動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いと健康への効果

タンパク質には動物性と植物性があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。どちらもバランスよく摂ることで、家族の健康維持に役立つことをご存知ですか?

動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い

動物性と植物性タンパク質の主な違い
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吸収率の違い

動物性は約90%、植物性は約80%の消化吸収率があります

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アミノ酸バランス

動物性は必須アミノ酸が豊富、植物性は食物繊維が豊富です

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脂質含有量

植物性は低脂質、動物性は飽和脂肪酸を含むものもあります

動物性タンパク質の消化吸収率と必須アミノ酸

 

動物性タンパク質は肉類、魚介類、卵、乳製品などに含まれており、消化吸収率が約90%と非常に高いのが特徴です。体内での利用効率が高く、筋肉をつけたい方や体力を回復させたい方に適しています。
参考)https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/blogpage/2024/05/13/14300/

最大の特徴は、必須アミノ酸をバランスよく豊富に含んでいることです。必須アミノ酸は体内で合成できないため、食べ物から補う必要があります。動物性タンパク質は全9種類の必須アミノ酸を適切な比率で含み、アミノ酸スコアが高い食品が多いため、効率的に体に吸収されます。
参考)https://bisyo-s.com/animal-vs-plant-protein-differences/

また、動物性タンパク質はビタミンB12、鉄、亜鉛などの栄養素も豊富で、筋肉の合成や全体的な健康維持に必要な栄養を一度に摂取できます。吸収スピードも速く、血中アミノ酸濃度がすぐに高まるため、筋トレ後のプロテイン補給には特に効果的です。
参考)https://saurusjapan.com/knowledge/protein-foods/

植物性タンパク質の食物繊維と脂質の特徴

植物性タンパク質は大豆製品、穀物、ナッツ、野菜などに含まれており、動物性タンパク質と比較して消化吸収率は約80%とやや低めですが、独自のメリットがあります。
参考)https://www.glico.com/jp/powerpro/protein/entry09/

最大の特徴は、動物性タンパク質にはあまり含まれない食物繊維が豊富に含まれている点です。食物繊維は腸内環境を整え、便秘の予防や改善に役立つだけでなく、腸内の善玉菌を増やす効果も期待できます。
参考)https://www.shinnihonseiyaku.co.jp/s/column/healthcare/2506-vegetable-protein/

脂質の面でも植物性タンパク質は優れています。基本的に脂質が少なく、良質な不飽和脂肪酸を含む食品が多いため、摂取カロリーを抑えられます。動物性タンパク質の一部には飽和脂肪酸やコレステロールが多く含まれており、摂りすぎると生活習慣病のリスクが高まる可能性がありますが、植物性タンパク質ではそのリスクが低減されます。
参考)https://basefood.co.jp/magazine/column/27400/

さらに大豆製品には、サポニンイソフラボンといった抗酸化作用を促進させる成分や、ホルモンバランスを保つ成分も含まれています。アミノ酸の吸収はゆっくりですが、血中アミノ酸濃度の持続時間が長いため、筋肉の分解を遅らせる効果があります。
参考)https://www.shinyakoso.com/column/protein-different/

動物性タンパク質と生活習慣病のリスク

動物性タンパク質には多くの栄養素が含まれていますが、摂りすぎには注意が必要です。特に脂身の多い肉や高脂肪の乳製品には、飽和脂肪酸やコレステロールが多く含まれており、過剰摂取すると血液中のLDLコレステロールが増加し、循環器疾患のリスクが高まる可能性があります。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10380617/

卵類(鶏卵や魚卵)、内臓類(レバーやモツ)、肉類の脂身や鶏肉の皮、バター、ラードなどは、コレステロールや飽和脂肪酸の含有量が多いため、摂取量に気をつける必要があります。これらを過剰に摂取すると、コレステロール値が高くなり、動脈硬化の進行を早めることが知られています。
参考)https://seikatsusyukanbyo.com/guide/dyslipidemia.php

