コオロギせんべい無印で売ってない本当の理由と今後

無印良品のコオロギせんべいが売ってない理由をご存じですか?製造元グリラスの破産やSNS炎上など複雑な背景を徹底解説。代替品情報やアレルギー注意点も紹介します。

コオロギせんべいが無印で売ってない理由と今後を徹底解説

エビアレルギーがない人でもコオロギせんべいでアレルギー症状が出ることがあります。


この記事でわかること
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売ってない本当の理由

製造元グリラスが2024年11月に自己破産申請。供給が途絶えて事実上の販売終了状態になっています。

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知らないと危険なアレルギー

コオロギはエビ・カニと同じアレルゲン「トロポミオシン」を含むため、甲殻類アレルギーの方は注意が必要です。

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代わりに買える商品

無印以外でもTAKEOやBugsWellなど国内ブランドから昆虫食が購入できます。選び方のポイントも解説します。


コオロギせんべいが無印の店頭で売ってない現在の状況

無印良品のコオロギせんべいをお店で探しても見当たらない、ネットストアで検索しても出てこない——そんな経験をした方は少なくないはずです。結論から言うと、2026年3月現在、無印良品の公式ネットストアで「コオロギ」と検索しても商品がヒットしない状態が続いています。


事実上の販売終了です。


ただし、無印良品から「販売を正式に終了した」という公式アナウンスは現時点では出ていません。完全な廃番宣言ではなく、いわば「供給が途絶えたまま在庫がなくなってしまった」という状況に近いのです。もともとコオロギせんべいは全国約20店舗とネットストアでの限定販売でした。店舗によって在庫の差が激しく、「入荷したと思ったらすぐ売り切れ」というサイクルを繰り返していたため、もともと入手しにくい商品ではありました。


そのため「売ってない=廃盤になった」と思い込んでいる方も多いのですが、正式には少し状況が異なります。ただ現実的には、以降でご説明する事情から、近い将来に再販される見通しは今のところ立っていません。


(グリラス破産の経緯や背景が詳しく報道されています)


コオロギせんべいが無印から消えた本当の理由——グリラス破産の真相

売ってない最大の原因は、製造元にあります。


無印良品のコオロギせんべい・コオロギチョコに使われていた食用コオロギパウダーを製造していたのは、徳島大学発のベンチャー企業「株式会社グリラス」です。このグリラスが2024年11月に自己破産を申請し、事業を停止しました。負債額は約1億5,000万円と報じられています。


グリラスは、もとは非常に順調なスタートを切っていました。2020年5月、無印良品がコオロギせんべいを発売した際、初回分は発売当日に完売。再入荷分もすぐに売り切れるほどの人気ぶりでした。この勢いに乗り、2022年にはグリラスの生産能力を6倍に増強する計画まで打ち上げていたのです。これは成功体験です。


ではなぜ破産に追い込まれたのか。大きな転換点となったのは2023年のできごとです。徳島県内の高校で、希望者を対象にコオロギ粉末を使った給食を提供したところ、そのニュースがSNS上で拡散し、想像をはるかに超える規模の炎上が発生しました。「子どもに虫を食べさせるな」「政府の陰謀だ」といった根拠のない批判が広まり、グリラスへの取引撤退が相次いだのです。


そのダメージは深刻でした。


一方で「コオロギせんべい」でタッグを組んだ無印良品は「意義のある取り組みをやめてはいけない」という姿勢で取引を続けてくれたと報じられています。しかし食品業界全体での逆風は止まらず、グリラスの経営は急速に悪化。コンビニへの展開が目前だったところで破産申請となりました。


日経ビジネス「コオロギ食、コンビニ全国展開目前で挫折 無印良品で話題も陰謀論…」


(コオロギ食ブームから破産に至るまでの詳細な経緯が解説されています)


コオロギせんべいの無印での特徴——1袋30匹分・価格190円の中身

「売ってないと聞いてむしろ興味が出た」という方のために、無印良品のコオロギせんべいがどんな商品だったか、改めて整理します。


発売は2020年5月20日。価格は税込190円で、内容量は55gでした。1袋あたりにコオロギ約30匹分のパウダーが使われていましたが、コオロギの姿は一切見えないせんべい状に仕上げられていました。見た目は普通のスナックと変わりません。それが心理的ハードルを下げる工夫でした。


味はエビせんべいに近い風味です。


これは科学的な根拠があります。コオロギはエビやカニと同じ「外骨格を持つ節足動物」に分類されます。そのため風味成分が甲殻類に近く、「言われなければコオロギとは気づかない」「上品な香ばしさがある」という実食レビューが多く寄せられました。


栄養面でも特徴があります。1袋(55g)あたりのたんぱく質量は4.6gで、脂質は1.5gと控えめです。コオロギをパウダー状にした場合の100gあたりのたんぱく質量は約60gとされており、これは牛肉・豚肉・鶏肉(同20g強)の約3倍に相当します。東京ドームの面積が約4.7ヘクタールだとすると、コオロギの養殖に必要な土地はその数分の一で済む——という環境負荷の低さも注目されていた点です。


