農薬の種類一覧を主婦が知っておくべき理由と安全な選び方

農薬の種類一覧を知らないと、日常の食卓に潜むリスクを見逃すことに。殺虫剤・殺菌剤・除草剤など7分類の特徴や残留農薬の正しい知識を解説。あなたの家族の食の安全を守るために知っておくべきことは?

農薬の種類一覧と主婦が知っておくべき基礎知識

「有機野菜」を買えば農薬ゼロと思っているなら、実は39種類の農薬が合法的に使われています。


この記事でわかること
🌿
農薬は7種類に分類される

殺虫剤・殺菌剤・除草剤・植物成長調整剤など、農林水産省が定める7分類を一覧で整理。身近な野菜に何が使われているかがわかります。

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残留農薬と洗い方の正しい知識

水洗いで3〜4割しか落ちない農薬もあります。浸透移行性農薬の特徴と、家庭でできる対策を解説します。

🏷️
「有機」「無農薬」表示の意味

有機JASでも一定の農薬使用が認められています。ラベルの正しい読み方と、食の安全を守るための選び方のポイントを紹介します。


農薬の種類一覧:農林水産省が定める7つの用途別分類


農薬と聞くと、害虫を駆除する薬品というイメージが先行しがちです。しかし農薬取締法では、農作物の保護から成長コントロールまで、幅広い薬剤が「農薬」として定義されています。農林水産省では用途別に主に7種類に分類しており、この一覧を頭に入れておくだけで、食卓の野菜や果物を選ぶ際の視点がぐっと変わります。


つまり農薬とは「害虫を殺すもの」だけではない、ということですね。


まず7分類を整理しましょう。①殺虫剤(害虫・ダニ・線虫を防除)、②殺菌剤(カビや細菌から作物を守る)、③殺虫殺菌剤(殺虫成分と殺菌成分を合わせた混合剤)、④除草剤(雑草を防除)、⑤植物成長調整剤(生育を促進または抑制)、⑥殺そ剤(ネズミ類の駆除)、⑦その他(誘引剤・忌避剤・展着剤など)の7つが基本です。












種類 主な用途 代表的な成分・製品例
殺虫剤 害虫・ダニ・線虫の防除 スミチオン、ダントツ(ネオニコチノイド系)
殺菌剤 カビ・細菌から作物を保護 ボルドー液、ベンレート(ベンゾイミダゾール系)
殺虫殺菌剤 害虫と病原菌を同時防除 殺虫成分+殺菌成分の混合製剤
除草剤 雑草を枯らす ラウンドアップ(グリホサート)、バスタ
植物成長調整剤 生育促進・抑制・無種子化 ジベレリン(種なしブドウに使用)
殺そ剤 農作物を加害するネズミ類の駆除 クマリン系殺そ剤など
その他 誘引・忌避・展着など フェロモン剤、展着剤など


さらに農薬は「有効成分の種類」という視点でも分類できます。化学的に合成された化学農薬と、生き物を利用した生物農薬の2種類が大きな区分けです。生物農薬とは、寄生バチやテントウムシなどの天敵昆虫、バチルス菌などの微生物資材を指し、環境への負荷が少ないとして近年注目されています。また、剤の形(剤形)による分類もあり、粒剤・乳剤・水和剤・フロアブル剤などが代表的です。これらの特徴は後述します。


農薬の種類を知ることが第一歩です。


参考情報:農薬の用途別分類については以下の公的機関の資料をご参照ください。


クロップライフジャパン「農薬にはどのような種類があるのでしょうか」(農薬の7種類分類・有効成分による分類を詳しく解説)


農薬の種類別・特徴と主婦が気にすべきポイント

農薬の種類ごとに、その特徴と食卓への関わりを確認しておきましょう。これが原則です。


殺虫剤は農薬の中でも種類が最も多く、成分の系統によって作用が大きく異なります。近年多く使われているのが「ネオニコチノイド系」で、植物の体の中に浸透して害虫の神経に作用する特徴があります。ミツバチへの影響が懸念されているため、欧州連合(EU)では屋外使用が禁止されている成分も含まれています。一方、昔から使われてきた「有機リン系」は速効性が高いものの、哺乳類にも毒性が強い成分が多く、現在では使用できる種類が絞られています。


