ブランマンジェとは簡単に言えば白い食べ物フランス菓子

ブランマンジェとは何か簡単に知りたい方へ。フランス語で「白い食べ物」を意味するこのデザート、実は中世では鶏肉入りのスープだったって知っていましたか?

ブランマンジェとは簡単に言うとどんなお菓子か

実は中世のブランマンジェには鶏肉が入っていて、デザートではなかったんです。


この記事でわかること
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ブランマンジェとは何か

フランス語で「白い食べ物」を意味する冷たいデザート。アーモンドの香りと生クリームのコクが特徴で、牛乳をゼラチンで固めたお菓子です。

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パンナコッタ・杏仁豆腐との違い

見た目がそっくりな白いデザートとの違いを、発祥・材料・食感の3点でわかりやすく解説します。

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おうちで失敗しない作り方

「11℃」という重要ポイントを押さえれば、初心者でもふるふるのブランマンジェが作れます。材料の分量と手順を丁寧に紹介します。


ブランマンジェとは何か:フランス語の意味と基本情報

ブランマンジェ(blanc manger)は、フランス語で「白い(blanc)食べ物(manger)」を意味する冷たいデザートです。フランスでは非常にポピュラーなお菓子として知られており、フランスのラングドック地方やモンペリエ周辺で古くから作られてきた歴史を持ちます。「ブラマンジェ」と表記されることもありますが、どちらも同じお菓子です。


現在の日本でよく見かけるブランマンジェは、牛乳と生クリームを砂糖と一緒に温め、ゼラチンで固めた白いプルプルのデザートです。アーモンドの香りを移した芳醇な風味となめらかでとろけるような食感が最大の特徴で、口の中でやさしく広がる上品な甘さが楽しめます。アーモンドの風味とミルクのまろやかさが絶妙に調和した、繊細なデザートとも言えます。


ポイントはアーモンドです。伝統的なレシピでは、アーモンドを砕いて水と合わせた「アーモンドミルク」を使って作ります。現在は砕いたアーモンドを牛乳に加えてしばらく蒸らし、アーモンドの香りを牛乳に移してから濾す方法が一般的です。この一手間が、ただのミルクプリンとは一線を画すブランマンジェらしい品のある香りを生み出します。


ブランマンジェの発祥と驚くべき歴史:もとは鶏肉料理だった

「白くてかわいいフランスのデザート」というイメージが強いブランマンジェですが、その起源は意外にも中東にあります。アーモンドと砂糖を使って作られた料理が7〜8世紀ごろにヨーロッパへ伝わったとされており、これが最も有力な説です。


中世ヨーロッパの貴族たちの間でブランマンジェが広まったのですが、当時のレシピを見ると現代人には驚きの内容です。13世紀末にフランスで著された料理書には、鶏のブイヨンで米を煮込み、砂糖やアーモンド、クローブ、シナモン、サフランを加えた料理として記録されています。つまり、当時のブランマンジェは鶏肉入りのスープ料理だったのです。鶏肉が入った食べ物だったということです。


さらに驚くことに、14世紀のレシピでは去勢雄鶏(シャポン)の肉をアーモンドと一緒によく叩いてつぶし、鶏のブイヨンと混ぜて煮詰めたものとして記録されています。ゼラチンの代わりにシカの角からとったゼラチン質を使っていた時代もありました。当時は米や香辛料、砂糖といった食材が非常に高価だったため、ブランマンジェは上流階級だけが口にできる贅沢な料理でした。療養食としても珍重されていたほどです。


19世紀になり、偉大な料理人アントナン・カレームが活躍するころには、ブランマンジェから肉のブイヨンは使われなくなり、アーモンドミルクと砂糖、ゼラチンを使った甘いデザートとして完全に定着します。現在の形に近いレシピが確立されたのは、比較的最近のことなのです。


参考:ブランマンジェの詳しい歴史と変遷
ブラン・マンジェ - Wikipedia(フリー百科事典)


ブランマンジェとパンナコッタ・ババロア・杏仁豆腐の違いを簡単に整理

白くてプルプルした冷たいデザートは世界にいくつもあり、見た目だけではなかなか区別がつきません。ここで一気に整理しておきましょう。


まずブランマンジェとパンナコッタの違いについてです。パンナコッタはイタリア語で「生クリームを煮詰めたもの」という意味のイタリア発祥のデザートで、生クリームと牛乳、砂糖をゼラチンで固めて作ります。材料はブランマンジェと非常によく似ているのですが、最大の違いはアーモンドの香りがあるかどうかです。また、パンナコッタは生クリームの配合が多いため、食感がブランマンジェよりやや固めでしっかりしている傾向があります。


名前 発祥 特徴的な材料 食感
ブランマンジェ フランス アーモンド・牛乳・生クリーム・ゼラチン ふるふる・なめらか
パンナコッタ イタリア 生クリーム・牛乳・砂糖・ゼラチン プリンとした固め
ババロア フランス 卵・牛乳・砂糖・生クリーム・ゼラチン ふわっとムース状
杏仁豆腐 中国 杏仁霜・牛乳・砂糖・寒天 しっかり固め・さっぱり