つまり栄養価・環境負荷ともに優秀な食材だということですね。


「まずい」という声もSNSでは見かけますが、実際に食べた人の評判を見ると「想像よりおいしい」「エビせんべいみたい」というポジティブな意見のほうが多数を占めています。「特別おいしいわけではない」という声は「普通のせんべいとの差が感じにくい」という意味合いが大きく、味そのものが問題というより「190円という価格への期待値とのギャップ」が原因とみられています。


日経BP「無印良品の『コオロギせんべい』誕生秘話 日本で本格化する昆虫食」


(開発の経緯・商品の特徴・発売当時の反応が詳しく紹介されています)


コオロギせんべいを食べる前に知っておくべきアレルギーの注意点

昆虫食だからアレルギーとは無縁」と思っている方に、特に知っておいていただきたい情報があります。


コオロギには、甲殻類アレルギーの原因として知られるアレルゲンタンパク質「トロポミオシン」が含まれています。エビやカニと同じ成分です。無印良品自身も商品パッケージに「えびやカにのアレルギーをお持ちの方はお控えください」と明記していました。


これは意外ですね。


ポイントは「エビが食べられるからコオロギも大丈夫」とは必ずしも言えない点です。同じトロポミオシンでも、コオロギとエビで微妙に構造が異なるため、エビは問題なく食べられる人がコオロギでだけ反応するケースも報告されています。逆に言えば「普段エビを食べている主婦でも初めてコオロギを食べる際は少量から試す」ことが条件です。


特に、お子さんに食べさせる場合は慎重さが必要です。食物アレルギーは初回ではなく2回目以降に症状が出ることもあります。家族の既往歴を確認してから少量ずつ試すようにしてください。


コオロギせんべいを含む昆虫食が「エビせんべいに近い味」であるのは、アレルゲンが共通していることとも一致しています。おいしく食べるためにも、アレルギーの確認だけは先に行いましょう。アレルギー科や内科で食物アレルギー検査を受けておくと、より安心できます。


コオロギせんべい無印の代わりに今すぐ買える昆虫食ブランドを紹介

無印のコオロギせんべいが売ってない現在でも、昆虫食に興味を持った方が試せる商品は国内にいくつかあります。


まず知っておいていただきたいのは「昆虫食を試したい方が国内で選択肢を失ったわけではない」という点です。グリラスは破産しましたが、他にも食用昆虫を取り扱う企業は存在します。


代表的なのがTAKEO株式会社です。「昆虫あられ コオロギ」など、コオロギパウダーを使ったスナック系の商品を展開しており、Amazonなどのオンラインショップでも購入できます。ドン・キホーテの店頭でも一部取り扱いがあることが確認されています。


もう一つがBugsWell(バグズウェル)です。コオロギチョコレートなどのスイーツ系昆虫食を展開しており、こちらも公式サイトやオンラインから購入可能です。


これは使えそうです。


選ぶ際の注意点は一つだけ覚えておけばOKです。「食用として適切に管理・養殖されたコオロギを使用しているか」を確認することです。野生の昆虫には寄生虫や病原菌のリスクがあります。信頼できるブランドの製品は、養殖環境・製造工程の情報を公開していることが多いため、購入前に確認してみてください。


TAKEO公式「昆虫あられ コオロギ」商品紹介ページ


(無印の代替として試せる国内昆虫食ブランドの商品詳細が確認できます)


コオロギせんべいが「売ってない」ことで浮き彫りになった昆虫食の社会的課題

無印のコオロギせんべいが事実上売ってない状態になった背景には、単なる供給問題を超えた社会的な問題が絡んでいます。主婦の方々にとっても「食の安全」や「情報リテラシー」に直結するテーマです。


グリラス破産の引き金の一つとなったSNS炎上は、「コオロギ食は政府の陰謀」「子どもに危険なものを食べさせている」といった根拠のない情報の拡散によるものでした。実際にはコオロギパウダーは食品安全の観点からも問題のない食材として開発されており、給食での提供も希望者のみを対象にしていました。それでも誤情報が瞬く間に広がり、企業の存続に影響を与えた事実は重いです。


食の選択は自由であるべきです。


「コオロギが嫌いだから食べない」という個人の選択は完全に正当です。一方で、根拠のない情報を鵜呑みにして批判に加担してしまうことは、自分が良いと思う食品も同じ論法で排除されるリスクをはらんでいます。今後は大豆ミートや培養肉なども普及が予想される中で、「新しい食べ物」に対する情報の取捨選択は、家族の食を守る主婦にとっても重要なスキルになってきています。


世界規模で見ると、昆虫食市場は2025年から2032年にかけて年平均成長率25%以上で拡大すると予測されています(Fortune Business Insights調べ)。日本だけが逆風の中にいる間に、海外では確実に昆虫食が食卓に定着しつつあります。


国内でも今後、グリラスに代わる新たな企業が台頭し、無印良品が別の製造元とのタッグで復活するシナリオは十分ありえます。「今は売ってない」は「永遠に売ってない」を意味しません。そのときに備えて、アレルギーの有無や家族の反応を確認しておくことが、準備として有効です。


(グリラス社長が炎上から破産までの経緯を詳しく語っています)