デンマーク料理のレストランは敷居が高い、と思っていませんか。実は、東京都内だけで気軽に入れるデンマーク系のお店が5軒以上確認されており、1,500円台のランチから楽しめます。
「デンマーク料理のお店って、日本にほとんどないよね」と思っている主婦の方は多いはずです。ところが実際には、東京都内だけでデンマーク料理や北欧テイストを専門とするカフェ・レストランが10軒以上確認できます。これは意外ですね。
その背景には、2000年代以降の北欧ブームがあります。「ヒュッゲ(Hygge)」と呼ばれるデンマーク式のゆったりとした幸せ観や、シンプルで洗練されたデザイン文化が日本人女性を中心に支持を集め、食の分野にも波及しました。フライングタイガーコペンハーゲンやロイヤルコペンハーゲンのショップが街に増えたころから、「食も楽しみたい」という需要が生まれたのです。
さらに、世界一のレストランに5度輝いたデンマークの「noma(ノーマ)」の存在も大きく影響しています。ノーマは2015年に東京でポップアップを開催し、日本でも北欧料理への注目が一気に高まりました。つまり北欧ブームとグルメブームが重なったことが、東京にデンマーク料理店が増えた大きな理由です。
主なエリア別で見ると、次のようなお店が存在しています。
| エリア | 店名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 表参道 | Nicolai Bergmann NOMU | スモーブロー・ドリームケーキあり |
| 広尾 | BRØD | 本格ロブロ(ダークライ麦パン)専門 |
| 代々木八幡 | イエンセン | デンマーク大使館御用達のデニッシュ |
| 吉祥寺 | ヴェルベコメ | オープンサンドとデンマーク菓子 |
| 神谷町 | Nicolai Bergmann NOMU azabudai | 麻布台ヒルズ内、限定メニューあり |
北欧料理専門店と一言で言っても、ベーカリー中心のお店からカフェランチ、デザート特化型まで幅広いのが特徴です。自分のスタイルに合わせて選べるのは嬉しいですね。
【参考】東京の北欧料理レストラン17選(フィンランド・スウェーデン・デンマーク等)を国別で紹介しているガイド記事
デンマーク料理レストランのメニューを開いてまず目にするのが「スモーブロー(Smørrebrød)」という言葉です。読み方が難しくて敬遠してしまう方もいますが、内容はとてもシンプルです。
スモーブローとは、バターを塗ったライ麦パン(ロブロ)の上に、魚介・肉・野菜・卵などの具材をのせたオープンサンドのこと。デンマーク語で「スモー=バター」「ブロー=パン」を意味します。フタのない一枚のオープンサンドで、ビジュアルが非常に美しいのが特徴です。
具材の組み合わせは無限大で、代表的なものを挙げると次のようなものがあります。
レストランでスモーブローを注文するとき、ライ麦パン(ロブロ)の色が黒っぽくて戸惑う方もいます。これが普通です。ロブロはライ麦100%で作られたサワードウのパンで、独特の酸味と重みが特徴。口に入れると、最初に酸味がぱっと広がり、じわじわと深い旨みが続きます。
ライ麦パンは食物繊維が白パンの約2倍以上含まれていて、血糖値の上昇も穏やかです。低GI食品として注目されており、ダイエット中の方にも実は向いているメニューです。つまり、おいしくてヘルシーが両立しているということです。
東京では食べログで東京エリアのスモーブロー提供店が40件以上掲載されており、北欧料理専門店だけでなく、オーガニックカフェや洋食レストランでも取り扱うお店が増えています。
スモーブロー以外にも、デンマーク料理レストランでぜひ食べてほしいメニューがあります。それが「フリカデラ(Frikadeller)」と「ドリームケーキ(Drømmekage)」です。
フリカデラはデンマークの国民的家庭料理で、一言で言えばミートボールです。ただし、日本のミートボールとは少し違います。豚ひき肉をベースに玉ねぎ・卵・パン粉・牛乳を混ぜて成形し、バターでじっくり焼いたもので、表面はこんがり、中はふわっとやわらかいのが特徴です。大きさは直径5〜6cm程度(ゴルフボールよりひとまわり小さいイメージ)で、1皿に3〜5個ほど盛られて出てくることが多いです。
フリカデラの付け合わせには、ゆでたじゃがいも、赤キャベツのマリネ(ロードコール)、茶色いグレービーソースがつくのが定番。これがあの「デンマーク家庭の日常の食卓」そのものです。豚肉の旨みとバターの風味がシンプルながら深く、一度食べると納得感があります。食べてみると意外とシンプルで優しい味ですね。
