加熱すると、長芋の消化酵素が失われて胃もたれしやすくなります。
長芋は、とろろにするだけの野菜だと思い込んでいる方が多いのではないでしょうか。実はそれだけでは、長芋の魅力を半分しか引き出せていないのです。長芋はその調理法によって、まるで別の食材のような顔を見せてくれます。
大きく分けると、長芋の食べ方には「生で食べる」「焼く」「炒める」「揚げる」「煮る」という5種類のアプローチがあります。
| 食べ方 | 食感 | 代表的な料理 |
|---|---|---|
| すりおろす(生) | とろとろ | とろろご飯、山かけ丼 |
| 切る(生) | シャキシャキ | 短冊サラダ、梅和え、たたき |
| 焼く | 外はカリッ、中はホクホク | 長芋ステーキ、バター醤油焼き |
| 炒める | シャキシャキ〜ホクホク | みそバター炒め、ガーリック炒め |
| 揚げる | 外はサクッ、中はふわっ | から揚げ、フライド長芋 |
| 煮る | しっとりホクホク | 鶏肉との煮物、照り煮 |
生で食べると栄養素を最大限に取り込め、加熱するとまた違う風味と食感が楽しめます。つまり、同じ食材なのに料理の幅がとても広いのが長芋の強みです。
毎日の食卓で長芋をとろろとしてしか使っていないとしたら、かなり損をしています。ぜひこれを機に、食べ方のバリエーションを増やしてみてください。
参考:切り方による食感の違いについてはカゴメのベジデイが詳しく解説しています。
山芋は選び方や切り方、加熱調理の仕方でおいしさが変わる|カゴメ
スーパーで「山芋」「長芋」「大和芋」などいくつかの名前を見かけて、どれも同じと思っていませんか?実は、これらはそれぞれ特徴が異なる別品種です。これを知るだけで、料理の仕上がりがぐっとよくなります。
まず知っておきたいのは、「山芋」はヤマノイモ科の芋の総称であり、「山芋」という名前の野菜は正式には存在しないということです。長芋・大和芋・自然薯、これらはすべて「山芋」という大きなくくりに入ります。
それぞれの特徴を整理しましょう。
注意したいのが、関西と関東での「大和芋」の呼び方の違いです。関西では大和芋と言えば「山の芋(つくねいも)」を指すのに対し、関東では「いちょう芋」を「大和芋」と呼ぶことがあります。スーパーで購入するときは産地表示もあわせて確認すると安心です。
とろろを作るなら長芋が手軽でおすすめです。お好み焼きや揚げ物の衣に使うなら大和芋のほうがまとまりやすく、仕上がりが全然違います。用途別に使い分けが基本です。
参考:長芋・大和芋・自然薯の詳細な比較はこちら。
長芋の栄養素とその効能・効果とは?生活習慣病の予防にも|ふるなび
「長芋はとろろにして食べるのが健康にいい」と多くの方が知っています。しかし、なぜ生食がよいのかまで理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
長芋を加熱すると失われる主な栄養素は、「ジアスターゼ(アミラーゼ)」「ビタミンB1」「ビタミンC」そして「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」です。特にジアスターゼは熱に非常に弱い酵素で、加熱するとその消化促進の働きがほぼ失われてしまいます。
長芋のジアスターゼは大根の消化酵素の約3倍とも言われており、胃腸が疲れているときに生のまま食べると、消化を大きくサポートしてくれます。これが失われるのは、たしかにもったいないことです。
また、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)という成分も重要です。
つまり、血糖値や腸内環境が気になる方には、生食の長芋がとくに向いています。
一方で、加熱した長芋にも良さがあります。加熱することで食感がホクホクに変わり、カリウムや食物繊維はしっかり残ります。毎日の食事の中で「栄養を取りたいときは生、料理を楽しみたいときは加熱」と使い分けるのが現実的なコツです。
加熱で失われる栄養のことは覚えておけばOKです。
参考:加熱・生食による栄養の差について詳しく掲載されています。
冬に向け旬を迎える長芋 とろろなど栄養を損なわない食べ方|ウェザーニュース
同じ長芋を使っても、切り方ひとつで食感がまるで変わります。これを知らずにいつも同じ切り方だと、長芋の魅力の半分を見逃しているかもしれません。
ポイントは「生食なら縦切り、加熱するなら横切り」という基本ルールです。カゴメの食の情報によれば、生で食べるときは繊維に沿って縦に切ることで、シャキシャキした食感とみずみずしい味わいが楽しめます。横に切ると繊維が断ち切られるため、加熱後にホクホクとした甘みある食感になります。
主な切り方と、それぞれに合う食べ方を紹介します。
たたき長芋は5分でできます。袋ひとつで調理でき、洗い物も少なくて済むのはうれしいですね。梅干しとしょうゆで味をつければ、食欲のない日の副菜として重宝します。
切り方とその活用法をひとつメモしておくだけで、毎日の献立のバリエーションが一気に広がります。
「長芋は必ず皮を剥くもの」と思っている方が多いかもしれませんが、実はそれは思い込みです。長芋は皮ごと食べられます。
皮ごと食べることのメリットとして、皮の近くには食物繊維や風味成分が集中しており、皮ごと調理するほうが長芋本来のうまみが残りやすいとされています。また、皮をむかないことで、調理中に手がかゆくなるリスクを減らせるという意外な利点もあります。
かゆみの原因は「シュウ酸カルシウム」という成分で、針状の結晶が皮膚に刺さることで刺激が生じます。この成分は皮の近くに多く含まれているため、皮を剥く作業が最もかゆみが出やすいのです。皮ごと調理すれば、その工程を丸ごとスキップできます。
どうしても皮を剥く場合や、生のまま切り分ける際のかゆみ対策はいくつかあります。
皮ごと食べる場合の下処理は、流水でよく洗い、やわらかいスポンジで表面をこすり洗いするだけで十分です。ヒゲ根が気になるときはガスコンロの直火でさっと炙ってから水洗いすれば取れます。手間も少なく済みます。
皮ごと調理が一番手軽です。ステーキや焼き物にするときは皮つきのままのほうが形も崩れにくく、見た目もきれいです。
参考:かゆみの原因と管理栄養士による皮ごと食べる方法の解説はこちら。
長芋は皮ごと食べられる?栄養を逃さないコツとは 管理栄養士に聞いた|HINT POT
長芋を買いすぎて「使い切れなかった」という経験はありませんか?長芋はいくつかある保存方法を知っておくと、無駄なく使い切れるようになります。これは家計の節約にも直結する話です。
まず保存方法を状態別に整理します。
特におすすめしたいのが「すりおろして冷凍」する方法です。1本まとめておろして冷凍しておけば、忙しい日の朝でもとろろご飯が1分で完成します。一食分ずつ小分けにしておくと使いやすさが段違いです。
冷凍した長芋は、風味や食感がやや変化することがあります。解凍後は生食よりも、加熱料理や汁物に使うほうが気になりにくいのでおすすめです。また、冷凍した長芋には「加熱後に冷やした長芋」と同様に、レジスタントスターチが増加するという報告もあり、血糖値が気になる方にはうれしい情報です。
冷凍保存が習慣になれば、長芋を安いときにまとめ買いして賢く活用できます。節約と健康を同時に叶えられる方法です。
参考:詳しい冷凍保存の手順はこちらが参考になります。