きのこの味噌汁具材の選び方と美味しい組み合わせ

きのこの味噌汁に合う具材の選び方や組み合わせを徹底解説。しいたけ・まいたけ・しめじなど種類ごとの特徴から、うまみを最大限に引き出すコツまで。あなたはもったいない作り方をしていませんか?

きのこの味噌汁の具材と美味しい組み合わせのポイント

きのこを「沸騰してから入れている」だけで、うまみが半分以下になっています。


この記事のポイント
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きのこは水から入れるのが正解

60〜70℃でうまみが急増するため、水から入れてじっくり加熱するだけでだしの素なしでもおいしくなります。

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組み合わせ次第でうまみが最大22倍に

まいたけは昆布だしの20倍、エリンギは22倍ものうまみ強度を持ちます。複数のきのこを合わせるとさらに相乗効果が生まれます。

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冷凍すると旨味成分がアップする

きのこを一度冷凍してから使うと、細胞壁が壊れてグアニル酸(旨味成分)が溶け出しやすくなり、味が格段に深まります。


きのこの味噌汁に合わせたい定番具材の選び方

きのこの味噌汁を作るとき、具材をなんとなく選んでいませんか?実はきのことの組み合わせには「合うもの・より効果的なもの」があります。定番具材を知っておくだけで、毎朝の一杯が格段においしくなります。


きのこの味噌汁に最もよく合う定番具材として人気が高いのが、豆腐・油揚げ・わかめ・ねぎです。豆腐はクリーミーな舌触りがきのこのうまみを受け止めてくれるため、相性が抜群です。絹ごし豆腐はやわらかくとろりとした食感で、木綿豆腐はしっかりとした噛みごたえがあり、好みで使い分けるのがポイントです。


油揚げは、きのことの組み合わせで特に人気があります。だしを吸い込んだ油揚げのじゅわっとした味わいが、きのこのうまみをより深く引き立ててくれるためです。まいたけ+豆腐+油揚げは多くのレシピで見られる鉄板の組み合わせです。つまり「きのこ+豆腐か油揚げ」が基本です。


わかめを加える場合は、きのこのうまみをさっぱりとまとめてくれる効果があります。ただし注意点が一つあります。わかめとねぎを同時に入れると、ねぎに含まれる硫化アリルがわかめのカルシウム吸収を妨げてしまいます。わかめを入れるときは、ねぎより小ねぎ(青ねぎ)を少量トッピングする形にするか、きのこと組み合わせるとよいでしょう。


玉ねぎも「きのこの味噌汁」の具材として人気が高まっています。まいたけの豊かなうまみと玉ねぎの甘みは相性抜群で、炒め玉ねぎを加えると深みのある味に仕上がります。


具材 きのことの相性 おすすめポイント
豆腐(絹・木綿) うまみを受け止める定番。高タンパクでヘルシー
油揚げ だしを吸い込む。コクと食べ応えがアップ
わかめ さっぱりまとめる。ミネラルも補給できる
玉ねぎ 甘みがまいたけと特に合う。具だくさんに仕上がる
小ねぎ・長ねぎ 風味の引き締め役。わかめ使用時は少量に
人参 彩りと甘みをプラス。食べ応えも増す


きのこの味噌汁を具だくさんにしたいときは、きのこ2〜3種類+豆腐または油揚げ+彩り野菜(人参など)の構成が基本です。これが原則です。食材が多すぎると味がぼやけるため、具材は3〜4種類を目安にしましょう。


参考:きのこと相性の良い食材について管理栄養士が解説しています。


きのこの味噌汁に使う種類ごとの特徴と選び方

「きのこ」とひとくちに言っても、しいたけ・まいたけ・しめじ・えのき・エリンギでは味・食感・栄養がまったく異なります。意外ですね。味噌汁に使うきのこを適当に選ぶと、うまみのポテンシャルを半分以下に落とすことになります。


しいたけは、きのこの中でも旨味成分「グルタミン酸」と「エリタデニン(悪玉コレステロール値を下げる成分)」を豊富に含みます。生しいたけを使う場合は石づきを切り落として傘を薄切りにすると火が通りやすくなります。軸は固いため、細かく刻んで加えるか捨てずにだし取りに使うのがおすすめです。