ババロアはフランス生まれですが、卵(全卵または卵黄)を使うのが大きな違いです。卵が入ることで、完成品の色はブランマンジェの純白とは違い、ほんのりクリーム色になります。また、生クリームを泡立ててから混ぜることが多いため、ふわふわとしたムース状の軽い食感が特徴です。


杏仁豆腐は中国発祥で、アンズの種から作られる杏仁霜(きょうにんそう)を使います。アーモンドと杏仁は香りが似ているため風味は近く感じられますが、ブランマンジェには生クリームが入ってコクがあるのに対し、杏仁豆腐はさっぱりした味わいです。また、固める際に寒天を使うことが多いため、食感がしっかりしています。つまり発祥と材料が違います。


これが基本です。一言でまとめれば「アーモンドの香りがついたフランスの白いデザート」がブランマンジェです。


参考:デリッシュキッチンによるブランマンジェ解説と各デザートとの比較


ブランマンジェの簡単な作り方と失敗しない「11℃」の法則

ブランマンジェは見た目は上品ですが、材料と手順さえ押さえれば自宅で十分に作れます。ここでは基本的な材料と、失敗しないための重要ポイントを紹介します。


【材料(3〜4個分)の目安】


| 材料 | 分量 |
|------|------|
| 牛乳 | 300ml |
| アーモンドスライス | 80g |
| 生クリーム | 100ml |
| 砂糖 | 50g |
| 粉ゼラチン | 5g |
| 水(ゼラチンをふやかす用) | 大さじ2 |


【基本の手順】


- アーモンドスライスを170℃のオーブンで約7分焼き、香ばしく仕上げる
- 牛乳を鍋で沸騰直前まで温め、アーモンドを加えて蓋をして15分ほど蒸らす
- こし器でアーモンドをしっかり濾し、再び砂糖を加えて温める
- 火からおろしてふやかしたゼラチンを溶かし混ぜる
- 氷水に当てながら11℃まで冷やす
- 生クリームを加えてよく混ぜ、器に注いで冷蔵庫で3時間以上冷やす


さて、ここで一番重要な話です。ブランマンジェ作りで最も多い失敗は「生クリームと牛乳液が分離してしまう」ことです。加えた生クリームがまだらに浮いてしまったり、二層になってしまうのです。これを防ぐ鍵が「11℃」という温度です。


ゼラチンは20℃を下回ると固まりはじめます。そして11℃まで冷やすと、牛乳液にはっきりとしたとろみがついてきます。この状態になってから生クリームを加えると、ふたつが均一に混ざってなめらかなブランマンジェが完成するのです。温度計があればより確実です。「なんとなくとろみがついたかな?」という感覚よりも、温度を目安にする方が確実に失敗が少なくなります。11℃が条件です。


また、アーモンドの代わりに市販の「アーモンドミルク(無糖)」を使うと工程が大幅に短縮できます。アーモンドスライスを炒ったり蒸らしたりする工程が不要になるため、より手軽に作れます。アーモンドエッセンスを数滴加えるだけでも香りが出るので、時間がないときはそちらも活用できます。


参考:プロ目線のブランマンジェ作りのポイントと温度の重要性
ブラマンジェのポイントは11℃という温度|樋口直哉(note)


ブランマンジェのアレンジと独自視点:ゼラチンを使わない「イギリス式」とコーンスターチの話

一般的にブランマンジェはゼラチンで固めるイメージが強いですが、実はゼラチンを一切使わないブランマンジェも存在します。これは使えます。


イギリスではコーンスターチ(片栗粉でも代用可)を使ってブランマンジェを作る伝統があります。牛乳と砂糖、コーンスターチを合わせて加熱しながら混ぜ、とろみをつけてから型に流し込んで冷やし固める方法です。ゼラチンを使わないため、常温でも多少形を保てる点と、動物性食品由来のゼラチンを使わなくてよいためベジタリアンやビーガンの方にも対応できる点が大きなメリットです。


コーンスターチで作るブランマンジェは、ゼラチン版と比べて食感がやや弾力のあるもちっとした仕上がりになります。ゼラチン版のような「とろけるなめらかさ」は少し薄れますが、逆にしっかりと型から取り出して皿に盛り付けやすいという長所があります。プレゼント用やホームパーティーなどで「見た目よく盛り付けたい」場合にはコーンスターチ版が向いています。


また、アーモンドにこだわらないアレンジも魅力です。白ごまペーストを使えばコクのある和風ブランマンジェに、ラベンダーハーブを牛乳に浸出させれば上品な香りのおもてなしデザートになります。さらに、コーヒー豆を牛乳に一晩漬け込むと、見た目は白いのに確かなコーヒーの風味が広がる「コーヒーブランマンジェ」が作れます。見た目の意外性が話題になりやすいため、家族や友人に作ると喜ばれます。


ゼラチンを使う場合、生のキウイ・パイナップル・マンゴーに含まれるたんぱく質分解酵素がゼラチンを溶かすため、これらの果物を一緒に混ぜ込むと固まらなくなります。フルーツをトッピングするだけなら問題ありませんが、果汁をベース液に混ぜ込む場合は一度加熱してから使うのが原則です。フルーツをトッピングするだけなら問題ありません。知っておくと失敗が防げる知識です。


参考:ブランマンジェの材料・レシピ詳細
おうちで本格ブランマンジェ! パンナコッタとどう違う? 簡単に作るレシピも紹介 - HugKum