粒ごまをそのまま使い続けると、栄養をほぼ丸ごと捨てているのと同じです。
「すり鉢がないとすりごまは作れない」と思っていませんか?実は、ビニール袋と麺棒さえあれば、すり鉢とまったく変わらないクオリティのすりごまが5分もあれば完成します。
用意するものは以下のとおりです。
- フリーザーバッグ(ジップロックなど厚手のもの):薄いポリ袋は破れやすいので、冷凍用の丈夫なタイプを選びましょう
- 麺棒またはすりこぎ:麺棒がなければ空のガラス瓶でも代用できます
- いりごま(使いたい分だけ):生ごまではなく「いりごま」を使うのが基本です
手順はとてもシンプルです。まずフリーザーバッグにいりごまを入れ、袋の中で薄く広げます。ごまを厚く積み重ねると潰しにくくなるので、なるべく平らに広げるのがポイントです。
次に、袋の上から麺棒をゆっくり転がします。ゴロゴロと一定方向に転がしながら少しずつ力をかけていくと、粒がつぶれてすりごま状になっていきます。一気に力を入れると袋が破れることがあるので、やさしく丁寧に転がすのがコツです。
これが基本です。
大さじ1〜2杯程度の少量なら、30〜60秒ほどで十分に仕上がります。お好みの粗さになったら完成。粗めのすりごまが好きな方は早めに止め、細かいすりごまが好きな方はもう少し転がし続けましょう。ごま和えのような料理には粗め、ドレッシングや汁物には細かめが合います。
袋のまま保存できるのも大きなメリットです。
【カタギ食品公式】めん棒で簡単!すりごまの作り方(ごまメーカーによる実践解説)
「ごま和えを作りたいけど、大さじ1杯だけでいい」というとき、袋と麺棒を出すのも面倒に感じることがありますよね。そんなときに役立つのが、ラップとスプーンだけで作る方法です。洗い物ゼロで完結するので、調理中の時短にもつながります。
まず、ラップをテーブルや皿の上に広げ、その上にいりごまを小さじ1〜2杯程度のせます。ラップの四隅を折りたたんでごまが外に飛び出さないように包んだら、スプーンの背を使って上からゴマをつぶしていきます。
つぶし方のコツは「押しつぶす」よりも「転がしながら押さえる」イメージです。指の腹で転がすように力をかけると、均一に仕上がります。スプーンがなければ、爪の平らな部分を使ってもOKです。
これは使えそうです。
ラップで包む方法は、小さな茶碗の中で作業すると安定しやすいです。茶碗の底にラップを敷き、ごまをのせてからもう1枚のラップで上を覆うと、こぼれる心配もありません。スプーンの背で茶碗の底面に押し付けるようにするだけで、すりごまが完成します。
この方法の最大のメリットは洗い物が出ないこと。ごまは油分が多く、すり鉢の溝に残ると洗いにくいのですが、ラップを捨てるだけで片付けが終わります。
後片付けがゼロなら続けやすいですね。
【grape】ラップとスプーンだけでできるすりごまの作り方(実際の写真付きで手順を確認できます)
「すり鉢なしの方法を毎回やるのは手間」と感じてきたら、ごますり器の導入を検討してみましょう。ごますり器はダイソーやセリアなどの100円ショップでも取り扱いがあり、1個110円(税込)から手に入ります。
ごますり器はいりごまを本体に入れてフタをし、テーブルの上でゴロゴロと転がすだけですりごまが出てくる仕組みです。力もほとんど必要なく、毎食の仕上げに少量ずつすりたてのごまを使いたい場合にとても便利です。
つまり、道具に1回投資するだけで毎回の手間がなくなります。
注意点として、ごますり器には「ごまを保管しながら使う」タイプと「使う分だけ入れて使い切る」タイプがあります。保管タイプは密閉性が低いものも多く、酸化が進んで風味が落ちる場合があります。すりたての香りを最大限に楽しみたいなら、使う直前に必要量だけ入れるのがベストです。
一方、フードプロセッサーやミルサーを持っている場合は、まとめてすりごまを作ることもできます。ただし、フードプロセッサーは「素材を切る」道具なので、すり鉢のように「すりつぶす」ことは苦手です。仕上がりが細かくなりすぎたり、均一に仕上がらなかったりすることがあります。
少量をすりたてで使うなら、ごますり器か袋+麺棒が基本です。
| 方法 | 向いている量 | 特徴 |
|---|---|---|
| ビニール袋+麺棒 | 大さじ1〜5杯 | 道具不要・後片付けも簡単 |