一方で、魚に多く含まれる不飽和脂肪酸(EPA、DHA)には、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。同じ動物性タンパク質でも、イワシなどの青魚は血清脂質値を下げたり、動脈硬化を抑制する効果があるため、積極的に取り入れたい食材です。
参考)https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/guide/dyslipidemia/07.html

動物性タンパク質の過剰摂取を避けるためにも、植物性タンパク質とのバランスを心掛け、良質なタンパク質の摂取を目指すことが大切です。
参考)https://be-rule.jp/blogs/contents/expert-column-animal-vs-plant-protein

動物性タンパク質と植物性タンパク質の組み合わせ方

動物性と植物性のタンパク質を組み合わせると、栄養バランスが整い、効率的にタンパク質を摂取できます。タンパク質を体内で有効利用するには、必須アミノ酸をバランスよく摂取することが重要です。
参考)https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202412-protein/

穀物や野菜などの植物性タンパク質は、いずれかの必須アミノ酸が不足しがちですが、動物性食品と組み合わせると、不足していたアミノ酸が補われ、体を作る材料として有効活用されます。例えば、味噌汁に豆腐を入れる定番の和食は、簡単に植物性タンパク質を摂取できる一品です。
参考)https://akari-clinic.jp/blog/?p=1307

理想的な食事のバランスは、動物食が15%、植物食が85%とされています。具体的には、穀物(雑穀、豆類を含む)を40~50%、野菜・フルーツを35~40%、動物食を10~15%にすることが推奨されています。​
動物性タンパク質は血中アミノ酸濃度がすぐに高まりますが持続時間が短く、植物性タンパク質はアミノ酸の吸収はゆっくりですが血中濃度の持続時間が長い特徴があります。両者を同時に摂取すると、アミノ酸の吸収が持続し、筋肉の萎縮が抑制されるという研究結果も報告されています。​
健康的な体づくりのためには、動物性・植物性の双方のタンパク質をバランスよく摂ることが大切です。​

動物性タンパク質と植物性タンパク質を含む実践的な献立例

1日に必要なタンパク質量は、18~49歳の男性で約65g、女性で約50gとされており、1食あたり約20gのタンパク質を摂ることがひとつの目安になります。毎食でバランスよく摂取することが理想的です。
参考)https://home.osakagas.co.jp/column/food-health/nutrition/protein-daily-requirement/

朝食の献立例(タンパク質約20g)

  • 玄米ごはん(150g)- 植物性タンパク質
  • 納豆(1パック)- 植物性タンパク質、手軽で万能な食材

    参考)https://gymcloud.jp/media/archives/3364

  • 味噌汁(豆腐入り)- 動物性・植物性の組み合わせ​
  • 焼き鮭(1切れ)- 動物性タンパク質、DHA・EPAも豊富

昼食の献立例(タンパク質約25g)

  • 鶏むね肉のソテー(100g)- 動物性タンパク質、低脂質高タンパク​
  • ブロッコリーのおひたし - 植物性タンパク質と食物繊維
  • 木綿豆腐の小鉢 - 植物性タンパク質、脂質控えめ​
  • 玄米ごはん

夕食の献立例(タンパク質約28g)

  • 白身魚の煮付け(80g)- 動物性タンパク質、低脂質​
  • ゆで大豆のサラダ(50g)- 植物性タンパク質、ビタミン・ミネラル豊富​
  • 野菜の煮物(複数種類)- 食物繊維と栄養バランス
  • 玄米ごはん

これらの献立は、動物性と植物性のタンパク質を組み合わせることで、必須アミノ酸のバランスを整え、血中アミノ酸濃度も維持できる理想的な食事例です。大豆製品、魚介類、鶏むね肉などを上手に組み合わせることで、高タンパク質で低脂質な献立を作ることができます。​
間食や補助食品を活用しながら、1日単位で必要量を調整することも効果的です。野菜:主菜:主食をおよそ2:1:1のボリューム比にする「2:1:1食事バランス」を意識すると、健康的な食生活の維持につながります。
参考)https://www.rockfield.co.jp/sustainability/society/health/balance/

 

 


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