むぎの里のうどんは、讃岐うどんとは別物です。
「うどん=讃岐うどん」と思っている方にとって、むぎの里の一口目は軽いカルチャーショックかもしれません。讃岐うどんが「足で踏んで打つ・包丁でカットする」手打ち製法なのに対し、むぎの里が提供するのは「手延べ」製法のうどんです。この2つは見た目こそ似ていますが、製法も食感もまったくの別物です。
手延べうどんの作り方はこうです。厳選した小麦粉に、その日の気温に合わせて塩分濃度を変えた食塩水を加え、十分に練り・熟成・縒(よ)りをかけながら、縄のように一本にひと続きで引き伸ばしていきます。包丁を一切使いません。こうして生まれた麺は、表面がなめらかで光沢があり、讃岐うどんとは異なる「もち米のようなコシ」と「するすると滑らかなつるつる感」を持ちます。
つるつる感、という表現がポイントです。讃岐うどんのコシが「歯でしっかり噛み応えを感じる弾力」であるとすれば、手延べうどんのそれは「やわらかいのに存在感がある、もちもちした弾力」に近い感覚です。食べた後に「なんかいつものうどんと違う」と感じるのはこのためで、一度体験すると忘れられないファンが続出しています。
むぎの里は北海道・東北・信越地区に展開する手延べうどん専門チェーンで、地元に根差した人気店として長く愛されています。
参考:むぎの里公式サイト(手延べうどんについての詳しい解説)
手延べうどんについて|手延べうどん むぎの里 信越地区
コンビニやスーパーで売っている袋入りうどんなら、茹で時間は1〜2分程度です。むぎの里では、その15倍以上の時間をかけてうどんを茹でています。これは意外ですね。
具体的には、沸騰した大釜で20分かけて差し水をしながら丁寧に茹で、その後さらに5〜6分間蒸らします。蒸らし工程がふっくらと均一に火を通すカギで、この時間を省略すると中心まで熱が通らず仕上がりが変わってしまうのです。最後に手早く冷水で洗ってしめることで、独特のコシとつるつる感が生まれます。トータルで約30分。これがむぎの里の食感の正体です。
30分というと、コンビニ弁当を温めている間に30本分のうどんが茹でられる計算になります。それほどの手間と時間をかけているわけです。
このこだわりは、「毎日最高の状態でお客様に提供する」という姿勢から来ています。つまり仕込みの量は最低限で、その日売り切る分だけを毎朝丁寧に仕上げているということです。鮮度と品質が原則です。
「なぜあそこのうどんはこんなにおいしいのか」という答えが、この30分茹でにあります。外食チェーンで手間を惜しまないこうした取り組みは、なかなかお目にかかれません。
むぎの里のメニューは非常に豊富で、うどん初心者は何を頼めばいいか迷いがちです。テイクアウト人気ランキングや口コミを総合すると、おすすめの順は以下のようになります。
| 順位 | メニュー名 | 価格(税込・目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 🥇 1位 | 酸辣スープうどん | 1,260円〜 | テイクアウト&店内ともに人気No.1。深みのある酸味と辛さが手延べ麺に絡む一品。ピリ辛。 |
| 🥈 2位 | 長崎ちゃんぽんうどん | 1,200円〜 | コラーゲン入り白湯スープが特徴。野菜たっぷりで栄養バランスが気になる方にも好評。 |
| 🥉 3位 | 肉うどん | 1,160円〜 | 豚肉の旨みがしっかり出たシンプルな一杯。手延べ麺との相性が抜群。 |
| 4位 | 大判きつねうどん | 820円〜 | 大きくジューシーなお揚げが乗ったシンプルなきつねうどん。コスパ最高。 |
| 5位 | 釜バターうどん | 920円〜 | あつあつのうどんにバターが絡む洋風な一品。子どもにも人気。 |
「注文の裏ワザ」として知っておきたいのが、「ミニ丼付きセット」の活用です。天丼・ねぎとろ丼・ソースかつ丼・ミニとろろ丼の中からひとつを選び、うどんとセットにできます。追加料金は380円〜程度(店舗・メニューにより異なる)と非常にリーズナブルで、うどんだけでは物足りない方に最適です。これは使えそうです。
また、ランチタイムに訪問すると、店舗によっては16時頃までランチセット価格でオーダーできる場合があります。子どもの送り迎えや買い物の帰りに立ち寄れる時間帯なので、忙しい平日のランチタイムをお得に楽しめます。
