農業大学校 偏差値は不要?学費・入試・進路を徹底解説

「農業大学校に偏差値はあるの?」と気になる主婦の方へ。実は農業大学校に偏差値という概念は存在しません。学費・入試内容・就職先まで、子どもの進路選びに役立つ情報をまとめました。わが子の将来、農業大学校という選択肢はアリでしょうか?

農業大学校の偏差値・入試・学費・進路を徹底解説

偏差値が高い子どもしか農業大学校に入れないと思っていませんか?


農業大学校について知っておくべき3つのポイント
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偏差値は存在しない

農業大学校は専修学校(専門学校)のため、偏差値という概念がありません。入試は書類・面接・作文が中心で、学力より意欲が重視されます。

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学費が驚くほど安い

県立の農業大学校では授業料が年間約12万円と格安。都道府県によっては入学金・授業料が無料のところもあり、私立大学の10分の1以下で通える場合があります。

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卒業後の進路が幅広い

卒業生の約半数がすぐに就農または農業法人へ就職。残りも公務員・農協・一般企業など多様な進路があり、さらに4年制大学への編入も可能です。


農業大学校の偏差値とは?「大学校」と「大学」の違いを整理

「農業大学校」と聞くと、普通の大学と同じように偏差値があるものだと思いがちです。ですが実際には、農業大学校と農業大学(農学部)はまったく別の種類の学校です。


農業大学(たとえば東京農業大学など)は文部科学省が管轄する4年制大学で、偏差値35〜65程度と幅広く、一般的な大学入試が行われます。一方、農業大学校は各都道府県が設置・運営する専修学校(専門学校)であり、文部科学省ではなく農林水産省と連携した機関です。つまり学校の種別がまったく異なります。


農業大学校は全国42道府県に設置されており、就農を目指す人や農業技術・経営を学びたい人が対象です。修業年限は基本2年間で、卒業すると「専門士」の称号が得られます。これは短期大学卒業者と同等以上の学力があると認定されるもので、4年制大学への3年次編入の資格にもつながります。


つまり、偏差値という概念は農業大学校には存在しません。これは条件がないのではなく、選考方法がそもそも違うということです。よく混同されますが、この違いを知っておくだけで進路選びの視点がグッと広がります。


比較項目 農業大学(農学部) 農業大学校
管轄 文部科学省 農林水産省・各都道府県
修業年限 4年 2年(研究課程も2年)
偏差値 あり(35〜65程度) なし
卒業資格 学士(大卒) 専門士(専門学校卒相当)
入試方法 一般・推薦・共通テスト 書類・面接・作文が中心
年間学費目安 国公立70〜100万円、私立150〜200万円 約12〜30万円(校によって異なる)


参考:農業大学と農業大学校の違いについて詳しく解説されています。


農業大学・大学の農学部と農業大学校の違いは?(minorasu)


農業大学校の入試内容と倍率|偏差値がなくても試験対策は必要?

農業大学校に偏差値はないとわかりましたが、入試がまったくないわけではありません。書類・面接・作文が基本です。


入試のスケジュールは多くの学校で「推薦型選考(10〜11月)」「一般選考・前期(11〜12月)」「一般選考・後期(1〜2月)」の3回に分けられています。推薦型選考では作文と面接のみというケースが多く、一般選考では国語・数学・作文などの筆記試験+面接という形式が一般的です。埼玉県農業大学校の一般入試では小論文(800字・50分)と面接(20分程度)が課されています。


気になる倍率はどのくらいでしょうか? 長野県農業大学校のデータによると、総合農学科(農業経営)の募集定員40名に対し、受験者数47名・合格者数38名で倍率は約1.23倍です。一般的な大学入試や就職活動と比べるとかなり低い水準と言えます。


ただし、学校によっては「日本農業検定3級程度の農業の基礎的知識」を筆記試験に含めるところもあります(兵庫県立農業大学校)。農業に関心があることを示す準備は欠かせません。倍率が低いとはいえ、面接では就農への意欲や農業に関わってきた経験を具体的に伝えることが合否を左右します。


  • 🗓️ 推薦型選考:作文+面接のみが多い。出願は10月中旬〜11月末頃。
  • 📝 一般選考(前期・後期):国語・数学・作文などの筆記+面接。12月〜2月頃実施。
  • 📊 倍率:多くの学校で1〜1.5倍程度と低め。
  • 🌾 農業知識の確認:一部の学校では農業の基礎知識を問う試験あり。


過去問を公開している学校も多いので、事前に確認しておくのが安心です。


農業大学校の学費と支援制度|私立大学と比べると約10分の1以下の場合も

農業大学校の最大のメリットのひとつが学費の安さです。多くの都道府県立農業大学校では、受験料2,200円・入学料5,650円・授業料(年額)118,800円という設定になっています。


