ブルーベリーを毎日食べているのに、実は「視力は1ミリも回復していない」かもしれません。
「目といえばブルーベリー」というイメージは、多くの主婦の方に定着しています。スーパーでブルーベリーを見かけると「目に良いから」と手に取る方も多いのではないでしょうか。確かにブルーベリーは目に良い食材ですが、その効果は意外なほど限定的です。
ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」という色素成分は、網膜にある「ロドプシン(視物質)」の再合成を助け、暗い場所での視力(暗順応)を改善する働きがあります。また、抗酸化作用によって目の細胞を活性酸素から守る効果も期待できます。いいことですね。
しかし、ここが重要なポイントです。新宿東口眼科医院によると、「アントシアニンを摂取しても蓄積効果はまったくなく、眼精疲労や目の病気を治したことを証明した論文も存在しない」とのこと。つまり、ブルーベリーを食べ続けても「視力そのものが回復する」という証拠はないのです。
では、どのくらい食べれば効果を感じやすいのでしょう?研究によると、効果を実感するには毎日100〜150g以上を継続して摂取する必要があるとされています。ブルーベリー1粒はおよそ2gですから、100粒前後が1日の目安です。これをほぼ毎日続けるのは、コストと量を考えるとなかなかハードルが高いですね。
ブルーベリーはあくまでも「目の補助食材」として位置づけ、他の栄養素と組み合わせるのが基本です。
新宿東口眼科医院|ブルーベリーと目の関係をわかりやすく解説した眼科公式コラム
目に良い食材の中で、現在最も注目されている栄養素が「ルテイン」です。ルテインは網膜の「黄斑部」という視力を司る中心部分に集中して存在する色素成分で、体内では一切合成できないため、食事から補う必要があります。これは必須です。
ルテインの1日の推奨摂取量は6〜10mgとされており、加齢黄斑変性症の予防には1日6mg以上が推奨されています。黄斑変性症は、日本人の中途失明原因の上位を占める深刻な目の病気です。10円玉くらいの大きさしかない「黄斑」が損傷すると、視界の中心が歪んで見えたり欠けたりする状態が続きます。
「ルテインといえばほうれん草」と思っている方も多いかもしれませんが、実は吸収率に大きな差があります。
| 食材 | ルテイン含有量(100gあたり) | 吸収率の目安 |
|------|------|------|
| ケール | 約21.9mg | やや低め(脂溶性のため油と一緒に) |
| ほうれん草 | 約4.51mg | 普通 |
| 卵(卵黄) | 少量 | 高い(約2倍以上) |
| ブロッコリー | 約1.7mg | 普通 |
重要なのは「含有量よりも吸収率」です。アメリカの研究によると、卵から摂取したルテインの血中濃度は、ほうれん草から摂取した場合の約2倍、サプリメントと比べても3倍以上高いことが確認されています。これは使えそうです。
卵はほぼ毎日食事に使いやすい食材でもあります。毎朝の目玉焼きやゆで卵を1〜2個食べるだけで、ルテインを無理なく補給できます。また、ケールやほうれん草は脂溶性のルテインを効率よく吸収するため、ごま油やオリーブオイルで炒めると吸収率が大幅に上がります。「油で炒める」が原則です。
機能性表示食品あらん|卵のルテインがサプリの3倍吸収されやすいというデータの解説
「目に良い魚」と聞くと、どの魚を思い浮かべますか?実は、眼科専門医が最もすすめる魚の1つが「鮭(サーモン)」です。鮭には目に良い2つの成分が同時に含まれているという、ちょっと特別な食材なのです。