参考:むぎの里グランドメニュー(全メニューの価格と内容が確認できます)
グランドメニュー|手延べうどん むぎの里 信越地区
「うどん屋さんって子連れで行っても大丈夫?」という心配は不要です。むぎの里には、小さな子どもを連れた家族でも安心して使えるようにさまざまな工夫があります。
まず、おこさまメニューが充実しています。うどんだけでなくセットのご飯ものやデザートも揃っており、子どもが食べやすい内容になっています。また、小さな子どもが服を汚しやすいうどんのお店では珍しい「紙エプロン」をスタッフに申し出るだけでもらえます。これは親にとってかなり助かるサービスです。
さらに、座敷席がある店舗が多いため、小さな子どもが動き回っても比較的安心です。ベビーカーでの入店に対応している店舗もあります(店舗により異なるため、事前確認がおすすめです)。
お子さまドリンクバーは小学生以下110円というリーズナブルな設定も魅力的です。大人向けのドリンクバーが330円(食事とセットの場合)なので、家族で使えばかなりの節約になります。
子ども連れでもゆったり食べられる雰囲気と価格帯が揃っているのが原則です。家族4人で食事をしても、うどん+ミニ丼セット+ドリンクバーを利用したとしても、1人あたりの予算はおよそ1,500〜2,000円以内に収まるケースがほとんどです。外食費を節約したいランチに、コスパ的に申し分のない選択肢です。
うどんのおいしさを語るとき、麺だけに注目しがちですが、つゆも同じくらい大切です。むぎの里のつゆは、市販のめんつゆを薄めたものではありません。実は店内で一から手作りされています。
辛つゆ(つけつゆ)は、北海道利尻産の昆布とかつおなど数種類の削り節を使い、アクを丁寧に取り除きながら3日間煮詰め、さらに一日寝かせて仕上げます。つまり、食卓に出てくるつゆは最低4日前から仕込みが始まっているわけです。手間がかかっていますね。
一方で、甘つゆ(かけつゆ)は削り節の風味を最大限に生かすため、一日に何度も作り直すほどの「作りたて主義」を採用しています。朝に作ったつゆを夕方まで使い回すことはしない、という徹底ぶりです。
この「辛つゆは3日仕込み、甘つゆは一日複数回作りたて」という二本立てのつゆへのこだわりが、むぎの里の食後の満足感につながっています。食べ終わった後に「なんかスープまで全部飲んでしまった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。つゆが原因です。
北海道利尻産の昆布は、アミノ酸(グルタミン酸)が特に豊富で、昆布だしの中でも最上級とされる素材です。こうした素材へのこだわりも、チェーン店でありながら「手作り感」がある理由のひとつと言えます。
参考:手延べうどん むぎの里公式(つゆ作りへのこだわりが記載)
むぎの里のこだわり|手延べうどん むぎの里 北海道・東北地区
外食が難しい日や、おうちでむぎの里の味を楽しみたいときに活用したいのがテイクアウトです。むぎの里では、電話注文にも対応している店舗がほとんどで、事前に電話をしておけば待ち時間なく受け取りができます。
テイクアウトで人気が高いメニューは、酸辣スープうどん(1位)、長崎ちゃんぽんうどん(2位)、肉うどん(3位)の順です。スープ系のうどんはテイクアウトでも味が落ちにくく、家でも店内に近い味わいを楽しめるのが理由として挙げられています。
また、むぎの里では季節ごとに期間限定メニューが登場するのも見逃せないポイントです。冬には「スンドゥブ鍋うどん」「信州蓼科牛の芋煮うどん」、夏には冷やしうどん系の新作メニューが登場します。通年メニューだけでも充実していますが、季節メニューが出るたびに訪れたくなるという声が多く、リピーターが定着しやすい仕掛けになっています。
信越地区の場合、むぎの里の公式サイトやInstagramでは最新の季節メニュー情報が随時更新されています。来店前にチェックするだけで、「行ったけど目当てのメニューが終わっていた」という残念な思いを避けられます。訪問前の確認が条件です。
「店の味じゃないのであまり満足できなかった」という声もSNSで見かけます。確かにお土産の手延べうどんを自宅で再現するには、つゆのクオリティが課題になります。つゆにこだわるなら、お気に入りのめんつゆに昆布を浸して一晩おく「だし昆布浸け」を加えるだけで、グンと旨みが増します。試してみる価値はあります。