まいたけはうまみ強度が昆布だしの約20倍という実力派です。エリンギ出汁が22倍、ブナシメジ出汁が6.4倍であることを考えると、まいたけとエリンギを合わせるだけでだしの素がほぼ不要になることがわかります(ホクト株式会社調べ)。まいたけを煮ると汁が黒くなりますが、これはポリフェノールが溶け出ているためです。捨てずにそのまま使うのが正解です。これは使えそうです。


しめじはカリウムが豊富で(100gあたり370mg)、高血圧やむくみ対策に効果が期待できます。くせのない風味は他の具材の邪魔をしないため、複数のきのこを合わせるときのベースとして活躍します。ぶなしめじを1パック(100g程度)まるごと入れると食べ応えのある一杯になります。


えのきは疲労回復に役立つビタミンB1が豊富で、白くシャキシャキとした食感が味噌汁にアクセントを加えてくれます。細くほぐしやすく下ごしらえも簡単なため、時間がない朝の一品として重宝します。半分にカットしてそのまま鍋に入れるだけでOKです。


エリンギは食物繊維が多く、弾力のある歯ごたえが特徴です。うまみ強度も群を抜いており、単体で使っても存在感のある味噌汁が作れます。薄切りまたは斜め切りにすることで食感が活きます。


種類 うまみの特徴 注目の栄養素 下ごしらえ
しいたけ グルタミン酸豊富 エリタデニン(コレステロール↓) 傘を薄切り、軸は別活用
まいたけ 昆布の約20倍のうまみ強度 ビタミンB1・B2・ビオチン 手でほぐすだけ(洗い不要)
しめじ くせなく万能タイプ カリウム(100gで370mg) 石づきを切ってほぐす
えのき あっさり系 ビタミンB1(疲労回復) 根元を切り半分にカット
エリンギ 昆布の約22倍のうまみ強度 食物繊維・カリウム 薄切りまたは斜め切り


複数種類を組み合わせると「うまみの相乗効果」が生まれます。ホクトの実験では、80%の方が複数種のきのこから取っただしの方がうまみを強く感じたと回答しています。2〜3種類を合わせるのが基本です。


参考:きのこのうまみ成分と昆布との比較データが詳しく解説されています。


きのこで減塩!うま味のチカラ(ホクト株式会社 きのこらぼ)


きのこの味噌汁をもっとおいしくする「水から入れる」コツ

きのこを沸騰したお湯に入れていると、うまみを半分以上取りこぼしています。これは大きな損失です。きのこのうまみを最大限に引き出すには「水から入れる」のが正解で、これはきのこを販売しているホクト株式会社も公式サイトで明言しています。


きのこに含まれるうまみ成分(グアニル酸・グルタミン酸)は、60〜70℃の温度帯でゆっくり加熱されると急増します。沸騰したお湯(100℃)にいきなり入れてしまうと、この温度帯をあっという間に通り過ぎてしまい、うまみが十分に引き出せないのです。一方、水から弱火でじっくり温めると、60〜70℃の温度帯をゆっくり通過するため、うまみが存分に溶け出します。


実際の手順はシンプルです。


  1. 鍋に水(2人分で400ml目安)ときのこを入れる
  2. 弱〜中火でゆっくり加熱する(沸騰まで4〜6分かける)
  3. 沸騰に近づいたら他の具材(豆腐・油揚げなど)を加える
  4. 火を弱めて味噌を溶き入れ、沸騰直前で火を止める


この方法だと、だしの素を使わなくてもきのこ自体から天然のだしが出るため、塩分を抑えながら深い味わいが楽しめます。日本人の高血圧症患者は約4,300万人にものぼり、減塩は多くの家庭の課題です(厚生労働省)。きのこの水入れだしを活用すれば、減塩しながらおいしさを保つことができます。これが条件です。


また、味噌は沸騰させると香りが飛んでしまいます。火を止めるか、弱火にしてから溶き入れるのが鉄則です。火を通しすぎない、が原則です。


参考:水から入れるとうまみが増す理由と実験結果が詳しく掲載されています。


「お湯が沸いたらきのこを入れる」はNG!?(ホクト株式会社 きのこらぼ)