意外ですね。身近な野菜の中に、EU規制成分が含まれているケースもあるわけです。


殺菌剤は病原菌(カビや細菌)から作物を守るために使用されます。「ストロビルリン系」は広範囲の病害に有効で現代農業に欠かせない存在ですが、同一系統を連続使用すると耐性菌が生まれやすいため、農家はローテーション防除を求められています。除草剤については、「グリホサート」(商品名:ラウンドアップなど)が最もよく知られた成分です。世界保健機関(WHO)の関連機関が「おそらく発がん性がある」と分類したことで話題になりましたが、日本では現在も広く使用が認められています。


植物成長調整剤は多くの主婦にとって盲点になりやすい分類です。種なしブドウ(デラウェアなど)の無種子化に使われる「ジベレリン」はその代表例。農薬と聞いてこれを思い浮かべる人はほとんどいませんが、れっきとした農薬の一種です。同様に、展着剤(農薬が植物の表面によく付着するよう助ける薬剤)も「農薬」に含まれます。これだけ広い定義があることは知っておくと得します。


種なしブドウを作る薬剤も農薬の一種、ということですね。


農薬の種類と剤形(粒剤・乳剤・水和剤など)の違い

農薬は「何のために使うか(用途)」だけでなく、「どんな形をしているか(剤形)」によっても分類されます。この違いを知ることで、家庭菜園や購入する野菜への農薬の付き方を理解しやすくなります。剤形の違いが原則です。


国内で使用される主な剤形は以下の5種類が代表的です。



  • 🌾 粒剤:土に混ぜて使うタイプ。根から吸収させる浸透移行性農薬に多く、表面を洗っても落としにくい。

  • 💧 乳剤:有機溶媒に溶かした液体を水で希釈して使用。葉面への浸透性が高い。薬害が出やすい反面、即効性がある。

  • 🌫️ 水和剤・フロアブル剤:水に懸濁させて使用。粉立ちが少なく、現在の農薬製剤の主流タイプ。

  • 🧪 水溶剤:水に完全に溶ける粉末状の製剤。効果が均一で安定しやすい。

  • 🌿 粉剤:そのまま散布するタイプ。散布時に粉が舞うため取り扱いに注意が必要で、近年は減少傾向。


特に主婦目線で注目すべきなのが「粒剤」タイプの農薬です。粒剤は土に散布し、植物が根から吸い上げる「浸透移行性」の仕組みを利用します。この場合、農薬の成分が植物の茎や葉、実の内側まで行き渡るため、表面をいくら洗っても成分を落とすことができません。これが農薬の怖いところです。


ネオニコチノイド系殺虫剤の多くは浸透移行性を持っており、粒剤や水溶性の剤形で使用されることが多いのが現状です。残留基準内の使用であれば安全とされていますが、「洗えば大丈夫」とは言い切れないケースがあることは知っておくべき情報です。


東京都保健医療局「野菜や果物についた農薬は洗浄で落とせるか」(農薬の洗浄効果と浸透性の違いについての公的解説)


農薬の種類と残留農薬:いちごなど人気食材で知っておきたいこと

野菜や果物を買うとき、残留農薬のことを気にしたことはないでしょうか。残留農薬とは収穫時に農産物に残っている農薬のことで、日本では農薬ごと・食品ごとに「残留基準値(MRL)」が厳格に設けられています。基準値以内の残留農薬であれば「毎日一生食べ続けても健康への悪影響がない量」として設定されています。これは安心できる仕組みです。


一方、知っておきたい重要な点が2つあります。まず、水洗いで落とせる農薬は3〜4割程度というデータがあること。研究報告では、調理前の水洗いで残留農薬の約30〜40%が減少するとされていますが、浸透移行性の農薬(ネオニコチノイド系など)は植物内部に入り込んでいるため、洗っても落とすことができません。


次に、残留農薬が多い食品と少ない食品の違いを把握しておくことです。日本でも特に注意が呼びかけられているのがいちご🍓です。いちごは病害虫に弱く農薬を多く使用する必要があり、かつ皮を剥かずにそのまま食べるため、残留農薬の影響を受けやすい食品とされています。










残留農薬が多い傾向の野菜・果物 残留農薬が少ない傾向の野菜・果物
🍓 いちご 🥑 アボカド
🥬 ほうれん草 🌽 とうもろこし
🫑 ピーマン 🧅 玉ねぎ
🥬 キャベツ・レタス 🍍 パイナップル
🍅 トマト・きゅうり 🥝 キウイ


残留農薬を減らすための対策として、いちごの場合は流水で1分程度、ヘタを取らずに洗うのが基本です。重曹(炭酸水素ナトリウム)を水に溶かして浸ける方法も効果的とされており、重曹は「特定農薬(特定防除資材)」にも指定されている安全な成分です。食の安全を守るために有効な選択肢のひとつです。


