冷凍した松茸を解凍してから料理に使うと、香りが半分以上消えてしまいます。
松茸は鮮度の落ちるスピードが、ほかのきのこ類と比べてもとくに速い食材です。常温保存では1〜2日程度しかもたず、夏場など気温が高い環境では数時間で傷むケースもあります。冷蔵庫の野菜室(約5℃)に入れても4日程度が限界で、長くても1週間が保存の上限とされています。
保存方法ごとの目安をまとめると、次のようになります。
| 保存方法 | 保存期間の目安 |
|---|---|
| 常温 | 1〜2日程度 |
| 冷蔵(野菜室) | 2〜4日程度 |
| 冷蔵(チルド・パーシャル室) | 最大1週間程度 |
| 冷凍 | 1〜3ヶ月程度 |
松茸の香りのもとである「マツタケオール」という成分は、常温放置でどんどん揮発していきます。松茸問屋のプロによると、届いた翌日には香りが目に見えて落ちてしまうとのことです。つまり、すぐ食べない場合は冷凍が唯一の選択肢といえます。
冷蔵保存するなら、野菜室よりも温度の低いチルド室(0〜1℃)やパーシャル室(-3〜0℃)のほうが適しています。チルド室が条件です。ただし2日以内に食べられない見込みなら、冷凍に切り替えるほうが賢明です。
松茸の香りが2日程度で薄れることや、冷蔵・冷凍の保存期間について、食品会社・ニチレイフーズのコラムでも詳しく紹介されています。
【松茸の焼き方と保存方法】プロ直伝!香りと味を100%楽しむ方法 - ニチレイフーズ
冷凍前の下処理を正しくやるかどうかで、解凍後の品質に大きな差が出ます。とくに「石づきをざっくり切り落としてしまう」のは最ももったいない失敗のひとつです。
石づきとは、地面に埋まっていた根元の硬い部分のことです。しいたけやえのきと同じ感覚でドンと切り落としてしまうと、食べられるおいしい部分まで捨てることになります。松茸は高価なだけに、できるだけ食べられる部分は残したいところです。
正しくは、「鉛筆を削るように」包丁を使って石づきの周囲の固い部分だけをそぎ落とします。硬い先端の汚れた部分だけを薄く削るイメージです。これだけで、松茸の可食部をほとんど無駄にせず調理に使えます。
石づき削り後の汚れの処理については、「濡れた布巾で拭く派」と「さっと水洗い派」で意見が分かれます。基本的には、松茸の香り成分「マツタケオール」は水に溶けやすい性質があるため、長く水にさらすほど香りが落ちます。拭くだけが原則です。ただし、土や砂が多く付いている天然物の場合、雑菌繁殖のリスクを考えて「ごく短時間でさっと流水に通す」のを勧める松茸問屋のプロもいます。
下処理の手順をまとめると、次のとおりです。
- 🔪 石づきの硬い部分を鉛筆削りの要領で丁寧にそぎ落とす
- 🧻 濡れた布巾やキッチンペーパーで表面を優しく拭き取る(笠は中心→外側、軸は根元→上方向)
- 💧 土汚れが多い場合のみ、流水でさっとすすいで即座に水分をふき取る
- ✂️ 料理に合わせた大きさにカットしてから冷凍する
下処理が終わったら、すぐに冷凍の工程に進みます。時間を置けば置くほど香りが飛びます。手早く進めることが条件です。
松茸問屋さんに聞いた家庭で出来るまつたけの保存方法(きのこのじかん)
下処理が終わったら、いよいよ冷凍工程です。ここでの「素早さ」と「密閉」が、冷凍後の品質を決める最大のポイントになります。
まず冷凍前にカットする大きさについてですが、丸ごと冷凍と薄切り冷凍では、後の仕上がりに差があります。丸ごとや大きめに冷凍すると、凍るまでの時間が長くかかり、その間に細胞が傷つく範囲が広がります。薄切りスライス(2〜3mm程度)にすることで、冷凍にかかる時間を短縮でき、組織へのダメージを最小限に抑えられます。これが基本です。
スライスした松茸は、1回分ずつラップでしっかり包みます。空気を押し出しながらぴったり密着させることが大切で、空気が残ると「冷凍焼け」(乾燥や酸化)が起きて品質が落ちます。
ラップで包んだら、さらにフリーザーバッグに入れて空気を抜きます。ストローで吸い出して真空に近い状態にすると、より長持ちします。さらに、フリーザーバッグの外側をアルミホイルで包んで冷凍庫に入れると効果的です。アルミホイルは熱伝導率が高いため、冷凍時間を大幅に短縮できます。金属トレーの上に置くとさらに早く凍ります。
手順をまとめると、次のとおりです。
- 🍄 松茸を2〜3mm程度の薄切りにする
- 🧊 1回分ずつラップでぴったりと空気を抜きながら包む
- 📦 フリーザーバッグに入れ、できるだけ空気を抜いて密封する
- 🔲 アルミホイルで全体を包むか、金属トレーに乗せて冷凍庫へ
- ⏱️ 冷凍後は1〜3ヶ月を目安に使い切る
急速冷凍技術による冷凍松茸についての詳しい解説は以下の参考ページでも確認できます。
急速冷凍で香りを閉じ込める!冷凍マツタケの使い方とメリット(kogasun)
冷凍した松茸を「さあ使おう」というタイミングで、多くの方がやってしまいがちなのが「解凍してから調理」です。これは高級食材である松茸の旨みを自ら捨てているようなものです。