年間授業料12万円は、私立大学の年間授業料100万円前後と比べると、実に8分の1以下です。4年制私立大学に4年間通った場合の授業料総額が約400万円とすると、農業大学校の2年間の授業料は約24万円。差額は300万円以上になります。


さらに驚くべき点として、福岡県農業大学校・長崎県立農業大学校など、入学金と授業料が完全無料の学校も複数存在します。福岡県農業大学校では、2年間トータルで入寮生が約93〜130万円、通学生が約64〜99万円(教材費・資格取得費・食費等込み)という試算が示されています。


学費が安いだけでなく、支援制度も活用できます。


  • 💰 高等教育就学支援新制度:国が実施する就学支援制度。公立農業大学校が対象で、世帯収入と学ぶ意欲の条件を満たせば、授業料・入学金の免除が受けられる場合があります。
  • 🌱 農業次世代人材投資事業(準備型):49歳以下で就農に向けた研修に取り組む人を対象に、年間最大150万円(最長2年間)が交付される国の支援制度です。
  • 🏦 国の教育ローン(日本政策金融公庫):農業大学校の在学中にかかる費用を低金利で借りられる制度です。
  • 🎓 特待生制度:岐阜県農業大学校など、県内での就農を志す学生の授業料を免除する特待生制度を設けている学校もあります。


「子どもを大学に行かせたいけれど、学費が心配」というご家庭ほど、農業大学校という選択肢は金銭的に非常に合理的です。


参考:千葉県立農業大学校の詳しい費用構成はこちらで確認できます。


千葉県立農業大学校 学校紹介Q&A(千葉県公式)


農業大学校卒業後の進路|就農・農業法人・大学編入まで選択肢が豊富

卒業後はどんな道があるのでしょうか? 農業大学校の進路は実に多彩です。


農林水産省が公表したデータによると、農業大学校を卒業してすぐに農業に従事した人は卒業生のおよそ半数に達します。農業法人への就職、家業の農業継承、新規就農など形はさまざまで、就農・就職の進路決定率は学校によっては10年連続で100%という実績を持つところもあります(東京農林大学校)。


残り半数の進路も幅広く、農協(JA)・公務員・農業関連産業・一般企業への就職、さらに4年制大学への3年次編入が挙げられます。農業大学校を卒業して「専門士」の称号を得た場合、大学への編入学資格が付与されます。東京農業大学をはじめ複数の4年制大学が農業大学校出身者の編入を受け入れています。


農業とは関係のない就職先に進む卒業生も珍しくなく、在学中に取得できる以下の資格・免許が一般企業でも評価されることがあります。


  • 🚜 大型特殊免許(農耕車限定)
  • 🏋️ フォークリフト運転技能講習修了証
  • ⚗️ 危険物取扱者(乙種第4類)
  • 🌿 毒物劇物取扱者(農業用品目)
  • 🐄 家畜人工授精師
  • 🌸 フラワー装飾技能士(2・3級)
  • 📊 日本農業技術検定(1〜3級)


これらの資格は在学中に取得できることが多く、卒業時点ですでに実務的なスキルを持つ人材として評価されます。就農だけが唯一の道ではないということですね。


参考:農業大学校卒業後の進路と就農状況について参考になります。


農業大学校卒業後の進路(農林水産省データ含む、minorasu)


農業大学校は社会人・主婦でも入れる?実は年齢制限がない学校がほとんど

「農業大学校は高校を出たばかりの若い人が行くところ」と思いがちです。これは半分正解で、半分は違います。


農業大学校の対象者の条件は、基本的に「高校卒業程度の学力を有する者」です。年齢の上限は特に定められていないケースがほとんどで、実際に30代・40代の社会人が養成課程に在籍している例も珍しくありません。農業に転身したい会社員や、子育て一段落後に就農を目指す主婦の方が通うこともよくある話です。


ただし、2年間の養成課程は基本的に平日の昼間通学で、多くの学校で1年次は全寮制が採用されています。仕事を持ちながらの通学は難しいという現実もあります。そういった方向けには、以下のような選択肢があります。


  • 🏫 短期研修課程:1日〜数週間単位の農業体験・技術習得コース。多くの農業大学校が社会人・就農希望者を対象に開講。
  • 📅 アグリイノベーション大学校:社会人向けの農業スクールで、千葉・埼玉・神奈川・京都・大阪に農場あり。年間96〜132時間程度の受講で仕事との両立が可能。
  • 🌐 オンラインコース:通学が難しい方を対象にしたオンライン学習コースを設けている民間農業スクールも増えています。


農業を学びたいという気持ちは年齢に関係ありません。まずは自分のライフスタイルに合ったコースを検討することが大切です。農林水産省の「農業大学校等のご案内」ページには全国42道府県の農業大学校一覧と各校ホームページへのリンクがまとめられているので、まずここから自分の住む都道府県の学校を調べてみるのがおすすめです。


参考:全国の農業大学校の一覧と各校へのリンクが確認できます。


農林水産省「農業大学校等のご案内」(農林水産省公式)