また、心配な場合は農林水産省の「農薬アプリ」で作物ごとの農薬情報が確認できます。


農林水産省「農薬アプリ(農業者支援ソフト)」(作物・病害虫から使用可能な農薬情報を検索できる公式ツール)


「有機野菜=農薬ゼロ」は誤り?農薬の種類と有機JASの正しい理解

多くの主婦が「有機野菜なら農薬が使われていない」と思っています。厳しいところですね。実はこれは正確ではありません。


有機JAS規格では化学合成農薬の使用は禁止されていますが、「天然由来の農薬」であれば使用が認められています。現在、有機農産物の日本農林規格で使用が認められている農薬は39種類あり、硫黄剤(殺菌剤)・ボルドー液・除虫菊乳剤・BT剤(生物農薬)などが代表的です。


つまり「有機=完全無農薬」ではなく、「使用できる農薬の種類が限られている」という意味なのです。


さらに注目すべきなのが「特定農薬(特定防除資材)」という仕組みです。農薬取締法では、原材料に照らして人や環境に害を及ぼす恐れがないと明らかなものは、農薬登録なしに使用できる「特定農薬」として指定されています。現在指定されているのは天敵・エチレン・次亜塩素酸水・重曹・食酢の5種類です。



  • 🧂 重曹(炭酸水素ナトリウム):うどんこ病などの殺菌効果。キッチンの重曹と同じ成分です。

  • 🍶 食酢:殺菌・忌避効果。食用の酢と同じ成分なので安心して使用できます。

  • 🐞 天敵:害虫を食べる昆虫(テントウムシ・寄生バチなど)を利用した防除。

  • 🍃 エチレン:植物ホルモンの一種で、成熟を促進させるために使用。

  • 💧 次亜塩素酸水:殺菌目的。食品の殺菌にも使われる成分です。


特定農薬は「農薬の一種」でありながら食酢や重曹と同じ原材料のため、安全性が高く、家庭菜園でも安心して取り入れられます。有機農家でもこれらを使っていれば「無農薬」を標榜することができます。


「有機野菜」のラベルを見る際には、完全無農薬とは異なる概念だということだけ覚えておけばOKです。


クロップライフジャパン「有機栽培でも農薬を使うことができますか」(有機JAS規格での農薬使用条件を公的に解説)


カクイチ「特定農薬とは何か。有機農業でも使える農薬の基礎知識」(特定農薬5種類の詳細と使い方を解説)


農薬の種類一覧をもとに家族の食卓を守る独自の3つの視点

ここまでの知識を踏まえて、日常の買い物や家庭菜園で実践的に使える視点を3つ提案します。これが本当に使えそうです。


視点①:「洗えば大丈夫」という思い込みを手放す


農薬の剤形と種類を知ることで、「水洗いで安全になる農薬」と「洗っても内部に残る農薬」の違いが理解できます。特に浸透移行性を持つネオニコチノイド系農薬は、粒剤・水溶性剤形で使われることが多く、果肉の内側まで浸透しています。いちご・ほうれん草・ピーマンなど農薬使用量の多い食材は、購入先や栽培方法の確認を意識するのが賢い選択です。


水洗いが万能ではない、ということですね。


視点②:「有機・無農薬・特別栽培」3つの表示の意味を使い分ける


食品のラベル表示には3種類があり、混同しがちです。「有機(有機JAS)」は国が認定した基準で、天然由来の農薬39種類は使用可。「無農薬」という表示は現在法律上は使えず、「特別栽培農産物」は農薬・化学肥料を通常の50%以下に減らした場合の表示です。正確な情報として覚えておきましょう。


「無農薬」表示は法律上できないということですね。


視点③:家庭菜園での農薬選びは「農耕地用」かどうかを必ず確認する


家庭菜園で除草剤などを使う場合、「農耕地用」と「非農耕地用」を必ず区別する必要があります。非農耕地用(駐車場・道路用など)の除草剤を食用作物のそばで使用することは禁止されており、農薬取締法違反になります。除草剤を選ぶ際には、製品ラベルの「適用場所・使用上の注意」を必ず確認してから購入・使用しましょう。


除草剤の種類と使用場所の確認が条件です。


農薬の正しい知識を持つことは、自分と家族の健康を守ることに直結します。「危険だから避ける」でも「安全だから気にしない」でもなく、種類と特徴を理解した上で判断することが一番の賢さです。


消費者庁「農薬について」(農薬に関する正しい理解と食の安全を守るための基礎情報を掲載)




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