| ラップ+スプーン | 小さじ1〜大さじ1 | 洗い物ゼロ・超少量向き |
| ごますり器(100均) | 毎食少量ずつ | 食卓でその場ですりたてに |
| フードプロセッサー | 大量(50g〜) | まとめて作れる・粗さ調整が難しい |
「いりごまを料理に振りかければ同じでしょ?」と思っている方は要注意です。粒ごまのまま食べても、含まれる栄養のほとんどが消化されずに体外へ排出されてしまうことがわかっています。
ごまには外皮(種皮)があり、この皮は人間の消化酵素では分解されにくい成分でできています。粒ごまを噛んでも、その小ささゆえに十分に砕けないまま飲み込んでしまうことが多く、胃や腸の中でも消化液との接触面積が非常に少ない状態です。
栄養を摂れていないとは、もったいないですね。
一方、すりごまにすると、ごまの皮が物理的に砕かれ、中にある栄養素が消化液に触れやすくなります。吸収率の高さの順番は「ねりごま>すりごま>いりごま」です。ごまに含まれる代表的な成分であるセサミン(抗酸化作用)、カルシウム、鉄分、ビタミンB1・B2なども、すりごまにするだけで効率よく摂取できます。
特に、ごまは脂質が約50%、たんぱく質が約20%を占める栄養密度の高い食品です。毎日の料理にいりごまをそのままかけ続けるだけでは、この豊富な栄養を十分に活かせていない可能性があります。
すりごまにするだけで、毎日の食事の栄養価が変わります。
ごまの健康効果を本当に得たいなら、粒ごまではなくすりごまの状態で食べるのが原則です。すり鉢がなくてもビニール袋1枚で代用できると知っておくだけで、日々の習慣が変わります。
【真誠(ごま専門メーカー)】ごまは消化に悪い?栄養の吸収率を高める方法(すりごまとねりごまの違いをプロが解説)
【九鬼産業株式会社】ごまの栄養成分と効果的な食べ方(セサミン・カルシウム・鉄分など栄養素の詳細を確認できます)
すり鉢なしでも手軽にすりごまが作れるとわかったところで、一つ注意点があります。それは「すりごまは酸化しやすい」という点です。市販のすりごまは未開封なら約12か月保存できますが、開封後は2〜3週間が目安です。
手作りのすりごまはさらに酸化のスピードが早い傾向があります。市販品には密封包装や品質管理が施されていますが、手作りは空気に触れる時間が長くなりやすいからです。すりごまにすると表面積が大きくなり、空気中の酸素と触れる部分が増えるため、いりごまよりも格段に酸化が早まります。
酸化が進むと風味が落ちるだけでなく、体にとっても良い状態ではありません。
だからこそ「使う直前に必要な量だけすりごまにする」のがもっとも理にかなったやり方です。すり鉢なしの方法は少量を素早く作れるので、毎回使う分だけ作る習慣に自然とつながります。これが手作りの大きな利点の一つです。
どうしてもまとめて作り置きしたい場合は、密閉できる小瓶やジッパー付き袋に入れ、空気をしっかり抜いてから冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵保存なら約1〜2週間は風味が維持されます。
保存のコツをまとめると以下のとおりです。
| 保存方法 | 保存期間の目安 | ポイント |
|----------|--------------|----------|
| 常温(密閉容器) | 約1週間 | 光・空気・湿気を避ける |
| 冷蔵(密閉容器) | 約2〜3週間 | 取り出し後は早めに使う |
| 冷凍(密閉袋) | 約1〜2か月 | 少量ずつ小分けにするのが便利 |
冷蔵庫から取り出したときに結露で湿気を吸いやすいので、使ったらすぐ閉めて戻すのが大切です。
保存より「使う前にすりたて」が一番です。
すりたてのごまは、市販品と比べても明らかに香りが強く、ごま和えや担々麺に使ったときの風味の豊かさが違います。CiNiiに登録された研究でも、製造後時間が経つほどごま特有の香ばしさが失われることが報告されており、すりたてで使うことの価値は科学的にも裏付けられています。
すりたてのごまを食卓で使うだけで、料理のレベルが一段上がります。
【真誠(ごま専門メーカー)】ごまを最後までおいしく食べるための保存方法(賞味期限・使い切りのコツを解説)