保健機能食品制度はいつから始まり3種類に分かれたのか

保健機能食品制度は2001年にスタートしましたが、現在は3種類に分かれており、それぞれの違いや信頼度を正しく知らないと、選び方を間違えてしまうかもしれません。あなたは正しく理解できていますか?

保健機能食品制度はいつからで何が変わったのか基本から整理する

機能性表示食品」と書かれた商品は、国の審査を一度も通っていないまま、あなたの食卓に届いています。


📋 この記事の3つのポイント
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制度は2001年スタート、今は3種類ある

保健機能食品制度は2001年(平成13年)4月から始まり、現在は「トクホ・栄養機能食品・機能性表示食品」の3種類に分かれています。

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3種類で「国の審査の有無」が全然ちがう

トクホは国が個別審査して許可しますが、機能性表示食品は国の審査なしで届出のみ。栄養機能食品は届出すら不要という「自己認証」です。

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パッケージの「表示」を見るだけで見分けられる

トクホはロゴマーク、機能性表示食品は届出番号、栄養機能食品は栄養成分名が必ず表示されています。買う前に確認するだけで選び方が変わります。


保健機能食品制度はいつから始まったのか制度誕生の背景

「健康に良い食品」への関心は、日本では1980年代後半にブームが起きていました。当時はさまざまな健康食品が市場に出回り始めましたが、効果の根拠があいまいなものも多く、消費者が正しく選ぶための基準がない状態が続いていました。


そこで国が最初に動いたのが、1991年(平成3年)のことです。「栄養改善法」の改正により、「特定保健用食品(トクホ)制度」が創設されました。これが現在の保健機能食品制度の出発点です。ただし、このときはトクホだけが対象でした。


その後、国民の健康意識がさらに高まるなかで、食品の機能表示をより体系的に整備する必要が生じました。そして2001年(平成13年)4月、「保健機能食品制度」が正式にスタートします。制度の始まりは2001年です。このとき「栄養機能食品」が新たに加わり、トクホと合わせて「保健機能食品」という枠組みが整いました。


さらに時代は進み、2015年(平成27年)4月、3つ目のカテゴリーとなる「機能性表示食品制度」が始まります。消費者がより幅広い選択肢のもとで商品を選べるよう、規制緩和の一環として導入された制度です。つまり保健機能食品には現在、3つの種類があるということですね。


制度の大きな流れをまとめると次のとおりです。


| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1991年(平成3年) | 特定保健用食品(トクホ)制度が創設 |
| 1993年(平成5年) | トクホの第1号商品が許可される |
| 2001年(平成13年)4月 | 保健機能食品制度スタート・栄養機能食品が追加 |
| 2009年(平成21年) | 制度の所管が消費者庁に移管 |
| 2015年(平成27年)4月 | 機能性表示食品制度が開始 |


この歴史を知っておくと、「どの表示が新しくて、どの表示が古くから厳しい審査を受けてきたのか」がすぐにわかります。これが条件です。


参考:厚生労働省「いわゆる『健康食品』のホームページ」では、保健機能食品制度の概要と機能性表示食品制度の開始年(平成27年4月)が明記されています。


厚生労働省|いわゆる「健康食品」のホームページ


保健機能食品制度の3種類の違いをいつからの視点で比較する

保健機能食品が「3種類ある」と言われても、ざっくりしていて違いがピンとこない方も多いはずです。一番大事なポイントは「国の審査があるかどうか」と「いつ始まったか」の2点に絞ると整理しやすくなります。


特定保健用食品(トクホ) は1991年に始まった最も歴史ある区分です。国(消費者庁長官)が個別に安全性と有効性を審査し、許可を受けた製品のみが「トクホマーク」を表示できます。1993年に第1号が許可されてから現在まで累計1,032件以上が許可されています(2026年1月時点)。審査には数年かかることもあり、企業にとってもハードルが高い制度です。信頼性は最も高いといえます。


栄養機能食品 は2001年から始まりました。ビタミン13種・ミネラル6種・n-3系脂肪酸(計20種類)について、国が定めた規格基準に適合すれば、企業が自己認証で表示できます。届出も国の審査も不要です。国への許可申請や届出の必要はありません。ただし「消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない」という文言を必ずパッケージに記載する義務があります。


機能性表示食品 は2015年に最後発として登場した最も新しい区分です。トクホとは異なり、企業が科学的根拠のある資料を販売日の60日前までに消費者庁に届け出るだけでOKです。国の審査はありません。企業の自己責任で機能性を表示する仕組みのため、商品の数は急速に増え、登録件数は現在7,000件を超えています(消費者庁データ)。


3種類の主な違いを比較するとこうなります。


| 種類 | 開始年 | 国の審査 | 届出 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 特定保健用食品(トクホ) | 1991年 | 個別審査あり✅ | 必要 | 最も厳格・マークあり |
| 栄養機能食品 | 2001年 | なし❌ | 不要(自己認証) | ビタミン・ミネラルが対象 |
| 機能性表示食品 | 2015年 | なし❌ | 販売60日前に届出 | 商品数が最多 |


つまり「保健機能食品」という大きなくくりのなかでも、信頼性の仕組みは3種類でまったく異なるということです。


参考:「健康食品」の制度分類と各区分の詳細な説明は、国立健康・栄養研究所の情報センターにまとめられています。


国立健康・栄養研究所|「健康食品」に関する制度の概要


保健機能食品制度で機能性表示食品が最も主婦の買い物に影響する理由

スーパーやドラッグストアに並ぶ「体脂肪を減らすのを助ける」「血糖値の上昇をおだやかにする」といった文言の商品の多くは、機能性表示食品です。2015年の制度開始以来、この区分の商品数は急増しています。


