP規格を例にとると、最安値は「ニプロ」「日医工」の10.4円、一方「DSEP」「トーワ」「サワイ」「JG」は21.4円と、なんと約2倍の差があります。 先発品ミカムロAP(34.1円)と比較すると、最安後発品は先発品の約30%の薬価です。
これは使えそうです。
1日1錠・30日処方のケースで計算すると、先発品は月約1,023円(薬価ベース)、最安後発品は312円になります。3割負担の患者さんでは、自己負担の差が1回の処方で約213円、年間で換算すると約2,556円の差になります。「たかが200円」ですが、複数の慢性疾患薬を服用している患者さんにとって、積み重ねれば年間で数千円単位の節約につながります。
医療従事者として、後発品間の薬価差も把握した上で患者さんへ説明することが、信頼関係の構築につながるといえます。 在庫管理や採用品目の選定においても、薬価の違いは経営面に直結する情報です。
Genecal:ミカムロ配合錠APのジェネリック変更による薬価差額の試算ツール
銘柄名で処方箋が発行されている場合、「変更不可」の指示がなければ患者さんの同意のもとで後発品への変更調剤が可能です。 ただし、変更不可欄に記載がある場合や、患者さんが先発品を強く希望する場合は、処方医への確認が必要になります。
参考)医療従事者からのよくあるご質問 | 日本ジェネリック株式会社
患者の同意が条件です。
疑義照会が必要になるケースとして、①AP→BPの規格変更が伴う場合、②後発品銘柄間の変更で添加物が異なる場合(アレルギー歴がある患者さんなど)、③採用品の在庫変動で複数回銘柄変更が発生するケースなどが挙げられます。 特にアレルギー歴のある患者さんでは、後発品ごとの添加物成分表を事前に確認しておくことが重要です。nicho.co+1
疑義照会プロトコルを整備している医療機関では、一部の後発品変更を事前合意のもとで行うことができます。 施設ごとのルールを確認しておくと、業務効率と患者安全の両立が図りやすくなります。
参考)https://higashiomi.hosp.go.jp/files/protrochol01.pdf
PMDA:ジェネリック医薬品への変更手続きに関するQ&A(患者・医療従事者向け)
ジェネリックに切り替えた直後、たまたまその時期に降圧効果が変化したように見えることがあります。 これは薬効の変化ではなく、病態の自然経過や患者さんの服薬アドヒアランスの変動が影響していることが多いです。 「ジェネリックに替えたら効かなくなった」という患者さんの訴えを受けた際、直ちに先発品に戻す前に、血圧測定の時間帯・服薬タイミング・塩分摂取状況を確認することが先決です。
参考)https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/dl/02_120713.pdf
意外ですね。
ミカムロの有効成分テルミサルタンはARBの中でも特殊で、AT1受容体に「デルタロック構造」で3点結合するため、他のARBより強力かつ24時間持続する降圧効果を持ちます。 ジェネリック品(テラムロ)も生物学的同等性試験をクリアしており、血中濃度の推移は先発品と同等と確認されています。nichiiko+1
副作用チェックの観点では、下記の患者さんへの投与には注意が必要です。
参考)ミカムロ配合錠APの効能・副作用|ケアネット医療用医薬品検索
切り替え後1〜2週間は血圧記録を患者さんに依頼し、次回来院時に確認する流れを作ることが、安全な管理につながります。
KEGG MEDICUS:ミカムロの臨床成績・薬効・副作用情報(医療従事者向け)