国産豚肉の価格推移と高騰の原因を主婦目線で解説

国産豚肉の価格推移が気になる主婦の方へ。2015年から2026年にかけて価格がどう変化したか、なぜ高騰するのかをわかりやすく解説。今日から使える節約術も紹介します。知らないと損するポイントとは?

国産豚肉の価格推移と高騰の原因・節約術を徹底解説

スーパーで豚こま肉を手に取るたびに値段を2度見している人は、今年だけで年間1万円以上余分に食費を払っているかもしれません。


この記事でわかること
📈
10年で約3割値上がり

2015年に100gあたり224円だった国産豚肉は、2026年1月には297円まで上昇。その背景にある複数の要因を解説します。

🐷
夏に必ず高騰する理由

猛暑・飼料高・スペイン産輸入停止など、価格を押し上げる複合要因を整理。なぜ夏になると値段が上がるのかがわかります。

💡
今すぐできる節約3選

部位の選び方・まとめ買いのタイミング・冷凍保存のコツなど、価格高騰期でも食卓を守る具体的な方法を紹介します。


国産豚肉の価格推移データ:2015年から2026年まで10年分の変化


国産豚肉(バラ肉・黒豚除く)の全国スーパー平均価格は、総務省統計局の小売物価統計調査によると2015年2月の100gあたり224円が直近11年間の底値です。その後は緩やかに上昇を続け、2022年に入ってから上昇ペースが明確に加速しました。2022年初めには243円だったものが、同年末には263円まで上がり、わずか1年で約8.6%値上がりしています。


2023年は264〜273円で推移し、2024年には270〜288円台で定着しました。そして2025年には、夏の猛暑の影響が直撃して7月には291円、9月・12月は295円前後まで上昇しています。


100gあたりの全国平均価格(バラ肉) 前年比変化の目安
2015年 224〜229円 基準値
2019年 234〜237円 +約4〜6%
2022年 243〜263円 年間で急上昇
2024年 270〜288円 +約10%超
2025年 285〜295円 最高値更新が続く
2026年1月 297円 統計開始以来の最高値


2015年との比較では、2026年1月の価格は約32.6%高くなっています。毎月600g(3〜4人家族が1週間で消費する量)を購入すると仮定すると、2015年は月あたり約1,344円だったのに対し、2026年1月は約1,782円です。つまり月438円、年間では約5,256円多く支払う計算になります。


これが「感覚的に豚肉が高くなった」という印象の正体です。


出典:国産豚肉の100g単位での全国スーパー価格推移(総務省統計局 小売物価統計調査より)


全国スーパーの豚肉100g価格推移データ(2015〜2026年)|小売物価統計調査まとめ


国産豚肉の価格が高騰する3つの主な原因

価格が上がるのには、必ず理由があります。原因を知っておくだけで、「いつ買えば少し安いか」が見えてくるので、知っておいて損はありません。


① 猛暑による供給減(夏〜秋に価格が跳ね上がる最大の要因)


豚は汗腺がほぼ退化しており、暑さにとても弱い動物です。気温が高くなると食欲が落ちて体重が増えにくくなり、本来83kg前後まで育てて出荷するところが75kgほどにしか育たないケースも報告されています。これは重量にして約1割減、つまり同じ頭数を育てても供給できる肉の量が少なくなるということです。


さらに、母豚の受胎率も猛暑で低下するため、子豚の数が減り、数ヶ月後の出荷量にも影響します。2025年7月18日には国産豚肉の卸売価格が1kgあたり948円と過去最高値を記録しました。2025年1〜4月の卸売価格が600円前後だったことを踏まえると、わずか3〜4ヶ月で1.5倍以上に跳ね上がったことになります。


夏に高騰するのが基本です。


② 飼料費の高止まりと円安


養豚のコストの約6割は飼料費です。トウモロコシや大豆を中心とした配合飼料を日本は大量に輸入しているため、円安が進むと直接的にコストが上がります。2022年からの急激な円安は、生産者の飼料費を大幅に押し上げました。農林水産省の試算では、1頭あたりの生産コストは2023年から2024年にかけて飼料費だけで前年比21.5%増加しています。


つまり、価格高騰は夏場だけでなく構造的に起きているということです。


③ スペイン産豚肉の輸入停止(2025年11月〜)


2025年11月末にスペインでアフリカ豚熱(ASF)が発生し、農林水産省は即日スペインからの豚肉輸入を全面停止しました。スペイン産は業務用の豚バラ肉として日本に大量に輸入されており、価格が安かったため加工食品や外食産業での需要が大きかった製品です。これが突然なくなったことで代替需要が国産・カナダ産などに集中し、2025年12月は輸入冷凍バラ肉がパニック的な値上がりとなりました。


この3つが今の価格高騰を引き起こしている主な要因です。


出典:猛暑による国産豚肉高騰の構造的な背景を解説した農業専門紙の論説


国産豚肉の最高値更新と養豚業界の複合的な減産要因について|日本農業新聞


出典:スペインでのASF発生と日本の輸入停止措置の詳細


スペインからの豚肉等の輸入一時停止措置について|農林水産省


国産豚肉の価格推移には「買い時のパターン」がある

多くの主婦が「安売りの日を待てばいい」と考えがちですが、実は卸売価格が季節によって大きく動く点を知っておくと、買い物の組み立てが変わります。これは意外な視点です。