1つ目は「アスタキサンチン」。鮭の身のオレンジ色の正体がこの成分で、強力な抗酸化作用を持っています。富山医科薬科大学眼科の研究では、アスタキサンチン5mgを1ヶ月間摂取したところ、目のピント調節力(毛様体機能)が改善されたと報告されています。ピント調節力が改善すると、スマホや本を長時間見ても疲れにくくなります。肩こりや目の奥の痛みが和らいだという報告もあり、家事や育児で目を酷使しがちな主婦にとってはうれしい効果です。
2つ目は「DHA(ドコサヘキサエン酸)」。「血液をサラサラにする」成分として有名ですが、実は網膜の神経細胞にも豊富に含まれており、視力の維持や網膜機能の改善にも貢献します。つまり鮭は「一石二鳥」の食材ということです。
アスタキサンチンは鮭以外にも、エビ・カニ・イクラなどの赤い甲殻類や魚介にも含まれています。週に2〜3回、お弁当のおかずや夕食の主菜として鮭や海老を取り入れるだけで、無理なく目の栄養補給ができます。
真鍋眼科|鮭を食べると目にどんな変化が起きるか、眼科医が詳しく解説
多くの「目に良い食べ物ランキング」では、1位がブルーベリーとされています。しかし眼科専門医・平松類先生(二本松眼科病院副院長)の著書では、「目のために毎日食べたい10の食材」の1位に挙げられているのがブルーベリーではなく「ブロッコリー」です。意外ですね。
ブロッコリーが最強食材とされる理由は、1種類の成分だけでなく複数の「目に良い栄養素」を同時に摂れる点です。ブロッコリーに含まれる目に良い成分を整理すると、ルテイン・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・β-カロテン・鉄・葉酸と、これだけの種類が揃っています。
中でも注目なのが「スルフォラファン」という成分です。近年の研究で、スルフォラファンには目の健康維持に効果的な可能性が報告されています。スルフォラファンはブロッコリーの芽(スプラウト)に特に多く含まれており、100gあたりの含有量は成熟したブロッコリーの10〜50倍ともいわれます。スーパーのサラダコーナーで手軽に入手できます。
また、ブロッコリーはビタミンCが豊富で、100gあたり約120mgと、レモンの約2倍の含有量を誇ります。ビタミンCは白内障を予防する抗酸化作用があることで知られており、加齢による目の老化を抑制する効果が期待されています。栄養の損失を防ぐには、さっと茹でるかレンジ加熱がベストです。
せっかく目に良い食材を摂っていても、「目を傷める食材」を同時に食べ続けていては意味がありません。これは知らないと損する情報です。
眼科医が最も警戒するのは「精製された炭水化物・糖質の過剰摂取」です。白米・食パン・うどん・菓子パン・清涼飲料水などは「高GI食品」と呼ばれ、食後の血糖値を急激に上昇させます(血糖値スパイク)。血糖値が急激に上がると、目の毛細血管に大きなダメージを与えます。
目の血管は非常に細く、体の中でも特に糖の影響を受けやすい部分です。糖尿病性網膜症が進行すると最終的に失明に至るのも、高血糖が目の血管を長期的に傷め続けるためです。
毎日の主食を白米や食パンだけで済ませている方は、少し工夫する価値があります。具体的な対策は次の通りです。
- 白米の代わりに「もち麦入りご飯」や「玄米」に切り替えると、GI値が下がり血糖値の上昇が穏やかになります。
- 間食を菓子やスナックから「ナッツ・ヨーグルト・果物(りんご・みかん)」に変えるだけでも効果があります。
- ご飯の前に野菜を食べる「ベジファースト」を実践するだけで、食後の血糖値上昇を抑えられます。
また、コーヒーは抗酸化作用があり目の健康に良いとされていますが、1日3杯を超えると眼圧が上がりやすくなるという指摘もあります。コーヒーが好きな方は1日3杯以内に注意すればOKです。
目に良い食材をしっかり摂りつつ、目を傷める食事習慣を見直すことが、長期的な視力と目の健康を守る近道です。目に良い食材と悪い食材の両方を知っておくことが条件です。
真鍋眼科|目に気をつけた方がいい食材(糖質・精製炭水化物)について眼科医が解説