カレー粉はターメリック、クミン、コリアンダーなど20~30種類のスパイスを配合したミックススパイスです。一方、カレールウはカレー粉に油脂、食塩、小麦粉などの調味料を加えて固めたもので、これだけで味が決まるように作られています。
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カレー粉の最大の特徴は、油脂や調味料が含まれていないため、カロリーや塩分が低く抑えられることです。そのため、健康を気にする方やカロリー制限をしている方にはカレー粉がおすすめです。また、パウダー状なので量の調整がしやすく、自分好みの味付けが可能になります。
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カレールウは煮込んだ肉や野菜に加えるだけで簡単に調理できる一方、カレー粉で作る場合は薄力粉でとろみをつけたり、塩や調味料で味付けする必要があります。手間はかかりますが、その分本格的な味わいと香りを楽しめるのがカレー粉の魅力です。
参考)https://vokka.jp/5301
カレー粉の基本となるスパイスは、用途別に大きく3つに分類されます。色付け用としてターメリックが使われ、カレーの鮮やかな黄色を生み出します。香り付けにはクミン、コリアンダー、カルダモン、シナモン、クローブなどが配合されています。
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辛味を加えるスパイスとしては、カイエンペッパーが代表的です。ブラックペッパーはぴりっと刺すような辛味と食欲をそそる爽やかな香りがあり、「スパイスの王様」とも呼ばれています。また、ジンジャーやガラムマサラも辛味付けに使われます。
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クローブは強くて甘い香りと刺激的な味わいが特徴で、特に肉を使ったカレーと相性が良好です。ナツメグはスパイシーで甘い香りを持ち、肉料理との相性が抜群で、ハンバーグやミートソースにも使用されます。ローレル(ローリエ)は強く爽やかな風味と苦味があり、乾燥した葉のまま煮込むことでカレーに爽やかな風味をプラスします。
基本のチキンカレーは、鶏もも肉100gに対してカレー粉大さじ2杯を使用します。玉ねぎ大1個をみじん切りにし、ニンニクと生姜を各大さじ1杯ずつすりおろします。唐辛子2本、サラダ油大さじ4杯、トマト缶大さじ3杯、水600cc、ジャム小さじ1~2杯、塩小さじ1/2~1杯を準備します。
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作り方は、まずサラダ油を鍋に入れ、みじん切りにした玉ねぎを弱火で10~20分ほど焦がさないようにゆっくり炒めます。玉ねぎを飴色に炒めることが、カレーのコクと深みを生む重要なポイントです。すりおろしたニンニクと生姜、唐辛子を入れて香りが出るまで数分炒めます。
カレー粉を入れて香りが立つまで炒め、鶏肉を加えて炒め絡めます。トマトを入れてさらに炒めて酸味を飛ばし、水と塩、ジャムを入れて煮立たせます。しっかりアクを取った後、鍋にフタをして弱火で30分程煮込めば完成です。鶏肉の場合は煮込むととろみがつきますが、豚肉の場合はさらっとした仕上がりになります。
ポークカレーを作る際は、豚バラブロック肉を使用すると旨味とコクが増します。豚肉は鶏肉に比べて油分が多いため、煮込んでもとろみがつきにくく、さらっとした仕上がりになるのが特徴です。
味を決める隠し味として、ジャムやチャツネを加えると甘みとコクが生まれます。ケチャップ大さじ2杯とウスターソース大さじ1杯を加えることで、より深みのある味わいになります。ビーフコンソメキューブを2個入れると、肉の旨味が引き立ちます。
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とろみをつけたい場合は、片栗粉大さじ2杯を水で溶いて最後に加えます。あるいは、カレー粉を炒める際に小麦粉を一緒に加えて炒めると、自然なとろみがつきます。砂糖(できれば粉状の黒砂糖)大さじ2杯を加えると、まろやかな甘みが出てバランスの良い味になります。
カレー粉は未開封または開封後でもしっかり密封されている状態であれば常温保存が可能です。ただし、カレー粉にはわずかに油分が含まれており、高温で溶けてしまうと劣化につながるため、高温多湿を避けて涼しく日の当たらない収納棚に保存しましょう。
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夏場など気温が高い時期には冷蔵庫での保存がおすすめです。密閉容器に詰めてから冷蔵庫に入れれば数ヶ月単位で保存できますが、定期的に風味を確認しながら早めに使うのが良いでしょう。冷蔵庫で保存する際は結露に注意が必要で、庫内の環境によっては風味が損なわれる可能性があります。
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長期保存したい場合は冷凍保存が最適です。空気にできるだけ触れないよう、フリーザーバッグなどに入れて空気をしっかり抜いた状態で冷凍庫に入れます。冷凍しても日が経つとともにゆっくりと風味が落ちるため、時々様子を見ながら早めに使いきるようにしましょう。使用する際は自然解凍し、水分で固まっている場合は細かく砕いて使う分だけ取り出します。
カレー粉は炒め物に使うと、いつもの料理が一気にエスニック風に変身します。キャベツとウインナーのカレー粉炒めは、シンプルながら食欲をそそる一品です。もやしとウインナーソーセージのカレー炒めは、シャキシャキ食感とカレーの風味がマッチし、子供でもぱくぱく食べられます。
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揚げ物のアレンジとして、カリフラワーのカレーフリットがおすすめです。フリットの衣にカレー粉を加えるだけで、お酒のおつまみにぴったりの一品になります。この衣はズッキーニ、玉ねぎ、アボカドなどとも相性が良く、様々な食材で応用できます。
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パスタ料理にも活用でき、定番のナポリタンにカレー粉を加えたカレーナポリタンは新しい味わいを楽しめます。カレー粉は粉末なので辛さの調整も簡単で、フライパンひとつで作れるため洗い物も少なくて済みます。スープにも少量加えるだけで風味が変わり、コンソメスープにカレー粉をプラスするだけで新しい味わいが楽しめます。
参考)https://macaro-ni.jp/71659
カレー粉には多様なビタミンとミネラルが含まれています。大さじ1杯(6g)あたり、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12)、ビタミンE、ビタミンK、葉酸などが含まれており、身体の基本的な代謝機能をサポートします。
参考)カレー粉 - カロリー/栄養成分/計算
ミネラル面では、カリウム102mg、カルシウム32.4mg、マグネシウム13.2mg、鉄1.74mgなどが豊富に含まれています。特に鉄分は貧血予防に役立ち、カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあります。また、食物繊維も2.21g含まれており、腸内環境の改善に貢献します。
カレーに使用されるスパイスには、食欲増進、疲労回復、消化吸収促進、強壮、殺菌など人の健康維持に非常に役立つ効果があります。ターメリックに含まれるクルクミンには抗酸化作用があり、クミンは消化促進効果が期待できます。カレー粉は油脂が含まれていないため、カレールウに比べて低カロリー・低塩分で健康的な調理が可能です。
参考)香辛料と食文化