ドリームケーキは、デンマーク中部ユトランド半島発祥のケーキで、デンマーク語で「Drømmekage=夢のケーキ」という意味です。ふんわりとしたスポンジ生地の上に、黒糖・バター・ブラウンシュガー・ラム酒・ドライシュレッドドコナッツを混ぜたキャラメリゼのトッピングがたっぷりのっています。焼き上がると、ジュワッと染み込んだバターとキャラメルの香りが漂い、ひと口食べると甘くてほろっとした食感が口いっぱいに広がります。
デンマーク料理レストランやカフェでは、スモーブロー1種類+ドリームケーキ+コーヒーをセットで楽しめるランチセットを提供しているお店もあります。価格の目安は1,500〜2,200円程度です。これは使えそうです。
デンマーク料理レストランを訪れると、「なんとなく居心地がいい」と感じる方が多いはずです。それはデンマーク独特の文化「ヒュッゲ(Hygge)」が空間づくりに反映されているからです。
ヒュッゲとはデンマーク語で「居心地のよさ」「くつろぎ」「温もり」を表す概念です。キャンドルの灯るやわらかい光、シンプルで温かみのある木製のインテリア、会話が弾みやすいテーブルレイアウト。デンマーク料理レストランの多くがこの考え方を空間のベースに置いています。
デンマークは幸福度ランキングで長年世界トップを争う国です。その幸福感の根底にあるのが、食を囲んで人と人がつながるヒュッゲの文化です。「食事はただ栄養を摂る場ではなく、人と時間を共有する大切な場」という考え方が、料理の味わい方や提供スタイルに影響を与えています。
ヒュッゲな食の場を特徴づけるポイントはいくつかあります。まず、料理の量よりも質と多様性を大切にしていること。スモーブローを例にとると、1枚1枚を丁寧に仕上げ、見た目の美しさにもこだわります。次に、素材のシンプルさを大切にするという点。過度な加工を嫌い、地元の旬の食材をできる限りそのまま生かすというアプローチが、デンマーク料理の基本です。
日本のデンマーク料理レストランでもこの哲学は受け継がれています。Nicolai Bergmann NOMUは、デンマーク出身の花職人ニコライ・バーグマン氏がプロデュースしており、花と緑に囲まれた空間でスモーブローやデンマーク菓子を楽しめます。木の温もりと花の彩りがほどよく調和した店内は、まさにヒュッゲな雰囲気そのものです。
レストランでヒュッゲを体感するためのちょっとしたコツとして、スマホをテーブルに置かずに食事だけに集中することや、同行者とゆっくり会話する時間をつくることが挙げられます。まずは「時間を楽しむ」意識を持つことが大切です。
【参考】在日デンマーク大使館公式サイト:ヒュッゲをはじめとしたデンマーク文化・ライフスタイルの解説
デンマーク料理レストランに行きたいけれど、「お値段が高そう」と感じる方もいるかもしれません。実際のコペンハーゲンでは、ランチ1食が3,600円〜、ディナーが4,800円〜が相場で、外食費は東京の約2倍とも言われています。ただし、東京で楽しめるデンマーク料理店は現地と同水準の価格ではありません。
東京のデンマーク系カフェ・レストランの実際の価格帯を見ると、次のような目安になります。
気軽にデンマーク気分を味わいたい主婦の方には、ランチタイムのカフェ利用がコスパよくおすすめです。広尾のBRØDは本格ロブロ(ライ麦パン)の専門店で、パン単品なら数百円から購入可能。テイクアウトで買い帰り、自宅でスモーブローにアレンジするのも楽しみ方のひとつです。
お店を選ぶときに確認しておきたいポイントがあります。まず「デンマーク料理」と「北欧料理」は似ているようで少し異なります。スウェーデン料理やノルウェー料理を提供している北欧カフェもデンマーク料理と混同されやすいため、スモーブローやデンマーク菓子を目当てにするなら、メニューを事前にSNSや公式HPで確認することをおすすめします。
予約の必要性についても触れておきます。代々木八幡の「イエンセン」はデンマーク大使館御用達のデニッシュで有名で、12時前に完売することもある人気ぶりです。週末のランチや特定の季節限定メニューを狙う場合は、事前予約や早めの来店が安心です。早めに行動するのが原則です。
最後に、小さな子供を連れている場合の選択肢として、千葉の船橋市にある「アンデルセン公園」内の「レストランメルヘン」があります。デンマークの雰囲気をテーマにした公園内の施設で、子供も大人も楽しめるランチプレートが提供されており、ファミリーでデンマーク料理体験をしたい方にはうってつけの場所です。
【参考】アンデルセン(ベーカリー)公式:スモーブローの基本的な作り方と素材選びの解説ページ