冷凍した松茸を室温で解凍したり、電子レンジにかけたりすると「ドリップ」と呼ばれる水分が大量に出てきます。このドリップの中に、松茸の香り成分であるマツタケオールや旨み成分のグアニル酸が大量に溶け出してしまいます。解凍後の松茸はスポンジのように水っぽくなり、食感も香りも大幅にダウンします。つまり解凍はNGです。
正しい使い方は、凍ったまま直接鍋や炊飯器に入れることです。凍ったまま加熱すれば、水分と香り成分が食材の中にとどまったまま調理できます。これがコツです。
ただし一点だけ注意が必要で、丸ごと冷凍した場合(薄切りせずに冷凍した場合)は、半解凍状態にしてから切ってください。包丁で切りやすくなります。この場合の半解凍は、冷蔵庫に移して30分〜1時間程度置く方法が最もドリップを抑えられます。
冷凍松茸に向いている料理は炊き込みご飯、お吸い物、すき焼き、鍋物などです。反対に、香りと食感を生で楽しむ「焼き松茸」には向きません。焼き松茸にする場合は、冷凍前(生の状態)に調理するのが大前提です。
松茸の冷凍保存方法!解凍の必要性やおすすめレシピ2選も解説 - grape
松茸には、かさの開き具合によって「コロ(完全に閉じた状態)」「つぼみ(膨らみかけ)」「中開き(適度に開いた状態)」「開き(完全に開いた状態)」という4段階の呼び名があります。一般的に市場に出回るのはつぼみ〜中開きが多く、高値がつくのも中開きです。ただし、冷凍保存との相性という観点では、少し話が変わってきます。
冷凍保存に向いているのは、実は「開き」や「中開き」よりも「コロ」や「つぼみ」の状態のものです。理由は単純で、かさが閉じていれば閉じているほど香り成分が外に揮発しにくく、冷凍してもキープしやすいからです。意外ですね。
一方、かさが完全に開いた「開き」の状態の松茸は、香りがすでにかなり揮発しており、冷凍しても取り戻すことはできません。手に入れた松茸が「開き」だった場合は、冷凍より即日調理のほうが圧倒的におすすめです。
松茸を市場やネット通販で購入する際、「どうせ冷凍するから」と思って割安な開きのものを選ぶのはもったいない判断になります。冷凍前提で購入するなら、つぼみ〜中開きのものを選ぶと、冷凍後の料理でも松茸の香りをしっかり楽しめます。
また、冷凍保存中の松茸は1〜3ヶ月を目安に使い切ることが重要です。3ヶ月以上経過すると冷凍焼けや香り成分の揮発が進み、品質が著しく落ちます。冷凍した日付をフリーザーバッグにマスキングテープなどでメモしておくと、使い忘れを防げます。これだけ覚えておけばOKです。
松茸のかさの開き具合による品質の特徴や選び方の詳細については、料理人監修のこちらが参考になります。
焼き松茸の3カ条と松茸選びのポイント - ニチレイフーズ(日本料理「太月」望月英雄氏監修)
冷凍松茸を最もおいしく食べられる料理は、炊き込みご飯(松茸ご飯)とお吸い物の2つです。どちらも冷凍のまま使えるうえ、加熱調理中に松茸のエキスがしっかり汁に溶け出すため、冷凍によって組織がほぐれた状態の松茸の旨みを最大限に引き出せます。
🍚 冷凍松茸ご飯(4人分・目安)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 米 | 2〜3合 |
| 冷凍松茸スライス | 80〜100g |
| 薄口醤油 | 大さじ2 |
| 酒 | 大さじ1 |
| 塩 | 小さじ1/4 |
| だし(昆布だし) | 適量(水加減に合わせる) |
米を研いで水に30分ほど浸けたあと、調味料とだしを加えて混ぜ、凍ったままの松茸スライスをその上に広げて炊くだけです。松茸を解凍してから入れると、炊き上がる前に旨みが汁に溶けすぎてしまうため、必ず凍ったまま入れることがポイントです。
🍵 冷凍松茸のお吸い物(2人分・目安)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 冷凍松茸スライス | 30〜40g |
| だし(昆布+かつお) | 400ml |
| 薄口醤油 | 小さじ1 |
| 酒 | 小さじ1 |
| 塩 | 少々 |
| 三つ葉 | 適量 |
鍋にだしを沸かし、凍ったままの松茸を加えて中火で2〜3分煮ます。薄口醤油・酒・塩で味を整え、最後に三つ葉を散らして完成です。お吸い物は松茸のエキスが汁全体に広がるため、少量の松茸でも香りをしっかり感じられます。これは使えそうです。
炊き込みご飯とお吸い物、どちらも「凍ったまま入れる」が合言葉です。冷凍前にしっかりスライスしてラップで小分けにしておくと、使いたいぶんだけ取り出せて無駄がありません。秋に手に入れた国産松茸を、お正月のお雑煮やお吸い物に活用する家庭も多く、冷凍保存はまさに季節をまたいだ時間貯金ができる方法です。
冷凍松茸を使ったレシピについては、野菜ソムリエ監修の記事も参考にしてください。
冷凍なら最長3ヶ月!松茸の保存方法と選び方 - macaroni(野菜ソムリエ監修)
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