きのこは冷凍してから使うとうまみ・栄養が増す

買ってきたきのこをそのまま使うより、一度冷凍してから味噌汁に使う方が圧倒的においしくなります。これも意外ですね。冷凍すると「細胞壁が壊れる」ことで、うまみ成分(グアニル酸)が調理中に溶け出しやすくなるからです。日本きのこ学会誌の報告では、ぶなしめじなどで30%以上グアニル酸が増加した例も確認されています。


冷凍方法は非常に簡単です。きのこは水洗い不要なので、石づきを切り落としてほぐしたら、フリーザーバッグに入れて平らに並べ、空気を抜いて冷凍するだけです。冷蔵保存では3〜5日が限度のきのこも、冷凍すれば約1か月保存が可能になります。食品ロスの削減にもつながります。いいことですね。


調理するときは解凍不要です。凍ったまま水と一緒に鍋に入れ、水から加熱するだけで準備完了です。むしろ解凍してから入れると水分が抜けてしまい食感が落ちるため、凍ったまま調理するのがポイントです。


きのこ類はまとめ買いしてすぐに冷凍しておくと、価格が安い時に大量購入して節約にもなります。スーパーできのこが特売になっているときは、2〜3袋まとめて購入して冷凍しておくのが主婦の賢い使い方です。冷凍きのこミックス(しめじ+まいたけ+えのきなど)を一袋作っておけば、毎朝ひとつかみ鍋に入れるだけで具材の準備が完了します。


複数種類のきのこを混ぜて冷凍しておく「きのこミックス」は、うまみの相乗効果もあわせて得られるためとくにおすすめです。100均のフリーザーバッグでも十分対応できるため、初期投資もほとんど不要です。


参考:冷凍によるグアニル酸の増加と保存方法の詳細が解説されています。


知らないと損!きのこの冷凍保存で栄養キープ&食品ロスも防ぐコツ(さざえのジャーナル)


きのこの味噌汁で得られる栄養効果と主婦が知っておきたい豆知識

きのこの味噌汁は、毎朝の食卓に取り入れるだけで美容・健康に役立つ成分をまとめて摂れる優れた一杯です。その理由は、きのこの栄養素の多くが「水溶性」であるためで、溶け出た成分ごと汁を飲めるみそ汁は、きのこにとって最も合理的な調理法といえます。


きのこに豊富に含まれる主な栄養素を種類別に整理すると次のようになります。


- パントテン酸(しいたけ・えのき・しめじ):善玉コレステロールを増やし、皮膚や粘膜を健やかに保つ働き
- カリウム(しいたけ・えのき・しめじ・エリンギ):余分な塩分を体外に排出し、高血圧を予防する
- ナイアシン(しいたけ・まいたけ・エリンギ):血行を促進し、粘膜・皮膚の生成を助ける
- ビタミンB1・B2(まいたけ・エリンギ):疲労回復と脳の活性化をサポートする
- ビオチン(しいたけ・まいたけ):肌を健やかに保ち、白髪や抜け毛を防ぐ
- エリタデニン(しいたけ):悪玉コレステロール値と血圧を下げ、生活習慣病を予防する
- ビタミンD(しいたけ・まいたけ):カルシウムの吸収を助け、骨・歯を強くする
- 不溶性食物繊維(きのこ全般):腸のぜん動運動を促し、便秘を改善する


注目したいのが、ビタミンDは天日干しで増やせるという点です。しいたけやまいたけを使う前に1時間ほど日光に当てると、ビタミンDの量が大幅に増加します。ベランダや窓辺に置いておくだけでOKです。これは使えそうです。


また、きのこのビタミンB2は脳の働きを活性化するグルタミン酸の吸収率を高めます。そのグルタミン酸は味噌にも豊富に含まれていることから、きのこの味噌汁は「きのこのビタミンB2 × 味噌のグルタミン酸」という相乗効果が自然と得られる一杯になっています。脳の活性化が条件です。


さらに、まいたけに含まれるMXフラクションという成分は脂肪燃焼をサポートすることが注目されています。ダイエットを気にする方にはまいたけを意識的に取り入れることをおすすめします。まいたけが特に注目されるわけです。


参考:きのこの栄養成分一覧と味噌汁との相性について詳しく解説されています。