スーパーの特売とは別に、季節ごとの卸売価格の波があるという事実があります。過去のデータを見ると、国産豚肉の卸売価格は夏(6〜8月)に高騰し、気温が落ち着く秋(10〜11月)以降に少し落ち着く傾向があります。ただし2025年のように残暑が長引くと秋になっても下がらないケースもあります。


一方で冬から春(1〜5月)は比較的価格が安定しやすく、スーパーの特売が出やすい時期でもあります。2026年1月時点の全国平均は297円で高止まりしていますが、これはスペイン産輸入停止という特殊事情が重なった結果です。


「冬〜春の落ち着き期に多めに購入して冷凍する」という戦略が、価格対策として有効です。


実際に価格が高い時期(夏〜秋)に合わせて100g単位の値段を確認する習慣をつけておくと、250円以下の表示が出たときに「今が買い時」と判断しやすくなります。スーパーのチラシアプリや「トクバイ」などのアプリで近隣店舗の週替わり価格をチェックする方法が手軽です。


🐷 豚肉の卸売価格や季節ごとの相場の動向を確認したい場合は、JA全農ミートフーズの市場情報ページが参考になります。


豚肉の国内市場動向・卸売価格の最新情報|JA全農ミートフーズ株式会社


国産豚肉の価格高騰期に家計を守る具体的な節約術3選

価格が下がりにくい状況が続いているなら、買い方と使い方を工夫するしかありません。3つのポイントに絞って整理します。


① 部位の選択で100gあたり40〜80円の差を活かす


国産豚肉の中でも、部位によって価格はかなり異なります。2025年末〜2026年初頭の相場感でいうと、ロースやヒレは特に仕入れ価格の上昇が激しく、飲食店が悲鳴を上げているほどです。家庭で使う場合、こま切れや肩ロースに切り替えるだけで、同じ国産品でも100gあたり40〜60円の差が生まれることがあります。


「こま切れは安いが使いにくい」と思われがちですが、炒め物・ポトフ・豚汁など汎用性は高く、調理時間も短いのがメリットです。


② 冷凍保存で特売品を最大限に活かす


豚肉をパックのまま冷凍するのはNGです。パックのまま冷凍すると空気に触れた状態が続き、冷凍焼けが起きやすくなります。正しい方法は、「キッチンペーパーで水気をふき取り→薄く平らにラップで包む→冷凍用保存袋に入れて空気を抜く」の3ステップです。


この方法で適切に冷凍すれば、こま切れや薄切り肉で3〜4週間、ひき肉で約2週間保存できます。100gあたり20〜30円安い特売日にまとめて購入して冷凍しておくだけで、月に200〜300円の節約になります。


まとめ買いと冷凍保存の組み合わせが最も効果的です。


③ 輸入豚肉と国産豚肉を上手に使い分ける


「国産じゃないと安心できない」と感じる方も多いですが、現在の輸入豚肉は衛生基準や品質管理が大きく向上しており、特にカナダ産やアメリカ産は日本の安全基準をクリアして流通しています。スーパーで国産との価格差が1.5〜2倍ある場合は、カレーや汁物など風味が混ざる料理に輸入豚肉を活用し、国産を焼き物や炒め物のメイン食材に絞るという使い分けが、家計と食べ応えのバランスをとる賢い方法です。


出典:豚バラ肉高騰の構造と輸入停止の影響をわかりやすく解説した記事


スペイン産豚肉輸入停止とアフリカ豚熱の豚肉価格への影響|プレコネクスト


「国産豚肉が安かった時代」はもう戻らない?2026年以降の価格見通し

「秋になれば下がる」という見方は、これまでの季節パターンに基づいたものです。ただし2026年以降については、その前提が崩れつつある可能性があります。


ラボバンクなど国際的な農業金融機関の分析では、中国やEUでの豚の頭数減少や疾病圧力により、2026年後半にかけて世界的に豚肉価格が上昇局面に入ると予測されています。国内でも高齢化による養豚農家の廃業が続いており、日本農業新聞は「今後も構造的に供給が減少するリスクがある」と指摘しています。


これは厳しいところですね。


一方で、価格が上がることで国産豚肉への注目度が下がり、消費者が輸入豚肉や鶏肉などに移行する動きも実際に起きています。2025年末から2026年にかけては、牛肉から豚・鶏肉への需要シフトよりも、「豚・鶏のどちらが安いか」でさらに消費が動く傾向が強まっています。


価格動向を把握しておくことが、食費管理の第一歩です。


外食産業でも、とんかつ店や焼肉店が仕入れコスト上昇に対応するために、価格を据え置きながら内容量を調整したり、産地を切り替えたりするケースが増えています。消費者としては、「値段が変わっていないから大丈夫」と安心するのではなく、内容をよく確認する姿勢が大切です。


💡 農畜産業振興機構(alic)は豚肉の需給・価格動向に関する最新情報を定期的に公表しています。定期的にチェックすることで、買い物の判断材料になります。


令和6年の食肉の家計消費動向データ|農畜産業振興機構(alic)




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