イカを揚げる前に塩を振ると、実は水分が出すぎてべちゃっとした衣になり、油はねの原因にもなります。
イカフライに最もよく使われるのは、スルメイカとヤリイカです。スルメイカは1杯あたり200〜300g前後と大きく、肉厚なのでフライにしたときの食べごたえが抜群です。一方、ヤリイカは身が柔らかく、短時間の加熱でも火が通りやすいため、揚げすぎによる硬さが出にくいという特長があります。
スーパーで手に入りやすいのはスルメイカですが、近年は「冷凍イカリング」も人気です。冷凍のイカリングは下処理済みで、解凍後に衣をつけるだけでフライが完成するため、忙しい日の夕食にも便利です。ただし、解凍時の水気処理が甘いと油はねの原因になるため、キッチンペーパーでしっかり水分を取る作業は省かないようにしましょう。
新鮮なイカを選ぶポイントは、表面に透明感があり、胴体がしっかりと張っていること。目が澄んでいるものほど鮮度が高い証拠です。切り身の場合は、断面が白く均一なものを選ぶと、揚げたときに縮みにくくなります。これが基本です。
| 種類 | 特徴 | フライ向き度 |
|---|---|---|
| スルメイカ | 肉厚・食べごたえあり | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| ヤリイカ | 柔らかく火通りが早い | ⭐⭐⭐⭐ |
| 冷凍イカリング | 下処理不要で時短 | ⭐⭐⭐(水気処理は必須) |
下処理は、イカフライの完成度を左右する最重要工程です。ここを丁寧にやるかどうかで、サクサク感が大きく変わります。
まず、イカの胴体から内臓と軟骨を引き抜きます。軟骨は透明な薄い板状のもので、胴体の内側に沿って入っています。指でつまんでゆっくり引き抜けばきれいに取れます。次に、皮をむきます。皮の端をつまんで引っ張ると、スルッとむけることが多いですが、ぬめりがある場合はキッチンペーパーを使うと滑らずに作業できます。
内側の薄い膜も残さずむくことが、油はねを防ぐうえで重要です。膜が残ったまま揚げると、加熱中に膜が縮んで油の中に水分が放出され、激しい油はねを引き起こすことがあります。これは危険ですね。
皮をむいたら、胴体を輪切りにします。厚さは1〜1.5cm程度(指の第一関節くらいの厚さ)が目安です。薄すぎると揚げたときに硬くなり、厚すぎると中まで火が通りにくくなります。カットしたら、キッチンペーパーで全体の水気をしっかりと拭き取ります。水分が残っているとパン粉がうまくつかず、揚げている途中でパン粉が剥がれる原因になります。
下味は塩コショウを軽くまぶす程度で十分です。強くもみ込む必要はありません。つけすぎると水分が出やすくなるため注意が必要です。水気の処理が終われば準備完了です。
衣のつけ方には、「薄力粉→溶き卵→パン粉」という3ステップが基本です。この順番は変えてはいけません。薄力粉を先に全体にまぶすことで、卵液がイカの表面にしっかりと密着し、パン粉が剥がれにくくなります。順番が基本です。
溶き卵は、卵1個に対して大さじ1程度の水または牛乳を加えると、衣液がなめらかになり、イカ全体に均一につけやすくなります。牛乳を加えると衣に少しコクが出て、揚げたときの風味が豊かになります。これは使えそうです。
パン粉は「細目」と「粗目」の2種類があります。細目パン粉は衣が薄く均一に仕上がり、お惣菜屋さんのような上品な見た目になります。粗目パン粉はザクザクとした食感が強く、揚げたてのボリューム感が楽しめます。家庭でよく売られているのは細目・粗目の中間くらいのタイプが多いです。
パン粉をつけるときのポイントは、軽く押さえて密着させること。ぎゅうぎゅうと強く押しつけると、揚げたときにパン粉が固まって食感が損なわれます。ふんわりと押さえる程度が正解です。衣が均一についたら、余分なパン粉を軽く払い落としてから油に入れましょう。
| 材料(2人分) | 量 |
|---|---|
| イカ(下処理済み) | 1杯分(輪切り) |
| 薄力粉 | 大さじ3〜4 |
| 溶き卵 | 1個 + 水 大さじ1 |
| パン粉 | 50g前後 |
| 塩コショウ | 少々 |
揚げ油の温度管理は、イカフライを成功させるための核心部分です。適切な温度は170〜180℃です。これより低いと油を吸いすぎてべちゃっとした仕上がりになり、これより高いと外側が焦げているのに中が硬い状態になります。温度管理が条件です。
家庭に温度計がない場合は、パン粉を少量油に落として判断しましょう。パン粉が鍋底まで沈んでから浮かび上がってくるなら160℃以下、中間あたりで浮かぶなら170℃、表面近くですぐに浮かぶなら180℃以上の目安になります。揚げ油の量は、イカが半分浸かる程度でも揚げられますが、できれば全体が浸かるくらいの量(フライパンに深さ3〜4cm程度)があると、均一に仕上がりやすくなります。
揚げ時間は1〜1.5cmの輪切りなら片面1分半〜2分を目安にします。イカは加熱しすぎると急激に縮んでゴムのように硬くなる食材です。「もう少し揚げた方が安全かな」と思ったときに上げるくらいのタイミングが、ちょうどいい火加減になることが多いです。
油に入れたら途中でいじりすぎないことも重要です。衣が固まる前にひっくり返すと、パン粉が剥がれてしまいます。入れてから30秒ほどは触らずに待ち、衣の底面が色づいてきたタイミングでひっくり返しましょう。揚げ上がりの目安は、衣全体がきつね色になっている状態です。
揚げ上がったイカフライは、バットや網の上に立てて並べると、余分な油がきれて底面がべちゃっとなりません。平置きにすると蒸気が逃げにくくなるため、サクサク感が続きにくくなります。立てて置くが基本です。
ここからは、検索上位ではあまり触れられていない、家庭ならではの工夫をご紹介します。
冷凍イカリングを使うと、下処理の時間を約15分短縮できます。解凍方法は冷蔵庫で一晩が理想ですが、急ぎの場合は流水解凍で10〜15分程度でOKです。ただし、電子レンジ解凍は水分が出やすくなるため、揚げ物には不向きです。水気の拭き取りは念入りに行いましょう。
「マヨネーズ下味法」というアレンジも効果的です。パン粉をつける前にイカ全体にマヨネーズを薄く塗ると、乳化された油分が衣とイカの間に入り、揚げたときにジューシーさがキープされます。マヨネーズの量は1切れにつき小さじ1/4程度で十分です。香りも豊かになります。
衣にカレー粉を少量(パン粉50gに対して小さじ1/2程度)混ぜると、子どもが喜ぶスパイシーなイカフライになります。カレー粉は油に入れた瞬間から香りが立ち、食卓に出したときのインパクトが増します。意外ですね。
揚げたイカフライが余った場合は、翌日のお弁当への活用がおすすめです。冷めてもサクサク感を多少キープするには、再加熱にオーブントースターを使いましょう。電子レンジで温めると衣が水分を吸って柔らかくなってしまいます。トースターで3〜4分加熱するだけで、揚げたての食感が戻ってきます。
イカフライと相性の良いソースについては、定番のウスターソースやタルタルソースのほか、レモン汁+マヨネーズを合わせた「レモンマヨ」も人気です。さっぱりとした酸味がイカの旨味を引き立て、子どもから大人まで食べやすい仕上がりになります。