ここで知っておきたい事実があります。機能性表示食品の届出済みリストを調べると、2024年時点で届出のうち約2割弱が「科学的根拠が乏しい」「販売終了」などの理由で表示を撤回していたことが消費者庁への取材で明らかになっています(毎日新聞2024年4月報道)。撤回は無視できない数です。


これが意味するのは「機能性表示食品」と書かれていても、効果の科学的根拠が十分でない商品が混在している可能性があるということです。企業が自己責任で届け出る制度なので、国がすべてを保証しているわけではありません。


ただし、機能性表示食品のすべてが信頼できないわけでもありません。大手メーカーが販売する製品の多くは、複数の研究論文をもとにした科学的根拠をしっかり示しています。消費者庁のウェブサイトでは届出番号をもとに、どのような科学的根拠が出されているかを誰でも調べることができます。これは使えそうです。


買い物の際の具体的な確認方法は次のとおりです。


- 📦 パッケージに「機能性表示食品」と表示されているか確認する
- 🔢 届出番号(例:A123など)がパッケージに記載されているか確認する
- 🌐 消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」で届出番号を入力して根拠を確認する
- ⚠️ 「食生活は主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスを」という注意書きがあるか確認する


食事の改善と組み合わせながら活用するのが基本です。


参考:消費者庁の機能性表示食品ページでは、届出番号から製品の詳細情報を検索できます。


消費者庁|機能性表示食品について


保健機能食品制度のパッケージ表示を見てトクホと機能性食品を正しく見分ける方法

ドラッグストアで健康食品を手に取ったとき「なんとなく体に良さそう」で選んでいませんか? 実は、パッケージに表示されている内容だけで、3種類を瞬時に見分けることができます。


トクホの見分け方は非常にシンプルです。パッケージに消費者庁が定めた特定保健用食品のロゴマーク(六角形のデザイン)が印刷されています。このマークが目印です。「特定保健用食品」という文字も必ず記載されています。条件付きトクホの場合は「条件付き特定保健用食品」と表示されます。


栄養機能食品の見分け方は、「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化機能があります」などの定型文が表示されている点です。国が決めた文言そのままが使われるため、独自の言い回しにはなりません。さらに「消費者庁長官の個別の審査を受けたものではありません」という文言が必須で記載されています。これが栄養機能食品の必須ルールです。


機能性表示食品の見分け方は、「機能性表示食品」という文字と届出番号(アルファベット+数字の組み合わせ)がパッケージに記載されていることです。また「国の許可を受けたものではありません」という記載も義務づけられています。トクホのようなマークは存在しません。


整理すると、「マーク→トクホ」「定型文+審査なし記載→栄養機能食品」「届出番号→機能性表示食品」の3つのキーワードを覚えるだけで、棚の前でどの区分かが判断できます。これだけ覚えておけばOKです。


また、いわゆる「健康食品」と呼ばれる制度外の商品は、こうした表示が一切ありません。「健康補助食品」「栄養補助食品」「サプリメント」などの名称は法律上の定義ではなく、保健機能食品の3区分のどれにも該当しない場合があります。効果を暗示するような表示がされていても、制度的な根拠がない商品も存在するため注意が必要です。


参考:消費者庁が配布しているリーフレット「表示を確認して、保健機能食品を適切に利用しましょう」には、3種類の見分け方が図解されています。


消費者庁|保健機能食品の表示確認リーフレット(PDF)


保健機能食品制度を知らないと損する「機能性食品は妊婦・授乳中NG」という盲点

保健機能食品を選ぶうえで、多くの方が見落としがちなポイントがあります。それは「機能性表示食品は、妊婦・授乳中の方・妊娠を計画中の方に向けて作られた食品ではない」という事実です。意外ですね。


制度上、機能性表示食品の対象者は「疾病に罹患していない方」で、かつ「未成年・妊産婦(妊娠計画中を含む)・授乳婦を除く」と明確に定められています。そのため機能性表示食品のパッケージには「本品は、疾患のある方、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している方を含む)及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません」という表示が義務づけられています。


つまり、妊娠中に「葉酸サプリ」や「鉄分補給に良い」と書かれた機能性表示食品を選んでいる場合、その商品は本来その方に向けて設計されていないということになります。これはリスクにつながる可能性があります。


妊娠中や授乳中に安心して使えるのは、基本的に特定の栄養成分について規格基準を満たした「栄養機能食品」か、医師に相談のうえで利用する場合です。葉酸については「栄養機能食品」の表示が可能な成分の一つで、規格基準を満たした商品には「葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません」という定型の注意文言が記載されています。


妊娠中や授乳中に健康食品を取り入れたいと考えている場合は、まず産婦人科の医師や管理栄養士に相談したうえで選ぶのが安全です。「機能性表示食品だから健康的」とは必ずしも言えないということだけは覚えておけば大丈夫です。


また、子どもへの与え方も同様に注意が必要です。機能性表示食品は未成年を対象としておらず、子どものサプリ代わりに機能性表示食品を選ぶ行為も本来の制度の対象外になります。子ども向けの栄養補給には、普段の食事を基本とし、不足が心配な場合は小児科に相談するのが原則です。


参考:消費者庁が公表している機能性表示食品の届出等に関する手引きには、対象者の要件が詳細に明記されています。


消費者庁|機能性表示食品について(対象者・表示義務)