牛肉を最初から煮込むと、旨味が逃げて肉がパサパサになります。
肉じゃがをおいしく作るには、材料の配合と調味料の比率を押さえることが第一歩です。黄金比と呼ばれる味付けは、醤油:みりん:砂糖=3:2:1が基本とされており、水100mlに対してこの割合で合わせると、家庭で安定した味が出せます。これが基本です。
材料(2〜3人分)の目安は以下の通りです。
| 食材 | 量 | ポイント |
|---|---|---|
| 牛薄切り肉 | 150〜200g | バラ肉がコクが出やすい |
| じゃがいも | 3個(中サイズ) | メークインか男爵 |
| 玉ねぎ | 1個 | 繊維に沿って切ると食感が残る |
| にんじん | 1本 | 乱切りで火が均一に通る |
| しらたき | 100g | あく抜き必須 |
| サラダ油 | 大さじ1 | ごま油に変えると風味アップ |
調味料の配合は、醤油大さじ3・みりん大さじ2・砂糖大さじ1・酒大さじ2・水200mlが目安です。だしを加えない場合でも、玉ねぎの甘みと牛肉の脂がだし代わりになるため、十分な旨味が生まれます。つまり、だしの素は必須ではありません。
砂糖をはちみつ小さじ2に変えると、照りが出てコクが増すというアレンジも人気です。はちみつには果糖が含まれるため、砂糖より低い温度で甘みを感じやすく、煮物に奥行きが出ます。これは使えそうです。
牛肉はバラ肉(豚バラのような脂の入った部位)を選ぶと、加熱してもパサつきにくく、脂が溶け出してコクのある煮汁に仕上がります。モモ肉を使う場合は、加熱しすぎると固くなりやすいため、後から加えるタイミングが重要になります。
肉じゃがは「煮込み料理」というイメージが強いですが、最初の炒め工程が仕上がりを大きく左右します。炒める順番を間違えると、肉が硬くなったり野菜がべちゃべちゃになったりする原因になります。順番が命です。
正しい炒め順は次の通りです。
1. 🛢️ 油を熱し、玉ねぎ・にんじんを中火で2分炒める
2. 🥩 牛肉を加えて色が変わるまで炒める(約1〜2分)
3. 🥔 じゃがいもを加えて表面に油をなじませる(30秒程度)
4. 💧 水・調味料を加えて落し蓋をし、中火で15〜20分煮る
5. 🍱 しらたきは最初から加えてOK
牛肉は「色が変わればOK」が目安です。完全に火を通そうとして炒めすぎると、この時点で肉が縮んで硬くなります。煮る工程でさらに火が通るため、炒める段階では表面の色が変わる程度で止めるのが正解です。
じゃがいもは、他の野菜が十分に炒まった後に加えましょう。先に加えてしまうと、炒めている間に表面が崩れはじめ、煮込んだ後に原形をとどめなくなる場合があります。じゃがいもの投入は3番目が原則です。
落し蓋は、アルミホイルを鍋より一回り小さく切って代用できます。落し蓋をすることで煮汁が全体に循環し、均一に味がしみ込む仕組みです。持っていなくても問題ありません。
肉じゃがでじゃがいもが崩れてしまうのは、多くの場合「品種の選択ミス」か「加熱しすぎ」が原因です。じゃがいもの品種によって、煮崩れのしやすさは大きく異なります。品種選びが重要です。
メークインと男爵、どちらが向いているか?
| 品種 | 特徴 | 煮崩れ |
|---|---|---|
| メークイン | 水分多め・きめ細かい | 崩れにくい ⭕ |
| 男爵 | 粉質でほくほく | 崩れやすい ⚠️ |
煮崩れを防ぎたいなら、メークインが適しています。一方、ほくほくした食感を好む場合は男爵を使い、煮込む時間を短くするという方法もあります。
切り方にも工夫が必要です。じゃがいもはひと口大(約3〜4cm角、単行本の背表紙の厚みくらいのイメージ)に切り、角を包丁で軽く削る「面取り」をすると煮崩れしにくくなります。面取りをするだけで、仕上がりのルックスも格段によくなります。
水にさらす工程も忘れずに行ってください。切ったじゃがいもを5分ほど水にさらすと、表面のでんぷんが落ちて崩れにくくなります。水にさらすのは5分で十分です。
加熱時間の目安は、落し蓋をした状態で中火15分、その後弱火に落として5分が基本です。竹串をじゃがいもにスッと刺さるようになれば火は通っています。それ以上煮続けると崩れる一方なので、早めに確認しましょう。
「煮物は翌日が美味しい」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。実はこれ、感覚的な話ではなく科学的に説明できることです。意外ですね。
食材に味がしみ込む仕組みは、「温度差による浸透」にあります。熱い状態では食材の組織が膨張して煮汁を吸いにくいのですが、鍋ごと冷ますと食材の細胞が収縮し、その際に煮汁を内部に引き込むのです。つまり、冷ます工程が「味のしみ込み装置」になっています。
実践的な手順として、火を止めた後に20〜30分そのまま放置するだけで、再加熱前よりも格段に味がしみ込みます。食べる直前に再加熱すれば、当日でも「翌日の味」に近づけることができます。これは覚えておくと得です。
また、じゃがいもは加熱と冷却を繰り返すうちに崩れやすくなるため、再加熱は1回にとどめるのが理想です。何度も温め直すと、せっかくのじゃがいもの形が失われます。再加熱は1回が条件です。
時短で「しみた感」を出したい場合は、圧力鍋を使う方法があります。圧力鍋で加圧4〜5分(メーカーにより異なりますが目安として)調理すると、通常の20〜30分を大幅に短縮しつつ、味もしっかり入ります。時間のない日に有効な方法です。
肉じゃがには「関西風」と「関東風」で使う油が違うという話は有名ですが、実は味付けにも微妙な違いがあります。関西風はサラダ油またはごま油を使い、だしを多めに加えてすっきりした甘みに仕上げます。関東風は牛脂やサラダ油を使い、甘辛の濃いめの味付けが特徴です。
もう一つの大きな違いは、グリーンピースの有無です。関東風の肉じゃがにはグリーンピースを加えることが多く、見た目の彩りと甘みを添える役割を果たします。一方、関西ではほぼ使わないという家庭が多いようです。
アレンジで失敗しやすいパターンをまとめました。
- ❌ 豆腐を加える:水分が出すぎてスープ状になりやすい。加える場合は木綿豆腐を水切りしてから。
- ❌ こんにゃくをしらたきの代わりに使う:こんにゃくは水分が多く、煮汁が薄まる原因になる。板こんにゃくは小さめにちぎって使うのがコツ。
- ❌ 醤油を最初に全量加える:じゃがいもが硬くなりやすい。先に砂糖・みりん・酒を加えてから醤油を後半に入れる「さしすせそ順」が基本。
- ❌ フタをしてずっと煮込む:蒸気がこもって煮汁が増え、味が薄まる。落し蓋はOKだが、鍋のフタは外すか少し開けておく。
「さしすせそ」の順(砂糖→塩→酢→醤油→味噌)は、調味料を加えるタイミングの基本です。砂糖は食材をやわらかくする性質があるため先に入れ、醤油は香りが飛びやすいため後から加えることで風味が活きます。順番だけ覚えておけばOKです。
肉じゃがを初めて作る方は、アレンジを加える前に一度基本レシピをそのまま作ってみることをおすすめします。基本の味を体で覚えると、アレンジしたときの調整が格段にしやすくなります。まずは基本が大切です。
肉じゃがは、作り方のポイントを抑えると失敗なく仕上げられる料理です。牛肉の炒め加減・じゃがいもの品種・冷ます工程という3つを意識するだけで、いつもの味がワンランク上がります。ぜひ次の夕食で試してみてください。
![]()
日東ベスト)SGセットプラス 肉じゃが 155g 日東ベスト 肉じゃが 小鉢・惣菜 和風料理 【介護】【冷凍商品】【業務用食材】[10800円以上で送料無料]